離婚費用の相場を徹底調査!離婚にかかる費用はいくらか計算してみよう
離婚費用とは「=弁護士費用」ではありません。実際に離婚で必要な「お金」は、離婚慰謝料や養育費などがメインです。また離婚の話し合いが決裂した場合には、離婚調停や離婚裁判の費用が必要になります。
本記事では、離婚費用の総額がいくらになるのか。離婚費用の相場を徹底調査します。
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協議離婚時の慰謝料、相場はいくら?
協議離婚とは、裁判所が簡易せず、話し合いで離婚が成立することを意味します。国内の離婚の「約87%」が協議離婚となっていますが、協議離婚においても慰謝料や養育費について決めておく必要があります。
まず離婚原因別に「慰謝料がいくら支払われるのか」全体の相場を見ておきましょう。
離婚で支払われる「慰謝料」の相場
不倫や浮気(不貞行為) | 100万円〜300万円 |
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家庭内暴力(DV) | 100万円〜500万円 |
モラルハラスメント | 100万円〜300万円 |
悪意の遺棄 | 50万円〜150万円 |
セックスレス | 50万円〜150万円 |
上の金額は目安であり、肉体的・精神的被害を受けた度合いが大きな事件については「慰謝料500万円」の請求が認められることもあります。
協議離婚で慰謝料を請求される方は、相場より「やや多め」の金額で請求をしましょう。例えば、モラハラ被害で慰謝料を請求される場合は、相場の300万円よりも多く(例:350万円〜400万円)請求をするのです。
多めに請求をしても、話し合いの結果、相場程度で話し合いがまとまることが殆どですし、支払う側にとっては心理的に「請求額より安く済んだ」と感じることで(慰謝料の)折り合いが付きやすくなります。
とはいえ、大きすぎる慰謝料の請求は、相手にとって「金銭的負担」が大きくなり、円満離婚の道のりが険しくなる可能性があります。このため、妥当な請求額は「相場よりもやや高め」程度に抑えておいてください。
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離婚調停費用の相場
離婚調停費用の申し立てに掛かる費用ですが、戸籍謄本の取得費用、年金分割のための情報通知書、収入印紙、切手代程度で、全体では3,000円以内で収まります。
ここで、離婚調停に必要な書類と諸経費について内容をまとめておきます。
離婚調停に必要な書類と諸経費(申し立てに必要な費用)
- 戸籍謄本 450円
全部事項証明書が必要(本籍地のある役所にて請求を行う)。本籍地のある市区町村役場で申請。 - 住民票取得費用 250円
本籍地のある市区町村役場で申請 - 年金分割のための情報通知書
年金事務所が発行(日本年金機構の公式サイトでダウンロードも可) - 収入印紙 1,200円
夫婦関係調停調整に必要(郵便局やコンビニで購入可能) - 切手代 800円
- その他
・婚姻費用分担請求:1,200円
・財産分与請求: 1,200円
・慰謝料請求: 1,200円
・養育費請求: 1,200円
これらの書類が揃ったら、裁判所のホームページにある「調停申立書」をダウンロードしましょう。または、最寄りの家庭裁判所でも調停申立書が入手できます。
参考リンク:調停申立書(裁判所)
参考として調停申立書の書き方(裁判所交付)の見本を載せておきます。
なお、弁護士(=離婚弁護士)を立てて離婚調停に臨まれる方は、弁護士費用が別途必要です。弁護士費用の相場については以下の記事にて説明をしています。
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離婚裁判費用の相場
離婚裁判で弁護士に依頼をした場合、各弁護士によって相談料や着手金は異なります。なぜなら、各弁護士事務所は自由に「弁護士費用を決める」ことができるからです。
弁護士報酬が自由化されます
”平成16年4月から弁護士報酬は自由化されます。弁護士以外の資格者団体では既に自由化されていました。弁護士と依頼者との間で自由に金額や支払方法を決めることになりました。
<中略>弁護士自身も業務の合理化等の努力をして、より安価なサービスを自由に提供できるようにしたり、また、弁護士としても専門性を活かしたハイレベルの仕事について相応の報酬を請求することができるようにしたりと、弁護士報酬に「メリハリ」をつけようというわけです。”
出典元:愛知県弁護士会
こうした背景もあり、弁護士を依頼する際には、複数の弁護士事務所で価格や内容を比較し、自分合う弁護士さんや「信頼できる弁護士事務所」を見つける必要があります。
※ 弁護士選びで迷ったら、本サイトで紹介している「離婚弁護士」リストも参考にしましょう。
弁護士費用が準備できない時には、成功報酬型の契約がオススメ
弁護士費用が工面できない方は「法テラス」を利用することで、離婚裁判が行えます。
法テラスを利用すれば、無料で法律相談に乗ってくれるほか、弁護士費用の立て替え制度が利用でき、裁判が必要な方を力強くサポートしてくれます。
法テラスとは?
法テラスは、国によって設立された機関であり、経済的に余裕の無い方、弁護士費用の工面が難しい方のうち「勝訴の見込みが高い」人に対して、弁護士費用の立て替えや無料での相談を実施している。
なお、弁護士費用「立て替え」の対象となるのは、実費・着手金、報酬金です。
実費 | 裁判所に納付する鑑定費用、印紙代、記録謄写料、担当者の交通費等の手数料を意味する。 |
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着手金 | 事件処理を始めるのに必要な費用のこと。 |
報酬金 | 事件の結果に応じて、弁護士に支払う費用のこと。負担する割合は、各弁護士事務所において決まっており(弁護士によって)慰謝料など多く費用を受け取れば、その分支払う報酬金も大きくなる。 |
ただ、法テラスの利用には大きなデメリットがあります。法テラスを利用するには「支払いが困難であることが明らか」であり、裁判では「勝訴の見込みが高い」ことが条件となっています。このため、勝訴の見込みが厳しい・難しいことについては、法テラスの利用が認められない可能性があります。
弁護士費用の支払いが厳しいが「勝訴するか自信が無い」という方には、成功報酬型の弁護士契約がおすすめです。成功報酬とは、その名の通り「交渉が成功した場合のみ、獲得した金額から一定の割合を御礼の報酬として支払う」仕組みを指します。
例えば、慰謝料を「500万円」獲得した場合、全体の「2割」を成功報酬とするのなら、100万円を弁護士に支払う流れとなります。依頼者は成功した場合のみ(=この場合は勝訴)弁護士費用を支払えばOKなので安心です。
また、初回の相談料は無料としている弁護士事務所がほとんどで(=法テラスと同じ)、お金が無い方でも安心して離婚問題の相談ができます。
このほか、料金体系について知りたい方、離婚裁判の流れや手続きについて教えて欲しいと言う方も、各弁護士事務所が実施する「無料相談」の機会を活用しましょう。
成功報酬型の注意点
成功報酬型の依頼であっても着手料は必要です。どの「成功報酬型」弁護士でも、ほぼ同じ条件が適用されています。
離婚慰謝料の相場と慰謝料を増額させるためのポイント
離婚慰謝料は、自力で交渉をするよりも、弁護士を間に挟んで交渉してもらうのが「ベスト」です。
弁護士は交渉・問題解決のスペシャリストであり、交渉力はもちろん、話を取りまとめるだけの優れた話術や相手の心理を読み解く洞察力を持っています。このため平均的な慰謝料よりも金額が多くなる可能性が「大」です。
離婚前の婚姻費用はいくら請求できる?
離婚前の婚姻費用ですが、これは各家庭の「生活レベル」によって異なります。例えば、月20万円で生活をしている家庭と、月40万円で生活している人では、必要な生活費(婚姻費用)に違いがあるからです。
とはいえ、婚姻費用について、一定の目安を知りたいと思うのは当然のことでしょう。裁判所では婚姻費用の目安が分かる「算定表」を公開してます。
この表を使えば、夫婦の所得や家族の人数(=子どもの人数)によって、婚姻費用はいくら掛かるのか確認できるので便利です。
参考リンク:養育費・婚姻費用算定表(裁判所)
なお婚姻費用・算定表の見方については、次の記事でも詳しく紹介しています。
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離婚後の財産分与ではいくらもらえる?
離婚後の財産は、夫婦で50/50に分けるのが「通常の流れ」です。例えば、夫婦で築いた資産が5,000万円だった場合、負債などを清算し手元に3,000万円が残りました。この場合、夫婦はそれぞれ1,500万円ずつ受け取る計算です。
夫婦の稼ぐ比率が違ったとしても、夫婦は協力し家計を支えているという考えから「財産は折半する」というのが原則となっています。
とはいえ例外もあります。
財産の形成に貢献したのが、夫婦のいずれか一方の努力や特殊な能力による場合や、形成された財産が大きい(=多額の財産)や、分与される側(=妻)の財産形成の貢献度が極端に低い場合には、妻の財産は50%以下になる可能性は極めて高いです。
財産分与が折半とならない場合
- 夫婦のいずれか一方の努力や特殊な能力によって財産が形成された
- 形成された財産が、非常に大きい(億単位の相続など)
- 分与される側(=妻)の財産形成の貢献度が極端に低い
例えば、夫が「名医」と賞される外科医であり資産を5億円形成したが、妻は自宅で専業主婦として悠々自適に暮らしていたという場合、裁判所は「妻の貢献度は低い」と判断するでしょう。
実際の判例でも、夫の資産形成は2億、妻の貢献度が低いという理由で、夫の取り分は1億8,000万円、妻の取り分は2,000万円になった例もあります。
このように、妻の貢献度や夫の資産形成能力によって、財産分与の比率が変わってくるので注意しましょう。
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離婚後に受け取れる子どもの養育費
離婚後に受け取れる子どもの養育費は下記の記事で詳しく解説しています。
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なお、国内で離婚をした夫婦のうち、大半は「養育費を払っていない/ 受け取っていない」のをご存じでしょうか。厚生労働省の調べでは、母子家庭の約8割(=80%)が、非親権者である父親から養育費がもらえていないとのこと。
事態を重く見た厚生労働省と国は、養育費取得支援の資料を作成・配布したり、全国に「養育費相談支援センター」を開設し、母子が父親から養育費がもらえるよう交渉や請求手続きのサポートを行っています。
養育費が受け取れず、お困りの方はぜひ、最寄りの「養育費相談支援センター」を訪れてみてください。下のサイトでも、養育費の請求・受取支援について詳しい情報が載せられています。
参考リンク:母子家庭関連|養育費の確保(厚生労働省)
離婚後の生活費と引越し費用を確保しておこう
離婚後、どこに住むのか先ずは、引っ越し先や住まいについて情報を集めましょう。夫婦で住んでいた場所(購入した一軒家、賃貸マンションなど)をそのまま使わせてもらえれば、何も問題はありません。
しかし、離婚を前提に別居をするにも、引っ越す先を確保し、新たな場所で新生活をスタートさせる必要があります。
引越しには、礼金や敷金、引越代金(家具や家電、生活に必要なものを運ぶ)、新居での日用品を買い求めるのにお金が掛かります。
もし、お金がなくて引っ越しできないのなら、自治体が貸付を行っている「生活福祉資金貸付」制度や「緊急小口資金貸付」などを利用しましょう。
公的融資で、生活に必要な費用を借りる
生活福祉資金貸付
総合支援資金、福祉資金、教育支援資金、不動産担保型生活資金など、各自治体が低所得者や高齢者、障害者世帯に対して資金を貸し付けている。
※ 貸付金額などは、自治体に問い合わせのこと。
参考リンク:生活福祉資金貸付(厚生労働省)
緊急小口資金貸付
貸付の金額:最高10万円まで
※ 給与などの盗難(紛失)の場合は5万円まで
参考リンク:全国社会福祉協議会
このほかにも、子育てに必要な資金を「母子福祉資金貸付」として、自治体が融資をしてくれるので安心です。
離婚後の仕事探し
今働いていない人(特に専業主婦の方)は、離婚後の職探しについて、不安をお持ちのことでしょう。離婚後の職探しについては、できるだけ時間に余裕を持って探すようにしましょう。
離婚後慌てて探しても、条件に合う仕事に就けるとは限りません。しかし、離婚を決意した後(婚姻期間中の間に)仕事を見つけておけば、経済的不安を軽減し、安心した状態で離婚へと踏み切れます。
子持ちの方で「職探しが厳しい」という方は、最寄りの自治体に問い合わせ、ひとり親世帯の就職をサポートしてくれる制度(補助金・助成金、就職斡旋)を積極的に活用しましょう。
まとめ|離婚費用でお困りの方には離婚弁護士への相談がオススメ
離婚費用が無くお困りの方は、離婚弁護士に「離婚後の生活費」について相談してみてください。離婚弁護士に依頼をすれば、離婚前の婚姻費用を請求する方法や、離婚後の慰謝料をいくらもらうのか、相手と交渉をし「最善の方向」へと導いてくれます。
離婚後の生活が少しでもラクになるよう「有利な条件」で交渉を進めてくれる離婚弁護士は、あなたの心強い味方です。
また、2019年12月23日に養育費算定表が見直されたことでほぼ全ての年収帯で養育費が1~2万円ほど増額しましたので、新たに請求をしたい方はもちろん今現在離婚を検討している方も弁護士を利用することをオススメします。
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