離婚前に不倫相手と同棲は要注意!悪意の遺棄になる可能性も
「もうこれ以上結婚相手とやっていけない」という理由で、別居を始める夫婦は少なくありません。でも、これだけは要注意!別居はお互いによく話し合ったうえでないと、一歩間違うと法律上の「悪意の遺棄」と判断されかねないのです。なぜそうなるかというと…。
夫婦の同居の義務を守らないと、悪意の遺棄とみなされる?
夫婦には“同居の義務”がある
すでにお互いの心が離れ、一緒にいられないような状況に陥った場合には、「たとえ離婚前でも別々に暮らした方がお互いのため」と思う気持ちもあるでしょう。しかし、ここで要注意!別居は法律上では違法行為とされていて、一歩間違うと離婚訴訟の際に「悪意の遺棄」とみなされる可能性もあるのです。
悪意の遺棄とは、いったい何?
離婚を考えるなら、覚えておきたい法律用語「悪意の遺棄」
離婚裁判などの際によく登場する法律用語のひとつに、「悪意の遺棄」があります。「悪意の遺棄」とは、わかりやすく言うと、結婚相手や家族をわざと放ってしまうこと。夫が理由もなく妻に生活費を渡さなかったり、仕事をしなかったり、妻の帰宅を妨害するような行為は、「悪意の遺棄」と見なされる可能性があります。
また、不倫相手のマンションに入り浸って帰って来なかったり、結婚相手を虐待して追い出してしまった場合、妻が実家に帰ったまま戻らない場合なども、「悪意の遺棄」となる可能性があります。
たとえば「もうおまえとは一緒にいられない!」と怒った夫が、自宅とは別にマンションを借りて住み始めてしまった場合は、法律上の「悪意の遺棄」に該当します。その方がお互いのために良いという、その人なりの判断があったとしても、それを立証するのは非常に難しいでしょう。
ただし、単身赴任や出稼ぎなどは、もちろんこれには該当しません。暴力をふる夫(妻)から逃げるために出ていった場合や、酒乱の夫(妻)にからまれて泣く泣く家を離れた場合なども、これには当てはまりません。また、子どもの学校の関係でどうしても住まいを移らなければならない場合や、一緒に暮らしている義母とどうしてもうまくやっていけない場合なども、「悪意の遺棄」からは除外されます。
不倫相手と同棲した場合はどうなる?
夫(妻)が不倫相手と同棲するために家を出ていった場合はどうなるのかというと、これは「悪意の遺棄」には当てはまりません。しかし、「不貞行為」や「婚姻を継続しがたい事由」に該当。離婚理由に相当します。
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お互いに別居に合意していれば、悪意の遺棄にはならない
今まで別居を躊躇してしまうような、怖い内容ばかりをお伝えしてきましたが、絶対に別居が許されないわけではありません。夫婦がお互いによく話し合ったうえで「もうこれ以上、二人は一緒にいないほうがいいだろう。君は実家に帰っても問題ないよ」などとお互いの合意が得られた場合は、別居をしても問題はありません。
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別居をする際には、このように夫婦がきちんと話し合いの機会をもち、今後のことも踏まえたうえで別居や離婚など人生の選択をしていくことが大切です。
また、民法には「民事不介入」という原則があり、犯罪とは関係のない個人間の紛争には立ち入らない決まりになっています。つまり、夫婦間のもめごとで同居義務や協力義務・扶養義務に反するような行為があったとしても、そのことで警察が動くようなことはないということです。
だからこそ、夫婦が離婚して別れるような事態になったとしても、双方が歩み寄って最善の形で別れる解決策を練ることが、非常に重要なことと言えるでしょう。
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