ギャンブルや浪費での借金も債務整理は可能?

ギャンブル

ギャンブルや浪費が理由の借金というのは後ろめたいもので、世間体を気にしてしまったり、周囲のバッシングが怖かったりといったような不安が付き物です。

しかし、ギャンブルや浪費が理由であっても債務整理は利用できます。また、各債務整理手続きとの相性や自己破産が認められるのかについて、本文にて詳しくご説明します。

ギャンブルや浪費でも債務整理は可能です

Q:私には200万円ほどの借金があります。この借金の大半はギャンブルが理由で作ってしまったものです。ギャンブルに勝ったときは当然のように贅沢をし、負けたときもストレス発散だと言い聞かせて贅沢をしてしまっていたのです。気付けばカードの借入限度額に達してしまい、1ヶ月の返済は8万円を超えています。薄給な私ではこれだけの金額を毎月返済していくことなどとてもできず、今回ご相談することにしました。しかし、ギャンブルが理由で作った借金なので、やはり自業自得と言われてしまうでしょうか?
A:結論からいえば、ギャンブルや浪費が借金の理由であっても債務整理は可能です。債務整理にはいくつか種類があるのですが、今回の場合は任意整理が適正といえます。
実際にはさらに細かい事情をお尋ねしないことには断定はできないのですが、1ヶ月8万円の返済を半分の4万円に減らすことができたらどうでしょうか?任意整理とは、毎月の返済額を債権者と交渉し、生活に支障がない返済額にまで調整する手続きです。これにより返済負担が一気に減って、完済を目指せるようになる可能性がぐっと高まります。

ギャンブルや浪費と相性の良い債務整理

Q:夫がギャンブルや浪費による借金を重ねて困っています。いくら借金があるかも教えてくれませんし、毎月入れてもらっていた生活費もどんどん少なくなっていき、このままではダメだと感じて、今回ご相談することにしました。夫をなんとか債務整理するよう説得したいのですが、事情がよくわからないためうまく説明できる気がしません。夫に聞いても何も教えてくれないため、私のほうから債務整理という手続きがあると伝えたいと思っています。その際、ギャンブルや浪費と相性の良い債務整理があれば一緒に伝えたいので教えてください。ここで得た知識を使って、夫を説得しようと思っています。

A:確かに、債務整理という手続きがあること自体知らない方はたくさんいらっしゃいます。また、債務整理といっても具体的にどういう手続きなのかわからないから手を出せないという方も多いのではないでしょうか?そこで今回は、4つの債務整理手続きのそれぞれの簡単な説明とギャンブルや浪費と相性が良いかについてご説明します。

① 任意整理

任意整理は、毎月の返済額や完済までの期間、遅延損害金や将来利息(毎月の返済の際に支払っている元金以外の手数料などのこと)などについて貸金業者側と交渉し、自身の毎月の収入の範囲内で無理なく返済できるように調整する手続きです。

この際、借金の理由が問題になることはありません。貸金業者側からすれば借金の理由などどうでも良く、合意した内容どおりの返済があれば何も言ってきません。こうした点からも、任意整理はギャンブルや浪費との相性は良いと言えます。

② 特定調停

特定調停は、上記の任意整理のような手続きを裁判所の調停手続きを利用して行うというものです。任意整理をする際は、貸金業者との交渉の際に専門知識が必須となりますが、特定調停であれば裁判所から選任された「調停委員」が間に入ってくれるため、専門知識がなくても返済額などを調整していくことが可能です。ただし、調停委員はあくまで中立の立場であり、味方をしてくれるわけではありません。

特定調停も基本的には借金の理由が手続きの弊害にはなりません。ただし、ギャンブルや浪費が理由となると、調停委員に悪い印象を与える可能性がある点には注意が必要です。

③ 個人再生

個人再生は、裁判所を利用した債務整理手続きの1つで、借金の一部(7~8割程度)を免除してもらえるため、毎月の返済負担が一気に軽減します。ただし、利用には「支払不能になる可能性」といったように、いくつかの条件がある点に注意が必要です。

また、裁判所で行われる手続きであるがゆえ、非常に煩雑となっていて作成・提出する書類も多岐に及ぶことから、専門家の手助けが必須といえます。
なお、個人再生は借金の理由が問われることはないため、たとえギャンブルや浪費が理由であったとしても手続きを利用することが可能です。

④ 自己破産

自己破産とは、個人再生と同じように裁判所を利用した債務整理手続きの1つです。上記のどの手続きとも異なり、借金を全額免除してもらえるというメリットがあります。詳しくは下記の記事をご覧ください。

ただし、利用するには「支払不能状態」といったように、いくつか条件がある点に注意が必要です。債務整理における最後の手段であるため、デメリットも多く存在します。

また、自己破産は借金の理由によっては免責(借金が免除になること)が認められない可能性があり、ギャンブルや浪費による借金は「免責不許可事由」の1つとなっています。よって、ギャンブルや浪費が理由の場合、あまり相性の良い手続きとは言えません。しかし、絶対に免責が出ないわけではありません(以下にてご説明します)。

ギャンブルで自己破産…そんなの許される?

Q:私にはパチンコやスロット、競馬や競艇などで積み重ねていった多額の借金があります。どうにかなると思って返済についてもそれほど深刻に考えていなかったのですが、半年ほど前から体調を崩してしまい、満足に仕事ができなくなってしまいました。収入が激減したため毎月の返済は滞る一方で、毎日のように催促の電話が鳴っています。そこで自己破産を検討しているのですが、インターネットの掲示板などで自己破産できるかを尋ねてみると、「ギャンブルが理由の場合は自己破産できない」、「自己破産すると前科が付く」といった回答が多数よせられてきます。

やはり、ギャンブルが理由で自己破産することはできないのでしょうか?

A:インターネット上は様々な情報が錯綜していて、どれが本当の情報かを見極めるには相応の知識が必要となります。今回、ギャンブルが理由の場合は自己破産ができない、前科が付くといった声があったようですが、それらはいずれも事実ではありません。たとえギャンブルが理由であったとしても、自己破産が認められたケースは過去に数え切れないほどありますし、そもそも自己破産で前科がつくことはありません。

それでは、以下にてさらに詳しくご説明していきます。

① 自己破産には裁量免責という制度がある

自己破産には免責不許可事由といって、借金の理由によっては免責が認められないことがあります。その1つにギャンブルや浪費による借金が含まれています。

しかし、そもそも自己破産という制度は、多重債務者を救済するために作られました。ギャンブルや浪費を理由に自己破産は絶対に認めないとしてしまえば、多重債務者を救済するという本来の目的を達成できなくなる恐れがあります。そこで、例外的に担当した裁判官が自らの裁量で免責を認めるという、「裁量免責」という制度が設けられています。

裁判官は、破産者(破産手続き中の方のこと)から借金を重ねた理由だけでなく、今までのことを反省しているのか、今後どうしていこうと思っているのかといった点を尋ね、更生の可能性が十分にあると判断した際に借金を免責する決定を出してくれます。

たとえ免責不許可事由に該当するギャンブルや浪費が原因であっても、裁量免責さえ出してもらえれば借金は免除されるというわけです。

② 自己破産で前科が付くことはない

上記ですでに触れていますが、自己破産という制度は多重債務者を救済するために国が作った制度です。よって、自己破産を利用することが罪を構成することはなく、前科が付くこともありません。当然、履歴書などにも記載する必要はないのでご安心ください。

ただし、自己破産すると個人信用情報に傷がつくことになります。個人信用情報とは、貸金業者や金融機関などが借入審査の際などに利用する情報のことで、過去に自己破産をはじめとする債務整理を利用していた事実があると、審査に通りにくくなってしまうのです。

とはいえ、個人信用情報は期間の経過で抹消(およそ5~7年程度)されますので、生涯借り入れができないというわけではありません。将来的にはクレジットカードを持つことも、住宅ローンを組むことも可能となるのでご安心ください。

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