静岡県の相続問題

静岡県の相続税申告率は全国第5位

静岡県の1年間の死亡者の中で遺族が相続税の申告をした割合を示す相続税申告率は5.02％、全国第5位となっています。また、相続税の納税額は357億3300万円で全国で9位です。どちらも全国の中で高いということは、相続財産の額も相続税が発生するほどの財産を遺した人の数も多いということ物語っています。一部の富裕層だけでなく、幅広い層が相続税を納めているということです。相続財産の中でも大きな割合を占めるのが土地と現金や預貯金です。静岡県の相続事情を見てみましょう。

静岡県の地価

まず土地を見てみましょう。相続財産の中でも宅地は全国的に見て高い割合になっています。静岡県は平成27年の公示地価は県全体では前年より1.1％マイナスになっています。県内の住宅地の平均価格は73600円（1平方メートルあたり）ですが、全国の県庁所在地の公示地価を比較したランキングでは静岡市の平均価格は1平方メートルあたり112,100円で全国で11位でした。

また、静岡県内で地価がもっとも高いところは浜松市中区2の51,000円、2位は静岡市葵区の247,000円、3位は三島市の154,000円、4位は沼津市の138,000円となっています。1位になった浜松市中区の土地はマンション用地で3年連続1位でした。2位の土地は戸建て住宅用地の中では28年連続1位だということです。

一方、商業地でトップは静岡県葵区で140万円もしています。2位は浜松市中区で593,000円、3位が沼津市で333,000円です。ちなみに1位の浜松市葵区の土地は33年連続で1位ということでした。
こういった地価が高い地域に土地を持っていると、相続した場合に多額の相続税が発生する可能性があります。

静岡県民は貯蓄高も多い

現金や預貯金も相続財産の課税対象になりますが、静岡県の人は貯蓄高が全国で9位と高い順位になっています。1世帯あたりの貯蓄現在高は1729万円で、かなり高いことがわかります。ただ、有価証券が占める割合はあまり高くなく、貯蓄の中では9.4％にとどまっています。逆に定期預金の割合が高いことから、堅実にお金を貯めていることがうかがえます。

相続財産が土地や家屋など不動産だけの場合は相続税を納める納税資金がなくて困るケースが多いのですが、静岡県の人は現金や預貯金も持っているため、その心配は少ないといえるでしょう。ただ、それでも相続対策を進めておくと、相続税を軽減することができます。

静岡県の富裕層

静岡県内で富裕層が住んでいるところとしては、静岡市の葵区や清水区、浜松市の中区などだと言われています。また県内で所得が5000万円超の人の数は1340人で全国9位です。また、1億円超の人は213人もいて、全国で10位に入っています。このように高額所得者や地価が高い地域に住まいを持っている人は早めに相続対策を考えておきましょう。

今後の相続税対策

今までは相続税と言えば富裕層の悩みだと考えられてきましたが、平成27年1月の税制改正で一般家庭でも相続税の問題を抱える可能性が出てきました。

相続財産の総額から差し引ける基礎控除が従来の（5000万円＋1000万円×法定相続人の数）から（3000万円＋600万円×法定相続人の数）に変わりました。そのことで一般の家庭でも土地や家屋、預貯金、有価証券などを持っている場合は相続税の課税対象になるケースがあります。相続税の計算や遺言書の書き方などはわかりにくい点が多いものです。早めに専門の弁護士に相談されることをおすすめします。

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