アンケート調査で見えた離婚経験者のリアル<総合編>離婚を考えた女性、5人に1人が1年以内で離婚!
「もう無理!離婚したい!」
そんな考えがふと頭の中に浮かんだら、最初にやるべきことは実態調査です!
まずは経験者の体験談を読んで、自分の状況に当てはめながら冷静に判断することが大切。
離婚は人生を大きく左右する重大イベントですから、入念な下調べのもと計画的に動くことが、長期的な幸せに繋がるでしょう。
そこで今回は、離婚弁護士相談広場 編集部が実施した「離婚経験に関するアンケート調査」の結果をご紹介します。
夫のが原因で別れた20代~50代までの離婚経験女性142名を対象に、離婚について様々な角度から掘り下げていきます。
離婚経験に関するアンケート
実施:離婚弁護士相談広場 編集部
回答方法:Webアンケート調査
調査日時:2020年09月11日 ~ 2020年09月14日
調査対象:夫が原因で別れた20代~50代までの離婚経験女性
回答者数:離婚経験のある女性 142人/149人
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離婚原因1位は「性格の不一致」!借金・浪費・不倫なども多い
まずは、離婚経験者の女性たちが、どのような理由で離婚に至ったのかを見ていきましょう。
1 | 性格の不一致(意見の相違・愛情が冷めた・一緒にいたくない) | 53.52% |
---|---|---|
2 | 経済的理由(借金・浪費・働かない・生活費を渡さない等) | 30.99% |
3 | 夫の不貞行為(浮気・不倫など) | 24.65% |
4 | 精神的な暴力・ストレス(モラハラ行為やいやがらせ、自由の束縛など) | 19.72% |
5 | 親族との関係(姑問題など) | 14.08% |
6 | DVなどの暴力行為 | 13.38% |
7 | 子どもの問題(子育てへの協力や教育方針など) | 13.38% |
8 | 家庭生活に問題がある(家事をしない・無視するなど) | 11.97% |
9 | 性の問題(セックスレスなど) | 9.86% |
10 | その他 | 4.93% |
アンケート調査によると、もっとも多かったのが「性格の不一致(意見の相違・愛情が冷めた・一緒にいたくない)」(53.52%)。
次いで、「経済的理由(借金・浪費・働かない・生活費を渡さない等)」(30.99%)、「夫の不貞行為(浮気・不倫など)」(24.65%)となりました。
“浮気・借金・暴力”などのように片方に明らかな落ち度(有責性)がある場合でなくても、離婚経験者の半数以上が「性格・価値観が合わない」「愛情が冷めた」ことを理由に別れを選択しているようです。
なお「精神的な暴力・ストレス(モラハラ行為やいやがらせ、自由の束縛など)」(19.72%)と「DVなどの暴力行為」(13.38%)では、前者の方が上回っていることも印象的です。
肉体的暴力よりも精神的暴力の方が、加害者が自覚しにくく、ハードルが低いのかもしれません。
離婚までにかかったのは「3年以上」が最多!長期・短期の二極に分かれる
では、離婚を考えはじめてから実際に離婚届を提出するまでにかかった期間は、どれぐらいなのでしょうか?
もっとも多いのは、「3年以上」(21.13%)。
次いで、「半年~1年以内」(19.72%)、「1年~3年以内」(16.2%)でした。
半年以内で離婚できた人は約42%
しかしこれは、期間を細かく分類した場合の集計結果です。もう少し全体をざっくり見てみると、「半年以内」で離婚できた人が全体の42.95%。
短期間でスッパリ離婚できる人と、何らかの理由で長期化する人の両極端に分かれていることが伺えます。
女性側が離婚を決意したとしても、原則として配偶者からの同意が必要です。配偶者側に不倫などの有責性がある場合には、同意が得られなくても離婚調停・裁判により強制的に離婚を認めさせることもできる可能性があります。
配偶者があっさりと離婚を受け入れてくれればスムーズに離婚できますが、そうでない場合は揉めて長期化することも少なくありません。
とくに子どもがいる夫婦の場合、親権や養育費についてなかなか合意が成立しないケースが多いようです。
離婚の相談相手は「家族」「友人・知人」が多い!「誰にも相談しなかった」は2割
人生を左右する重大な決断をする際には、信頼できる相談相手から客観的な意見をもらうことが大切。自分ひとりで悩んでいる時では思いつかなかったような視点が得られるからです。
では実際に離婚した女性たちは、誰に相談して離婚を後押ししてもらったのでしょうか?
アンケート調査でもっとも多かった相談相手は、「自分の家族」(54.93%)。実に半数以上の女性が、親や兄弟姉妹に相談していたと回答しました。
次に多かったのが、「離婚経験なしの友人・知人」(25.35%)。
実際に離婚を経験しているかどうかよりも、人としての信頼度を重視しているようです。
3番目に多かったのは、「弁護士」と「離婚経験ありの友人・知人」(共に11.27%)。離婚についての知識が豊富な経験者や有資格者も、頼りになります。
誰にも相談せず自分ひとりで決断した人は約5人に1人
一方でまったく誰にも相談しなかったという人も、23.24%いました。約5人に1人は、自分ひとりで決断したということになります。
もちろん離婚の意思が固く自分の決断に自信があるのであれば、必ずしも誰かに相談する必要はないでしょう。しかし、冷静な第三者の意見を聞いた上で決断した方が、後で後悔することが減るとも言われています。
家族や友人にも相談しづらい場合は、無理をせず弁護士や離婚カウンセラーに相談してみましょう。
「安心して暮らせるようになった」「ストレスがない」離婚して良かったこと
離婚経験者の中に、離婚を後悔している人はどれぐらいいるのかも、とても気になりますよね。
今回のアンケート調査では、「離婚して良かった」と答えた人が実に95%!
ほとんどの女性が、離婚したことで今までより幸せな人生を送っていることがわかりました。
全体的には、離婚によってストレスや恐怖心がなくなり、母子ともに安心して暮らせるようになったという意見が目立ちます。
離婚してよかったこと 回答
- 「DVの恐怖を感じなくなった。安心して暮らせるようになった」(大阪府・女性54歳)
- 「自分の時間が増えた。縛られない。子育てに専念できる」(福岡県・女性23歳)
- 「子どもがのびのび生活できるようになった」(東京都・女性45歳)
- 「子供にとっていつも歪み合いケンカしている親よりも、片親だけど笑っている母親だけの方が幸せかと思ったし、自分の苦労なら、頑張って乗り越えられるけど、二人分の苦労は大き過ぎたから」(神奈川県・女性53歳)
- 「精神的に無理しなくて良くなった。本当に合う人とあらためて出会えたので良かったです」(京都府・女性33歳)
- 離婚することによって、かえって経済状況が改善したという意見もあります。元配偶者の借金・浪費・経済的DVが原因で離婚した人の場合、離婚後に豊かな生活を手に入れた人もいます。
- 「経済的に自立できて、以前より綺麗で広い家に住めた」(滋賀県・女性41歳)
- 「経済的な不安・悩みがなくなった。それによって子供たちに十分な栄養と教育を与えられるようになった」(東京都・女性46歳)
一方、後悔している5%の意見としては、経済的に安定しないことと、子どもに対する罪悪感の2つが目立ちました。
離婚して後悔していること 回答
- 「安定した生活がない」(奈良県・女性59歳)
- 「医療費や慰謝料をもらっていない」(東京都・女性37歳)
- 「生活が安定しないから」(奈良県・女性59歳)
- 「子供に申し訳ないと常に思っている」(秋田県・女性50歳)
- 「子どものためなのかわからない」(神奈川県・女性23歳)
- 「子供の事を考えると後悔しているが、離婚するしかなかった」(青森県・女性41歳)
離婚後に不安なことは「収入が少なく生活が苦しい」が4割
実際に離婚した女性が、これからの人生において不安に感じていることは何でしょうか。
もっとも多いのは、経済面での不安です。「収入が少なく生活が苦しい」と回答した人は、43.66%を占めました。
次いで、「自分の将来への漠然とした不安」(33.80%)、「仕事と子育ての両立」(19.72%)となりました。
- 「体調を崩したときなど、将来の健康状態に不安を感じる」(大阪府・女性54歳)
などの意見もあり、子どもや自分自身が体調を崩した時のことを想像すると、心配になるようです。
実家からの支援が受けられない場合は、公的相談窓口などを事前に調べておき、何かあったときに頼れるところを見つけておくことが大切です。
離婚後の不安は経済面なのに…半分以上が慰謝料・養育費を請求していない
ここまでの結果でもご紹介したとおり、経済的な不安定は離婚を決断する上で最もよくある不安要素です。
だからこそ、離婚に際しては、離婚後の生活を見据えて、収入やお金の問題にメドを立てるのは欠かせないこと、のはずなのですが、
今回の調査では、回答者の半数以上 58.45% の方が「慰謝料・養育費を請求していない」と回答していました。
今回の調査で、実際に請求しなかった理由まではハッキリしませんが、過半数が請求していないとなると、元夫の収入金額が低い・夫婦の関係悪化で請求しづらい等、何らかの理由で慰謝料・養育費の請求を諦めた方が少なくからずいたものと推測されます。
慰謝料や養育費が適正に支払われるかは離婚後の生活に大きく関わるため、まったく請求しないまま諦めるのは得策とは言えません。一方で、夫婦間の離婚協議の場では、慰謝料や養育費の支払いを求めること自体がトラブルの種になる可能性も否定できません。
適正な慰謝料・養育費を確実に受け取るには、離婚問題に精通した弁護士などに相談することが結果的に近道となる可能性は高いでしょう。間に弁護士が入ることで、夫婦間でのトラブル激化を避け、法的に公平で正当な請求を行うことが、穏便な事態の解決につながります。
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弁護士に相談した人の約9割が「相談して良かった」と回答
離婚手続きを進める際に、弁護士に依頼している人はどれぐらいいるのでしょうか?
離婚手続きには、話し合いによる“協議離婚”、家庭裁判所で調停委員を介して話し合う“離婚調停”、裁判官が判断を下す“裁判離婚”の3種類があります。
手続きが難しい“離婚調停”と“離婚訴訟”では弁護士に依頼する人がほとんどですが、“協議離婚”でも弁護士に書類作成や交渉を依頼する人が増えています。
弁護士へ依頼した女性だけを対象に「依頼して良かったですか?」と質問したところ、87.5%が「良かった」と回答。
ほとんどの女性が、満足していることがわかりました。具体的にどういうところが良かったのかについては、
- 「協議書の内容について専門的に確認してもらえたから」(神奈川県・女性45歳)
- 「自分では慰謝料や養育費など決められないから」(山口県・女性33歳)
- 「養育費がもらえたから」(神奈川県・女性54歳)
など、弁護士ならではの深い法律知識と実務的能力を挙げる意見が目立ちました。
他にも、
- 「客観的な意見が聞けた」(東京都・女性37歳)
- 「離婚に向けての方向性が明らかになった」(北海道・女性40歳)
- 「何でも話せる。味方になってくれる。心ず強い。終わりがある」(福岡県・女性23歳)
など、精神的な支えにもなってくれたことに感謝する声も少なくありません。離婚はセンシティブな問題ですから、相談しづらいと感じる人も多いものです。
弁護士には守秘義務がありますし、さらに数多くの離婚事例を見ているため、言いづらいことでも一番相談しやすい相手と言えるかもしれません。
まとめ
実際に離婚した女性たちは、そのほとんどが「離婚して良かった」と感じているようです。
離婚後の悩みのトップは、やはり“経済面での不安”です。離婚後に十分な経済力や支援を得られるかどうかが、幸せな人生を歩めるかどうかを決定づけると言っても過言ではありません。
そのためには、自分自身の仕事による収入を得るだけでなく、離婚時に財産分与・慰謝料・養育費など“もらうべきお金”を配偶者にしっかりと請求することも重要です。
配偶者と話し合いをするのが難しいと思ったら、弁護士に依頼してお金の交渉をしてもらうことも有効です。ぜひ気軽に相談してみましょう。
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