千葉県の相続問題

千葉県民の相続税納税額は719億3400万円

国税庁のデータによると千葉県の人の相続税徴収額（納税額）は719億3400万円で、これは全国第7位です。また、申告率は4.04％で全国で14位です。申告率とはその年に死亡した人の遺産に相続税が発生し、遺族が申告した人の割合ということです。トップは東京都の8.22％なので千葉県はその約半分ということになります。

相続税の課税対象として大きなウエイトを占めるのは土地と現金・預貯金ですが、千葉県の相続事情はどうでしょうか。詳しく分析してみます。

千葉県の地価の傾向

千葉県全体の地価の動きを見てみると、住宅地は平成27年は7年ぶりに上昇しています。特に総武線・東西線沿線の浦安市、市川市、千葉市中央区や東京湾アクアラインの結節部である君津市や木更津市、袖ヶ浦市などが上昇しています。また、松戸市、成田市など都心へのアクセスがいい地域もおおむね上昇しています。中でも上昇率が高いのは君津市で前年より5.1％も上昇しています。次に高いのが木更津市の3.3％、習志野市の1.6％と続いています。

全国の中で見てみると、都道府県の県庁所在地の地価ランキングでは、千葉市は1平方メートルあたりの地価が116,800円で全国で10位に入っています。千葉県の住宅地の平均価格は1平方メートル96,400円ですが、県内でもっとも高いのは浦安市で1平方メートル260,700円、2番目に高いのは市川市の200,600円、3番目は千葉市美浜区の159,900円となっています。このように県平均価格よりも高い地域に土地を持っている場合は、相続時に相続税がかかる可能性があります。

特に都心に近い地域や利便性がある地域は今後さらに地価が上昇することも考えられるため、適切な相続税対策を取っておきましょう。

千葉県内の富裕層の分布

千葉県内でも富裕層が多く住んでいると言われているのは千葉市、市川市、習志野市、舟橋市などで地価の高いところが多いようです。千葉市内では中央区などに高所得者層が多いと言われています。流山市や浦安市、新浦安なども富裕層が多い地域です。

やはり都心へのアクセスがいいところに高級住宅街が出来ているようです。都心に近い、利便性があるということは、今後ますます地価が上昇する可能性があります。常に地価の動きにチェックしながら、相続税も視野に入れておきましょう。

高所得者は相続税の対策が必要

千葉県内で年収5000万円超の人の割合は全国で8位と高くなっています。5000万円を超える所得を得ている人の数は約2300人、さらに1億円超の所得を得ている人は393人もいます。

相続税は相続人が引き継ぐ相続財産から基礎控除が差し引かれます。基礎控除額は3000万円＋600万円×法定相続人の数です。基礎控除は平成27年から改正になり、従来よりも約4割も減っています。そのため、現金や預貯金、有価証券を多く持っている人は、要注意です。もし法定相続人が1人とか2人という場合は、基礎控除額は3600万円、4200万円となり、その分を控除した額に対して相続税が課されます。

ただ、相続税に関してはさまざまな節税対策があります。個々の状況に応じて対策が異なりますので、専門家に相談されるといいでしょう。

相続税の計算はとても複雑で難しいものです。また、財産の評価額の出し方も専門的な知識が必要になります。適切なアドバイスを受けることで、相続税を抑えたり、相続が争続になったりしないようにできます。早めに相談すると、より安心して対策が取れますよ。

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