債務整理中や整理後に借入(借金)は可能?恐ろしいデメリットを紹介

借金に悩む男性

債務整理中にお金を借りようと思っても、借り入れの申し込みに応じてくれる金融機関はほとんどありません。無事に借りられたとしても、様々なデメリットが待ち構えています。

最悪の場合、整理対象の金融機関には交渉に応じてもらえなくなり、支払能力がないのに借金を全額返済しなくてはならなくなる事態に陥るかもしれません。

債務整理中に借入(借金)できるところはほとんどない

債務整理をしている最中に急病による入院など不測の事態が起こり、まとまった資金が必要になる可能性はゼロではありません。そんなときには新たな借り入れが必要になることもあるでしょう。

しかし、残念ながら債務整理中に借入をできるところはほとんどありません。

なお、債務整理の手段の1つである任意整理中の借り入れについては、以下の記事で詳しく解説しています。任意整理をしている方はこちらも合わせてご覧下さい。

カードローンやクレジットカードも利用できない

なお、債務整理中はまとまったお金が必要になってもクレジットカードの利用や、カードローンの利用もできません。

もちろん新しいクレジットカードを作ることも困難になります。

債務整理中に借入(借金)ができない理由

債務整理すると、しばらく経済的信用がなくなるから

債務整理をすると、借金を減額あるいは免除してもらえるというメリットと引き換えに、しばらくは経済的な信用がない状態が続きます。

そのため、上記でも触れた通り新規でローンやカードの申し込みをしようとしても、ほぼ確実に審査に落ちてしまうのです。

債務整理の手続きには数ヶ月かかるから

債務整理をすると、手続きは1週間や10日で終わるわけではありません。手続き自体に数ヶ月も時間がかかり、返済期間を含めると3年以上もの年月を要します。その間に、どうしても急にまとまったお金が必要になることもあるでしょう。しかし、債務整理中にまた新たな借金をすることは得策とは言えません。

債務整理をした時点で「ブラックリスト」に載るから

債務者が債務整理をすると、金融機関から信用情報機関にその事実が通知されます。すると、信用情報機関に「事故情報」が登録され、いわゆる「ブラックリスト」に載ることとなるのです。原則、事故情報を削除する方法はありません。削除を依頼できるのは、間違って登録されている場合のみです。

事故情報の登録後、最低5年は借り入れができないから

信用情報機関に事故情報が登録されている期間は、約5年です。したがって、債務整理をすると5年間は借り入れができない状態となります。ローンやカードの申し込みをしても、ほぼ確実に審査に落ちるでしょう。この間はじっとがまんして、借金の返済を続けていくしかありません。

債務整理中に貸付に応じてくれるところは注意が必要

債務整理中では、原則として借り入れの申し込みをしても審査には通りません。しかし、大手以外であれば独自基準で申し込みに応じてくれるところはあります。しかし、借り入れにはいくつかハードルがありますし、知らず知らずのうちにヤミ金に手を出してしまう可能性もあります。

借りられたとしても上限がある

中堅以下の金融機関では独自のルールのもとに債務整理中でも借り入れに応じてくれるところはあります。しかし、申込者の年収3分の1までしか貸付を行ってはいけない「総量規制」という制度があり、現実的に借り入れを行うのは難しいでしょう。

また、立て続けに借り入れの審査に申し込みをしていると、よほどお金に困っているものとみなされ、余計に経済的な信用を低下させてしまうこともあるので注意が必要です。

ヤミ金は怖いので絶対に手を出さないように!

存在自体が違法なヤミ金は、「ブラックOK」「即日入金」などの甘い文句で誘ってきますが、ヤミ金から借金をした時点で終わりです。法外な利息を取られる上に、自宅や職場にまで執拗な取り立てが来ます。どんなにお金に困っていても、絶対にヤミ金には手を出さないようにしましょう。

補足:金融機関は債務整理中かどうかを調べることはできない

信用情報機関への情報照会は、融資以外の目的ではできません。他の目的で情報照会を行うには、「正当な事由」が必要とされます。つまり、金融機関が借り入れの申し込みを受けて情報照会をしようとしても、その申込者が債務整理中であるか否かということまで調べることは原則としてできないのです。

債務整理中の借り入れ(借金)はデメリットとリスクだらけ

債務整理中に新たに借金をすることは、決して法律違反ではありません。しかし道義的に考えて、それはあってはならないことです。もし新たに借り入れしたことが発覚すれば、取り返しのつかない事態にもなりかねません。

貸金業者からの信用がなくなる

金融機関側からすれば、債務者に債務整理をされてしまうと借金額の減額や免除に応じざるを得なくなります。貸したお金が全額返ってこない事態となるため、貸付をした金融機関にとって経済的な損失はかなりのものです。そのような状態で、債務者がよそで新たな借り入れをすればどうなるのでしょう?

債務整理に応じることは、借金の減額を許すこと

金融機関等が債務整理に応じるということは、利息制限法に基づき利息を引き直して債務者が支払うべき金額を圧縮するのを認めるということです。遅延損害金等をも差し引いた金額で和解するのですから、金融機関にとっては損になることはあっても得になることはまずありません。

新たな借金が判明すれば、整理に応じてもらえなくなる

そのような状態で新たに借り入れをすると、債務整理の対象となった金融機側側にしてみれば不公平が生じます。債務者は、借金整理をしたところでは借金額を減額してもらっているのに、新たな借り入れ先には元金+利息を支払うことになるからです。不公平が出るのは当然と言えるでしょう。そうなると、整理の対象となった金融機関からはもう整理には応じてもらえなくなってしまいます。

自己破産した場合、免責にならない可能性が

借金返済ができなくなって自己破産した場合は、新たな借金を重ねることでさらに大きな支障をきたすことになります。

自己破産は財産を処分して借金返済を免除してもらえる手続き方法ですが、裁判所から「更生の余地なし」とみなされ免責されなくなる可能性もあります。

自己破産は借金を帳消しにすること

自己破産とは支払不能に陥った債務者を救済するためにとられる最後の手段です。

手元に高価な財産があればそれを処分・換金して返済の一部に充てますが、残債については返済が免除となります。

そうすることで、債務者に借金地獄から立ち直らせる機会を与えるねらいがあるのです。一方で、金融機関等の債権者にとっては自己破産されることで莫大な損害を被る、という事実があります。

最悪の場合、免責されなくなる可能性も…

自己破産をしたのにもかかわらず、新たに借り入れをしたことが判明すると、裁判所は「この債務者には更生の可能性が無い」と判断し、免責許可を下さないことがあります。免責が不許可になれば自己破産手続きは終了となり、残債はそのままという取り返しのつかない事態に陥ります。個人再生等の他の債務整理手続きにおいても、同様のリスクが生じます。

手続きを依頼していた弁護士にも見放されかねない

また、弁護士や司法書士などの専門家に手続きを依頼していた場合には、債務整理中にさらに借金をしていたことがバレれば契約を一方的に打ち切られる可能性があります。

この場合、支払不能の状態にもかかわらず弁護士費用は全額支払う義務だけは残ることになります。しかも手続きや金融機関等との交渉は自力でしなければなりません。

債務整理中でも、金融機関の中には独自審査で貸付をしてくれる業者もあります。しかし、上記のような事態を引き起こすリスクもあります。くれぐれも債務整理中に新たな借金をすることはやめておきましょう。

債務整理中や整理後に借入(借金)をする前に弁護士に相談

今回紹介した通り債務整理中の借入はリスクやデメリットが多すぎます。

借入を重ねると借金問題がより深刻になりかねませんので、その前に弁護士に相談することをオススメします。

弁護士事務所であれば現在の生活の状態に相談に乗ってくれますし、今後の具体的な解決方法なども提案してくれます。

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