離婚に伴うお金の問題!トラブル回避のため『必ず知っておくべき諸費用』とは?
離婚を考えるときに、まず一番にクローズアップされるのが「お金の問題」です。これは離婚後の生活を左右する何よりも大事な問題なので、けっしてあせらず、きっちりとやるべきことをやりましょう。これからは自分が、一家の大黒柱になるのですから。
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離婚とお金の問題!「慰謝料」は不倫やDVなどがあった場合に請求できる損害賠償
離婚相手から受けた精神的被害を、「慰謝料」として受け取る
離婚相手に不倫やDV(身体的な暴力や虐待)、モラハラ(精神的暴力)、扶養義務違反(子どもの面倒をみない)などの事実があった場合に、精神的な被害に対する損害賠償として、「慰謝料」を請求することができます。性格の不一致などの理由では、慰謝料を受け取ることはできません。
慰謝料の金額は状況によってもかなり違いますが、おおよその相場は200~300万円と言われています。実はこの数字は、1980年代からあまり変わっていません。物価の上昇を考えれば、500万円はないと厳しいという意見もありますが、現状はいまだにこの金額に留まっています。もちろん、相手に多くの資産や収入がある場合は、それなりの金額を請求することもできるでしょう。
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こんな場合には、高額の慰謝料が請求できる
同じ不倫という離婚理由でも、不倫の期間が1年以上の長期にわたっていたり、不倫をした回数が多かった場合などは、高額の慰謝料を請求できます。不倫相手に子どもがいた場合は、さらに高額になるでしょう。
婚姻期間の長さも、慰謝料の金額と関わってきます。長い間連れ添った夫婦の場合は、それだけ精神的なダメージも多いため、高額の慰謝料を請求できるのです。一般的には10年以上の結婚期間が、長期的な婚姻期間とされています。
また、相手が不倫をしたことを頑なに認めなかったり、不倫発覚のショックで妻(夫)が鬱病になってしまったなどの事情がある場合も、慰謝料が高くなるケースがあります。
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慰謝料は不倫相手にも請求できる
不倫の慰謝料は、離婚相手だけでなく、不倫相手に対しても請求することができます。ただし、それで慰謝料が倍になるわけではなく、実際には慰謝料総額をどのくらいの比率で双方に請求するかという判断になります。
「不倫相手のことがどうしても許せない」というときなどに、慰謝料という形で罪を償わせることで、自分の気持ちに整理を付ける意味合いのものと考えた方が良いでしょう。
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慰謝料請求には、しっかりとした準備が必要
慰謝料を請求するにあたって、離婚相手が二つ返事で了解するケースはごく稀です。実際は弁護士が間に入って話を進めたり、調停や裁判に進むことも少なくありません。そのときのために、不倫やDVなどの証拠をしっかりと押さえておかなくてはなりません。
不倫が離婚原因であれば、二人がホテルに入ってから出るまでの映像をビデオに撮ったり、二人のリアルな会話を録音するなど、動かぬ証拠を手に入れる必要があります。DVが離婚の原因なら、暴力を受けた個所の写真や、医師の診断書などが有力な証拠となるでしょう。何の証拠もない状態で慰謝料交渉に臨んでも、上手くいくケースはほとんどありません。
不倫発覚前の夫婦関係が良好だったことを、証明する必要がある
不倫の慰謝料問題が調停や裁判に進んだ場合、不倫発覚前の夫婦関係が冷え切っていたと判断されてしまうと、慰謝料減額の理由となってしまいます。「家でも妻との会話は一切なく、すでに夫婦関係は破綻していた。あまりの寂しさから、夫は不倫をしてしまった」というような筋書きになってしまうからです。
不倫発覚前の夫婦関係が良好だったことを証明するためには、不倫発覚直前に夫婦で旅行に行った写真や、家族で楽しく過ごしている動画などを証拠として残しておく必要があります。慰謝料をめぐる調停や裁判は、熾烈を極めることもあるので、覚悟の上で臨みましょう。
慰謝料請求は時効があるので、注意が必要
慰謝料は、不倫発覚日から3年以上過ぎると時効になるので、注意する必要があります。「仕事が忙しいから、後でゆっくり証拠集めをしよう」などと考えていると、もらい損ねる危険性もあるので、最優先で話を進めましょう。
離婚とお金の問題!「養育費」は夫婦の間に子どもがいる場合に請求
裁判所の「養育費算定表」を参考に、養育費を決定
離婚相手との間に子どもがいる場合は、「養育費」を請求することができます。養育費の金額は、支払う側の収入や資産などによっても違いますが、平均的なサラリーマンで子ども1人につき5~8万円ほどが相場です。離婚時に母親の収入がどれだけあるかによっても、養育費は変わってきます。
養育費の額は双方の話し合いによって決まりますが、裁判所のホームページに掲載されている「養育費算定表」を参考資料として決定するケースが、数多くあります。
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養育費を受け続けている家庭は、わずか2割!
ただし、日本の場合は父親から養育費を受け取っている家庭は、わずか2割に過ぎません。慰謝料は現金で受け取ればもらい損ねることはないのですが、養育費の場合は「毎月いくら」という取り決めになるケースが多く、次第にフェイドアウトしてしまうのです。
そのため、養育費を離婚後の生活のあてにできるかどうかは疑問ですが、少なくともできる限りの対策をしておく必要があります。特に下記の2つは、必ずやっておくようにしましょう。
- 離婚時の約束を「離婚協議書」として残しておく。
- 公証役場に行って、離婚協議書を「公正証書」として残しておく。
これは離婚時の約束事すべてに当てはまることですが、上記のように離婚協議書を公正証書として残しておくことで、養育費の不払いがあったときに強制執行などの手段に出ることができます。これがあればすべて解決するという訳ではありませんが、不払いの大きな歯止めとなることは確かでしょう。
離婚とお金の問題!「財産分与」は財産は夫婦で半分ずつに分ける
財産には家から保険・家財道具まで、さまざまある
離婚の際には、結婚期間に夫婦で築いた財産を「財産分与」という形で清算する必要があります。財産は「夫婦で半分ずつに分ける」というのが、基本的な考え方です。
財産分与の対象となるのは、主に下記のようなものです。
- 預貯金
- 家や土地などの不動産
- 自動車
- 株式や国債などの有価証券
- 生命保険
- 教育保険
- 家財道具
- 貴金属・絵画・骨董品など
独身時代から所有していたものは、財産分与の対象にはなりません。
財産分与にあたって、入手しておくべきもの
財産分与に関して、家や土地・自動車などは誰もが財産だとわかりますが、夫名義のゴルフの会員権・株式投資・保険会社の年金積立などは、夫に隠されてしまうケースが少なくありません。
そのため、夫名義の財産を把握するために、最低限入手しておきたいものがあります。
- 夫名義の預金通帳のコピー
- 夫の給与明細(自営業の人は確定申告書)
- 不動産登記簿謄本(所有する不動産がある場合)
- 証券口座の明細
- 生命保険や教育保険の証券
夫の財産について、できる限り調べた上で、財産分与の話し合いに臨みましょう。巧妙に財産隠しをされてしまった場合は、裁判所に「調査嘱託申込書」を提出することで、強制的に調べることも可能です。ただし、この事に関しては非常にナイーブな面もあり、慎重に考えることが大切です。
離婚とお金の問題!「年金分割」は複雑なので早めに年金事務所に相談を
老後の生活は必ずやってくるので早めに手続きを
離婚をするときに、うっかりしてしまいがちなのが「年金分割」です。慰謝料や養育費などは当面の生活に直結するので忘れませんが、年金の場合は「まだ先の話だから」と、先に延ばしてしまいがち。でも、離婚を考えたときには、年金分割の手続きもしっかりとやっておかなければなりません。老後の生活は、いつか必ず現実にやってくるからです。
年金分割の話は少し複雑なので、離婚前に年金事務所に出向き、詳しく話を聞いておきましょう。年金分割の請求期限は離婚後2年以内なので、忘れず請求することが大切です。「何もしなくても、自動的に年金が半分になる」というわけではないので、注意が必要です。
単純に夫の年金の半分がもらえるわけではない
年金分割とは、離婚をするときに夫婦の年金を分割する制度のこと。この制度がスタートしたのは2007年で、それまでは離婚をしても妻は年金を受け取ることができず、悲惨な老後の生活を強いられていました。
年金分割制度ができたことで、妻は婚姻期間中の年金の半分を受け取ることができるようになりました。ただし、妻が受け取れるのはあくまでも「結婚している間だけの年金」であり、かつ「厚生年金部分のみ」です。単純に夫の年金額の半分がもらえるというわけではないので、注意しましょう。「夫と離婚をしたくて自分の年金額を計算したら、予想以上に額が少ないので離婚を取りやめた」という人もいるほどです。
「主婦は誰でも年金の半分をもらえる」は勘違い!
2008年に「3号分割」(相手の合意が無くても半分を分割できる)という制度ができたので、「主婦が離婚をしたら、誰でも年金の半分をもらえる」と勘違いしている人がいますが、これは違います!
3号分割を利用できるのは、2008年4月1日以降に国民年金の第3号被保険者(専業主婦)だった期間のみです。つまり、1995年6月に結婚をして2009年10月に離婚をした人は、2008年4月~2009年10月までの期間のみが「3号分割」。あとの1995年6月~2008年3月までの期間は、すべて相手と合意した割合で決める「合意分割」となるのです。
合意分割の場合、離婚相手が「お前には3割しか分割できない」と言い出した場合は、揉める可能性もあることを知っておきましょう。
離婚とお金の問題!「婚姻費用」は夫が生活費を払わなかったときなどに請求
夫婦の生活保持義務を怠った相手に、「婚姻費用分担請求」をする
「婚姻費用」とは、結婚生活を維持するために必要な費用のことです。夫婦には、お互いに同レベルの生活をするよう助け合う「生活保持義務」があるため、これを怠った場合には離婚時に婚姻費用を分担しなければなりません。
わかりやすく言うと、たとえば夫が浮気をして愛人のもとに入り浸ってしまった場合、生活費を払ってもらえないと妻や子は貧しい生活を強いられます。そうした期間が続いた場合は、その間にもらうべきお金を「婚姻費用分担請求」という形で請求できるのです。
婚姻費用は「婚姻費用算定表」を基準に決定
婚姻費用には、下記のような内容が含まれています。
- 生活費
- 住居費
- 被服費
- 食費
- 医療費
- 子どもの学費・養育費
などです。実際に婚姻費用を決める場合は、裁判所のホームページに掲載されている「婚姻費用算定表」を基準に決定するケースが一般的です。
平均的なサラリーマンと専業主婦の家庭では、妻が夫に対して月10~15万円程度の婚姻費用を請求しています。
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ただし、婚姻費用は「請求した時点からの費用を請求できる」という決まりがあり、過去に遡って請求することはできません。そのため、婚姻費用はできるだけ早く請求することが大切です。
離婚に関わる金銭問題・トラブルは弁護士に相談するのがベスト!
離婚する際に、一番夫婦の話し合いが難航するのは、金銭問題です。「これだけはもらわないと、生活していけない」「そんなに払ったら、こっちが生活していけない」というように、お互いの自我を出し合ってヘトヘトになってしまうケースが大半です。
離婚の金銭問題は、やはりその道のプロに相談をするのが、一番スムーズな解決方法です。当サイトから離婚問題に詳しい弁護士をピックアップし、まずは法律相談から始めてみると良いでしょう。
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