離婚後の後悔~離婚経験者が感じる後悔は?
離婚後に後悔しないために、離婚経験者から学ぼう!
離婚は、人生の大きなターニングポイントです。これまでの結婚生活を精算し、「離婚してよかった」と、より良い新たな人生を始められるケースがある一方で、「こんなはずではなかった」、「離婚しなければよかった」と、激しい後悔の念に駆られるケースもあります。
では、離婚後に後悔しないためにはどうしたらいいでしょうか?
その答えの一つは、離婚経験者が感じる後悔をあらかじめ知っておくことにあります。離婚経験者から学び、離婚後の後悔にはどういったものがあるか心づもりしたうえで、きちんと対策を練っておけば、想定外の事態に後悔することは少ないはず。
本記事では、離婚経験者が感じる後悔のよくあるパターンについて見ていきたいと思います。
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経済面での離婚の後悔
妻は生活レベルが落ちる可能性あり
離婚経験者が感じる後悔の一つには、経済面での後悔があります。
特に専業主婦の妻が離婚をした場合、経済的に困窮する可能性が高いです。離婚を機に再就職しようと思っても、一度離職した専業主婦の妻が、ブランクを乗り越えて良い条件で仕事を得るのは、そう簡単ではありません。
また、離婚前に妻が働いていたとしても、一般的には妻よりも夫のほうが収入が高いことが多いため、離婚によって妻の生活レベルが下がる可能性があります。
経済面での離婚の後悔への対策〜財産分与、慰謝料、養育費をしっかりもらおう
経済面での離婚の後悔への対策には、財産分与、慰謝料、養育費をしっかりもらうことが挙げられます。
財産分与
財産分与とは、結婚後に夫婦で築いた財産(共有財産)を、その財産を築くために行った貢献度に応じて分配することを指します。財産分与の対象としては、
- 預貯金
- 不動産(家や土地)
- 自動車
- 生命保険
- 有価証券(株式・国際など)
などがあります。
慰謝料
離婚の慰謝料とは、不倫や暴力など、相手方に離婚の責任がある行為(有責行為)で受ける精神的損害への賠償金です。慰謝料の額は、裁判になった場合、婚姻期間や有責行為の態様、扶養すべき子どもの有無などを総合的に勘案して決められます。
養育費
養育費とは、未成年の子どもを養育するために、親権を持たない親が親権を持つ親に支払う費用のことです。具体的には、
- 食費
- 医療費
- 教育費
- 被服費
などがあります。
弁護士に相談しよう
財産分与、慰謝料、養育費がいくらもらえるかという問題は、弁護士の専門分野です。もらえる金額は、結婚生活の状況など個別に違いますので、お悩みの場合は弁護士に相談すると良いでしょう。弁護士は、それに併せて、具体的な請求方法などについてもアドバイスしてくれます。
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子どもに関する離婚の後悔
子どもがいる状況での離婚は、子どもに関する後悔を抱くケースがあります。
子どもの親権が取れない
子どもがいる状況での離婚で、もっとも重要なポイントとなるのは、子どもの親権を夫婦どちらが取るかということです。
親権とは、子どもの財産を管理する権利(財産管理権)と、子どもと一緒に住んで身の回りの世話をする権利(身上監護権)の総称です。財産管理権と身上監護権は、個別に切り離さず、2つまとめて夫婦のいずれかが取得することが多いです。
親権は、これまで、子どもの母親が取得するケースが大半でしたが、近年は父親が親権を取得するケースも増えてきています。
この親権が取れず、いままで一緒に過ごしてきた子どもと離ればなれになることは、親にとって身を切られる出来事でしょう。
面会交流が不十分
親権を取れなかった親も、子どもの福祉に反しない限り、子どもと面会交流する権利(面会交流権)があります。
けれども、面会交流の可否や面会交流の方法(どこでいつ会うか)、頻度などの取り決めをしていない場合、のちのちに元配偶者とトラブルになることがあります。また、取り決めを行っていた場合でも、元配偶者が約束を反故にすることもあります。
このように、面会交流が不十分なことを、離婚後に後悔する場合もあるのです。
子どもに精神的負担をかける
両親の離婚によって家庭環境が変わることは、子どもに少なからず精神的負担をかけることになります。
例えば、子どもは、親が離婚したことをネガティブに捉え、落ち込むことがあります。
また、離婚によって片方の親と別居すれば、その親とはこれまでよりもコミュニケーションを取る時間が減り、親の愛情を感じにくくなります。同居の親についても、シングルで子どもを養うために必死に働いた結果、親子のコミュニケーション時間が減り、親の愛情を感じにくくなる場合があります。
さらに、離婚に伴ってこれまで住んでいた家から転居することになれば、学校が変わる場合もあり、新しい環境に適応するためのストレスを感じるかもしれません。
こうした子どもの精神的負担を考えたときに、離婚を後悔してしまうことがあります。
子どもに関する離婚の後悔への対策
子どもの親権を得るには弁護士に相談を
子どもの親権を決めるに当たっては、まずは相手方とじっくり話し合う必要があります。相手方には、自分が親権者となるほうが子どもに有益である旨を、冷静かつ論理的に主張しましょう。
それでも話し合いが上手くいかない場合には、弁護士に相談するのも一つの手です。弁護士は、自分の代理人として交渉してくれますし、交渉でうまくいかなければ、離婚調停や離婚訴訟などの法的方法で、親権を勝ち取れるようサポートしてくれます。
離婚協議書を公正証書で作成し、面会交流の詳細も定める
面会交流について取り決めをしなかったり、面会交流の内容を口約束にしてしまうと、のちのち元配偶者との間でトラブルになる可能性があります。
トラブル防止のためには、協議離婚の場合でも、離婚協議書を作成し、面会交流の詳細についてあらかじめ定めるとよいでしょう(離婚協議書の作成時には、面会交流以外の、財産分与、慰謝料、養育費などについても定めるのが一般的です)。
離婚協議書は、公正証書のかたちでの作成をオススメします。公正証書とは、法務大臣が任命する公証人が作成する公文書です。公正証書にしておくことで、相手方が義務を果たさない場合に強制執行することができます(面会交流の強制執行は、一定条件を満たした場合に、面会交流の取り決めを守らないことへの制裁金を相手方に課して、面会交流をうながす方法で行います)。
公正証書をスムーズに作成するには、専門家である弁護士へ相談するとよいでしょう。
なお面会交流の強制執行は、公正証書以外に、離婚調停で作成する調停調書で面会交流を定めた場合にも行うことができます。この離婚調停についても弁護士は専門家ですから、内容を詳しく説明してくれます。
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子どもの精神的負担を軽減するための心がけをしよう
子どもの精神的負担はゼロにはできないかもしれません。しかし、親が心がけることで、子どもの精神的負担を軽減することは可能です。
具体的な心がけとしては、
- 親それぞれが、離婚によってより良い人生を歩んでいることを伝える、見せる
- 親が子どもを愛していることを日々伝える
などの方法があります。
両親がそろっているけれど、家庭不和で家の中が暗い状況と、両親は離婚したけれど、両親ともにより良い人生を明るく歩んでいる状況。前者よりも後者のほうが、子どもの精神面に良いと言えます。したがって、子どもに対しては、親それぞれが離婚によってより良い人生を歩んでいることを積極的に伝えていきましょう。
また、子どもとの別居等でコミュニケーションの時間が減っても、子どもと触れ合える時間に愛情をこまめに伝え、密度の濃い時間を共に過ごすことで、子どもの心を満たすことができます。親が子どもの心を満たしてやれば、離婚による転校など環境変化が子どもに起こっても、そのストレスを緩和してあげることができます。
心情的な離婚の後悔
そのほか、心情的な面でよくある離婚の後悔としては、
- 離婚して初めて、元配偶者の良さに気づいた
- 配偶者がいなくて寂しい
- 世間から厳しい目で見られる
といったこともあります。
離婚して初めて、元配偶者の良さがわかった
離婚して初めて、元配偶者の良さに気づくことがあります。離婚前は、相手の欠点や結婚生活への不満しか見えなくなりがちですが、一度は好きで結婚した相手です。長年暮らしていれば情もあるでしょうし、離婚して距離を置いたことで、相手の良さを痛感する場合も少なくありません。
配偶者がいなくて寂しい
離婚してから、元配偶者の良さに気づくことと関連して、配偶者がいなくて寂しくなることもありえます。嫌だと思っている相手でも、いなくなれば寂しいものです。
世間から厳しい目で見られる
3組に1組は離婚する世の中とは言え、まだまだ離婚に対する世間の目は厳しいものがあります。特に、保守的な考えの人が多い環境では、肩身の狭い思いをする可能性があります。
心情的な離婚の後悔への対策
離婚して初めて、元配偶者の良さに気づいたり、配偶者がいなくて寂しいといった後悔に関しては、離婚前に、「本当は相手への愛情が残っているのではないか?」ということをじっくり考える必要があります。
いまの「離婚したい!」という気持ちは、一時的なものではありませんか?自分の心の中をしっかりと見つめ、それでもやっぱり離婚すると決めたのなら、離婚後の後悔は少ないはずです。
そして世間の目に対しては、ある程度の割り切りが必要です。世間にどう見られるかよりも、自分の気持ちに正直に生きることが大事だと思うのなら、赤の他人がどう言おうといいではありませんか。
あるいは、保守的な考えの人が周りに多く、あまりに離婚を悪く言われるというのなら、転居や転職など環境を変えるのも手かもしれません。
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まとめ
後悔しない離婚のためには、弁護士に相談を
これまで、
- 経済面での離婚の後悔
- 子どもに関する離婚の後悔
- 心情的な離婚の後悔
について見てきました。
離婚経験者のなかには、こうした後悔を抱く人も少なからずいますが、十分な対策を練り心がまえをして離婚に臨めば、離婚後に後悔することも少ないはずです。
離婚問題は、弁護士の専門領域です。離婚後に感じうる後悔を検討したうえで、それでもやはり離婚したいと思うのなら、専門家である弁護士に相談しましょう。
離婚を専門に扱う弁護士は、深い悩みを抱える相談者・依頼者の気持ちを汲み取りながら、プロフェッショナルとして、離婚にともなう法的問題を丁寧に説明してくれます。
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