【体験談】多重債務者が特定調停で借金を5分の1に圧縮して完済した話
愛知県に住む50代の男性が、飲食店を経営するために脱サラし、複数の消費者金融業から500万円の借金をしました。想像以上の利子に苦しむことになり、返済は自転車相乗状態で自殺を考えるまでに追い込まれ、ついに特定調停を活用して債務整理をすることを決意します。特定調停により借金は5分の1にまで圧縮することができ、3年で無事に完済できました。
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私が債務整理をしなくてはいけなくなったのはなぜか?
私は、愛知県に住む50代後半のサラリーマンです。10年近く前の話になりますが、特定調停制度を利用して債務整理を行いました。簡単に返せると皮算用をして、事業開始資金500万円の借金をしたのですが、利子が重くのしかかり、債権者に取り立てられる毎日になってしまったのです。
きっかけは、脱サラでした
私が借金をすることになったきっかけは、会社を辞めて飲食店を始めたことでした。飲食店経営には多額の初期投資が必要になります。もちろん、自己資金は多少ありましたが、それだけで賄えるわけもなく借金をせざるを得ませんでした。
消費者金融業者から借金
私は、消費者金融業者4社からお金を借りることにしました。金額は総額500万円。今から思うと、あまりに無謀な借り方だったように思いますが、当時の私は許容範囲内だと感じていました。1社では借り入れられる金額は決まってしまうため、4社を利用するしかなかったのです。
甘く見ていた500万円
500万円の借金は、決して安い金額ではありません。しかし、当時の私はこれから始める飲食店の経営がうまくいき、意外とうまく返済できるだろうと甘く考えていました。お店を立てる前に、どうしたって資金が必要になるのですし、それは誰でも同じで、自分に限ったことではないと思いました。
厳しい経営。膨らむ借金
消費者金融業者から借金をした当時、楽観視していた経営ですが、いざ蓋を開けてみると、経営はそう簡単なものではないことを思い知らせれました。想像以上に毎月の経費がかかり、目に見えないコストがかかることも知りました。
どんどん膨らむ借金
利息は私に負担をかけていきました。返済が早々に苦しくなり、「どうしよう!返せない!」と精神的にもどんどん追いつめられていきます。しかも、私の場合消費者金融業4社から借り入れしているので、そう簡単に返せるわけもなく、雪だるま式にどんどん借金が膨らんでいくばかりなのです。
借金返済のために、また借金
1社の借金返済の充てるために、また他の消費者金融業者から借金をするという話はよく聞いたことがありましたが、まさに私も同じで、そういった具合に次々と借金を重ねていきました。そうしないと、返済のためのお金が作れないのです。
まさかの多重債務者に
私は、いつの間にか典型的な多重債務者になっていました。毎日、借金のことで頭がいっぱいになり、生活も荒んできて、どんどん膨らんでいく借金の額に恐怖感でいっぱいです。明日はどうなるのだろうと不安がひどく、もうどうにもできないところまで来てしまいました。
とうとう借金が返せなくなる
もはやどんなに頑張っても借金は返せなくなっていました。そんな中、もっとも恐れていた返済の督促が激しくなっていきました。
厳しい督促に商売どころではなくなる
借金返済が滞り始め、貸金業者からは返済の督促がされるようになりました。その督促は日を増して厳しくなり、私は精神に追いつめて、気持ちも不安定になりだしました。もう、商売どころではありません。借金返済の督促は続き、ついには夜逃げや自殺さえも頭をよぎるようになり、当然「自己破産」の文字も浮かび始めました。
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いよいよ特定調停で債務整理を考える
借金の返済に苦しむ中、多重債務が社会的な問題として深刻化しているという話題を耳にするようになりました。まさにその真っ只中にいるのが私なんだと思うと、情けなくなりましたが、何とかこの借金地獄から解放されたい!という強い気持ちを抱くようにもなりました。
債務整理を考え、ネットで情報収集
早く何とかしたいと思った私は、まずはネット等を利用して、どんな解決策があるかを調べ始めました。自己破産しかしらなかったので、まずは「自己破産」の検索から始めたわけですが、借金問題の解決には自己破産以外にもいろいろな手段があることが分かりました。
最初は弁護士に相談しようかと…
債務整理について詳しく知りたいと思いましたが、本やインターネットの情報だけでは、よく分からないことも多く、まずは弁護士や司法書士等、債務整理に詳しい専門家に相談し、債務整理を依頼することを考えました。しかし、気になるのは弁護士費用です。もし弁護士に依頼すれば、最初に着手金等の費用がかかります。
着手金すら支払えない!
当時、借金地獄に陥っていた私には、弁護士に支払う着手金すら捻出するのが難しい状況になっていました。弁護士に債務整理を依頼することに躊躇してしまいます。
自分でできる特定調停という手段
何とか、もっとお金をかけずに債務整理ができないか、ネットで調べていたところ、「特定調停」という方法があることを知りました。弁護士に依頼しなくても自分でできますし、コストも申立てのときの手数料程度ですみます。
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簡易裁判所が間に入る特定調停
特定調停とは私のように支払不能になるおそれがあるときに活用できるものです。
簡易裁判所が間に入って債務者と話し合い、もし合意すれば原則3年の返済計画を立て、それに従って返済をしていくことになります。話し合いをするのは、任意整理と同じですが、特定調停の場合は簡易裁判所で調停委員胃仲介してもらえるというメリットがあります。
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勉強後に、裁判所で手続きを行いました
ネットで特定調停手続きの概略を勉強して、これなら私でもできる!と思いました。そしてついに、簡易裁判所に特定調停の申立てを行う事にしました。
特定調停申し立て
特定調停の申立費用は、債権者1社に対して500円の手数料と予納郵券ですむので、とても助かりましたが、最初に申立書をつくらなければならず、法的な知識も理解も無かった私には、特定調停の申立書を記載することも、その他の添付資料を揃えることも大きな負担でした。しかし裁判所の事務官の方が丁寧な指示をしてくださり、何とか受理してもらえました。
いよいよ特定調停が始まる
特定調停の手続きを行おうと動き始めた当時、私の飲食店は、既に休業状態にありました。朝・夕の新聞配達とその集金業務で何とか生計を立てていたので、裁判所に通う時間は何とか確保することができました。
簡易裁判所での特定調停
調停の申立後、数週間で簡易裁判所から調停期日の呼出状が送られてきました。そして、いよいよ第一回目の期日、出頭し調停が始まりました。特定調停では、裁判所が選任した調停委員が付き、手続きに必要な資料や手続きの手順を説明してくれます。
調停第一回目
第一回目の調停では、調停委員2名とだけの面談でした。調停委員より調停の申立書に記載した内容をもとに、私の生活状況や今後の借金返済の計画などについて質問されました。これから債権者と話し合う上で必要な内容について話し合い、思ったよりスムーズに終わりました。
調停第二回目
第二回目の調停では、調停委員の仲裁交渉のもとで、私と債権者である消費者金融業者の方との三者による返済金減額の話し合いが行われました。この日の前は、債権者が加わる交渉なので相当なプレッシャーがかかり、「もし債権者が調停に応じてくれなかったらどうしたらいいんだとろう」と、マイナスな結果を想像してずっと悩んでいました。
想像に以上に、和やかだった調停
しかし、予想に反して私の場合は、話し合いがこじれることなく、和やかな雰囲気で債権者の合意を得られたのです。調停委員の案(調停条項案)に沿って、調停委員が話し合いの進行の主導権をとってくれたので、予想していた口論はありませんでした。
借金は500万円の5分の1に圧縮!3年で無事完済
特定調停のおかげで、私の場合は、借金額が500万円から5分の1の100万円に圧縮されました。その後就職した会社の安い給料でも割と困ることなく返済できたのです。
無事調停成立
特定調停では、利息制限法により元本の減額や調停委員会が解決案を出してくれるなどするので、やってよかったと心から思います。私の場合は、借金は500万円の5分の1に圧縮され、驚きました。
ついに借金は返済。借金地獄から解放されました
特定調停での話し合いが終わり、その合意内容が調停調書として作成され調停成立となりました。調停調書は判決と同じくらい効力があり、この内容に従ってきちんと返済をしなければ、強制執行を受けることもあると言われましが、返済計画に従った支払いは無理がなく、薄給の私であっても3年間で返済を終えることができました。ついに、借金地獄の生活から解放されたのです。
借金から逃げてはいけない
借金は逃げ出して放置すると、加速度的に増大します。精神的に追い詰められて、どうにもできないところまで行ってしまうので、借金から逃避してはいけないのです。借金問題が生じたとき、自分だけで解決しようとせず、思い切って債務整理をする決断をすることは、とても大事なことです。
この男性は、事業を始める資金のための借金のために、債務整理をすることになりました。このケースの場合は、特定調停という手段での債務整理でしたが、本来は、まず法律のプロである弁護士や司法書士に相談することが大切になってきます。
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