富山県の相続問題

富山県の相続税納税額は全国25位

富山県の相続税の納税額は100億5600万円で、これは全国では25位です。金沢国税局管内（石川県、富山県、福井県）の中ではもっとも高い金額になっています。しかも、未納分が4億1800万円もあります。
相続税の課税対象となる主な財産には土地や家屋といった不動産と現金・預貯金・有価証券などがあります。富山県の場合はどうでしょうか。詳しく見ていきましょう。

富山県の地価は北陸新幹線で駅周辺は上昇

相続財産の中でも土地（宅地）や家屋は相続税の課税対象となるケースが多いと言われています。富山県の地価を見てみましょう。富山県の公示地価は、県全体で見ると住宅地はマイナス0.2％の下落、商業地はマイナス0.1％の下落となっています。全用途での変動率はマイナス0.2％で平成5年から23年連続の下落ですが、全国の地方都市は1.2％の下落なので、それと比較すると富山県の下落率は低いことがわかります。

また、個々の地点を見ていくと、住宅地では富山市は全地点で上昇しています。高岡市では利便性がいい高岡駅南が上昇しています。商業地では富山駅周辺や市電環状線（セントラム）沿線などが上昇しています。高岡市では高岡駅と北陸新幹線の新高岡駅との間の地区が需要が高く、上昇しています。特に富山市桜町2丁目の商業地は前年比7.8％も上昇しています。これらは北陸新幹線開通の恩恵が大きいと思われます。

ちなみに富山県で地価がもっとも高いのは、住宅地では富山市舟橋南町で1平方メートル当たり97,200円です。また、商業地でもっとも高いのは富山市桜町2丁目で1平方メートル当たり426,000円となっています。

富山県は持ち家率が高い

富山県は持ち家率が78．3％で全国1位です。また、1世帯当たりの居住室数は6.46室でこれも全国1位、1住宅当たりの延べ面積も全国1位、敷地面積は全国5位といずれも高くなっています。このことから、富山県の家屋は敷地も延べ面積も広いことがわかります。

地価もわずかながらですが上昇傾向にあることから、相続時に地価が高くなっていると遺族は相続税の心配をする可能性が出てきます。さらに富山県は田の面積の割合も全国でトップです。広い宅地や田を持っている人は気をつけてください。特に相続財産が土地と家屋だけという場合は納税資金がなく困るケースが多々見受けられます。そうならないためにも、早めの対策を考えておきましょう。

富山県の貯蓄高は全国13位

統計局の調査結果によると、富山県民の1世帯当たりの平均貯蓄額は1654万円で全国13位です。その背景には世帯収入が多いことがあるようです。富山県では勤労者世帯の実収入は612,354万円（1ヶ月平均）で全国で3位に入っています。さらに勤労者世帯の配偶者の収入は全国で4位と高いことからも、富山県の人は広い家を持ち、多くの収入を得て豊かな暮らしをしていることが想像できます。

富山県民の今後の相続税対策

北陸新幹線の開通で富山県や石川県など北陸地方に企業が進出してくる可能性が高まっています。それに伴って住宅地や商業地の値上がりが予測されます。そうなると土地を持っている人は、相続税を真剣に考える日がやってきます。今までは他人事と思っていたとしても、これからは身近な問題になってきます。
相続税対策には生前贈与や生命保険の活用などさまざまな方法があります。富山県の人は生命保険の加入率も高いようですが、さらに個々のケースに合った対策ができるように専門家に相談されるといいでしょう。

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