愛知県の相続問題

愛知県の相続税申告率は全国第2位

死亡した人が相続財産を残して遺族が相続税を申告する割合を示す相続税申告率を見てみると、愛知県は東京都の次に高い第2位です。

東京都が8.22％で、愛知県は8.04％となっていて、全国でも8％を超えるのは東京都と愛知県だけです。3位の神奈川県は6.59％ですから、愛知県の人がいかに相続税の課税対象になっているかがわかります。

また、相続税の徴収決定額（納税額）は、愛知県は全国で4位です。相続税を申告する人も多いし、相続税も多い＝相続財産が多いということがわかります。

愛知県の住宅地の地価は上昇傾向

相続財産の中でも相続税の対象となるのが、土地や家屋などの不動産です。
愛知県が発表したところによると、平成27年1月における地価は住宅地は半数以上の55.4％が上昇しています。平均すると0.8％の上昇率で、前年よりは微減したものの高くなっているということです。この上昇傾向は3年続いています。特に地価が上昇している地域は名古屋市1.7％、尾張地域0.7％、西三河地域1.3％などとなっています。中でも上昇率が高いのは名古屋東1の橦木町で前年よりも8.5％も上昇しています。他にも名古屋市内と大府市内の地域が上昇率の上位5位を占めています。

一方、商業地の地価は2年連続で上昇し、中でも名古屋市中村の椿町は16.8％も上昇しています。愛知県全体でも商業地は1.4％上昇しています。
このように地価が上ると、土地を持っている人が亡くなると相続税の課税対象になる可能性が出てきます。また、たとえ地価が下がった地域だとしても、広い土地の場合や路線価が高い土地を持っていると相続税がかかることがあるので、気をつけましょう。

愛知県は貯蓄率が高い

統計局の調査によると、都道府県民の貯蓄率では愛知県は貯蓄現在高が全国5位と高くなっています。貯蓄の中でも定期性預金が占める割合が高く、貯蓄高の45.5％を占めています。また、有価証券の保有率も高く、23.4％です。こういった現金や預貯金は相続財産の中でも土地の次に大きな存在なので、高額の預貯金を持っている人は相続税対策を考えておきましょう。

愛知県内の富裕層

愛知県の人の貯蓄率が高い背景には、高額所得者が多いということがあります。所得者数の中で5000万円超の所得を得ている人の割合は、全国で愛知県が2位と非常に高くなっています。これは東京都に次いで高い数字で、実人数も約4300人と全国3位です。なお、所得が1億円超という人の数は、愛知県内だけで714人もいます。

ちなみに愛知県内で世帯の平均年収が高い地域は名古屋地区、尾張地区のほかに西三河地区などほぼ全域に広がっています。名古屋の中心部よりは日進市や千種区の菊坂町や星ヶ丘、今池、月ヶ丘などに富裕層が多いといわれています。また瑞穂区や天白区の中にも高級住宅地があります。こういった地域にお住まいの人は、相続税がどれくらいになるのか、専門家に試算してもらうといいでしょう。

犬山城に相続税！？

愛知県犬山市にある犬山城は天守が国宝に指定されている名城ですが、江戸時代からは家老の成瀬氏が入城し城を守ってきました。明治以降も成瀬家が守ってきたため、日本でも唯一の個人所有の城だったのです。国宝に指定されているため固定資産税はかからないそうですが、相続税がかかります。しかも、その額は相当なものに！

先代が死亡した際には城の周辺の土地を売って納税資金を作ったそうですが、次の代にはそういった苦労をさせたくないということ、納税のために貴重な歴史的遺産を散逸させてはいけないということなどから、現在は個人所有ではなく財団法人を設立し城や文化財の保護に努めているということです。

相続税は方法次第で節税ができます

相続財産が土地や家屋だけという場合は、相続税の納税資金がなく困るケースがあります。平成25年度の愛知県の相続税の徴収決定額は1177億5400万円ですが、23億1100万円は未納になっています。どうしても納税資金がない場合は物納や相続財産を売却しなければいけないという事態になってしまいます。

そうならないためにも相続税対策は進めておきましょう。納税資金を生命保険などで準備するのも1つの方法ですが、節税できる方法がいろいろあります。ぜひ専門家に相談しながら進めてみてください。

遺産分割調停申立て先の愛知県の家庭裁判所一覧

愛知県内の相続税相談先

愛知県内の年金受給者死亡届や未支給年金、遺族年金等の相談先

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