PTSDの原因にもなる!?「夫婦喧嘩」が子どもに与える影響
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言葉のわからない赤ちゃんにも、夫婦喧嘩の声は届いている
声のトーンや場の空気に、恐怖を感じる赤ちゃん
「うちの子はまだ赤ちゃんだし、夫婦喧嘩の言葉の意味もわからないから」と思って、赤ちゃんの前で喧嘩をしてしまう夫婦がいますが、これは絶対にNGです!言葉のわからない赤ちゃんにも、喧嘩の声ははっきりと届いているのです。
もちろん言葉の意味は、赤ちゃんにはわかりません。ただ、パパやママの声のトーンやピリピリした場の空気から、「パパとママは仲良しじゃない」と感じ取ってしまいます。そして、そのことに言いようのない恐怖心を感じるのです。子どもの年齢が小さければ小さいほど、その恐怖心は大きくなります。くれぐれも赤ちゃんの前では、夫婦喧嘩を控えるようにしましょう。
夫婦喧嘩が原因で、体調を壊してしまう赤ちゃんもいる
パパとママの激しい夫婦喧嘩を目の当たりにしてしまうと、中にはそれが原因で体調を壊してしまう赤ちゃんもいます。発熱したり、熱性痙攣を起こしたり、下痢や吐き気を催してしまうケースもあります。
でも、それはまだ反応が外に出ているという意味では、良い方でしょう。夫婦の激しい喧嘩を何度となく経験した赤ちゃんの中には、「サイレントベビー」になってしまう場合もあるのです。
サイレントベビーになってしまった赤ちゃんは、自分の目の前でパパとママが喧嘩をしていても、表情ひとつ変えません。一見何も気にしていないようにも見えますが、実はその逆。すでに赤ちゃんの心は深く傷ついてしまって、それに耐えられないために心にフタをしてしまうのです。
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夫婦喧嘩が子どもにとってトラウマになることも
最悪の場合、PTSDを発症するケースもある
夫婦喧嘩をする本人は内容がわかっているので、そこまで深刻には考えていないかもしれません。しかし、子どもにはそれがわかりません。夫婦が大きな声で罵倒し合えば、子どもはそれをそのまま受け止めてしまい、発散させることもできずにストレスを溜め込んでしまいます。
パパやママの怒った表情は、子どもに大きな恐怖を与え、トラウマになってしまうこともあります。最悪の場合は、PTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症してしまう子どももいるので、「たかが夫婦喧嘩」と侮らないことが大切です。
ある日突然、呼吸困難やうつなどの症状が現れる
PTSDの発症は、夫婦喧嘩をした直後とは限りません。そのときはまったく普通の子どもで、大人になってから突然発症するケースもあるのです。夫婦が子どもの心の傷に気づかず、長期間にわたって喧嘩をし続けた場合は、子どもの中に溜まるストレスの度合いも半端ではないでしょう。ある日突然呼吸困難やうつ・不眠・不整脈といった症状が現れたり、薬物に走ったり、家族に対する愛情がなくなってしまう場合もあります。
自己否定する気持ちが生まれてしまう
「生まれてこなければ良かった」と思い込む子ども
パパとママの喧嘩を見ながら育った子は、「パパとママが喧嘩してしまうのは、自分のせいかもしれない。それなら生まれてこない方が良かった」と、思い込んでしまう場合があります。
パパやママとしては、ただ単に頭にきたから喧嘩しているだけかもしれません。でも、幼い子どもはそれを否定する能力を持っていません。子どもにとって親は生き方を見習うべき教師であり、人生のバイブルでもあるのです。夫婦の愛情を否定するような親の行いは、そっくりそのまま子どもへと伝わってしまうでしょう。
自分を肯定できない子どもがとる行動とは?
「自分なんてどうなってもいい」そう思い込んでしまった場合、子どもは生きる意味がないのですから、精神的に偏った行動をするようになります。たとえば人とコミュニケーションをとることができなかったり、常に怯えたように周囲の様子をうかがったり、中には自傷行為に走る場合もあります。
そこまではいかなくても、何となくいつもやる気がなく、人が信じられない閉鎖的な人間に育ってしまうケースが多いでしょう。
こどもの成長ホルモンに悪影響を及ぼす
身長が伸びない子や、太ってしまう子もいる
パパとママの喧嘩を目の当たりにしていると、子どもは不安から睡眠不足に陥り、成長ホルモンに悪影響が及んでしまいます。成長ホルモンの分泌が悪くなると、身長が伸びなかったり、脂肪が増えて太ってしまったりする子もいます。
また、いつも疲れが取れずに勉強や遊びにも力が入らず、情緒不安定に陥る子も少なくありません。そのような状態なので、免疫力や病気への抵抗力も下がってしまい、ちょっとしたことで風を引いたり感染症にかかってしまったりします。
恋愛願望や結婚願望がなくなってしまう
恋愛や結婚に夢を抱けない子ども
両親が喧嘩ばかりしていると、子どもは恋愛や結婚に対して夢を抱くことができません。「結婚をすると、パパやママのように喧嘩をするようになってしまう。それなら結婚なんてしなくてもいいし、恋人もいらない」。そんな悲観的な考え方が、子どものときに刷り込まれてしまうのです。
たとえ素敵な異性と出会っても、興味を持つことができず、生涯独身となってしまう人も多いでしょう。
子どもにとって親は、絶対的な存在
お互いのルールを決めて、夫婦喧嘩をしない努力を
子どもにとって親は、絶対的な存在です。大人になってからなら、「ほらまた二人で喧嘩している。いつものことさ」と客観的に見ることもできますが、幼いうちはそうはいきません。たとえば自分のことで意見が合わずに、大声で夫婦が罵倒し合うような場合、子どもは「自分が原因でパパとママが喧嘩になるなら、自分がいるからいけないんだ」と、自分を責めてストレスを溜めてしまうのです。くれぐれも、子どもの前で喧嘩をすることは、避けた方が賢明です。
とはいえ、「もうやるまい」と思っても、どうしてもやってしまうのが夫婦喧嘩。そんなときは、夫婦であらかじめ話し合い、喧嘩しそうになったときのルールを決めるのもひとつの方法です。
たとえば、「夫婦喧嘩をしても、一晩寝たら仲直りする」「喧嘩になっても、口をきかないのはルール違反」「ひと言出そうになるまえに、相手の立場を考える」など。なるべく喧嘩にならないように予防し、たとえ喧嘩になっても長引かせない工夫が必要です。
離婚する不幸と、離婚しない不幸
それでも、どんなに努力をしてもうまくいかない夫婦というのは、あるものです。離婚することは不幸なことですが、性格が合わないまま喧嘩しながら暮らすことも、ある意味子どもにとってはとても不幸なことでしょう。潔く離婚をして、子どもと共に新しい人生を歩くことで、子どもがそういったストレスから解放される場合もあります。
もちろん、経済的な理由で離婚できない場合もあるでしょう。でも、「だから子どもの前で喧嘩をしても仕方ない」ということにはなりません。離婚できないのであれば、どうすれば子どもの前で喧嘩をせずに済むのか、その方法を真剣に考える必要があります。
夫婦喧嘩は夫婦だけの問題ではなく、子どもの人生にも大きく関わる問題だということを、深く自覚しましょう。
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