離婚の前兆~夫婦間の兆候から計る離婚のサイン
愛し合って結婚した夫婦なら、生涯仲むつまじく暮らしたいもの。しかし、なかには様々な理由から離婚という決断を下す夫婦もいます。
では、この離婚はある日突然訪れるものなのでしょうか?
結論から言えばそれは違います。離婚には何らかの前兆・サインがあるのです。
本記事では離婚の前兆・サインを取り上げ、離婚の前兆・サインに気付いた場合の対応策についても触れていきます。
離婚の前兆・サイン一覧〜離婚寸前の夫婦の特徴
性格の不一致
これまで何の問題もなかったのに、生活をともにする中でパートナーとの性格の不一致に気付くことがあります。
結婚当初は「性格が合わない」と感じず、仮に「性格が合わない」と感じてもさほどでもなかったような場合でも、生活をともにすれば、今まで見えていなかった相手の側面に戸惑うケースも珍しくありません。
実際、平成28年度司法統計では、裁判所で扱った婚姻関係事件数のうち最も申し立て理由が多かったのは「性格が合わない」でした。
例えば、友人を自宅に招いてにぎやかに過ごすのが好きな夫と、家族以外の人がプライベート空間に入ることを嫌う妻。あるいは、外に出ているときぐらいは自由に過ごしたい妻と、心配性で妻の外出先にも「いまどこ?」と何度も連絡を入れる夫。
こうした夫婦の場合、一方を立てるともう一方はストレスが溜まり、まさに「性格が合わない」状態になってしまいます。
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価値観の相違
「性格の不一致」にやや似ていますが、パートナーとの「価値観の相違」で離婚する夫婦も多いです。
価値観の相違が表面化する代表例は、子育てや介護といった問題です。
子どもをおおらかに伸び伸びと過ごさせたい夫と、塾に行かせてしっかり早期教育を施したい妻。あるいは、親を自宅で看取りたい夫と、介護施設に入所させたい妻。子育てや介護といった問題は、具体的に目の前にある問題だけに、お互いの価値観の相違に目を背けることはできません。
そうかと言って、真反対の価値観に折り合いをつけるのも至難の業ですから、夫婦関係がギクシャクすることもあるでしょう。
夫婦の会話が減る
夫婦の会話が減る理由は、2パターンあります。
理由:生活時間のすれ違い
まず1つ目は、お互いの生活時間がすれ違って、物理的に会話が不可能なケースです。
夫が日勤のサラリーマンで、妻が夜勤ありの不規則勤務などの場合、一方が家にいるときは他方が仕事になり、十分に顔を合わせられません。お互いに話したいことがあっても、物理的に会話ができないのです。
会話する意思はあっても物理的な問題で会話ができずに時間が経つと、お互いの悩みの共有もできず、気付いたときには生活時間のみならず気持ちもすれ違ってしまいます。
理由:相手に無関心
2つ目は、相手に無関心なケースです。
お互いの生活時間は合致しているものの、相手に無関心で会話する意思がない状態を指します。
夫婦喧嘩が絶えないのも問題ですが、怒りよりも無関心のほうが、相手への期待が下がった危険な状況です。なぜなら怒りは、表現方法がどうであれ相手に気持ちを伝えようとしており、相手が改善してくれることを心の奥で期待しているからです。
一方無関心は、怒りを通り越して、相手が存在することすら気に留めず相手が居ても居なくてもどうでもいいような状態…つまり、結婚している意味があるのかという状態です。
口論が絶えない
自分とは異なる人間と生活をともにしていれば、大小の差はあれ不満が出てくるもの。ときには、それが口論に発展することもあるでしょう。
しかし、口論が絶えないのは問題です。
口論が絶えないというのは、夫婦双方が
- 相手を批判する
- 相手を軽蔑する
- 相手から責められたときに、いいわけしかしない
状態を指します。
本来、不満は冷静な話し合いで十分解決が可能です。しかし口論が絶えない状態では、お互いに気持ちがヒートアップして譲らず、平行線のままです。
浮気・不倫
夫婦の一方(または双方)の浮気・不倫は離婚の前兆・サインです。
人間ですから、長い結婚生活の間に、パートナー以外に心が揺れる瞬間があるかもしれません。しかし、ほとんどの人はパートナーや家庭を思い、浮気・不倫を実行に移すことはしないもの。
それでも気持ちの制御ができず浮気・不倫をしてしまうとしたら、パートナーへの思いよりも新しい恋愛で頭がいっぱいになっているのでしょう。
こうなると、
- 浮気・不倫をした側
- 浮気・不倫をされた側
の双方で離婚を考えることがあります。
浮気・不倫した側が離婚を考える場合
浮気・不倫をした側が離婚を考えるのは、浮気・不倫相手に本気になってしまったケースです。浮気・不倫相手と人生を共にしたいと考えたとき、今のパートナーとの関係を精算し新たな人生を送るため、離婚を考えるようになります。
浮気・不倫された側が離婚を考える場合
逆に、浮気・不倫された側が離婚を考えるケースもあります。浮気・不倫をしたパートナーに失望し、相手を信頼できなくなって離婚を選択せざるを得なくなった場合です。
浪費・ギャンブル
パートナーの浪費やギャンブルは、離婚の前兆・サインです。
浪費やギャンブルは家庭を破綻させます。浪費やギャンブルがエスカレートすると、借金してでもお金を使おうとします。こうなると生活費にも事欠き、夫婦仲は悪くなり、いずれは離婚ということにもなるでしょう。
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DV
DVは離婚の前兆・サインですが、それ以前に「暴行罪」・「傷害罪」といった犯罪です。
DV被害に遭っている場合、まずは自分の身を守るためにパートナーから逃げましょう。自分の実家や友人宅でもいいですし、公的機関であれば婦人保護施設・母子保護施設があります。また、民間のシェルターもいいでしょう。
DVの被害者は、加害者の暴力に怯え、往々にして正常な判断力が低下しています。すぐ離婚するしないを決める必要はありません。とにかく気持ちを落ち着け、身の安全をはかるために加害者と別居するのです。
このままDVに耐えていれば、いずれは命を落とすかもしれません。それは被害者本人にとってもですが、加害者であるパートナーにとっても悲劇です。
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セックスレス
セックスレスは離婚の前兆・サインの場合があります。
セックスレスでも、夫婦双方が性交渉に重きを置いておらず「精神的につながりさえすればよい」と思っている場合は、さほど問題にはなりません。
しかし、一方が相手との性交渉を望んでいるのにもう一方が応じてくれない場合は、離婚につながる可能性が高いです。
セックスレスが問題になる場合は2パターンありますので、それぞれ見てみましょう。
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パートナーが性交渉に応じてくれない
第一は、パートナーが性交渉に応じてくれないパターンです。
自分は性交渉に重きを置いているのにパートナーが応じてくれない場合、「自分はパートナーから異性として見られていないのではないか」、「パートナーはもう自分に関心がないのではないか」と疑念を抱くようになります。それは夫婦の信頼関係の崩壊を意味します。
このパターンで最も問題になるのは、その裏にパートナーの浮気・不倫が隠れている場合です。よそで性的欲求を満たしているから、夫婦のセックスが希薄になっている可能性もあるのです。
自分が性交渉に応じたくない
第二は、自分がパートナーとの性交渉に応じたくないパターンです。
パートナーと性交渉したくないのは、一体なぜでしょうか?よくある理由は、ともに生活するなかで相手への不満が溜まり、相手への愛情が薄れてしまったというものです。
「性格の不一致は性の不一致」という言葉もありますが、相手の性格・人格についていけなくなったことが、性交渉に応じたくない理由につながる場合もあります。
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離婚の前兆・サインに気付いた場合の対応策は?
離婚の前兆・サインに気付いた場合、どのような対応策があるでしょうか?
結婚生活を改善できないか冷静に話し合う
一番良いのは、自分が不満・不安に思っていることをパートナーに伝え、パートナーとともに結婚生活の改善方法を考えることです。
その際に一番大事なのは、「冷静に」自分の気持を伝えることです。どんなに相手に不満・不安があっても、関係改善を目指すなら激情にかられてはいけません。誰しも頭ごなしに怒りをぶつけられたら、自己防衛に走ります。「自分は悪くない」、「自分の方こそたくさん不満を抱えているんだ」と相手も怒りをぶつけてくるでしょう。
そうならないために、とにかく気持ちを落ち着けて相手とじっくり向き合ってください。話し合いをするなかで、初めてお互いの本当の気持に気付くこともあります。
そうなれば、あとは前向きに改善方法を考えていくだけ。過去の不満・不安に囚われず、未来志向で二人の関係を考えましょう。
離婚のメリット・デメリットを検討する
離婚のメリット・デメリット検討することも大切です。
例え現状の結婚生活に不満があるにしても、安易に離婚しては思わぬ不利益があるかもしれません。例えば自分が専業主婦の場合、何も準備せずに離婚して離婚後の生活は成り立ちますか?お堅い企業に勤めていれば、職場で離婚をネガティブに捉えられ、会社に居づらくなるかもしれません。
離婚は結婚よりもエネルギーを必要とします。大変な思いをして離婚したのに、メリットよりもデメリットのほうが多ければ後々後悔するでしょう。ケースによっては、メリットを享受するためにデメリットに目をつぶるという選択肢もあります。
離婚の前兆・サインに気付いたら、離婚のメリット・デメリットをきちんと損得勘定したうえで、離婚するのかしないのかを考えましょう。
弁護士に相談する
離婚の前兆・サインに気付き、夫婦間の話し合いも不可能であれば、離婚を専門とする弁護士に相談しましょう。
「弁護士に相談するのは離婚を決めた後でないと」と考える方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。離婚の前兆・サインに気付いた段階で、弁護士に相談し離婚のシミュレーションをするのは大事です。
さきほど「離婚のメリット・デメリットの検討する」という対応策をご説明しましたが、これを素人が考えようとしても、専門知識が足らず正確に検討できない場合がほとんどです。ネットや書籍で情報収集することは不可能ではありませんが、これらは一般論を述べているだけで、個々のデリケートな事案に合致しない場合もあります。
その点、離婚問題を専門に取り扱う弁護士なら、個々の事案に即した的確なアドバイスをしてくれます。
離婚の前兆・サインに気付いたら弁護士に相談を!
まとめ:離婚の前兆・サインに気付いたら早期に対応策を講じよう
これまで、離婚の前兆・サイン一覧、離婚の前兆・サインに気付いた場合の対応策などについて解説しました。
離婚の前兆・サイン一覧には「性格の不一致」や「価値観の不一致」などがありましたが、自分たち夫婦の状態がこれらに当てはまるのか考えてみてください。
もし当てはまるのであれば、「結婚生活を改善できないか冷静に話し合う」、「離婚のメリット・デメリットを検討する」、「弁護士に相談する」などの対応策を講じましょう。
そして対応策を講じるのは、離婚の前兆・サインに気付いてからなるべく早くに行うのがベストです。無為に時間が経過すると、その間に状態が悪化する恐れがあります。
弁護士は、離婚問題の専門家
弁護士は離婚問題の専門家です。離婚の前兆・サインに気付き、パートナーとの話し合いもできない状況であれば、なるべく早く弁護士に相談し離婚のメリット・デメリットを検討しましょう。きちんと離婚のメリット・デメリットを理解したうえで、相手ともう一度やり直すのか、それとも離婚するのか決めるのです。
どうしても離婚したくない場合には、「円満調停」という法的手続きもあります。これは夫婦の関係を元の円満な関係に戻すために裁判所で話し合う手続きで、弁護士はより円満な解決に向けてアドバイスが可能です。
また、やはり離婚が避けられない場合には、弁護士は離婚の手続き方法や離婚で相手に主張すべき事柄についてもアドバイスできます。
離婚問題でお悩みの場合には、ぜひ一度弁護士に相談してみましょう!
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