愛媛県の相続問題

愛媛県の相続税納税額は全国で27位

国税庁の発表結果を見てみると、愛媛県の相続税の納税額は92億3900万円でした。これは全国では27番目に多い額です。四国の中ではもっとも納税額が多いのは香川県です。次いで愛媛県が入っています。相続税の課税対象となる財産で大きな要因となるのが、土地と現金・預貯金です。愛媛県の場合はどうなっているでしょうか。詳しく見ていきましょう。

愛媛県の地価は下降傾向

全国の県庁所在地の公示地価の平均値を見てみると、愛媛県松山市は1平方メートル当たり92,800円で全国で14番目に高い額になっています。四国地方の中でも松山市がもっとも高く、次に高知市（全国で17位）、徳島市（19位）、高松市（27位）となっています。

しかし、県内の多くの地点で地価は下落傾向で、住宅地では平成10年以降18年連続の下落、商業地では平成5年以降23年連続での下落が続いています。そんな中、県内の住宅地でもっとも高値だったのは、松山市持田町4丁目で1平方メートル当たり186,000円です。2位は松山市道後町2丁目で148,000円、3位は松山市清水町2丁目の14万円、4位は松山市石手3丁目の128,000円、5位は松山市道後緑台の125,000円となっていて、ベスト5のすべてが松山市内であるのが特徴的です。

商業地を見てみると、もっとも高いのは松山市大街道2丁目で、1平方メートル当たり73万円となっています。ただ、これは前年より2.5％も下がっています。2位は松山市湊町3丁目で50万円、3位は松山市一番待ち4丁目で377,000円、4位は松山市三番町4丁目で355,000円、5位は松山市一番町1丁目で326,000円となっています。いずれも松山市の中心部でにぎやかなところです。
しかし、今は地価が安いところでも、今後は上る可能性があります。そうした場合は相続税がかかる場合があるので気をつけましょう。

愛媛県の貯蓄高は全国25位

現金や預貯金が多い人も、相続税の課税対象になります。愛媛県は1世帯当たりの平均貯蓄高が1542万円で、全国では25位です。しかし、年収に占める貯蓄の割合（貯蓄年収比）は高く、全国でも7位となっています。この貯蓄年収比の1位は香川県で、6位が高知県、7位が愛媛県、12位が徳島県と四国の各県の人は皆、貯蓄の意欲が高いことがうかがえます。

1542万円という金額は平均値なので、中にはもっと多くの貯蓄をお持ちの人もいらっしゃることでしょう。現金や預貯金は相続財産でも大きな割合を占めています。
現金は生前贈与で相続税対策が可能ですので、もし貯蓄額が多い人はそういった方法を検討されるといいでしょう。

愛媛県の富裕層

愛媛県の中で富裕層が多く住んでいるといわれているのは、松山市内でも松山城の東側や道後温泉の南側の地域です。この地点は地価が高いことからも、相続税の心配があります。市町村別の世帯年収の比較では、新居浜市が平均415万円、四国中央市が437万円、東温市が418万円となっています。また、愛媛県内で5000万円超の所得を得ている人の数は約310人で、全国で28位です。1億円超の所得者は51人で全国で23位と高くなっています。
このように所得が高い家庭では、相続税のことを考えておくことをおすすめします。

愛媛県の今後の相続税対策

愛媛県の相続税納税額は92億3900万円ですが、未納分が3億5400万円もあります。相続財産が土地や家屋などで遺族がそこに暮らしている場合は売却ができずに納税資金に困るケースがよくあります。
愛媛県の人も、相続税の納税資金として生命保険を利用するとか、節税対策を進めるなどを検討されるといいでしょう。

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