離婚後の住まいはどうする?5つの選択肢と家賃補助・ローンの注意点

離婚をするとき、真っ先に直面するのが「これからどこに住むか」という問題です。住まいの選び方は、離婚後の生活費・子どもの環境・必要な手続きを大きく左右します。
離婚後の住まいには大きく分けて5つの選択肢があり、それぞれにメリット・デメリットと、必要な手続きがあります。さらにひとり親世帯には家賃補助や公営住宅の入居優遇といった支援制度も用意されています。
この記事では、離婚後の住まいの5つの選択肢を整理したうえで、利用できる支援制度や、住宅ローンが残った家に住む場合の注意点まで、わかりやすく解説します。
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離婚後の住まいの選択肢は主に5つ
離婚後の住まいには、主に次の5つの選択肢があります。
- 実家に帰る
- 賃貸住宅に住む
- 公営住宅に住む
- 住宅を購入する
- 離婚前に住んでいた家に住み続ける
どれを選ぶかは、収入・子どもの有無・実家との関係・貯蓄状況などによって変わります。それぞれの特徴を順に見ていきましょう。
【選択肢1】実家に帰る
特に子どもを連れて離婚する場合、親の同意を得て実家に戻る方は少なくありません。
メリット:経済的にも子育て面でもゆとりが持てる
家賃の負担がなくなる、または大幅に軽くなるため生活の立て直しがしやすくなります。親が子どもの面倒を見てくれれば仕事と育児の両立もしやすく、精神的な支えも得られます。離婚直後の不安定な時期を乗り切る土台として、実家は心強い選択肢です。
デメリット:親の介護や将来の問題が生じる
一方で同居が長くなると、将来的な親の介護の問題や、生活リズム・子育て方針の違いによる摩擦が生じることもあります。また親の持ち家であれば相続の問題が将来発生する可能性もあります。あくまで一時的な拠点と位置づけ、いずれ自立した住まいに移ることを見据えておくとよいでしょう。
【選択肢2】賃貸住宅に住む
自分名義で賃貸住宅を借り、新たに生活を始める選択肢です。自由度が高く、勤務先や子どもの学校に合わせて住む場所を選べます。
メリット:住む地域を自由に選べる
ひとり親家庭への支援が手厚い自治体を選んで移り住むこともできます。後述するように自治体によっては家賃補助制度があり、これを活用すれば負担を抑えられます。
デメリット:家賃の負担が重い
実家や公営住宅に比べ家賃の負担は大きくなります。離婚後は収入が一人分になることも多いため無理のない家賃設定が重要です。一般に家賃は手取り月収の3割以内が目安とされます。
母子家庭・父子家庭が使える家賃補助制度
多くの自治体が、ひとり親世帯向けの家賃補助(住宅手当)制度を設けています。金額や条件は自治体ごとに異なりますが月数千円〜1.5万円程度を補助する例があります。
ただしこれは市区町村独自の制度のため制度自体がない自治体もあります。よくある受給条件には、次のようなものがあります。
- 18歳未満の子どもを養育するひとり親世帯であること
- その自治体に住民票があり、対象エリアに居住していること
- 前年の所得が一定額以下であること(児童扶養手当の受給または所得制限内など)
- 家賃が一定額(例:6万円)以下の賃貸に住んでいること
- 家賃や住民税を滞納していないこと
- 生活保護を受けていないこと
制度の有無・名称・条件は自治体によって大きく異なるため住む予定の市区町村の窓口に必ず確認しましょう。
家賃補助以外にも、ひとり親世帯が受けられる手当や助成制度は数多くあります。あわせて確認しておくと安心です。
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【選択肢3】公営住宅に住む
都営住宅・県営住宅・市営住宅などの公営住宅は、所得の低い世帯向けに家賃が抑えられた住まいです。
メリット:家賃が安く、ひとり親が優遇されることも
公営住宅の家賃は世帯の所得に応じて決まるため民間賃貸より大幅に安くなることが多くあります。さらに自治体によっては入居者の抽選でひとり親世帯が優遇されるケースもあります。
デメリット:人気物件は入居しにくい
家賃の安さから希望者が多く、抽選に当たらず順番待ちになることも珍しくありません。すぐに入居できるとは限らないため当面の住まいを別に確保しておく必要がある場合もあります。
なお申込時には「配偶者のいない親であること」が条件となるのが一般的で、離婚調停中・別居中の段階では申し込めない自治体が多い点に注意してください。
【選択肢4】住宅を購入する
資金や安定した収入がある場合は、離婚を機に住宅を購入する選択肢もあります。
メリット:将来にわたって住む家が確保される
自分の資産になるため家賃を払い続ける必要がなく、将来の住まいの不安がなくなります。子どもに安定した生活環境を用意できる点も大きな利点です。
デメリット:ローンを払い続けられるか不安が残る
住宅ローンを単独で組む場合、離婚後の収入で長期にわたり返済を続けられるかが課題です。ひとり親世帯では収入が限られることも多いため無理のない返済計画が欠かせません。購入は、収入の安定を十分に確認したうえで慎重に判断しましょう。
【選択肢5】離婚前に住んでいた家に住み続ける
慣れ親しんだ家にそのまま住み続ける選択肢です。特に子どもがいる場合、転校や環境の変化を避けられるメリットがあります。
メリット:子どもの生活環境を変えずに済む
学校や友人関係、生活圏を維持できるため子どもへの負担を最小限に抑えられます。引っ越しの費用や手間がかからない点も実用的なメリットです。
デメリット:名義やローンの問題が残る
持ち家に住み続ける場合、名義や住宅ローンの扱いが大きな問題になります。この点は特に注意が必要なので、次の章で詳しく解説します。
住宅ローンが残った家に住み続ける場合の注意点
離婚後、住宅ローンが残った家に住み続けるケースでは、後々のトラブルを防ぐために、名義とローンの整理が不可欠です。
名義人と居住者が異なるとリスクがある
たとえば「夫名義の家に妻と子が住み続け、ローンは夫が払う」という取り決めをした場合、注意が必要です。離婚後に名義人である夫がローンを滞納すれば、居住者である妻子が家を失うリスクがあります。名義人が勝手に家を売却してしまう可能性もゼロではありません。
住み続ける側がローンを引き継いで自分名義に変更できるのが理想ですが収入の審査などハードルがあるため金融機関への相談が必要です。
ローンの支払い約束は公正証書で具体的に残す
離婚相手がローンを支払い続ける約束をした場合は、口約束では不十分です。「責任をもって支払う」といった漠然とした内容ではなく、「いつまでに、いくらを、どう支払うか」を具体的に定め、公正証書として残しておきましょう。
離婚後にローンが支払われなくなり、残された側が多額の残債を背負うことになったケースは少なくありません。住み続ける選択をする場合は、名義とローンの取り決めを書面で明確にしておくことが、自分と子どもの生活を守ることにつながります。
離婚後の住まい選びで失敗しないためのポイント
最後に、住まいを選ぶうえで押さえておきたいポイントを整理します。
- 離婚後の収入を正確に見積もり、無理のない住居費(手取りの3割以内が目安)に抑える
- 子どもがいる場合は、転校・通学・生活環境への影響を考慮する
- 住む予定の自治体に、ひとり親世帯向けの家賃補助・公営住宅の優遇制度がないか確認する
- 持ち家に住み続ける場合は、名義とローンの扱いを公正証書で明確にしておく
住まいの問題は、財産分与や養育費とも密接に関わります。特に持ち家やローンの扱いで判断に迷う場合は、早めに離婚問題に詳しい弁護士に相談することで、後悔のない選択がしやすくなります。
離婚後は住まい以外にもさまざまな手続きが必要になります。優先度の高いものから整理した以下の記事もあわせてご覧ください。
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