借金を返せないとどうなる?払えない人の末路と借金滞納のリスク

借金が払えないことに悩む男性

借金が返せない、もう払えないとお悩みの方へ

銀行カードローンやクレジットカードなどで借金をしている場合、毎月の給料で返せないほど借りすぎてしまったり、減給や失業あるいは病気や怪我などで収入が減り返済が苦しくなってしまうケースがあります。

こうした場合、期日までの支払いができず、借金を滞納してしまうことも多いです。

借金の滞納を続けた場合に起こること

     

  • 業者から厳しい支払いの催促・督促
  •  

  • 借金の残金を一括返済で請求される
  •  

  • 借金の支払いを求めて債権者に裁判を起こされる
  •  

  • 給料や自宅の差押えで、借金の存在が家族や職場にバレる
  •  

  • ブラックリストに載り、借金やカード決済ができなくなる

借金の支払いが厳しくて返せない、今の収入だけではもう払えないという方でも、そのまま借金を放置するのは非常に危険です。

借金を返せないまま放置するとどうなるのでしょうか。

この記事では、借金を滞納した先で実際に起こり得ることを解説していくとともに、最悪の事態を回避するための対処法をご紹介します。

借金を滞納した場合の流れとリスク

まず借金を払えないまま、滞納した場合の流れとリスクを確認していきましょう。

  1. 借入先から電話がかかってくる
  2. 自宅に督促状が届く
  3. 内容証明郵便で一括請求される
  4. 裁判を起こされる
  5. 差押えをされる
  6. ブラックリスト状態になる

借入先から電話がかかってくる

借金の支払いを払えないまま期日までに入金できなかった場合、期日後に借入先の債権者から電話がかかってくることが多いです。

このときかかってくる電話は、借入時に登録した電話番号です。携帯の電話番号を登録していたら携帯にかかってきますが、自宅の電話を登録していたら自宅宛にかかってきます。家族に借金を秘密にしている場合、家族が電話をとると、借金を知られてしまうこともあります。

電話がかかってくるタイミングは、債権者によってまちまちです。入金日の翌日には電話がかかってくることもありますが、3日後や1週間後になってかかってくるケースもあります。

電話では、入金が確認できていないことと、早めに入金してほしいということを言われ、いつまでに入金できるのかということを聞かれます。このとき、きちんと期日を約束して、そのとおりに支払いをすれば、それ以上大事になることはなく、それまで通り分割払いで支払っていくことができます。

自宅に督促状が届く

督促の電話がかかってきても無視したり、電話に出ても約束通り支払いをしなかったりすると、自宅宛に郵便で督促状が届きます。ときには電話がかかってこずに郵便が先に届くケースもあります。

督促状には、入金の確認ができていないことと、未払いになっている元本と利息、遅延損害金の金額が書かれており、早期に連絡をしてください、ということが書かれています。もしくは、早く入金するように、と書かれているケースもあります。

このとき、きちんと対応をして、滞納している元本と利息、遅延損害金の全額を入金すれば、それ以上に問題が大きくなることはありません。

督促状には、差出人の債権者名(株式会社〇〇など)がはっきり書かれるケースもありますし、債権者によっては債務者の状況に配慮して、業者名を伏せてくれるところもあります。ただ、どちらにしても、こうした督促状が家に届くと家族に内容を見られて借金のことを知られてしまうリスクが非常に高くなります。

内容証明郵便で一括請求される

督促状が届いても支払いをせずに放っておくと、借金滞納後2~3ヶ月くらいが経過したタイミングで、債権者から「内容証明郵便」による借金の一括請求書が届きます。

内容証明郵便は、特殊な書式になっており、簡易書留のような手渡しの方法で届くので、受け取った債務者の方は大きなプレッシャーを感じてしまうことが多いです。

しかも、内容証明郵便内には「支払いをしないと、給料や預貯金などを差押えます」などと書かれていることも多いので、債務者の方は「このままだと給料や預貯金などを取られてしまう」と思い、焦ってしまいがちです。

内容証明郵便自体には差押えの効果はない

ただ、内容証明郵便自体には、差押えなどの効力はないので、この時点でいきなり差押えなどをされることはありません。

内容証明郵便は、郵便局が記載内容を証明してくれるタイプの郵便で、そのときに確実に請求したという証拠を残すためのものです。また、相手にプレッシャーを与える効果を狙っていることもあります。

一括払い請求される理由

内容証明郵便による督促状では、「借金の残金一括請求」と「遅延損害金の支払い」が求められていることが通常です。このとき、「借金は分割払いの約束だったのに、どうして一括払いになってしまうのか?」と疑問に感じる方もおられます。

それは、借金は、一定金額以上を滞納すると、分割払いができなくなり、そのときの残金を一括払いしなければならない契約になっているからです。このように、分割払いができなくなることを「期限の利益喪失」と言います。

借入当初の契約書やカード利用約款などを見ると、期限の利益喪失約款が入っていることが通常ですので、関心のある方は、一度みてみると良いでしょう。

遅延損害金とは

遅延損害金とは、債務者が約束通りの支払いしないことにより、債権者に発生した損害を賠償するための損害賠償金です。金銭債務の場合、遅れた日数に遅延損害金の年率をかけ算することにより、日割りで計算されます。借金を滞納したときに発生する特別な利息のようなものだと考えると良いでしょう。

それでも支払いをしないと裁判を起こされる

内容証明郵便で借金を督促されても、一括払いでの支払いとなれば返せないのが普通です。
返せないからと内容証明郵便が届いた後も支払いをせず放置しておくと、債権者から裁判を起こされるリスクがあります。この時の裁判は「貸金請求訴訟」です。

裁判をされると、地方裁判所や簡易裁判所から債務者の自宅宛てに「訴状」や「答弁書催告状」「口頭弁論呼出状」などの書類が届きます。これらの書類は「特別送達」という特殊な郵便でとどきます。特別送達も、配達員が受取人に直接手渡しするタイプの郵便です。

そこで、自宅の家族が裁判所からの郵便を受け取ると、裁判されたことを知られてしまい、心配をかけることになりますし、借金を秘密にしている場合には借金問題を知られるリスクがあります。

裁判を起こされた場合、争うことも可能ですが、単に「支払いが苦しいから滞納している」というだけでは争いようがなく、最終的に、支払い命令の判決が出てしまいます。判決がでると、自宅宛に「特別送達」で「判決書」が届きます。判決書を見ると、借金残額の一括払いと遅延損害金、訴訟費用の支払いをするように、ということが書かれています。

差押えをされる

判決で支払い命令が出てしまったとしても、借金残金や遅延損害金などの一括払いには応じられない方がほとんどです。払えないからと判決を無視して放置していると、どのようなリスクがあるのでしょうか?

給料、預貯金、生命保険、自宅や車もすべての財産が差押えの対象

この場合、債権者から、給料や預貯金、生命保険などの財産を差し押さえられる可能性があります。判決が出たということは、法的にも権利が認められたということなので、支払いをしていないと、債権者が取り立てをすることができるのです。

差押えの対象になるのは、債務者名義の預貯金や生命保険、不動産(家など)や車、現金などの動産、給料や売掛金などの債権です。つまり、債務者名義のありとあらゆる資産や債権などが、差押え対象になると考えて間違いありません。

給与の差押えで会社にも借金滞納がバレる

給料を差し押さえられても、全額が差押えの対象になるわけではありませんが、給与差し押さえをされると会社にも通知が来るので、会社に借金滞納していることを知られてしまいます。また、この段階に来たら、もはや家族に秘密にしておくことは不可能でしょう。借金を滞納したら、どんなに遅くとも、差押えをされる前に債務整理によって解決を目指す必要があります。

ブラックリスト状態になる

ブラックリスト状態とは

借金を滞納するリスクで、もう1つ忘れてはならないものがあります。それは、いわゆる「ブラックリスト状態」になることです。ブラックリスト状態というのは、ローンやクレジットカードなどを一切利用できなくなった状態です。

借金を返せないまま滞納すると、滞納後2~3ヶ月程度が経過した段階で、債権者が「信用情報機関」に対し、滞納情報を通知します。すると、信用情報機関は、「個人信用情報」に「延滞情報」を登録します。

信用情報機関とは個人の信用力に関する「個人信用情報」を管理している機関です。銀行やクレジットカード会社、消費者金融会社などは、融資やカードの審査をするときに、申込者の個人信用情報を確認して、その人を信用して良いかどうかを判断します。

そこで、借金を延滞して「延滞情報」が登録されていると、カードやローンを申請しても信用してもらえず、審査に落とされてしまいます。このように、個人信用情報に延滞情報などのネガティブな情報が登録されて、一切のローンやカードの審査に通らなくなった状態のことを、一般に「ブラックリスト状態」と言います。

ブラックリスト状態になった場合のリスクと期間

ブラックリスト状態になると、自分名義でクレジットカードを作ることができませんし、住宅ローンなどの銀行ローンも利用できません。サラ金からのキャッシングすらできませんし、他人の借金の保証人になることもできず、スマホの機種端末代金の分割払いも不可能です。

いったん延滞情報が登録されてブラックリスト状態になったら、基本的に延滞状態を解消するまで延滞情報が登録され続けますし、延滞状態を解消したとしても、その後さらに1~5年程度は情報が残ってしまいます。

つまり、借金を2~3ヶ月間延滞して内容証明郵便が届く頃になると、ブラックリスト状態となり、その後数年以上に及ぶ長期間、ローンやクレジットカードが使えない状態になるということです。

借金滞納による「時効」の完成とリスク

次に、借金を滞納しているときの「時効」とそれにともなうリスクについて、ご説明します。

借金の時効

借金を滞納して長期間が経過すると、時効が完成することがあります。つまり、借金を長期間返さないまま放置しておくと、時効によって借金を返さなくて良くなる可能性がある、ということです。借金を請求する権利である貸金返還請求権には、消滅時効があるからです。

借金の時効期間は、借入先によっても異なります。一般の貸金業者や銀行などからの借り入れの場合には、最終返済日の翌日から数えて5年が経過すると、時効消滅します。銀行カードローンやクレジットカード、サラ金のキャッシングや住宅ローンなどの一般の借金は、こちらに該当すると考えて良いでしょう。

これに対し、個人からの借金や信用金庫などからの借金は、最終返済日の翌日から数えて10年が経過した時点で時効消滅します。

時効に伴うリスク

それでは、借金をしても返さないまま5年ないし10年間放置していたら、常に支払いをしなくて良くなるのでしょうか?

時効には更新(中断)がある

実は、そんな都合の良いことにはなりません。時効には「更新」という制度が認められるからです。

時効の更新とは、時効の進行が停止して、時効期間が当初に巻き戻ってしまうことです。時効が更新されると、それまでの時効期間の進行はなかったことになり、始めからの数え直しになります。

このルールは、以前は「時効の中断」と呼ばれていました。中断という言葉は一般的に「時効が途中で止まる」意味に誤解されやすいとして、2020年4月1日の民法改正を機に「時効の更新」と変更されました。

たとえば、カードローンで借金をして4年が経過したときに時効を更新されると、またそのときから5年が経たないと時効が完成しなくなるのです。

時効の更新を延々と繰り返されると、永遠に時効が完成しない可能性もあります。

時効の更新事由

時効の更新事由としては、以下のようなものがあります。

  • 債務承認
  • 裁判上の請求
  • 仮差押、仮処分

債務承認とは

債務承認とは、借金があることを認めてしまうことです。口頭で認めても債務承認になりますし、何も言わずに借金の一部を払ったときにも債務承認となります。
1000円の利息を支払っても債務承認になります。債権者から「いま返済分を払えないなら少しでもいいからお金を入れてほしい」などと言われたときには、1円でも支払ってしまうと債務承認したことになるので注意が必要です。

裁判上の請求のリスク

裁判上の請求は、訴訟や調停で貸金請求されることです。訴訟をして判決が出ると、判決確定後10年間、時効が延長されます。
借金を滞納しているときには債権者に居場所を知られていないことがありますが、それでも裁判をされる可能性はあります。

訴訟を起こすときには、「公示送達」と言って、相手方の住所が不明な場合、裁判所内に掲示を行って相手に送達した扱いにする方法を利用することができるからです。

この方法だと、単に裁判所の掲示板に「裁判が起こっています」という貼り紙が貼られるだけで、勝手に判決を出されてしまいます。

つまり、借金を滞納している場合、自分が知らない間に裁判をされて時効を延長されている可能性があるということです。

このリスクからすると、長期滞納して時効の完成を待つのは、あまり得策とは言えません。

借金が返せない、払えない場合の対処方法

早めに弁護士へ相談をすることで解決できる

借金の支払いが厳しく借金が返せない場合にはどうしたらよいでしょうか?

結論から言えば、毎月の返済分も払えない場合は早めに弁護士に相談するのがベストです。というのも弁護士は、借金問題を解決する債務整理の専門家だからです。

弁護士に債務整理を相談するメリット

弁護士に債務整理の相談をするメリットは以下のとおりです。

最適な債務整理の方法を教えてくれる

債務整理には、

  • 任意整理(裁判外の交渉によって、将来利息をカットし、借金を3〜5年で分割返済する方法)
  • 個人再生(裁判所に申し立て、借金を法律が定めた最低弁済額まで減額し、3〜5年で分割返済する方法。最低弁済額は借金の額によって異なりますが、500万円以下の場合は100万円です)
  • 自己破産(裁判所に申し立て、すべての借金の支払義務を免除してもらう方法)

の3種類の方法があります。

いずれの方法を取っても、今よりも借金が減額される、あるいはゼロになりますが、弁護士は相談者の個別の事情や要望を聞き、それぞれのメリット・デメリットをわかりやすく説明した上で、相談者にとって最適な債務整理の方法を教えてくれます。

直接の取り立てが来なくなる

弁護士に依頼すると、借金の取り立てが直接来なくなります。

弁護士は、受任した段階で貸金業者に受任通知を送ります。これ以降、貸金業者からのすべての連絡は、債務者代理人である弁護士に行きます。

借金でお悩みの方の中には、貸金業者からの取り立てで精神が追い込まれ、つらい思いをされている方もいらっしゃるでしょう。しかし、弁護士に依頼することで、借金の取り立てにおびえる日々から解放されます。

過払い金が戻ってくる可能性がある

2010年6月17日以前に借り入れを開始した方は、過払い金が戻ってくる可能性があります。

過払い金とは、払い過ぎた利息です。2010年6月18日施行の貸金業法改正の前には、貸金業者は利息制限法の上限金利を超える「グレーゾーン金利」で貸付をしていました。しかし、弁護士が貸金業者から取引履歴を取り寄せ、利息制限法の金利で引き直し計算をすることで、ケースによっては過払い金を発見し、貸金業者に返還請求を行うことも可能です。

過払い金返還請求を行うと、借金がゼロになる上に過払い金が戻ってきます。また、過払い金が発生していなくても、引き直し計算の過程で借金が減額になるケースもあります。

初回相談料無料、弁護士費用の分割払いが可能弁護士も!

弁護士に相談するのを費用面でお悩みの方にお知らせしたいのは、「初回相談料無料」「弁護士費用の分割払いが可能」な弁護士も多く存在するということです。

弁護士の敷居は、けっして高いものではありません。上記のような対応を親身になってしてくれます。

借金問題は一刻も早い相談が大切

弁護士への相談は、早ければ早いほどいいです。

その1つ目の理由は、借金を滞納し支払いが遅くなればなるほど、遅延損害金が膨らんでいくことにあります。遅延損害金は、契約通りの返済をしなかったことに対する損害賠償金です。遅延損害金は、法定利率が元本に対し5%ですが、貸金業者との間に特別な約定を結んでいれば、貸金業者は更に高利率を求めてきます。

2つ目の理由は、財産が差し押さえられる前に、適切な対処ができることです。弁護士が介入しなかったら差し押さえられていた財産も、早期の弁護士介入で守れるかもしれません。

まとめ

会社の休業や倒産といった社会的な事情、あるいは個人の健康状態や病気などの理由から収入が減少し、借金を返せなくなるケースは増加傾向にあります。
当サイトが2021年3月に行った調査では、2016年から2020年にかけての5年間で、弁護士への債務整理相談の相談者数は3.2倍に増加していたという結果がわかっています。

もし、借金を払えないまま滞納してしまい、返せるメドも立たないようであれば、ひとりで怯えるのではなく、速やかに弁護士へ相談してみてください。

借金を滞納して返せない場合は債務整理に強い弁護士への相談がオススメ

また、弁護士に相談する際には、債務整理に強い弁護士への相談をお勧めします。
医師に内科、外科、小児科などの分野があるように、弁護士にも得意な分野があります。
今はネットで弁護士を検索することも簡単にできますので、借金が返せない、払えないとお悩みの方は、ぜひ債務整理に強い弁護士に相談してみてください。

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