個人再生は結婚に影響する?手続き中は結婚できないのでしょうか?
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個人再生は結婚に影響する?
結論からいってしまうと、個人再生の手続きによって結婚ができなくなるなど直接的な影響はありません。
しかし、婚姻生活を送る上で間接的な影響や生活上の影響は出てきます。以下では具体的にどのような影響があるのかをご説明いたします。
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結婚後に住宅や車のローンを組めなくなる
なぜローンなどが組めなくなってしまうのかというと、個人再生をすることにより経済的信用が失われてしまうためです。より具体的には、信用情報機関が提供するデータに個人再生手続きをした事故情報が掲載されてしまうため、ローン審査に通らなくなってしまうという結果になります。
これをいわゆる「ブラックリストに載る」といいます。
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信用情報機関は、各金融機関や審判会社に対し個人の信用情報を提供しています。カードを作る場合やローンを組む場合には、銀行やカード会社は必ず与信審査をしますが、これは信用情報機関の提供するデータを元に審査を行なっているのです。
個人再生をすると、事故情報として必ずリストに載ってしまいますので審査には通りません。
もっとも、手続き後7年程度経てばブラックリストから事故情報は削除されます。削除を機会に、マイホーム購入の計画などを立てれば通常は問題ないでしょう。
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子どもへの影響はほぼない
結論からいって、子どもに直接的影響はありません。父親あるいは母親が個人再生手続きをしたからといって、何か法律上子どもが不利に扱われることはないといえます。
しかし、親の生活に影響が出るということは、子どもにも間接的に影響が出るという点では避けられません。ローンが組めないため、家がすぐに必要な場合は自己資金で購入するか賃貸住まいとなります。また子供のための教育ローンを組みたくてもこれはできません。これから子どもが大学に進学するという場合には、奨学金の保証人にはなれないという問題もあります。
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数年で子供への間接的影響は消える
もっとも、先にお話ししたように信用情報機関への事故情報の掲載期間は、7年程度です。この期間が経過すればローンも組むことが可能であるため、子どもが少し大きくなった頃にマイホームも建てることができますし、教育ローンも組むことができます。
子供がすでに大きい場合でも、配偶者が奨学金の保証人になることは可能ですので、特に問題はないはずです。
個人再生が結婚相手にまで影響することもない
これから結婚するという場合、個人再生が結婚相手に影響するのでは?と不安になる方も多いでしょう。結論からいうと、個人再生手続きを行っても結婚相手に影響することはありません。これはすでに結婚していても同じです。
個人再生手続きをするためには、配偶者の収入状況などの情報が必要になります。しかし、だからといって配偶者や婚約者までもが個人再生手続きをするわけではありません。
家族単位で行うわけではなくあくまで個人が手続きの対象です。そのため、結婚相手に影響することはありえないと考えてください。
結婚相手が保証人の場合は注意が必要
ただし、婚約者や配偶者が借金の保証人になっている場合は注意が必要です。この場合には、個人再生手続きをすると保証人に一括請求が行きますので、保証人である結婚相手に迷惑をかけることになります。
この場合のみ、結婚相手に影響が出るため話し合いをしたり、専門家である弁護士に相談したりすることが重要です。
個人再生の手続き中に結婚はできない?
法律上、個人再生手続き中に結婚をしてはいけないとする規定はないです。問題なく結婚することができます。
結婚は個人の権利です。個人再生手続きをするからといって、制限されるようなことがあれば憲法に保障された権利を侵害することになってしまいます。
したがって手続き中であっても結婚を制限されるようなことはありえませんので、安心してください。
相手の親が身辺調査を行う場合は、手続きがバレてしまう
もっとも、結婚する相手が良い家柄だという場合には注意が必要です。というのも、結婚前に相手の親などが探偵や興信所などを利用して結婚相手の身辺調査などをしていることは未だにあるためです。
借金があり、債務整理の手続きをする予定だとわかれば相手の親や婚約者に知られてしまう可能性はあるでしょう。
2人の婚姻生活に影響はある
例えばですが、あなたがクレジットカードを使わないことを不審に思うかもしれません。また、結婚して1年程度で相手がマイホームを欲しがった場合にも、ブラックリストから解除されるまで何年もはぐらかさないといけません。
特に男性の場合は、車のローンも組めないとなると怪しまれてしまう可能性はあるでしょう。
また、一緒に生活していれば貯金もバレてしまうため、なぜ貯金が少ないのかという点を咎められる可能性もあります。
後でバレた際に大ごとにならないよう、夫婦で話し合いをしておくことも重要といえるでしょう。
結婚式をあげることが難しくなる可能性もある
婚約者が盛大な結婚式を期待しているという場合、これから個人再生手続きをする人にとってはプレッシャーがあるかもしれません。貯金はなく借金を返済するのに一杯一杯なのに莫大な費用のかかる結婚式ができるのかと言われると難しいのが現実です。
結婚式や披露宴に関してはブライダルローンを組んで挙式を行うという方もいらっしゃいますが、個人再生手続き中や手続き前の場合はこの選択肢は取れません。
個人再生をするなら結婚前がおすすめ
結婚前に借金問題を解決すべきだから
結婚前か結婚後かのどちらに個人再生手続きをすべきか迷っている場合には、結婚前を選択すべきです。
その一番の理由は、婚姻前に借金問題を解決できるからです。仮に婚姻後に大きな借金があることが配偶者にバレてしまったら、大喧嘩になることは目に見えています。
結婚前に自分の問題は自分で解決しておきたかったと説明すれば結婚相手も理解してくれる可能性は高いでしょう。
結婚前に精算することで精神的にもスッキリするから
結婚するということは新しい人生の一歩を踏み出すということです。そうであるならば、結婚前に解決しておく方が余計なストレスを抱え込むこともなく、すっきりとした気持ちで結婚できるのではないでしょうか。
婚約者にバレずに清算できるから
結婚してしまうと、相手の経済状況も個人再生の審査の際に必要になってきます。しかし、結婚前であれば婚約者の収入に関する書類の提出が求められることはありません。
そのため、相手にバレずに手続きを進めていくことは十分に可能だということです。個人再生は手続きも返済をするため、できれば婚約者とも話し合いをすべきですが、どうしてもバレずに手続きしたいという方は、結婚前に手続きを終わらせておくべきでしょう。
ただし、すでに同棲しているという場合はバレる可能性があります。また、弁護士とのやりとりや裁判所から送られてくる書類などでバレてしまう可能性はありますので、この点は注意すべきです。
婚約期間中に手続きを終わらせることも可能
プロポーズしたばかりという場合やこれからプロポーズする、という場合には結婚式までは1年程度を要するのが一般的です。この期間があれば、十分に個人再生手続きを終わらせることは可能です。
個人再生にかかる期間は6ヶ月程度
個人再生にかかる期間は、平均で6ヶ月程度といわれています。そのため、結婚式や籍を入れるまでに手続きを完了することはできます。
プロポーズされた側が個人再生手続きをする場合でも、結婚が決まった後に半年以上の期間をおけば独身の間に借金問題を解決できます。
結婚後に個人再生をすると配偶者にバレる?
弁護士には守秘義務があるため基本的にはバレない
弁護士から個人再生の情報を申立人の配偶者に伝えることはありませんので、弁護士から配偶者や周囲の人にバレることは心配しなくて良いでしょう。
というのも、弁護士には守秘義務があるためです。依頼を受けた内容に対し、たとえ依頼人の配偶者であっても内容を話すことはできません。
ただ郵送物が家に届くことがある
個人再生手続きは裁判所を介した手続きであるため、申立て後に裁判所から郵便物が届くことがあります。これによって、配偶者にバレてしまう可能性は否定できません。もっともこれも弁護士に依頼することで解決可能です。
弁護士に依頼した場合には、直接郵便物が家に届かないように配慮してもらえます。弁護士に郵便物が届くように手続きをしてもらうことも可能ですので、バレたくない場合は弁護士にそう伝えると良いでしょう。
電話も時間帯を決めておくことでバレるリスクを減らせる
弁護士からの電話で個人再生をしていることが気付かれるのが不安という方は、連絡してほしい時間帯などを伝えておくことも有効です。
たとえば平日の日中であれば配偶者が仕事中のため、バレることなく連絡できます。またどうしても時間内に連絡できない場合には、メールを利用してもらうなどの方法もあります。
結婚後に個人再生がバレるケース
配偶者の書類が要求された時
結婚後に手続きをする場合、家計の収入状況に関する資料を提出しなければいけません。具体的には、家計収支表というものを申立て時に提出します。
このとき、申立てを行う本人の源泉徴収票が必要になるのですが、結婚している場合には配偶者の源泉徴収票も必要になります。
配偶者が専業主婦である場合には収入がないため提出の必要はありませんが、働いている場合には必ず必要になります。配偶者に源泉徴収票をもらってきてもらう必要がありますので、このときに怪しまれる可能性はあるでしょう。「
会社の税金の処理に必要」など、嘘の理由を言うことも考えられますが、勘の良い方であれば気づく可能性は十分にあります。
クレジットカードが使えなくなる
現在クレジットカードの名義がご自身であるという場合、クレジットカードが使えなくなった段階で気づかれる可能性は非常に高いといえます。
これまで利用していたクレジットカードが使えなくなってしまうのですから、配偶者が怪しむのは当然です。
またクレジットカードはそれぞれが持っているという場合でも、いきなりご自身がクレジットカードを利用しなくなったことを不審に感じる人も多いでしょう。家のローンを組むなどの話し合いからバレてしまうことも考えられます。
車のローンがあると怪しまれる
個人再生は、家のローンを残したままに借金の大幅な減額ができるという点が魅力の1つです。
しかし、車の場合は処分しなければいけません。車の場合は所有権留保が設定されていることが多いため、引き揚げられてしまいます。いきなり使っていた車を処分しなければならなくなるため、このとき配偶者にバレる可能性は高いでしょう。
絶対バレたくない場合は任意整理も検討してみる
個人再生の場合は配偶者の源泉徴収票が必要であったり、車のローンがあったりするため、債務整理手続きの中でも配偶者にバレやすい手続きの1つです。そのため、それほど大きくない借金の場合には、任意整理を検討してみるのも1つの方法です。
任意整理なら自分で整理する借金を選べるため、バレにくいという特徴があります。もっとも、借金の減額幅は小さくなってしまうためバランスを見て選択必要があるでしょう。迷う場合は、専門家である弁護士に相談してください。
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結婚相手が個人再生していた場合の対処法
手続き後であれば特に問題はない
結婚した相手が個人再生手続きを行なっていたことが発覚した場合、ショックを受けたという方もいらっしゃるでしょう。
しかし結論からいうと、手続きが完了している場合は特にこれからの結婚生活に問題が生じるようなことはありません。あるとするなら、返済を続けて行かなければいけない点のみです。個人再生の場合は、3年程度で減額された金額を計画通りに完済しなければいけません。
ローンを組みたい場合は配偶者がローンを組む
これからマイホームを購入したいという場合や、車のローンが組みたいというケースもあるでしょう。結婚相手が手続きをしていたことが発覚した場合、ブラックリストから削除されるまでの数年間はローンは組めません。
しかし、配偶者がローンを組むことは何ら制限されていないため、ご自身に収入があるのであれば十分に可能です。
また数年経てば、手続きをしたご本人もローンを組んだりすることは可能になるため、それに向けてマイホームなどの計画を2人で立てることができます。
家族カードやデビットカードを使う
また生活面の不便を解消するために、「クレジットカードを使いたい」という希望もあるでしょう。クレジットカードも手続きをした本人は作ることができませんが、配偶者がクレジットカードを作ることは可能です。
手続きをしたご本人には、家族カードを渡すことで生活面の不便を改善することはできます。
相手に借金癖があって心配という場合には、デビットカードを持たせるという解決策もあります。クレジットカードのように使える便利さを兼ねながら、口座内にあるお金しか使えない仕様になっているため、口座内の預金を管理しておけば無駄遣いを抑制することができます。
夫婦で話し合う
結婚相手が個人再生をしていたということが発覚した場合、相手に不信感を抱くケースは少なくありません。そのため、個人再生手続きを行なったことを知った場合には夫婦でしっかりと話し合うことが必要です。
これは婚約者が手続きをしていた場合も同様です。相手が借金問題を抱えていたという事実は変わりません。現在も返済を続けている場合には、生活にも影響はあるでしょう。
しかし、今後も一緒に暮らしていくのですからお金のことや生活のことについてきちんとした話し合いは必要です。
例えば、「なぜ借金をすることになったのか」ということは必ず聞いておくべきです。事業に失敗したなど、仕方のない事実もあるかもしれません。
逆にギャンブル癖があったという場合なら、再発しないように夫婦で乗り越えて行かなければいけません。
相手を責めたくなる気持ちはわかりますが、債務整理をすることによって半分はすでに解決しています。夫婦関係が悪化しないように2人で返済を続けること、そして通常通りの暮らしに戻れるようにも夫婦関係を良好に保つためのコミュニケーションは必要です。
結婚前、結婚後に個人再生をするなら弁護士に相談
個人再生手続きをするかどうかを悩んでいる場合は、専門家である弁護士に相談してみるのも1つの方法です。
個人再生手続きの内容や進め方についてプロから説明を受ければ、不安や疑問も解消でき決断しやすくなるでしょう。
結婚を控えている方は、結婚前に借金問題を解決しておくべきです。できるだけ早く手続きを進めておくことで、スッキリとした気持ちで新しい人生を踏み出せます。
結婚後でも個人でやると配偶者にバレる可能性が高いので、弁護士に依頼して個人再生を進めていくことをおすすめします。
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