福井県の相続問題

福井県の相続税申告率は全国10位

死亡した人の遺族が相続税を申告した割合を示す相続税申告率を見ると、福井県は4.44％で全国で10位に入っています。一方、相続税の納付税額を見ると、福井県は51億1900万円で全国で39位となっていて決して多いわけではありません。金沢国税局管内の石川、富山、福井3県の中でもっとも納税額が多いのは富山県で100億5600万円、次が石川県で92億1100万円となっていて、3県の中で福井県はもっとも低い額になっています。納税額は少ないけれど申告率が高いということは、相続財産の額はそれほど多くないものの、課税対象となる相続財産を遺して死亡した人の数が多いということです。
その要因は何なのか、詳しく見ていきましょう。

福井県の貯蓄額は全国3位！

相続財産の中でも特に大きな割合を示すものが、土地や家屋といった不動産と、現金・預貯金・有価証券などです。福井県は1世帯当たりの平均貯蓄高が1911万円で、全国では東京都、三重県に次いで多く全国第3位になっています。
所得者人口1000人当たりの5000万円超所得者の割合を見ると、福井県は全国で30位です。実数の比較を見ても、5000万円超の所得者の数は約190人で全国40位、1億円超の所得者数は22人で全国42位となっていて、決して多いとはいえません。ただ、福井県の平均世帯年収は509.6万円でかなり高いことがわかります。このことから福井県では突出した高額所得者の数は少ないものの、それぞれの家庭で地道にお金を貯めている様子がうかがえます。

福井県では超高額所得者の数は少ないものの、全体的に年収が多い傾向があります。中でも平均世帯年収が多い地域は、若狭町の551万円、越前町の535万円、坂井市の532万円、あわら市の516万円などです。また、世帯年収が1000万円超の割合を見てみるとあわら市が若狭町が9.68％、越前町が9.68％、あわら町が9.1％、勝山市が8.47％となっています。県平均でも7.92％なので、かなり高いことがうかがえます。

福井県の地価事情

地価が高いかどうかは、相続財産の評価額に影響します。福井県の場合はどうでしょうか。
県内の平均地価は1平方メートル当たり45,165円で全国で28位です。地価は住宅地も商業地も約20年間下落が続いています。ただ、それは他府県でも同様ですが、福井県の場合は下落幅が年々縮小しているようです。県内の住宅地でもっとも地価が高いのは福井市宝永3丁目で1平方メートル当たり93,200円、2位は福井市松本3丁目で84,800円、3位は福井市宝永1丁目で80,500円、4位は福井市文京3丁目で76,700円、5位は福井市北四ツ居2丁目で73,800円となり、ベスト5すべてが福井市内になっています。
商業地でもっとも地価が高いのは福井市中央1丁目で1平方メートル当たり329,000円、2位は福井市大手2丁目で326,000円、3位は福井市中央1丁目で227,000円、4位は福井市大手3丁目で214,000円、5位は福井市中央3丁目で151,000円となり、すべてが福井市の中心部になっています。

福井県民の今後の相続税対策

福井県は相続税の納税額はそれほど多くはありませんが、申告率が高いことから相続税の課税対象になっている家庭が多いことがわかります。土地に関して石川県や富山県のように北陸新幹線の影響は受けていませんが、今後、北陸地方が活性化する可能性があります。その場合には福井県内の地価が今よりも上ることが予測されます。

また、年収が多い県であり、貯蓄にも熱心なために、貯蓄や有価証券が多い人は相続税対策を考えておきましょう。専門家のアドバイスを受ければ、ぴったりの節税方法が見つかります。それによって納税額を減らすことも可能ですので、ぜひ検討されるといいでしょう。

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