離婚調停申立書の書き方と失敗しないためのコツとは?
離婚調停の申し立てには、ビックリするほど沢山の書類が必要です。もちろん弁護士に依頼すれば、しっかりフォローしてくれますが、自分で用意する場合は書き方のコツを知っておく必要があります!調停委員に好印象を与え、かつ調停を有利に進められる申立書の書き方とは?
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離婚調停に必要なものは、こんなにある!
離婚調停を申し立てる際に必要なものは、これだけあります。「え、こんなに?」と思うかもしれませんね。たしかに、書類が苦手な人にとっては、鳥肌が立つほどの量です。でも、実際に書類に記入してみると、「どれも必要な書類だから、書くのは仕方ない」ということに気づくでしょう。
申し立ての際に必ず必要なもの
- 離婚調停申立書
- 事情説明書
- 連絡先等の届出書
- 進行に関する照会回答書
- 戸籍謄本(夫婦の名が記載されているもの)
- 収入印紙 1200円分
- 郵便切手
状況によって必要なもの
- 子に関する事情説明書(未成年の子がいる場合)
- 非開示の希望に関する届出書(相手に知られたくない書類や資料がある場合)
- 不動産の登記簿謄本、預金通帳の写しなど(財産分与や金銭面に関わる調停の場合)
- 陳述書(任意)
- 証拠となるもの(任意)
多少時間はかかりますが、一つ一つ丁寧に書いていけば、けっして難しいことではありません(ただし「陳述書」を提出する場合には、テクニックも必要です)。
申立書は全国共通で、裁判所のホームページからダウンロードできます。家庭裁判所に直接行って、手に入れる方法もあります。
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離婚調停申し立てをする際のコツ
離婚相手に知られたくないことは「申立書」に書かない
離婚調停申立書は、裁判所だけでなく、離婚相手にも写しが送付されます。そのため、「調停委員に知っておいてほしい」と思って、うっかり相手に知られたくないことを書いてしまうと、そのことが相手にすっかりバレてしまいます。
たとえば秘密にしている現住所や、相手の気持ちを憤慨させるようなことは、申立書には絶対に書かないようにしましょう!裁判所が用意した定型の書式を見ながら、それに沿って冷静に書くようにすれば、さほど問題はありません。
どうしても裁判所に伝えておきたいことがある場合は、別の用紙にその内容を書いて、「非開示の希望に関する届出書」に添付して提出します。ただし、非開示を希望しても裁判所の判断によって開示されてしまうケースもあるので、心配な場合には弁護士に相談するのがベストです。
申立書の「離婚条件」をギリギリに設定しない
申立書の中の「申立の趣旨」という項目には、3番目に養育費、4番目に慰謝料の金額について記載する部分があります。この金額を書く際、たとえば「本当は慰謝料を200万円ほしい、最低でも100万円は無いと困る」というときに、要求金額を100万円にしてしまうのは禁物です。
離婚条件は、調停によって金額が下がることはあっても、上がることはありません。そのため、「これ以上は一歩も譲れない」というギリギリに設定してしまうと、実際にはそれより低い金額に抑えられてしまう可能性が高いのです。
あまり吹っ掛けるのも考えものですが、自分が予定している額よりは多めに設定しておいた方が、ちょうどよい金額に収まる可能性が高いでしょう。
基本的に「ありのまま」を書く
申立書の最後に「申立ての動機」という項目があり、13項目の中から当てはまるものを○で囲み、そのうち最も重要と思うものに◎をつけるようになっています。
たとえば、パワハラ夫と離婚をする際、夫が申立書を見るのを恐れて「精神的に虐待する」という項目に◎(または○)を付けずに出してしまうと、“書かなかった事実”というのが残ってしまいます。
もちろん、調停の席で「実は夫に精神的に虐待されていて」と伝えることもできますが、申立書にはっきりとした動機が書かれていないと「あまり深刻ではないのでは?」と思われてしまいかねません。相手の感情を逆なでないことも大切ですが、事実は事実としてはっきりと書くことが大切です。
ただし、申立書にどこまではっきりと書くかは、非常にデリケートな問題でもあるので、心配な場合は弁護士に相談した方が良いでしょう。
嘘をつかない
当たり前の話ですが、間違っても「自分にとって有利な事実をでっちあげよう」などと考えるのは、絶対にやめましょう。もしも後になって相手の方が反論の証拠を握った場合、話のつじつまが合わなくなって、結果的に不利になってしまうこともあり得ます。
裁判所で「この人は嘘をつく人物だ」と思われてしまうと、それ以外の事実も認めてもらえなくなってしまう可能性が高くなります。現実問題としては、嘘の主張によって泥沼化する例が少なくないのですが、裁判所は嘘を見破るのが仕事。そうそう騙されるようなことはありません。くれぐれも真実のみを、真摯に伝えましょう。
「事情説明書」の内容を「陳述書」で補足する
事情説明書だけでは、事情を説明しきれない
「事情説明書」の記入欄の7番目には、“不仲になったいきさつ”を書く部分がありますが、スペースが小さいのでとてもそこにすべては書ききれません。「欄が小さいのだから、申し立ての際には詳しく伝える必要がないのでは?」と思ってしまいがちですが、実はそうではないのです!
この事情説明書には、絶対と言ってもいいほどそれを補足する書面が必要です。“不仲になったいきさつ”の記入欄には「別紙のとおり」と記入し、「陳述書」に詳しい事情を書いて提出しましょう。陳述書の書面でどれだけ調停委員を説得できるかで、調停の結果が決まると言っても過言ではありません。
陳述書は申し立ての際に提出するのがベスト
陳述書は実際の調停の場で提出することもできますが、申し立てのときに提出しておくと、調停でのやりとりをよりスムーズに行うことができます。調停委員としても事前に事情が把握できるので、第1回目の調停を現状確認だけで終わらせることなく、時間を有効に使えるでしょう。こうした細かい配慮が、調停委員の印象をアップするのです。
陳述書には自分の気持ちや意見ではなく、事実を中心に
陳述書には、離婚を考えるに至った事情を、いかにして調停委員の心を動かすかを考えながら、時系列でわかりやすく書かなければなりません。
陳述書の内容は段落分けし、段落ごとに番号を振って小見出しをつけましょう。自分の感情や意見を強調するのではなく、あくまで客観的かつ簡潔に事実を列記します。「そこまで自分で書き上げる自信がない」という場合は、弁護士に依頼する方が良い結果を得られるでしょう。
「証拠」になるものを非開示で添付する
調停や裁判において、「証拠」があるかないかは、結果を大きく左右します。離婚相手に見られないよう、あくまでも非開示にして、申し立ての際に提出しましょう。
たとえば夫のDVが原因で離婚を考えていた場合、「配偶者のDVがひどく、精神的にも肉体的にも限界にきています」と書くよりも、「DVを受けた患部の写真はこちらです。診断書も添付しました」と書いた方が、断然説得力があるでしょう。これもまた、調停の席で提出することもできますが、申し立ての際に渡すことで先手を打つことができるのです。
書き間違えた場合は二重線で消し、訂正印を押す
申立書はボールペンで記入し、もし間違えた場合は二重線で消し、訂正印を押せば大丈夫です。パソコンで打つこともできますが、フォーマット内に打つのはひと苦労なので、手書きで十分でしょう。訂正印が気になるようなら、修正液や修正テープで訂正し、その用紙をコピーして提出しても問題ありません。
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