離婚調停の親権争い、父親の勝ち・親権を取った事例 5つを紹介!

赤ん坊をあやす父親

離婚調停で親権を争った場合「母親が親権を持つ」ケースが大半を占めますが、父親が親権を勝ち取る事例も徐々に増えています。特に、イクメンと言われる男性が親権を持てば、母親が養育する環境と変わらず、子どもは健やかに育ってくれるでしょう。

本記事では「父親が勝訴した事例」を取り上げるほか、父親が親権を勝ち取るポイントについても解説します。

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親権問題で父親が勝訴した事例

裁判所への申立書

勝訴の例を紹介する前に、家庭裁判所で親権を争う場合「何が重要視されるのか」、重要なポイントをまとめておきます。

親権決定で基準となるポイント

  1. 離婚前に誰が子どもの監護を行っていたか
  2. 子ども自身の意志
  3. 子どもが幼い場合は原則、母親が監護者として適当である
  4. 小さな子どもは、できるかぎり兄弟一緒が良い
  5. 子どもの利益

上記の①〜⑤は親権者・監護者決定において、裁判所が重視する点です。

①は、離婚前から現在までに至って、誰が子どもの監護者であったのか。子の面倒を見る上で【継続性】が判断されます。

②では、親の都合では無く「子どもが誰と一緒に暮らしたいのか」子どもの意志を尊重します。

③ですが、子どもが小さなうちは、母親が監護者としてふさわしいと考えられます。

④は兄弟姉妹がバラバラにならないことが、子の健やかな成長にふさわしいといった考えです。

⑤の子どもの利益は、「親権」の原則と深い繋がりがあります。親権は未成年である子の養育や監護を行い、子どもの利益のため子の財産を管理し、子どもに代わって法律行為を行う権利のことです。

これらのポイントを例に、父親が親権を獲得した事例(※ 裁判離婚以外の事例も含む)を5つ紹介しましょう。

※親権者・監護者の判断基準は、判例の後でも詳しく解説します。

事例1 妻の不貞行為で夫が親権を獲得したケース

まず、妻の不貞行為と子の連れ去りで、男性が子の親権を取ったケースを紹介します。

どのような事件だったのか?

妻が不貞行為におよび、それを夫に咎められたところ、妻が子(当時4歳)を連れて実家に帰ってしまいました。

そこで夫は「子の監護者の指定審判、子の引渡し」を事件として家庭裁判所に申し立てました。また損害賠償請求、財産分与でも事件として申し立てを行っています。

一審では父親が勝訴し、子の親権は父親の側に指定されました。また、東京高裁に控訴はされたものの最終的には「一審が確定」しています。

当事件における親権決定のポイント

妻の不貞行為が発覚する前、妻も夫も(子に対し)同程度の監護を行っていましたが、当事件において「夫に親権」が指定されたのは、妻の不貞行為によって夫婦関係が破綻した上に、妻が無断で子を実家に連れ去ったことが考慮されたからです。

小さな子の親権(監護権)を父親が獲得したことは非常に珍しく、判例タイムズ 1383号 2月号の327Pにも、当時の状況が記されています。

参考リンク:判例タイムズ 1383号 2月号 (2013年01月25日発売) 327P

事例2 親権者決定前に、母親が子どもを連れ去ったケース

夫婦の別居中、母親が子どもを連れ去り「夫と合わせない」といったケースは珍しくありません。しかし、親権決定前に無断で子どもを連れ去る行為は、未成年略取の罪に問われます。

刑法224条(営利目的等略取及び誘拐)

未成年者を略取し、又は誘拐した者は、三月以上七年以下の懲役に処する。

母親の側からすると「私が産んだのに、なぜ罪に問われるのか?」と、不思議に思うかもしれませんが、無断での連れ去りは刑法224条が成立する上に、親権や監護権の決定条件としては大きなマイナス要因と見なされます。

子の連れ去りは国際的にも罰せられる

「子の連れ去り」を犯罪とする判断は国内固有のものではなく、海外でも同様に行われています。特に戦後、日本人と外国人が国際結婚を行うケースが増えており、2005年の時点では年間約4万組のカップルが国際結婚に至っています。

ただ国際結婚の場合、習慣の違いなどから離婚の件数も多く、2009年には年間約2万人近い夫婦が国際離婚を行っていることが分かっています。

離婚後「子の親権」は誰が持つのか、どちらの国で子を育てるのか。国際離婚は国内の離婚以上に、問題が複雑化します。また外国人との離婚に伴い、日本人の母親が子どもを母国に無断で連れ去り、罪に問われる事件も多発しています。

1980年10月には「国際的な子の奪取」問題を解決するハーグ条約が作成され、2013年5月22日には日本の国会でも、ハーグ条約の締結が承認されています。

そして翌年(2014年4月1日)には日本でもハーグ条約が施行。現在では日本人妻が子どもを日本に連れ去った場合には、元の居住国に返還されるなどの措置が執られています。

参考リンク:国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約(外務省)

なお国内のハーグ条約前にも、アメリカ在住の日本人妻が子どもを無断で連れ去ったという理由で、ハワイ州保安局に身柄拘束された事件がありました。

参考リンク:母は子を連れて帰国、奪い返そうとした父は逮捕 日米の視点――JAPANなニュース

子どもの返還は原則「民事的に行われる」ことが第一条件ですが、結婚相手の国の法律によっては刑務所に収監される可能性も高く、子の連れ去りという行為は軽視できない、国際問題に発展しています。

事例3 妻が子どもを連れて別居するが、子は父と暮らしたいと意向を示したケース

子どもが「父親と暮らしたい」と意志を示した場合、本人や周りへの状況を聞き取った上で、親権(監護権)を父親に指定するケースは珍しくありません。

実際に、妻が離婚を切り出し、子どもを連れて出て行った場合でも「子の意見」は尊重されます。

例えば、父親と離れるという心理的側面だけで無く、友達と別れるのが辛く「今住んでいる場所から離れたくない」との意向を示した場合も、原則は子どもの意志を尊重し、親権(監護権)が決定されます。

事例4 妻が無断で子を連れ去る準備をしていたケース

母親が、夫との離婚や別居を視野に入れ「子を連れ去る準備」をしており、「このままでは子どもが連れ去られてしまう」という場合には、ただちに離婚弁護士に相談を行ってください。

夫が過去、(子どもに対し)母親と同等の監護を行っていたことを示し、別居に至る経緯において「父が監護者としてふさわしい」ことを証明することで、子の監護権が獲得できます。

事例1〜5でも取り上げましたが、相手が意図して「子の連れ去り」を行う(または計画していた)場合は、刑法224条が成立するため母親の親権獲得は難しくなるからです。

このほかにも、子どもの健やかな成長を妨げる要因(例:母親に多額の借金がある、母親が仕事で子育てに時間が割けない等)があれば、父親が親権(=監護権)を獲得できる可能性は高くなります。

とはいえ「母が子の連れ去り」を行えば、100%父に親権が移るという訳ではありません。また一審で親権が父に認められた場合でも、二審以降で母親の監護状況や愛情の注ぎ方によって判決が覆り、母に監護権が与えられることもあります。

裁判においては、両親が子に対してどのように監護を行っていたのか。別居前の父親との関係や監護の状況、子どもがどのような意向を示しているのか。裁判所が総合的に判断し親権・監護権が決定されます。

事例5 子どもがそれぞれ、別の親を選んだケース

子どもが二人以上いた場合、それぞれの子どもが「どちらの親を選ぶのか」子どもの意志が尊重されます。

事例3では一人の子が父親を選び、監護権は父親に与えられましたが、例えば姉は母の元で暮らし、弟は父の側で暮らすといった親権の分け方もあります。

いずれにしても、子が兄弟姉妹と分かれることは避けるべきです。親の都合だけで、兄弟姉妹が離れ離れになるのは、子どもの心理的負担や精神的ショックが大きくなります。

国際離婚の親権トラブルについて

本項の事例2で紹介した、国際離婚後、親権トラブルを抱える方の割合は非常に多く、国際社会においては「日本人女性は子どもを連れ去る可能性が高い」ことが問題となっています。

その結果、日本人女性とその子どもが一時帰国をするなど、海外の出国時には(空港での)今まで以上に厳しいセキュリティチェックが行われています。

国際離婚による親権争い、子どもの国籍や居住国に返還など、トラブルを抱えている方は、国際法にも詳しい離婚弁護士に相談をしましょう。

親権者・監護者を決める判断基準

本記事の冒頭で「親権決定で基準となるポイント」について紹介をしましたが、実際の裁判ではより詳しく状況を聞き取りし、夫婦と親子の全体像から、親権者と監護者を判断します。

親権者・監護者指定の判断要素

  1. 現状維持
  2. 民法819条6項、民法766条1項・2項
  3. 子の利益を優先しているかどうか
  4. 子の年齢、子の意志
  5. 離婚の有責性

①〜⑤の判断要素について、順に解説します。

① 現状維持

子の利益のために「継続性の原則」が尊重されます。継続性の原則とは、子どもの監護状況が安定指定している場合、親権や監護権などを変更せず「現状を尊重する」といった考えです。

また親権だけでなく、子どもの学校や友人関係などを維持することで「子どもの心理的負担が少なく」なるというメリットがあります。

② 民法819条6項、民法766条1項・2項

親権者・監護者の決定は民法819条6項、民法766条1項・2項が大きく関わってきます。

民法における親権者・監護者の規定

民法819条6項(離婚又は認知の場合の親権者)

子の利益のため必要があると認めるときは、家庭裁判所は、子の親族の請求によって、親権者を他の一方に変更することができる

民法766条1項(離婚後の子の監護に関する事項の定め等)

父母が協議上の離婚をするときは、子の監護をすべき者、父又は母と子との面会及びその他の交流、子の監護に要する費用の分担その他の子の監護について必要な事項は、その協議で定める。この場合においては、子の利益を最も優先して考慮しなければならない。

民法766条2項(離婚後の子の監護に関する事項の定め等)

前項(民法766条1項)の協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは家庭裁判所が、同項の事項を定める。

こうした民法によって、親権者・監護者としてふさわしいのは誰なのか判断を行います。

なお夫婦で親権者・監護者の決定が決裂した場合には、家庭裁判所が(親権者・監護者の)を指定します。

③ 子の利益を優先しているかどうか

子の利益を判断する場合、①の現状維持も重要な項目です。また子の利益を優先するという意味では「どちらの親元で暮らすのが、子どもにとって幸せなことなのか」父・母の事情だけでなく、子どもの事情を踏まえて考える必要があります。

※子どもの利益は、「総合的に」親権者・監護者を決める上でも重要なポイントとなるので覚えておきましょう。

④ 子の年齢、子の意志

子の年齢や子の意志が「親権の決定」に大きく影響します。一般的に子どもの年齢が0歳〜10歳までの間は、母親を親権者(監護者)として指定することがほとんどです。

また15歳以上になると、子ども自身の意見が尊重され「子どもが誰と暮らしたいか」という意向によって親権者・監護者を決定する流れが一般的です。

なお、20歳になると「成年」となり親権者を決定する必要はなくなります。このほか、未成年者でも婚姻をした子どもについては成年としてみなされるため、親権者の決定は必要ありません。

⑤ 離婚の有責性

離婚の有責性が「親権者の判断に関係するのか?」という問題ですが、親権者の決定は原則、離婚の原因から影響を受けず、不貞行為の責任と親権者の指定については分けて考える必要があります。

実際に不貞行為を行ったペナルティとして親権が奪われるといった原則は民法上ありません。不貞行為を行ったこと自体は問題ですが、不貞行為が婚姻関係を破綻させた原因ではなく、親権者の決定は子の利益(福祉)をもとに決定されます。

ただ不貞行為が、子どもの養育環境に悪い影響を与えると判断されれば、親権の決定に影響を及ぼします。

不貞行為が親権の決定に影響するケース

例えば、交際相手と外泊が多く子への監護が十分にできない場合や、交際によって生活費が少なくなる(=無駄遣いが多い)など。

子の教育や生活が一定の水準に満たない場合や、交際相手と子どもの仲が悪い、暴力を受けているといった場合には「親権者の決定」にマイナスの影響を与えます。

このほか、総合的に判断をしても「親権者の決定材料が無い」場合、最終的に有責が親権・監護権に影響する可能性があります。

浮気や不倫が原因で夫婦関係が破綻し、親権について争う場合、自己での解決は不可能です。特に調停や裁判で争う場合は、できるだけ早い段階で離婚弁護士に相談をしてください。

審判前の保全処分(仮の地位を認める仮処分)とは?

審判前の保全処分とは、調停が成立する前の間や審判の確定が行われるまでの期間、権利の対象者を保護することです。

例えば、離婚調停が成立するまでの期間、子どもを放っておいては。子どもの生活に影響が出てしまい、健やかな成長を妨げる原因となります。

審判前であっても権利の対象を保全(保護)するのが「審判前の保全処分」です。本記事の判例でも取り上げましたが、親権を争っている最中で子どもの連れ去りが行われるような場合には、審判前の保全処分が利用できます。

ただし、審判前の保全処分が適用されるのは「審判事件」に限定されます。審判事件(しんぱんじけん)とは、家庭や家族に関する事件のことで、家事事件手続表第一表の事件と、第二表の事件の二つが存在します。

審判前の保全処分に関わる審判事件の種類

家事事件手続表第一表の事件 子の氏の変更許可、相続放棄、名の変更の許可、後見人の選任、養子縁組の許可
家事事件手続表第二表の事件 親権者の変更、養育料の請求、婚姻費用の分担、遺産分割

審判前の保全処分の対象となる審判は、調停の代わりとなる審判や合意による審判は含まれません。また審判前の保全処分は、審判前に手続きを進めることはできず、申し立てと同時に進めることもできません。

子どもの監護に関する争いは、家事事件手続表題二表の事件に相当します。子の引き渡しについては申立人の請求が認められそうな場合には、仮の地位を定める仮処分として暫定的に「子の引き渡し」が命じられます。

参考リンク:審判手続一般 1.審判事件とは(裁判所)

子の監護に関する争いを行う前には、子どものためにも「子の監護者」を仮差押え、仮処分、その他の必要な保全処分として認めてもらうと安心です。こうした手続きは、子の監護について争うよりも早く、信頼できる弁護士に相談してください。

弁護士への相談が早ければ早い程、子の監護に関する手続きはスムーズに進められます。実際に本記事の前半で「勝訴」した父親の多くは、親権トラブルが起こったと同時に、素早く離婚弁護士に相談を行っています。

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離婚調停で父親が親権を持つケース

離婚調停で父親が親権を持つケース

離婚調停では「母親が親権を持つ」というイメージを持つ方が多いのですが、実際にはどれくらいの割合で母親が親権を持っているのか調べてみました。

厚生労働省「離婚に関する」統計

平成に入り、厚生労働省が「離婚に関する統計」を行ったのは平成20年と平成11年の2回ですが、平成11年の統計では「親権を持つ家庭の離婚数」は載せていたものの、親権が夫と妻のどちらにあるのか示す資料はありませんでした。

このため本項では、平成20年(資料公開は平成21年)の資料に限定し「親権に伴う統計」の結果をまとめてみました。

親権を行う者別離婚件数(平成20年) 子どもの有無と割合

離婚の総数 251,136組(100%)
親権を行う子のいない離婚 107,302組(43%)
親権を行う子がいる離婚 143,834組(57%)

参考リンク:平成21年度「離婚に関する統計」の概況(厚生労働省)

ちなみに、上の離婚総数251,136組のうち協議離婚を行ったのは220,487組で、裁判離婚を行った夫婦は30,649組でした。

次に夫婦のうち「どちらが親権を取っているのか」新たな統計を見てみましょう。

親権を行う者別離婚件数(平成20年) 親権者の区分

親権を行う子がいる離婚の総数 143,834組(100%)
妻が親権を持つ離婚 118,037組(82.0%)
妻と夫で親権を分け合う離婚 5,202組(3.6%)
夫が親権を持つ離婚 20,595組(14.3%)

参考リンク:平成21年度「離婚に関する統計」の概況(厚生労働省)

上の通り、母親が親権を持つ離婚は(子のいる離婚件数のうち)全体の約82%を占めています。

一方、赤字の部分にある「父親が親権を持つ」離婚の件数20,595組で、つまり子のいる離婚のうち全体の14.3%を占めており、子のいる離婚のうち「約7人に1人」は「父親が親権を持っている」計算になります。

妻と子で親権と監護者を分ける離婚は少数ですが、5,202組と(子のいる離婚のうち)全体の3%を占めていることが分かります。

子のいる離婚の件数は30代が最も多い

厚生労働省が行った平成20年の統計では「子のいる夫婦の離婚件数」を年代別に見ることができます。

ここで「子のいる夫婦」の離婚件数を「夫妻の年代」別にまとめてみました。まずは、子のいる離婚件数を「夫の年齢」から見てみましょう。

夫の年齢別に見る「子のいる夫婦」の離婚統計(平成20年)

離婚総数 251,136組
子のいる夫婦の離婚総数 107,302組
〜19歳 81組
20歳〜24歳 2,207組
25歳〜29歳 9,900組
30歳〜34歳 17,569組
35歳〜39歳 15,759組
40歳〜44歳 10,623組
45歳〜49歳 9,441組
50歳〜54歳 10,769組
55歳〜59歳 13,225組
60歳〜64歳 9,079組
65歳〜69歳 4,792組
70歳〜74歳 2,342組
75歳〜79歳 1,024組
80歳〜84歳 334組
85歳以上 154組
不詳 3組

参考リンク:平成21年度「離婚に関する統計」の概況(厚生労働省)

上の表中赤字の部分は、離婚件数が多い年代(上位3つ)を示しています。男性の場合30歳〜39歳、55歳〜59歳に多く「子のある離婚」が行われていることが分かります。

続いて、子のいる離婚の件数を「妻の年齢」別にみてみましょう。

妻の年齢別に見る「子のいる夫婦」の離婚統計(平成20年)

離婚総数 251,136組
子のいる夫婦の離婚総数 107,302組
〜19歳 353組
20歳〜24歳 5,053組
25歳〜29歳 15,724組
30歳〜34歳 20,176組
35歳〜39歳 15,135組
40歳〜44歳 9,283組
45歳〜49歳 9,489組
50歳〜54歳 10,477組
55歳〜59歳 10,120組
60歳〜64歳 6,180組
65歳〜69歳 3,167組
70歳〜74歳 1,405組
75歳〜79歳 505組
80歳〜84歳 181組
85歳以上 52組
不詳 2組

参考リンク:平成21年度「離婚に関する統計」の概況(厚生労働省)

妻は25歳〜29歳、30歳〜39歳の離婚件数が多く、夫よりも「やや若い時期」に離婚をしていることが分かります。

父親が親権を持つ上で重要なポイントは5つ

最後に父親が親権を持つ上で重要なポイントを5つ紹介します。

子どもへの愛情

父親が子どもに対し、どのくらい愛情を持って接しているのか。愛情の大きさは、親権を持つ上で重要なポイントになります。子どもが0歳〜10歳までの期間は「子は母親のもとで生活するのが良い」と判断されます。

それでも父親が親権を獲得するには、母親以上に子どもに愛情を注げるのか。子を養育する時間の長さも含め、愛情の深さが問われます。

子どもを養育する時間

仕事を持っている父親が、実際にどのくらいの子どもの養育に時間が割けるのか。仕事が忙しい場合、周囲に養育をサポートしてくれる人がいるのかどうかが、親権決定において重視されます。

裁判所は「子どもの環境が大きく変化する」ことを避けるケースが多いです。このため、母親がより多く養育に時間を割ける場合や、過去に養育に時間を多く割いていた場合には、父親の親権獲得が難しくなります。

親権を獲得するには、父親の両親や兄弟姉妹が、養育をサポートしてくれることです。子の養育状況が好ましいと認められれば「親権獲得」のプラス材料になります。養育に時間を割くのが難しい場合は、親兄弟や親戚に協力を請いましょう。

離婚後の経済状況(資産や収入)

父親が親権を獲得する上で、資産や収入など「経済状況」が重視されます。離婚前の生活環境と変わらず、子どもの健やかに成長できるのがベストな状態です。

父親の場合は、母親よりも経済状況の良いケースが多く、親権獲得ではプラス材料として判断されます。ただ、仕事があることで「養育にどのくらい時間が割けるのか」も親権者・監護者決定の判断材料となります。

このため経済状況については、周囲のサポート(子どもを自分の代わりに養育してくれる家族や親族の有無)とセットで考えるようにしてください。

子どもの年齢と子の意志

子どもが幼いうちは、母親と暮らすのが良いと考えるのは普通のことです。実際に0歳〜10歳の子どもは母親が監護者として、子の教育やしつけを行うのが通常の流れです。

ただ、子どもが15歳〜20歳になると「どちらの親元で暮らしたいのか」子どもの意見を尊重する必要があります。

親権を持つ場合には、この年齢と子どもの意思を確認した上で「親権者・監護者」を決定しましょう。なお10歳〜15歳以下の子どもについて「本人の判断が難しい」場合は、親が話し合いで親権者・監護者が決定できます。

親権者の年齢と健康状態

親権者・監護者が高齢であったり、健康状態が優れない状況では、子どもの養育・教育は難しくなります。このため親権者・監護者の決定では、親の年齢や健康状態も重視されます。

このほかにも、子どもがもう一人の親(=元配偶者)と面会の機会を持つことや、子どもの養育に関して具体的なプランを持っているのか。また、子の利益を優先して養育を行うのか、総合的に「親権者は誰がふさわしい」のか判断されます。

父親で親権を獲得されたい方は、ここまでのポイントをおさえ「親権獲得」に向けた手続きを進めてください。

補足|未成年者の離婚と親権の問題

最後に「補足」として、20歳未満の未成年者が離婚をした場合、親権は誰が持つのかについて説明します。

未成年者が婚姻した場合、成年とみなされる

未成年者が結婚をした場合、年齢が二十歳に満たずとも「成年」としてみなされます。また、20歳になるまでに子どもが生まれたとします。この場合生まれた子どもの親権は、未成年である親が持つことになります。

婚姻中は夫婦が「共同親権」を持ち子どもを育てますが、未成年の親が離婚をした場合、子の親権は実親が持つことになります。離婚をしても未成年の親は「成年」としてみなされます。また離婚の手続きについても、成人と同様に進めていくことになります。

なお、未成年者同士が子どもを持ち、入籍をしなかった場合には、未成年者の父母が代わりに親権を持つことになります。

これを「親権の代理」というのですが、未成年者の親で入籍をしていない場合は成年ではないため、親権者としての責任が果たせる(未成年者の親の)父母や祖父母が代理として子どもの親権を持ちます。

まとめ|離婚弁護士に相談すれば、父親でも親権は獲得できる!

父親が親権を獲得するケースは増えているものの、母親が獲得するケースに比べて「判例や実例」はまだまだ少ないです。

父親が「確実に親権を獲得したい!」という場合には、離婚や親権の問題に強い弁護士さんに相談をしましょう。愛情深く、子どもの利益を優先し、子どもの健やかな成長を心から願う親であれば、親権は獲得できます。

もちろん、夫婦で話し合いが決裂した場合は時間は掛かりますが、離婚弁護士が付いていれば、親権獲得への可能性は広がります。

また離婚弁護士であれば、今回紹介した判例以外にも、沢山の事例を紹介してくれます。お子さんの親権獲得でお悩みの方は、信頼できる離婚弁護士さんに相談しましょう。

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