過払い金とは?対象になる人・いくら戻るかと請求の注意点を解説

過払い金請求は、利息制限法の上限金利を超えて支払ったお金を貸金業者などから返してもらう法律で認められた権利です。
借金返済で払い過ぎたお金が戻ってくるという明確なメリットがある一方、過払い金請求を行うことで発生するデメリットもいくつかあります。
すべてのデメリットを把握した上で、自分だけの独力で手続きを進めることはなかなか困難です。無理せず弁護士や司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。
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過去に消費者金融などで借金をし、10年以上返済をしていた方は過払い金が発生している可能性があります。
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過払い金とは~払いすぎた利息が戻る仕組み
過払い金とは利息制限法の上限金利(15~20%)を超えて貸金業者に払いすぎていた利息のことです。
民事法的には、利息制限法で定められた上限金利を基準として、それを超えて支払った分を指します。
2010年6月17日以前に消費者金融やクレジットカードのキャッシングで借入れをし、完済から10年が経っていない人は、払いすぎた利息を「過払い金返還請求」で取り戻せる可能性があります。
過払い金が発生する仕組み(グレーゾーン金利)
金利は、「出資法」「利息制限法」という2つの法律によって規制されています。
以前は、この出資法と利息制限法それぞれの上限金利には以下のような差がありました。
出資法と利息制限法 法改正前の上限金利
- 出資法:29.2%
- 利息制限法:貸付額に応じた15~20%

法改正以前は、この上限金利の差にあたる部分、いわゆるグレーゾーン金利を採用して貸付を行っている貸金業者が多数ありました。
平成18年(2006年)1月13日の最高裁判決により、このグレーゾーン金利にあたる利息支払いが事実上無効と判断され、過払い金返還請求が広く行われるようになりました。その後、2006年12月に成立した改正貸金業法が2010年(平成22年)6月18日に完全施行され、出資法の上限金利も29.2%から20%へ引き下げられて、グレーゾーン金利は撤廃されました。
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過払い金が戻る可能性が高い人の条件

次の2つにあてはまる人は、過払い金返還請求を行える可能性が高いです。
- 2010年6月17日以前に借金の借り入れをしたことがある人
- 借金の完済から10年以内の人
払いすぎたお金は、本来なら完済しているはずの返済を超えて支払っていた分です。長く高い金利で取引していた人ほど、戻る可能性が高くなります。
過払い金返還請求の対象になる借金・ならない借金
返還請求が行える過払い金が発生するのは、利息制限法の上限金利(借入額に応じて15~20%)を超える金利で借りていた場合です。
当時こうした高い金利での貸付が多かったサービスとしては、次のものが挙げられます。
- 消費者金融・カードローン
- クレジットカードのキャッシングサービス
一方、住宅ローン、自動車ローン、奨学金など、一般的に15%以下の低金利な貸付を行うサービスは、過払い金返還請求の対象外です。
過払い金請求の3つのデメリット
過払い金請求の主なデメリットは、「完済前に請求すると信用情報に登録される」「自力では交渉や計算の負担が大きい」「書類の郵送で家族に知られる可能性がある」の3点です。いずれも、完済後の請求や専門家への依頼で避けたり軽くしたりできます。

完済前の請求は信用情報に登録される(任意整理扱い)
過払い金返還請求の一番のデメリットは、借金を完済しないで行うと信用情報機関に事故情報が登録されてしまうことです。信用情報機関に登録されると新規の借入やクレジットカードの作成ができなくなるなど、様々なデメリットが生じます。
過払い金請求を行って借金が残ると債務整理と同様の扱いに
借金を返済中に過払い金返還請求を行った結果、借金が1円でも残った場合には、債務整理をした場合と同じ扱いになります。
この場合には、信用情報機関に事故情報が登録されるため注意が必要です。
また、貸金業者によっては、借金の返済中に過払い金返還請求をした場合、債務整理と同様の扱いで一時的に事故情報を信用情報機関に登録することがあります。
このケースでは、手続き完了後に事故情報は削除され完済扱いに変更されるため、最終的に大きな影響が出ることはありません。
ただし、登録期間中にクレジットカードの更新時期が来た場合、更新に失敗する可能性があるなど、一時的な影響が出るおそれはあります。
完済後の請求なら信用情報に登録されない
債務の完済後に過払い金返還請求を行う場合には、事故情報は信用情報機関に登録されません。
ただし、クレジットカードのキャッシング枠は完済していてもショッピング枠に残債があるなど、完済したと思い込んでいて実は残債があるケースも否定できないため、よく確認した方が良いでしょう。
請求した貸金業者からの再借入はできない(社内ブラック)
債務を完済した後の過払い金返還請求であれば信用情報機関に登録されることはありません。ただし、その場合でも、請求先の貸金業者内のリストには「社内ブラック」情報が登録される可能性が高く、その業者で再び借入をするのは難しいと考えておいた方が無難です。
信用情報に登録されたときの影響(新規借入・各種ローン審査)
それでは、信用情報機関に登録されると、どのようなデメリットがあるのでしょうか。事前に把握しておきましょう。
新規の借入やカード作成は困難
信用情報機関に登録されると新規の借入やクレジットカードの作成をすることは困難です。事故情報の登録期間は、各信用情報機関にもよりますがおよそ5年間とされています。この間は貸金業者やカード会社が信用情報機関に照会をかけると事故情報が見つかるため、新たな借り入れやクレジットカードの作成は難しいのが現状です。
ローンも組めなくなる
住宅ローンをはじめとした自動車ローン、教育ローンなどの各種ローンも信用情報機関に登録されると審査に通る可能性が極めて低くなります。
事故情報登録期間の約5年が過ぎるまではローンを組むことは諦めておいた方が良いでしょう。
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自力での手続きは交渉・引き直し計算の負担が大きい
過払い金返還請求は、素人では難しい手続きもあるため経験豊富なプロに任せた方がスムーズに進めることができます。債権者側に言い分を押し切られることなくできるだけ多くの過払い金を回収するためにも、過払い金返還請求は弁護士などの専門家に依頼するのがベストです。
過払い金返還請求を自力で行う難しさとは
過払い金返還請求は債務整理手続きと同様に自分で行うこともできます。ただし、利息の引き直し計算に時間を要したり債権者との和解交渉で揉めたりするデメリットが生じるのも事実です。
利息の引き直し計算は細かい計算が面倒
過払い金の引き直し計算は決して難しいものではないものの、細かい計算をしなくてはならないため苦痛に感じる方も少なくありません。インターネット上の無料計算ソフトをダウンロードするのも手ですが、弁護士に計算を依頼するのがよいでしょう。
和解交渉は債権者のペースになりがち
債務者が自力で和解交渉を進めようとすると、債権者は実際の過払い金よりも低い金額を呈示してくる可能性が高いです。素人相手には強気の交渉をしてくる債権者も多いため、高額での過払い金返還を希望する場合には弁護士などの専門家に依頼するのがおすすめです。
書類の郵送で家族に知られる可能性がある
自分で過払い金返還請求をする場合には、債権者との書面上のやりとりも自ら行うことになります。書類は自宅に直接送られてくるケースが多いため、家族に内緒で借金をしていても知られてしまう可能性が高くなります。
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過払い金はいくら戻るか(目安と引き直し計算)
過払い金がいくら戻るかは、「いつ・どこから・いくら借り、どれだけ返済したか」で決まります。実際の支払額を利息制限法の上限金利で計算し直す「引き直し計算」で金額が確定し、長く高い金利で取引していた人ほど戻る金額は大きくなります。
過払い金の目安と引き直し計算の考え方
過払い金の額は、これまで実際に支払った利息と、利息制限法の上限金利で計算し直した利息との差額です。借入期間が長く金利が高いほど差額は大きくなります。正確な金額は、貸金業者から取引履歴を取り寄せ、一件ずつ計算し直して初めて確定します。
引き直し計算を自力でやる場合の注意点
引き直し計算は自分で行うこともできますが、取引履歴の取り寄せや、利率区分・端数処理など細かい作業が必要です。計算を誤ると本来より少ない金額で請求してしまうおそれがあるため、金額に不安がある場合は専門家に確認してもらうのが安全です。
無料計算ツールと弁護士依頼の使い分け
おおまかな目安を知るだけなら、無料の過払い金計算ソフトを使う方法もあります。ただし、最終的な金額の確定や債権者との交渉まで含めると、実績のある弁護士などの専門家に依頼した方が、結果的に多くの過払い金を取り戻せるケースが多いといえます。
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過払い金請求で失敗しないための注意点
過払い金請求では、「完済から10年で時効になる」「借入先が今も存在するか」「甘い宣伝をする業者に注意する」の3点を押さえておくと失敗を避けられます。
過払い金返還請求には完済から10年の時効がある
過払い金返還請求の権利には消滅時効があり、原則として取引の終了(完済)から10年が経つと行使できなくなります。時効が迫っている場合は、弁護士などに依頼して迅速に手続を進めることが大切です。
過払い金返還請求権の時効の起算日は、過払いが発生した日か債務を完済した日かで判断が分かれていましたが、2009年に最高裁が「取引が終了した時点から進行する」と判断しました。これにより、過払い金返還請求の時効は、原則として取引の終了から10年と定められています。
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借入先が今も存在するかの確認(倒産・合併した貸金業者)
過払い金返還請求は、借入をしていた全ての債権者にできるとは限りません。最高裁が過払い金の返還請求を認めて以降、依頼者が急増し、その支払いに追われて倒産した貸金業者もあります。合併等で会社名が変わっている場合もあるため、まずは借入をしていた貸金業者が現在も存在しているかを確認しましょう。
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「必ず戻る」とうたう広告・業者に注意
「誰でも過払い金がある」「必ず取り戻せる」といった断定的な宣伝には注意が必要です。過払い金は、借入の時期や金利によっては発生しないこともあり、必ず戻るとは限りません。相場よりも著しく高い報酬を提示する、契約を急がせる、といった業者も避けた方が安全です。依頼先を選ぶときは、正規の弁護士・司法書士か、費用の内訳が明確に示されているかを確認しましょう。
過払い金が発生しないケース(金利改定後の借入など)
多くの貸金業者は、グレーゾーン金利の撤廃に向けて2007年前後に金利を引き下げました。そのため、金利改定以降の借入は過払い金が発生している可能性は低いです。また、改定前の時期に借りていても、利息制限法で定められた金利の範囲内で借り入れをしていた場合には、過払い金は発生しません。
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過払い金請求を弁護士に依頼すべき理由と費用
自分で過払い金返還請求を行うと、手間や時間がかかるほか債権者のペースで交渉が進んでしまう恐れがあります。できるだけ多くの過払い金を返してもらうためにも、交渉ごとや手続の一切を弁護士などの専門家に依頼した方が良いでしょう。
自力より回収額が増える理由(交渉・引き直し計算)
過払い金返還請求での債権者との和解交渉は、経験がものを言います。引き直し計算や交渉に慣れていないと、実際より低い金額で和解してしまうこともあります。過払い金返還請求の実績が多くある弁護士などの専門家に依頼することで、より高額な過払い金を取り戻せるでしょう。
過払い金返還請求の弁護士・司法書士費用の相場と無料相談
「費用が高くつくのでは」とためらう方もいますが、過払い金返還請求の費用は思ったほど高額ではありません。費用は主に「着手金」「報酬金」「実費」に分かれ、目安は次のとおりです。
- 着手金:債権者1社につき2~3万円程度。完済後の請求では着手金を無料とする事務所も多く、分割払いに対応する事務所もあります。
- 過払金報酬金(成功報酬):取り戻せた過払い金に対し、和解(示談)で20%まで、訴訟で25%までが一般的な上限です。
- 解決報酬金・減額報酬金:解決報酬金は消費者金融1社あたり2万円以下、返済中の借金を減らせた場合の減額報酬金は減額分の10%以下が目安です。
これらの上限は、2011年に日本弁護士連合会が定めた「債務整理事件処理の規律を定める規程」に基づくものです。相場を大きく超える報酬を提示したり、委任契約書に報酬額を明記しない事務所は避けましょう。着手金や相談を無料にしている弁護士・司法書士事務所も多いため、まずは一度相談してみることをおすすめします。
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まとめ
過払い金は時効前に弁護士へ相談を
過払い金とは、利息制限法の上限を超えて払いすぎた利息のことで、2010年6月17日以前に消費者金融やキャッシングで借入れをし、完済から10年以内の人は取り戻せる可能性があります。完済前に請求すると一時的に信用情報へ登録されるなどのデメリットはありますが、完済後の請求や専門家への依頼で避けられるものがほとんどです。
注意したいのは、完済(取引終了)から10年で時効になる点です。時効が迫っている場合は早めの手続きが必要になります。引き直し計算や債権者との交渉は負担が大きく、自力では本来より少ない金額で和解してしまうこともあります。払い過ぎたお金をしっかり取り戻すために、まずは過払い金返還請求の実績がある弁護士や司法書士に相談してみましょう。
関連動画
また、公式Youtubeチャンネルではここまで解説した過払い金請求について、図解を交えてわかりやすく解説した動画を公開しておりますので、あわせてご参照ください。
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