遺留分減殺請求は弁護士に相談すべき?弁護士費用とメリット

遺留分減殺請求

相続法改正(2019年7月1日施工)に伴い、遺留分減殺請求は遺留分侵害額請求として名称・制度内容が変更となりました。詳細は下記をご参照ください。このページでは2019年6月30日以前に発生した相続における遺留分減殺請求について解説しています。

多くの方が正しく理解できていない、もしくはその存在すら知らない「遺留分」について解説し、遺留分減殺請求がどんなものなのかが理解できます。

また、遺留分減殺請求を解決する上での弁護士の必要性、相談・依頼した場合のメリットについても触れ、どうしても気になってしまう費用についても紐解いていきます。

遺留分減殺請求とは?

みなさんは遺留分減殺請求(いりゅうぶんげんさいせいきゅう)という言葉をご存じでしょうか?あまり耳にしない言葉である上に、読み方も少し難しいものとなっています。知らない方は、ついつい「げんさつ」などと呼んでしまいがちです。

遺留分減殺請求とは、簡単に言えば侵害された遺留分を侵害した相手に請求することです。

では、そもそも遺留分とはどんなものでしょうか?

遺留分ってどんなもの?

遺留分とは、相続人が最低限相続できる範囲のことです。
実は、法定相続人(法律上相続人になる方)には、最低限の相続が認められています。

たとえば、法定相続人が被相続人(亡くなった方)の配偶者とその子どもであった場合、通常は、配偶者と子どもが2分の1ずつ相続します。これを「法定相続分」といいます。

相続には遺族の生活保障の意味もある

ところが、被相続人がまったくの第三者に「全財産を相続させる」といった内容の遺言が見つかった場合、配偶者とその子どもは一切財産を相続できなくなります。

しかし、相続というのは、本来、残された遺族の生活を保障するための制度でもあります。それにも関わらず、全財産を他人に相続されては生活保障どころではありません。

最低限相続できる範囲が遺留分

こういった事態を想定し、法定相続人には遺留分として法定相続分の2分の1(法定相続人が父母の場合は3分の1)が遺留分として認められています。
上記の例でいえば、配偶者とその子どもに全財産の4分の1の遺留分が認められているということ。この最低限相続できる範囲が遺留分というわけです。

遺留分減殺請求は弁護士に相談すべき?

では、この遺留分減殺請求は弁護士に相談すべきなのでしょうか?

単に、自身の遺留分を請求するだけであれば、わざわざ弁護士に依頼せずとも済んでしまうような気もします。しかし、いったん相続財産が他者に渡っているとなると簡単に取り戻すことはできませんし、金額で揉めたとなると場合によっては法的手段に着手しなければ遺留分を取り戻せないケースも存在するのです。

お金が絡む問題である以上、簡単には解決できないケースがいくつも存在します。遺留分減殺請求は一般の方が思っている以上に、複雑で煩雑な手続きなのです。

遺留分減殺請求を弁護士に相談・依頼するメリット

となれば、弁護士に遺留分減殺請求を相談・依頼するメリットは十分です。具体的には、以下のようなメリットがあると言えます。

1.不安が解消される

弁護士は法律問題解決のプロです。
遺留分減殺請求も当然、法律という視点から解決への糸口を模索してくれます。
それだけでなく、自身の状況や立場、相手との関係性などを入念に聴取した上で手続きへと臨むため、不安が解消されるという大きなメリットがあります。不安に苛まれながら手続きに臨んでいると、相手にそれを利用され、不本意な結果になりかねません。

弁護士がついているというだけで、精神的な支えになってくれます。

2.相手と直接話す必要がない

弁護士というのは、代理人といって本人の代わりに手続きを行うことが認められています。ということは、相手との話し合いをすべて弁護士に任せることも可能ということ。

たとえば、遺留分減殺請求の相手が今までまったく関わったことのない相手だった場合は、どうしても気まずくなってしまいますし、逆に親族といった場合は、話し合いが白熱してしまい冷静さを失ってしまう自体も想定されます。一方で、弁護士であれば冷静に状況を分析し、私的な感情にとらわれず話し合いを進められるメリットがあるのです。

相手と直接話したくない事情がある場合は、弁護士に依頼すべきと言えます。

3.法的手続きによる解決も可能

遺留分減殺請求が難航した場合、話し合いだけではどうにも解決できない自体になることも当然あります。となれば、法的手続きである裁判や審判、または、その前準備として調停といった手続きを利用しなければならない場合は当然あります。

弁護士が介入していれば、こうした手続きへの移動もスムーズに行うことが可能です。もちろん裁判所に提出する書面の作成、必要書類の取得もサポートしてもらえます。法的手続きによる解決が選択肢の1つになるというのは、まさにメリットと言えます。

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弁護士費用がどうしても心配・・・

上記のように、遺留分減殺請求において弁護士への相談は多大なメリットがあります。しかし、弁護士と聞くとどうしても気になるのが費用についてです。

高額請求されてしまうのでは?といった心配をされる方も多いのではないでしょうか。

弁護士費用の種類と相場について

さらに、単に弁護士費用といってもいくつか種類があるため、清算時に勘違いしないためにも種類については事前に必ず把握していなければなりません。そこで、今回は弁護士費用の種類と相場についてもご説明していきます。

1.相談費用

弁護士に相談する場合、相談に対する費用が発生します。
これを一般的に「相談費用、相談料」といい、30分5000円程度が相場です。しかし、昨今では無料法律相談を実施する相談窓口や弁護士事務所が増えてきたため、費用をかけずに弁護士に相談することはめずらしくなくなりました。

無料で相談できる窓口は、市区町村役場や各地にある弁護士会、後は弁護士事務所単位で無料法律相談を実施しているところもあります。

2.着手金

弁護士が事件に着手した際に支払うお金を「着手金」といいます。
遺留分減殺請求の場合、請求する金額にもよるため相場といってもあまり正確な金額を引き出すことができませんが、一般的な家事事件である場合、着手金は10~30万円程度が相場となっています。着手金について注意したいのは、着手に対して支払うお金であるため、結果がどうあっても原則、返金はされないという点です。

3.成功報酬

弁護士が介入し、最終的に事件が解決した場合、遺留分減殺請求でいえば、遺留分の返金を受けることができた場合に発生するのが「成功報酬」です。成功報酬を算定する場合は、「経済的利益の○%」といった形式をとっている事務所が多いです。ここでいう経済的利益とは、遺留分減殺請求によって取り戻した金額になるのが一般的です。

たとえば、経済的利益の10%が成功報酬で、遺留分減殺請求によって300万円の取り戻しに成功したとなれば、30万円が成功報酬になるということ。なお、%については請求する金額によって前後するため、依頼前は必ず確認しておくようにしましょう。弁護士へ支払う報酬は、依頼前確認が原則です。

自分に合った弁護士を探そう

上記のように、弁護士費用というのは事前に必ず確認しておくべきです。

依頼する上で、委任関係や報酬が曖昧で書面などを交わさない弁護士には注意が必要です。
とはいえ、現在、弁護士というのは本当にたくさんの人数がいます。少しでも曖昧、または、自分には合わないと思えば、その弁護士に依頼する必要はありません。無料法律相談などを利用し、多くの弁護士に相談してみることで、自身の状況を理解してくれる、費用についても明瞭である、といった弁護士に依頼しましょう。

失敗できない、失敗したくない手続きだからこそ、弁護士に相談・依頼する価値があります。自分に合った弁護士を探すことは、事件解決の上で非常に重要なのです。

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