先払い買取現金化はヤミ金?その仕組みと違法業者の特徴

ブランドバッグ買取を装う悪質業者
先払い買取とは、中古品の買取代金を振り込んだ後に、利用者に取引をキャンセルさせて、高額の手数料を請求する手法です。

商品の買取サービスを装っていますが、実際はお金を貸して違法な高金利を請求する闇金の手口なので、注意が必要です。

そこで今回は、先払い買取がどのような仕組みになっているかや、違法業者の特徴などを解説します。

先払い買取とは?違法性の有無

先払い買取とは、中古品の買取をしているように装ってお金を貸し付けて、後でキャンセル料や手数料などの名目で違法な金利を回収する行為です。先払い現金化と呼ばれることもあります。

先払い買取の業者は、インターネットのホームページ等では、スマートフォンやブランド品、商品券などの買取を謳っています。
しかし、実際にはモノの買取を行わず「画像の送付」を先払いの条件とするケースが横行しています。

実際の買取を伴わない取引で送金・違約金請求を行う悪質業者が横行

悪質業者は、利用者に(実際には利用者が持っていない)売却するモノの画像を送らせ、そのモノの買取代金を先払いとして利用者に送金します。
利用者は、その後、売買契約のキャンセルし、買取代金+違法な金利の違約金の支払いを求められます。

先払い買取は実質的には違法な金利による貸し付けであるにもかかわらず、そうでないように装うものであり、利息制限法や出資法などの法令に違反する行為といえます。

先払い買取の手続きの流れ

先払い買取の事例
引用:金融庁【商品の買取りをうたって高額な違約金を請求する悪質な業者にご注意ください!~いわゆる「先払い買取」現金化 に要注意~】

先払い買取のスキームについて、流れを具体的にまとめると以下のようになります。

  1. 申し込みをする
  2. 買取を希望する品物の写真を送る
  3. 審査が行われる
  4. お金が振り込まれる
  5. 取引のキャンセルをする
  6. 現金の返済と手数料を要求される

申し込みをする

まず利用者が個人情報を記載したうえで、LINEなどのSNSやホームページなどから、買取の申し込みをします。

買取を希望する品物の写真を送る

買取を希望する商品の写真を送りますが、買取は偽装に過ぎないため、インターネットに落ちている写真でも問題ないと言われる場合があります。

審査が行われる

先払い買取の業者による審査が行われますが、実際は本人確認や勤務先の把握など、返済の担保としての確認に過ぎません。

お金が振り込まれる

審査が終わると、業者からお金が振り込まれます。商品の買取代金という名目ですが、実際は闇金による融資です。

取引のキャンセルをする

利用者は名目上の買取の取引をキャンセルすることを要求されます。

現金の返済と手数料を要求される

業者が振り込んだ現金とともに、キャンセル料や手数料などの名目で、高額な支払いを要求されます。

取引のキャンセルを装っていますが、実際は融資したお金の返済と、高額な金利の請求に過ぎません。

先払い買取業者の特徴

買取の先払いを装って、実際は違法な融資ビジネスを行っている先払い買取業者の特徴としては、以下のようなものが上げられます。

「LINE完結」・「ブラックOK」など手軽さをアピール

先払い買取業者の中には、「LINEだけで手続きを完結できる」、「ブラックでもOK」などと謳って、手軽さをアピールする業者も存在します。

いかにも手軽で利用しやすそうに見えますが、それは業者が仕掛けたイメージに過ぎないので、騙されないように注意しましょう。

現物売買のフリをして「お金を借りられない人」をターゲットに

違法な先払い買取の特徴は、現物売買を装うことで、お金を借りれない人をターゲットにすることです。

通常の方法でお金を借りれない人であれば、高い金利であっても我慢して利用する可能性が高いので、悪質な業者にとっては美味しい相手になるからです。

先払い買取を利用する場合のリスク

先払い買取を利用してしまうと、様々なリスクがあるので要注意です。

先払い買取にどのようなリスクがあるのかを、項目ごとに確認していきましょう。

高額なキャンセル料を請求される

先払い買取を利用してしまうと、高額なキャンセル料を請求されます。

買取額の一般的な目安は1万〜5万円ですが、実質的な金利であるキャンセル料は、買取額の5割という高額に設定されている場合もあるので、要注意です。

実質的な貸金業で違法性がある

先払い買取は実質的には貸金業であり、キャンセル料という名目で違法な高金利を取ろうとする点で、違法性のある行為です。

お金を貸して金利を取る場合、利息制限法や出資法によって上限が決まっており、上限を超える金利を取ることは違法行為にあたります。

執拗な取り立てに合う可能性

先払い買取業者を利用すると、高額な手数料やキャンセル料を名目に、執拗な取り立てをされる可能性があるので注意しましょう。

支払いが滞ってしまうと、異様な回数の電話・メールによる催促をされたり、家族や職場に連絡されたりなど、闇金特有の取り立てをされる可能性が高いのです。

個人情報を抜かれるおそれも

先払い買取を利用するには、事前審査という形で、氏名・生年月日・勤務先などの個人情報を提供しなければなりません。

しかし、悪質な先払い買取業者の場合は、個人情報を担保以外に悪用する可能性があるのです。

悪質な先払い買取業者が逮捕されるケースも

2023年1月、先払い買取のサービスを装って不当な貸付を行った容疑で、東京の自称会社役員らが茨城県警に逮捕されました。

逮捕された理由は、無登録で営業していたことによる貸金業法違反と、異様な高金利で貸付を行っていたことによる出資法違反です。

業者の手口は、スマートフォンなどを用いた先払い買取サービスに顧客を誘導し、実質的に現金を貸し付けた後、貸付の利息を違法に享受する方法でした。

先払い買取はヤミ金と同じ?

先払い買取の業者の多くは、闇金業者が警察の摘発を免れるために偽装したものに過ぎません。

実質的には闇金業者と同じであることから、先払い買取の手続きも闇金の手口に類似しているのです。

現金を必要とした人に自分で申し込ませる

闇金においては、融資を必要とする人にまず申し込みをさせます。その後、簡単な審査を経た後に融資が行われます。

先払い買取も同様に、現金を必要とする人に自分で申し込ませるのが特徴です。

法外な手数料を請求してくる

闇金は融資をした後に、利息制限法や出資法などの法令に違反する高額な金利を請求してきます。

一方、先払い買取の場合はキャンセル料や手数料などの名目で、法外な金額を請求します。

キャンセル料や手数料はあくまで名目であり、実際は闇金の高額な金利が形を変えたものに過ぎません。

ヤミ金と同じスキームで、違法業者の可能性を否定しづらい

先払い買取の手口は基本的に闇金と同じであり、実質的な融資をした後に、法令違反の高額な手数料を要求するものです。

先払い買取の被害を防ぐための最善の方法は、そもそもサービスを利用しないことと言えるでしょう。

違法な先払い買取業者の特徴

違法な先払い買取サービスを行っている業者には、いくつかの特徴があるので解説します。

貸金業登録に関する情報が明示されていない

違法な先払い買取業者の特徴は、貸金業登録に関する情報が明示されていないことです。

通常の貸金業者は法令に基づいて貸金業登録をしていますが、違法な先払い買取業者は登録をすることができないので、情報が明示されていません。

古物商では不要な個人情報を求めてくる

違法な先払い買取業者の特徴の一つは、古物商としては不要なはずの個人情報を要求してくることです。

高額の手数料を回収するために、氏名や住所だけでなく、中古品の買取には関係のない勤務先や保証人などが要求されます。

キャンセル料・手数料の金利が異常に高い

違法な先払い買取の特徴は、キャンセル料や手数料の金利が異様に高いことです。

通常の中古品の買取の場合、取引をキャンセルしたとしても、高額なキャンセル料や手数料は発生しないので注意しましょう。

先払い買取業者の利用で借金を負った場合

先払い買取業者を利用して借金を背負ってしまった場合、まずは弁護士に相談することをおすすめします。

弁護士に相談すると、相手との契約を取り消したりなどの解決につながる可能性が高まるからです。

商品の買取を伴っていなければヤミ金として契約取消も視野に

商品の買取が伴わない場合、実質的には闇金による貸付であるとして、契約の無効や取り消しを主張できる可能性があります。

ただし、法的に適切な主張や手続きをするために、まずは弁護士に相談したうえで対策を講じることをおすすめします。

注目!

先払い買取による借金にお悩みなら弁護士に相談を!

悪質業者による請求や取り立てにお悩みの場合、弁護士にご相談ください。債務の問題と合わせて取るべき対応がクリアになります。

まとめ

先払い買取とは、中古品の買取という名目でお金を振り込んだ後に取引をキャンセルし、高額な手数料を請求する手法です。

買取は虚偽であり、実際は違法な高金利を請求する闇金の手口なので、サービスを利用しないように注意しましょう。

もし先払い買取を利用してしまった場合は、弁護士に相談したうえで、契約の取消などの対策を検討することが重要です。

借金で困った場合はまず弁護士に相談を

また、先払い買取を利用してしまう程、支払いや借金の返済で困った場合には、まずは弁護士に相談することをおすすめします。

弁護士に相談すれば、違法な金利を請求する契約を取り消したり、借金を無理なく返済したりなどの解決につながりやすいからです。

自分だけで解決しようとすると、状況がさらに悪化する可能性もあるので、無理をせず弁護士に相談しましょう。

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