離婚貧乏とは?離婚でお金がなくなってしまう原因とは?
離婚貧乏とは?
離婚には経済的な影響がある
離婚ではこれまでの結婚生活をリセットできますが、そのリセットが金銭面に悪影響を与えることがあります。
これは「離婚貧乏」とでも言うべき状態です。
では「離婚貧乏」の原因にはどういったものがあるでしょうか?
男女ともに共通する原因には、知識不足ゆえの財産分与での大損や、相手への高額な慰謝料の支払いなどがあります。
それに加え、
- 男性特有の原因
- 女性特有の原因
もありますので、本稿ではこれらについてご説明したうえで、「離婚貧乏」で後悔しないためにどうすべきかについても検討していきます。
男の離婚貧乏の原因
養育費の支払い
男の離婚貧乏の原因で最も多いのは、「養育費の支払い」です。
養育費とは、未成年の子どもと離れて住む親が、子どもを実際に監護養育している親に支払う、子どもの生活・教育に必要な費用のことです。
近年の司法統計では、父親が親権を取れるのは1割程度となっていますので、養育費を支払う側は主に男性です。
養育費は子どもに対する責任の表れでもあり、非常に重要なものですが、問題は養育費の金額です。自分の収入に見合わない高額な養育費を支払うとなると、自分自身が生活に困窮してしまいます。
婚姻費用の支払い
婚姻費用とは、婚姻期間中の夫婦の生活費のことです。その内訳は、住居費用・食費・医療費・子どもの教育費などです。
夫婦には、
- 夫婦が同レベルの生活を送れるよう扶助する
- 財産や収入などに応じて婚姻期間中の生活費を分担する
といった法的義務があります。
したがって、配偶者が支払いを拒絶した場合でも、法律にのっとって支払いを請求できるのです。
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そしてこれは夫婦が別居中であっても可能です(別居の原因が自分の不倫などの場合は、認められないケースが多いです)。
婚姻費用は、通常、夫婦のうち収入の高い方から低い方に支払われますが、一般的には男性の方が女性よりも収入が高いため、婚姻費用を支払う側は主に男性です。
別居すれば生活費は二重にかかりますので、婚姻費用の支払いで生活が苦しくなる男性は少なくありません。例えば、自分の住む家のローンを支払いながら、専業主婦の妻の賃貸アパート費用を支払うとしたらどうでしょう。
このように、婚姻費用の支払いは離婚貧乏につながります。
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熟年男性は退職金で落とし穴が
熟年男性に特有の原因もあります。
それは、将来もらえる退職金の財産分与です。
離婚における財産分与では、婚姻期間中に夫婦が築いた財産をそれぞれの貢献度に応じて分け合います。退職金は給与の後払い的性質を持ちますので、すでに支払われた退職金だけではなく、将来もらえる退職金も、婚姻期間に応じて財産分与の対象になるケースがあります。
具体的に言えば、数年後に退職金がもらえることやその金額が判明している場合は、その将来もらえる退職金も財産分与の対象になりえます。
しかし、会社がつぶれてしまった、リストラされたなどから、実際には退職金がもらえなくなってしまうこともあるでしょう。
熟年夫婦は夫がサラリーマンで妻が専業主婦のケースが多いですが、自分の将来もらえる退職金を専業主婦の妻に財産分与したにも関わらず、実際には退職金をもらえなかったり減額されたりしてしまうと、妻自身の退職金を分与してもらえない夫は、離婚貧乏に陥ってしまいます。
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女の離婚貧乏の原因
専業主婦は再就職が難しい
女の離婚貧乏の原因の一つに、専業主婦の再就職の難しさがあります。
女性は結婚・出産・育児等で仕事を辞める場合が多いですが、一度キャリアが途切れてしまうと、そのブランクが長いほど再就職は難しくなります。
運良く再就職できたとしても、非正規雇用だったり、正規雇用でも給与が著しく低かったりするケースも珍しくありません。
シングルマザーならではの問題
シングルマザーならではの問題もあります。
長時間働けない・再就職で不利になる
一人で子育てをしながら働くとなると、長時間勤務はできません。これまでフルタイムで働いていた人も、時短勤務をせざるを得ず収入が下がることがありますし、専業主婦だった人はそれだけでも再就職にハンディがあるところ、「子どもさんがいたら、いつ熱を出すかわかりませんよね」、「残業はできませんね」などと採用をしぶられ、思うように収入を得られないケースが多いです。
実際、厚生労働省の「平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告『ひとり親世帯の平成27年の年間収入』」によると、平成 27 年の母子世帯の母自身の平均年間就労収入は 200 万円にしかなりませんでした。
参照元:厚生労働省「平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告『ひとり親世帯の平成27年の年間収入』」
養育費がもらえない
養育費がもらえず、生活が困窮する場合も多いです。
厚生労働省の「平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告『養育費の状況』」によれば、平成28年の養育費の取り決め状況は、母子世帯の母では、「取り決めをしている」が42.9 %でした。
また、平成28年の母子世帯の母の養育費の受給状況については、「現在も養育費を受けている」が24.3%でした。
これらの統計を見ると、養育費を支払わない男性はかなり多いと言えます。
参照元:厚生労働省「平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告『養育費の状況』」
熟年女性は年金分割で誤算も
熟年女性は、年金分割への誤解で離婚貧乏に陥るケースがあります。
2007年に離婚時の年金分割制度が導入された際には、新聞やニュースで取り上げられるなど、かなり話題になりました。
しかし年金分割と言っても、配偶者の年金を単純に半分もらえるというわけではありません。年金分割制度とは、「夫・妻が厚生年金(旧共済年金も含む)に加入していた期間のうち、婚姻期間に相当する期間の年金納付記録実績を、夫婦のもう一方に分割する」ものです。
熟年女性が夫の年金の半分をもらえると誤解していると、離婚後の生活設計が狂い、金銭的に苦しくなる可能性が高いです。
離婚貧乏で後悔しないためにできること
離婚貧乏で後悔しないために、なにかできることはあるでしょうか?
具体的には、
- 離婚後の生活をシミュレーションする
- 離婚条件をしっかり話し合う
- 離婚条件は弁護士に相談する
といった方法を取りましょう。
離婚後の生活をシミュレーションする
離婚後の生活を考えず安易に離婚すると、離婚貧乏に陥ってしまいます。
子どもの養育にはどれくらいお金がかかるのか、離婚後の仕事はどうするのかなど、離婚後の生活をしっかりシミュレーションしましょう。
ポイントは、「何にどれくらいお金がかかるのか?」を洗い出すことです。そのうえで、「どうやって必要なお金を得るのか?」を考えましょう。
離婚条件をしっかり話し合う
離婚前に、相手と離婚条件をしっかり話し合いましょう。
養育費や財産分与をどうするかといった問題を、ウヤムヤしてはいけません。離婚を考えている最中は、「相手と関わりたくない」、「さっさと別れてしまいたい」と考えることもあるでしょうが、一度離婚してしまうと、その後に話し合いをすることは困難です。
離婚条件は弁護士に相談する
とは言え素人には、離婚で何をどれくらい請求できるかはわからないものです。
そこで頼れる先が、離婚を専門にしている弁護士です。離婚を専門にしている弁護士は、財産分与や慰謝料・養育費といった問題に精通していますので、相談者が不利な離婚条件を飲まずに済むようサポートしてくれます。
夫婦間で話がこじれる前に、なるべく早く弁護士に相談しましょう。
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離婚貧乏でお悩みの場合には弁護士に相談しよう
まとめ:離婚貧乏にはしっかりとした対策を
離婚貧乏には、慰謝料など男女共通の原因のほかに、男性特有の原因・女性特有の原因がありました。
男性特有の原因は、
- 養育費の支払い
- 婚姻費用の支払い
- 将来の退職金の財産分与
などです。
女性特有の原因は、
- 専業主婦は再就職しにくい
- シングルマザーは長時間労働が難しい
- 養育費をもらえない
- 年金分割での誤算
などです。
しかし離婚貧乏は、
- 離婚後の生活をシミュレーションする
- 離婚条件をしっかり話し合う
- 離婚条件は弁護士に相談する
といった方法で十分対策が可能です。
離婚専門の弁護士に相談するとスムーズ
離婚には離婚貧乏という問題だけではなく、親権や面会交流権といった金銭面以外の問題もあります。これらを当事者だけで話し合うと、お互いに冷静になれず話が進まない場合も多いです。
離婚問題をスムーズに解決するためには、やはり離婚専門の弁護士に相談しましょう。離婚を専門とする弁護士は、苦しんでいる相談者に寄り添いながら、専門知識を駆使して解決までサポートしてくれます。
いまは初回法律相談料を無料にしている弁護士も多いので、まずは気軽に相談することをお薦めします。
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