京都府の相続問題

京都府の相続申告率は関西地方第1位

東京、大阪と並んで日本を代表する都市・京都。富裕層が多いイメージがありますが、実際はどうでしょうか。

1年間に死亡した人の中で遺族が相続税を申告した割合を示す「相続税申告率」は、京都府は4.83％で全国第7位でした。東京都が8.22％なので、半分程度ということになります。関西地方の中では大阪府や兵庫県、奈良県を上回ってトップです。一方で相続税の納税額を国税庁のデータで見てみると、337億4200万円で全国11位です。

このことから京都府では相続財産を残す人の数も、相続財産の額も多いことがわかります。

京都府の不動産事情

相続財産の中でもっとも多いのが不動産です。特に宅地が占める割合が高いため、地価が高い地域に土地を持っていると相続財産の評価額が高くなります。

京都府の地価はどれくらいでしょうか。平成27年の全国の都道府県庁所在地の住宅地の平均公示地価を見ると、京都市は1平方メートルあたり194,400円で東京都（23区平均）、大阪市、横浜市に次いで全国第4位となっています。京都府全体の地価の平均価格は1平方メートルあたり134,800円なので、いかに京都市内が高いかがわかります。

京都市内の住宅地の価格で最高値をつけたのは京都市左京区下鴨萩ケ垣内町で1平方メートルあたり412,000円でした。次いで京都市上京区室町通下立売通上るで406,000円、3位は京都市上京区新烏丸通下切通の37万円、4位は京都市左京区下鴨東梅ノ木町の368,000円、5位は京都市北区小山下花ノ木町の362,000円で、いずれも京都市内の平均価格よりかなり高くなっています。

京都府の商業地のベスト5は、1位が京都市下京区四条通寺町東入るで1平方メートルあたり3,370,000円、2位が京都市下京区烏丸通七条下るの2,120,000円、3位が京都市中京区烏丸通六角下るで1,970,000円、4位は京都市中京区河原町通二条下るの150万円、5位は京都市中京区東洞院通御池下るの1,470,000円でした。やはり京都市内の観光地や人通りが多い地点の地価が高くなっています。

一方、日本海側の京丹後市や舞鶴市、宮津市などは都市部への利便性が悪いこと、観光以外の目立った産業が発展しないことなどから地価は低くなっています。

京都府の富裕層

京都市内は古い町並みが多く、昔ながらの間口が狭い住宅が目立ちます。また、景観条例によって建物の高さに制限があるなど、新築住宅を建てるにはかなりの制約があります。そのため、いわゆる豪邸が持ちにくい土地柄です。また、新参者はなかなかなじめない閉鎖的な空気があります。そのためか富裕層と呼ばれる人は京都の郊外である精華町の精華台や光台、木津川市の木津川台といった住宅地に住まいを構えているといわれています。

ただ、それでも「京都ブランド」があるため、京都市内に居を構える人もおり、そういった人は京都市内でも北部の上賀茂や西賀茂、北野方面や、松ヶ崎、修学院、北白川方面に住まいを持っているようです。桂にある住宅街も高級住宅地として知られています。

京都府民の貯蓄傾向

相続財産で不動産と並んで高い割合を占めるのが現金や預貯金です。京都府全体で見ると、貯蓄高は1620万円で全国で17位です。ただ、京都府の人は貯蓄の中でも有価証券の保有率が高く、全国で4位となっています。

また、京都府内で所得が5000万円超の人は約1000人います。これは全国では11位、関西地方では大阪府、兵庫県に次いで3番目という高さです。1億円超の所得を得ている人の数は176人で、こちらも全国で11位です。

京都府の人は土地柄もあってか、大きな住まいを持つよりは預貯金や株などで資産を残すケースが多いのかも知れません。

相続税対策は早めに

土地を持っている場合は地価の変動があります。今は安い土地でも、土地開発や新駅ができる、大型商業施設ができるといった条件で急に地価が高騰する場合があります。また、有価証券も価格が上下します。今は相続税とは無縁だと思っていても、そういった条件の変化で課税対象となる場合があります。

さらに平成27年の税制改正で一般家庭にも相続税がかかる可能性が出てきました。相続税対策は早めに考えておきましょう。

遺産分割調停申立て先の京都府の家庭裁判所一覧

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