子なし夫婦が離婚するべきケースや後悔しないためのポイントを解説
子どもがいない夫婦は、子供の親権の帰属や養育費を考えないでよい分、子どもがいる夫婦に比べて離婚へのハードルが一般的には低いと言われています。
子どもがいる場合には、親権や養育費など決めなければならないことが多く、親子関係は離婚後も存続するため、まったくの他人になることはできません。面会交流や養育費の支払いなど、生涯にわたって何らかの形で交流を続けていかなければならないことも多いのです。
一方、子どものいない夫婦は、基本的に離婚後は一切関わる必要がなくなります。さらに、子どもがいる場合に比べて再婚もしやすい傾向にあります。そのため、もしも離婚の決意が固いのであれば、早めに離婚することで第二の人生を歩むことができるでしょう。
ただし、子どもがいないからといって、感情的に離婚を決めてしまうのは禁物です。一度は生涯をともにすることを誓った仲なのですから、夫婦関係を再構築する努力もなしに簡単に離れるのは後悔の元となるでしょう。
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子どもがいない夫婦が離婚するべきケース
- どちらかが子どもを欲しいと思っているが、相手は望んでいない
- セックスレスが1年以上続いている
- どちらかが不倫(浮気)をしている
- 価値観や性格の不一致がある
- 相手が生理的に無理になってしまった
- 周囲や世間体のために我慢して生活をしている
- 離婚しても経済力や生活に不安がない
上記の複数に当てはまる場合、子どもがいない夫婦だと離婚した方が幸せになれるケースも多いです。
もし1つしか当てはまっていない、当てはまるものがないという場合は無理に離婚をしない方が将来的には幸せになる可能性があります。
子どもがいない夫婦が離婚の準備期間中にするべきこと
いざ離婚を決意したら、次にとるべき具体的な行動についてご紹介します。
子どもがいない夫婦の場合は、主に「離婚原因についての証拠集め」「財産分与の下調べ」「離婚後の経済的自立の準備」を行うことになります。
配偶者のDV・不倫などが原因で離婚する場合は、証拠集めを
配偶者の不倫やDV・モラハラが離婚原因なら、慰謝料を請求できる可能性があります。ただし、それには有力な証拠が必要。相手に気づかれないように、離婚を切り出す前の段階からコツコツ証拠集めをすることをお勧めします。
慰謝料を請求するためには、請求者側が不倫やDVなどの事実があったことを証明しなければならない(請求者側に立証責任がある)からです。
例えば、不倫なら「不倫相手とスマホでやり取りしたメッセージの画面」「配偶者と不倫相手がラブホテルに出入りする写真」「ラブホテルの領収書」「クレジットカードの明細書」、DV・モラハラなら「医師の診断書」「DVを記録した日記」「配偶者の暴言などの録音データ」がよく証拠として提出されます。
自分ひとりで証拠集めをするのが難しいと感じる場合は、探偵事務所などに依頼することも検討しましょう。
現在専業主婦の方は、仕事を探して経済的自立の準備もしましょう
現在専業主婦の方は、離婚後に経済的自立をするための準備もしておきましょう。パートタイムで働いている方は、ひとりで自活できるほどの収入が得られる職業に転職することをお勧めします。
キャリアブランクが長い方は、いきなり正社員になるのが難しいこともあるようです。その場合は、まずは資格取得に励みつつ、貯金を増やすことから始めてみましょう。離婚後の仕事が決まったら、通勤しやすい範囲で住居探しをしてください。実家に帰るのも、ひとつの方法です。
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財産分与に備えて、夫婦の共有財産を確認しておく
慰謝料と違って、財産分与はどんな離婚原因であれ、必ず求めることができます。
財産分与とは、夫婦が婚姻生活の中で協力し合いながら築いてきた財産を分け合う制度。妻が専業主婦の場合も、妻が家事を担っていたからこそ夫が仕事に専念できたという側面があるため、財産分与をすることができます。
注意すべき点は、財産分与が申告制であるということ。配偶者が自分の持っている財産の一部を隠してしまった場合、事実上適正な金額を請求できなくなる可能性があります。ですから、離婚を切り出す前の段階から、相手名義の預貯金や不動産、自動車、株式などをしっかり把握しておきましょう。配偶者の給与明細を保管しておくのもお勧めします。
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いきなり離婚する前に、まずは別居をして冷却期間を設けるのも一つの方法
元々は愛し合って結婚したふたりでも、いつも同じひとつ屋根の下にいると、ついイライラしてしまうものです。顔を合わせればケンカばかりしてしまう夫婦は、一度話し合いを中断して冷却期間を設けるのも大切。
一度離婚してしまうと、なかなか後戻りはできません(中には同じ相手と再婚する夫婦もいますが……)。いきなり離婚に踏み切る前に、まず別居してみてはいかがでしょうか。
離婚に先立って別居する場合、収入が多い方の配偶者に生活費を請求できる可能性があります。夫婦には、お互いの生活を支え合う扶助義務があります。
別居期間中であってもそれに変わりはないため、別居中の生活費も「婚姻費用」として請求できるとされています。
ただし、共働きで夫婦ともに十分な収入がある場合には婚姻費用の請求が認められなくなる可能性があります。また、何も言わずに突然家出をして別居を開始してしまうと、「夫婦の同居義務違反」として離婚の際に不利になるおそれがありますので注意してください。
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子どもがいない夫婦が離婚準備を進めべきじゃないケース
子どもがいないからといって、簡単に離婚を決意すべきではないケースもあります。
DV・モラハラなど、精神的肉体的苦痛が大きく心身が危険にさらされている場合は、すぐにでも配偶者から逃げて離婚すべきでしょう。しかし、離婚理由に再構築の余地が少しでも残っているのなら、もう少し慎重に考えてみてもいいかもしれません。
以下では、よくある離婚理由別に「子どもがいない夫婦が離婚すべきかどうか」を解説していきます。
配偶者の不倫で離婚を迷っているケース
不倫が原因で離婚を考えている夫婦は、非常に多いです。子どもがいる夫婦ですと、配偶者が不倫しているからと言って自分の感情だけで離婚するのは難しいこともあります。特に不倫している夫が高収入で妻が専業主婦である場合、「自分さえ我慢すれば、子どもに豊かな生活をさせてあげられる」と考えて再構築を選ぶ女性も少なくありません。
一方、子どもがいない夫婦の場合、夫婦で協力して養うべき子どもがいないため離婚のハードルが低くなります。もし、妻側にも十分な収入があり、離婚後も経済的に自立できるのであれば、離婚を考えてもよいかもしれません。離婚を決意したら、慰謝料を請求するために不倫の証拠をしっかりと集めておくことをお勧めします。
ただし、「不倫されたのが1回のみ」で「配偶者が非常に反省している」、かつ「配偶者に対する愛情が残っている場合」はもう一度再構築を選ぶのもひとつの方法。夫婦でカウンセリングを受けてみてはいかがでしょうか。
セックスレス・家庭内別居で離婚を迷っているケース
セックスレスや家庭内別居も離婚の原因になることがあります。モラハラ・DV・不倫などとは違って、どちらかが一方的に悪いとは言えないのがセックスレス問題の難しいところ。仮にセックスレスでも、夫婦どちらもその状態に納得していれば何も問題がないからです。
セックスレスの原因は夫婦によって様々で、中には理屈で説明できないものもあります。「夫が育児に非協力的で嫌気がさした」など明確な原因がある場合には、夫婦でカウンセリングを受けるなどして歩み寄ることも大切です。一度は愛し合っていた仲ですから、ふとしたきっかけで愛情が復活する可能性は十分にあります。
難しいのは、夫婦の一方が子どもを望んでいるのに、もう片方が欲しくないというケースです。子どもを作るか作らないかは、その人の人生観を構成する重要な要素です。子どもを望んでいる方にとっては、タイムリミットがありますから、再スタートは早い方が良いでしょう。夫婦でよく話し合った上で相手の意志が今後も変わらないのであれば、離婚を選択することで幸せになれるかもしれません。
慰謝料の請求については、セックスレスが原因ですと不倫・DVなどに比べて認められにくいのが実情。慰謝料が認められた場合の金額は、セックスレスの原因や期間など様々な事情を考慮して判断されます。
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性格の不一致で離婚を迷っているケース
性格の不一致もよく離婚原因として挙げられていますが、このケースではより一層慎重になることをお勧めします。
たとえ血の繋がった家族や親友であっても、まったく性格・価値観が一致することなどありません。相手だけに変わることを求めるだけでなく、自分自身にも改善すべき点がないのかじっくりと考えた方が良いでしょう。
そのためには、信頼できる友人や夫婦問題カウンセラーに相談してみるのもひとつの方法です。冷静な第三者から客観的なアドバイスをもらうことで、自分だけでは考えつかなかった答えを得られるかもしれません。
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子どもがいない夫婦の離婚の慰謝料相場
子どもがいない夫婦であっても、不倫やモラハラ、DVなどの離婚事由に該当する行為があれば慰謝料を請求することが可能です。
この際の慰謝料相場は相手の不法行為の程度によりますが、50万~300万になることが大半です。
また、相場としては多くても100万円程度と低額にはなりますが、セックスレスや相手が生活費を渡さないなどの悪意の遺棄でも慰謝料を請求することができます。
なお、子どもがいる夫婦の離婚と同様に慰謝料を請求する際には証拠が必要となりますので、事前に集めておきましょう。
子どもがいない夫婦の離婚準備まとめ
最終的に離婚するべきか判断するのはあなた自身ですが、判断材料が多いに越したことはありません。
結局離婚しなかったとしても、様々な離婚の実例を見てきた経験豊富な弁護士に早い段階で相談しアドバイスを求めることによって、自分にとって最適な判断を下せるようになる可能性があります。
一番良くないのは、誰にも相談することなく自分ひとりで抱え込んでしまうこと。客観的な意見を取り入れないまま精神的に追い詰められてしまうと、誤った決断をしてしまい後々後悔することになりかねません。
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