離婚宣言前に荷物整理をすることが大事な理由!片付けで押さえるべきポイントを紹介!

片付けをしている女性

離婚宣言前にしっかり片付けをすることがなぜ重要なの?

離婚宣言前にしっかりと片付けをしておくことで、気持ちの整理ができるだけではなく、慰謝料請求や財産分与の際に有利になる可能性があるからです。

不倫やDVなど配偶者に離婚原因がある場合には、片付けをしながら証拠を集めてください。「配偶者が悪い」という事実を客観的に証明できる証拠がないと、慰謝料の請求が認められないおそれがあります。

一方財産分与は、離婚原因が何であれ、すべての夫婦間で行われる制度です。財産分与とは「夫婦が婚姻生活の中で協力しながら築いた財産を公平に分け合う」というもの。原則として、2分の1の割合で分けられています。ちなみに妻が専業主婦のケースでも、家事・育児を通して財産形成に貢献してきたと考えられています。

しかし注意すべきなのは、財産分与が申告制であるということ。妻が離婚したがっていることに夫が気づいて、財産分与から逃れるために自分名義の財産を隠してしまうケースもあります。

そのため、宣言前段階で早めに把握しておくことが重要。離婚を切り出してから財産分与を始めるのでは、遅いと言えるでしょう。

不倫・DV…相手が離婚原因を作った場合、証拠を集めれば有利になる可能性

配偶者の不倫やDVなどが原因で離婚をするのなら、慰謝料を請求するためにもしっかりと証拠を集めておきましょう。

離婚原因を客観的に証明できる証拠がない状況では、多くの場合相手も否を認めようとしないものですし、調停・裁判でも不利になる可能性があります。第三者から見て「相手に責任があることが明白だ」と言える状態でない限り、残念ながら慰謝料の請求はなかなか認められない傾向にあります。

離婚を切り出してから証拠を集めようとしても、相手が隠してしまうかもしれません。そこで、離婚宣言前にさりげなく片付けをしながら、以下のような証拠をコツコツ集めることをお勧めします。

  • 不倫相手とやり取りしているスマホ画面の写真
  • ラブホテルなど宿泊先の領収書
  • 電話の通話履歴
  • ラブホテルにふたりで入っていく場面の写真
  • 配偶者やその不倫相手が不倫の事実を自白している録音データ
  • 配偶者から暴力を振るわれた後、医師にもらった診断書
  • 暴力・暴言を詳細に記録した日記

画像、動画、音声データなどの証拠については、離婚準備中に紛失したり配偶者に消去されたりしないよう『Dropbox(ドロップボックス)』などのクラウドストレージに保管しておくのもよいでしょう。クラウドストレージは、オンライン上にデータが保管されるサービスです。

これなら激昂した配偶者から万が一スマホを取り上げられても、証拠を消される心配はありません。

離婚を拒否された時のために「民法が認める離婚理由」の証拠集め

離婚をするためには、原則として夫婦間の合意が必要です。もし相手が離婚を断固として拒否してきたら、離婚裁判で争うことになります。

夫婦間の合意がある場合はどんな離婚理由であっても問題ないのですが、相手が離婚を拒否しているのならそれなりの理由がないと認められません。

一度は生涯苦楽を共にすることを公に誓った仲ですから、「嫌になった」「好きじゃなくなった」ぐらいで相手を一方的に見捨てるべきではない、という考えに基づいています。

民法770条では、以下の理由があれば「相手が拒否していても」離婚が認められると定めています。

  • 不貞行為
  • 悪意の遺棄(勝手に家出をして家にお金を入れないなど)
  • 3年以上の生死不明
  • 回復の見込みのない強度の精神病(統合失調症、躁うつ病など)
  • その他婚姻を継続しがたい重大な事由(性格の不一致、セックスレス、DV、浪費など)

万が一相手に離婚を拒否された場合を想定して、上記の事実を客観的に証明する証拠集めもしておくべきでしょう。

夫婦には、扶助義務や協力義務があります。そのため、相手の病気やセックスレス、性格の不一致が原因で離婚を求める場合あっても「双方が改善のために最大限努力を尽くしたのか」が問われます。それを証明するために、自分が努力した形跡や相手の態度などを日記に詳しく記しておくこともポイントとなります。

なお、DVや不倫などをしていた側(有責配偶者)からの裁判手続きによる離婚請求は認められません。明らかに自分に落ち度がある場合は、話し合いで相手を説得するしかないというのが実情です。

夫婦の共有財産は把握してる?片付けをしながら、財産分与の下調べ

次に、財産分与の対象となる預貯金や不動産、有価証券などをしっかりと把握しておきましょう。

財産分与とは「結婚後に夫婦が協力し合いながら築いた財産を分け合う」制度です。したがって、結婚前の貯金や両親から相続した財産については財産分与の対象とはなりませんのでご注意ください。

相手が離婚をしたがっていると気づいた配偶者は、自分名義の財産を隠してしまうことも多いものです。

したがって、財産分与の下調べは、相手に悟られないよう「さりげなく慎重に」実行するべきです。

離婚前に別居する夫婦は多い!別居前に「要るもの・要らないもの」を整理

離婚に先立って別居を始める夫婦の数は、非常に多いと言われています。厚生労働省が発表している「平成21年度 離婚に関する統計」によると、別居後1年以内に離婚している夫婦は82.5%。1年以上〜5年未満は12.8%となっています。

別居を始めた夫婦のほとんどが離婚しているのが実情ではあるものの、最終的な決断を下す前にまず物理的な距離を置くことで冷静さを取り戻せるので、後悔を防ぐことにも役立ちます。冷却期間を設けることでお互いの大切さに気づき、再構築できる可能性もゼロではありません。

別居を始める前に、現在家族で暮らしている住居の片付けを徹底的に行いましょう。不要な物が少ないほど、別居の手続きがスムーズになります。その際、別居の準備をしていることに相手が勘づかないよう、慎重に進めていくことがポイント。もし気づかれると、別居を阻止されたりDVが悪化したりする危険性があるからです。

片付けブームにハマっているふりをして整理する

幸いなことに、世間では今空前の「片付けブーム」が起こっています。片付けブームの立役者である片付けコンサルタントの“こんまり”こと近藤麻理恵さんは「胸がときめかないものをすべて捨てる」という大胆なメソッドを提唱しています。もし配偶者に指摘されたら、「こんまり流片付けにハマっているの」などと説明して誤魔化すことも可能です。

片付けは、「洋服や靴などの服飾品」といった誤って捨ててしまってもダメージが少ないものから着手することをお勧めします。「書類・デジタルデータ」などは一度捨ててしまうと取り返しのつかないものも含まれている可能性があるため、後回しにしておきましょう。

子どもがいない夫婦の場合

子どもがいない夫婦の場合は、夫婦の思い出ごと処分して気分一新再スタートを切るのもひとつの方法です。

一方子どもがいる夫婦は、子どもが配偶者と一緒に映っている写真まで処分すると後々後悔することになるかもしれません。子どもが成長して自分の意志を持った時のことを考えて、家族の思い出は一応保管しておいた方が良いでしょう。

子どもの思い出が詰まったベビー用品やおもちゃなどなかなか捨てられない物については、写真に撮ってから処分するというのもお勧めです。前述のクラウドストレージサービスに写真や書類のデータを保存しておけば、別居時に持ち運ぶ量が少なくなり身軽になれます。

離婚のタイミングや片付けで迷ったら、弁護士にアドバイスを求めましょう

離婚に先立って片付けを進めている中で、「これは財産分与の対象になる?」「慰謝料請求の証拠になる?」「捨ててしまってもいい?」など、迷うことが沢山あるかもしれません。そんな時は、離婚の実務経験が豊富な弁護士に早めに相談することをお勧めします。

離婚を始め、夫婦間の問題は非常にデリケート。離婚を決意しても、離婚宣言前段階では誰にも言えないと思い悩むこともあるでしょう。弁護士には守秘義務がありますから、噂が広まる心配はまずありません。そして、家族でも友人でもない第三者だからこそ、打ち明けられる不安や悩みもあるはずです。

初回無料相談を受け付けている弁護士も大勢いますので、疑問点は早めに解消しておきましょう。

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