離婚裁判の本人尋問では何を聞かれる?注意すべきポイント
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弁護士と綿密な打ち合わせをしておく
何ための本人尋問であるかを自覚して、じっくりと準備を
弁護士と事前に綿密な打ち合わせをすることは、本人尋問を成功させるうえで最も重要なことです。自分の弁護士からどんな質問があり、それに対してどう答えるか。また、相手の弁護士から質問が投げかけられたら、どう答えたらいいかなど、返事の内容を弁護士と共にしっかり煮詰める必要があります。
その際に考えるべきことは、「いかにして自分の主張を補強することができるか」「いかにして相手の主張を覆すことができるか」です。ただ単に質問に答えるのではなく、その目的のために答えるのだという自覚をもって、じっくりと準備を進めることが重要です。
口頭弁論の場面をシミュレーションしておく
一連の流れをイメージすることで、安心して裁判に臨める
水泳選手がイメージトレーニングを行うとき、自分がトップでゴールに着いたシーンを思い描きますが、離婚裁判もこれと同じです。
口頭弁論で自分が本人尋問を成功させ、晴れやかに裁判を終えるシーンをイメージすることで、実際の口頭弁論もスムーズに進めることができます。
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当日になって慌てるのを防ぐためにも、裁判所に入ってから尋問が終わるまでの一連の流れを、自分なりにシミュレーションしておきましょう。
信頼できる弁護士が傍にいることは、本当に心強い
口頭弁論の当日は、まず弁護士と共に待合室に案内され、「真実のみ話します」という言葉を用紙に書き、記名・捺印します。時間がくると職員が呼びにきて、法廷に案内されます。
法廷に入ったとき、たった一人で裁判に臨むのと、信頼できる弁護士が傍にいるのとでは、まったく安心感が違います。そういう意味で、弁護士選びは本当に大切です。当サイトで離婚に強く自分と相性のいい弁護士を見つけ、「絶対に大丈夫!」という確信のもとに法廷に立ちましょう。
口頭弁論の所要時間は1時間ほど
さて、法廷ではまず原告が証言台に立ち、先ほど記名・捺印した用紙の文章を読み上げます。証言台は通常法廷の中央あたりにあり、裁判官が少し高い位置に座り、その他に書記官と裁判所職員がいます。テレビで観るような裁判よりは、かなりコンパクトな感じですが、裁判官が黒い服を着ている点は同じです。
本人尋問が始まると、最初に原告の弁護士から原告に質問があり、その後で被告の弁護士から原告に質問があります。最後に裁判官が質問する場合もあります。その次に被告が証言台に立ち、原告と同じように質問を受けます。
口頭弁論は、これで終わりです。所要時間は1~2時間ほどで、あっという間に終わったと感じるかもしれません。こうした一連の流れを心の中でイメージし、「この質問があったら、こう答える」というのを自分なりにシミュレーションしておくと、当日になって慌てずに済むでしょう。
裁判の様子は公開されます
離婚裁判は基本的に公開で行われます。刑事事件のように傍聴人が詰めかけることはありませんが、誰でも法廷に入って傍聴することができます。ただし、裁判官が公開すべきでないと判断した場合のみ、非公開で行われます。
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本人尋問では聞かれたことだけに答えるようにする
裁判官の心象を悪くしないよう、細心の注意を
「今回の裁判に対して、自分はあれも言いたい、これも伝えたい」と気持ちが逸り、思わず聞かれてもいないことを口にしてしまう人がいますが、これは裁判を進めていくうえでマイナス要因になります。尋問を受けているときには、聞かれたことに対してだけ答えるのが鉄則です。くれぐれも裁判官の心象を崩さないよう、細心の注意を払いましょう。
また相手の弁護士の質問がわからない場合に、どんな質問なのかを訊ねる分にはかまいませんが、「それは何のための尋問ですか?」と、質問の意図を問うのはタブーです。そのようなことをしても、通常相手の弁護士がそれに答えることはありません。中には、自分のプライドを著しく傷つけられるような質問や、自分を興奮させて落とし入れるための質問もあるかもしれません。そんなときでも、あくまでも冷静に対応する気持ちが必要です。
絶対に嘘をつかない
法廷で嘘をつくと、罪に問われることもある
当たり前のことでありながら、意外と守られていないのが、この「嘘をつかない」ということです。離婚裁判の内容は、刑事事件のように白黒がはっきりしない部分が多いので、思わず「これくらいの嘘をついてもバレないだろう」と思ってしまいがちなのです。
ところが、裁判を進めていくうちに、その嘘が取り返しのつかない事態を招いてしまうこともあります。絶対にバレないだろうと思った嘘も、必ずどこかで矛盾が生じることによって、馬脚を現すことになるからです。場合によっては、法的な制裁を受ける可能性もあるので、本人尋問の際にはくれぐれも真実のみを話すようにしましょう。
裁判官の方を見て、大きな声で話す
堂々と自信をもって、裁判官にしっかりと伝わるように
よく、ボソボソッと小さい声で自信なさげに話す人がいるのですが、これではまったく説得力がありません。尋問に答える際には、堂々と大きな声で、裁判官やその他の人にはっきりと伝わるようにわかりやすく話しましょう。
原稿を棒読みしていると、注意を受ける場合がある
本人尋問では、あらかじめ「こういうことを話そう」と決めていることが多いため、弁護士からの質問に対して原稿を見ながら答える人がいます。しかし、あからさまに下を向いて文章を棒読みしていると、自分の記憶に基づかずに陳述しているととられて、注意を受ける場合があります。もし注意を受けなかったとしても、裁判官の心象が良くないことは確かでしょう。
本人尋問の際は、できるだけ裁判官の方を向いて、「裁判官にこのことを伝えたい」という気持ちを込めて話すようにしましょう。
自分にとって不利になることを言わない
相手の罠にはまらないよう、落ち着いて話すこと
これも当たり前のことなのですが、相手の弁護士から考えてもいなかったような質問をされると、思わずポロッと言わなくてもいいようなことを言ってしまう場合があります。くれぐれもそのようなことの無いよう、ひとつひとつの言動を噛みしめるようにして、自分の不利益にならないかどうかを考えながら、落ち着いて話すことが大切です。
終わった後のご褒美を考えておく
「これが終わったら、楽しみが待っている」と思うと我慢できる
口頭弁論の席上では、相手の弁護士から有りもしないことを事実であるかのように言われたり、誘導尋問をされて心を傷つけられることもしばしば起こります。人によっては、その場の雰囲気に呑まれてしまい、心が折れてしまうことも少なくありません。
そんな辛い思いをしたときのお守りとして、自分に対してのご褒美を考えておくことをお勧めします。お気に入りのレストランで食事をしてもいいでしょうし、帰りがけに買いたかった服を買うのもいいでしょう。子どもがいるなら、その日の夜はきっとヘトヘトになっているので、食べ放題バイキングに行って思いっきり食べまくるのもひとつの方法です。
たとえば、相手の弁護士からひどいことを言われ、思わず「そんなことはありません!」と叫びそうになったとき、心の中でご褒美のことを思い浮かべましょう。「いまは本当に辛いし、悔しいけれど、じっと我慢していよう。これが終わったら、大好きなとんかつ屋さんで極上のとんかつ定食を食べるんだから!」と思えば、冷静に話すことができるに違いありません。
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