借金の借り換えとは?デメリットと審査、利用時の注意点を解説
借金の借り換えは利息の金利を減らせる可能性があることから、高金利でお金を借りている人にとってはメリットの多い方法です。この記事では、借金の借り換えとおまとめローンの違い、借り換えが向いているケースなどについて解説します。
借金の借り換えとは
借金の借り換えとは、既存の高い金利の借金を、より低金利の借金・ローンに置き換えることをいいます。
借り換えは既存の借金を新しい借金に置き換えるようなものですので、借り換えをしても借金の残高が減ることはありません。しかし、従前より低金利のローンを利用することで金利が下がり、毎月の返済額が減少するため、返済総額や返済の負担が軽減される可能性があります。
借金の借り換えとおまとめローンの違い
借り換えとおまとめローンは「借金を一本化する」という点では共通しているため、混同されがちです。借り換えとおまとめローンの違いは新しいローンに乗り換える目的、そして対象となるローン・借金の数にあります。
利息の負担を減らす借金の借り換え
借り換えは主に金利を下げ、利息の負担を減らすことを主な目的として行う手続きです。
既存の借り入れをより金利の点で有利な条件のローンに変更します。既存の借入先は1つでも複数あっても構いません。
返済管理を容易にするおまとめローン
一方、おまとめローンは複数ある借り入れを一本化し、返済管理をしやすくすることが主目的です。
複数の借り入れがあると、返済額や返済日もそれぞれの借り入れごとに分かれてしまい、管理が大変になります。そこで、複数の借り入れを1つのローンにまとめれば、管理しやすくなります。
また、複数ある借金を金利低めのおまとめローンで一本化できれば、借り換えと同様、利息の負担を減らす効果も期待できるでしょう。
注目!
そのお悩み弁護士に相談してみては?
借金の借り換えやおまとめローンの利用は、借金問題の根本的な解決方法にはなりません。毎月の借金返済が厳しく感じはじめたら、なるべくお早めに弁護士までご相談ください!
ご相談者の生活や財産をふまえて最適な借金問題解決のプランを提案してもらえます。
借金の借り換えが適切なケース
借金の借り換えに適しているケースとしては、以下のようなものがあげられます。
高金利のローンを利用している場合
高金利のローンを利用している場合は、借り換えによって利息を減らせるかもしれません。
ローンの利息は借入先によって異なります。消費者金融のような金利の高い業者から借りている場合、借り換えによって金利負担を減らすことができる可能性があります。
返済期間を見直したい場合
借り換えは返済期間を見直したいケースにも向いています。
利息が減るということは、返済総額を減らせる可能性があるということです。利息が高ければ高いほど、利息の分借入残高が増えやすくなります。毎月の返済額によってはいつになっても返済が終わらないという事態にもなりかねません。
借り換えによって利息を下げつつ、返済のスケジュールを調整すれば、より早期の完済を目指すことも可能になります。
返済の管理を簡素化したい場合
返済の管理を簡素化したいケースにも向いています。
これはおまとめローンと共通の特徴でもありますが、借り換えによって複数のローンを1つにまとめられる可能性があります。複数の借り入れがある方の場合は返済の管理が容易になり、返済日に遅れるなどのトラブルが起きるリスクも減らせます。
借金の借り換えのメリット
借金の借り換えには、次のようなメリットがあるといわれています。
利息を減額できる
借金の借り換えは、高金利のローンを低金利のローンに変更することで、支払う利息の額を減らすことが可能です。例えば、年利18%のカードローンを年利8%のろうきんローンに借り換えると、利息の負担が大幅に軽減されます。返済期間中の金利負担が少なくなるため、返済による負担も軽減できる可能性があります。
返済月額や返済期間を見直し、返済総額を減らせる
既存のローンからより低金利のローンに借り換えることで、今の返済計画を見直すことができます。返済月額を減らせる可能性があるほか、適切に計画を立てれば返済期間も短縮できるかもしれません。そうすれば、結果的には返済総額も減少させることになります。計画的な借り換えは、総返済額の軽減にも役立つのです。
複数ある借金を一本化できる
複数の金融機関からの借り入れがある場合、借入残高や返済日の管理が難しくなってしまうケースが少なくありません。
しかし、借り換えによって借金を1つのローンにまとめられれば、借金の管理が容易になります。また、一本化により毎月の返済額の調整がしやすくなりますので、家計の負担を軽減することができます。
信用情報への影響なしで債務返済を調整可能
借金を法的に認められた債務整理によって減らした場合、借り換え以上の減額効果は期待できる一方で、信用情報への一定の影響はまず避けられません。
しかし、借り換えによって借り入れ条件の見直しを行えば、自分の信用情報に悪影響を与えることなく、返済計画や家計の見直しをすることができます。
借金の借り換えのデメリット
一方、借金の借り換えにはデメリットも存在します。
借り換えローンは審査が厳しい
借り換えを行う際には新たなローンの審査が必要となりますが、この審査は比較的厳しいものになる可能性があります。すでに借金がある状態で、新しく借金をすることになるからです。
現在の借金残高と年収のバランス、住宅ローンの残高、これまでの信用情報といった条件をクリアできない場合は、希望する条件での借り換えが認められない可能性もあります。
返済総額がかえって増えるケースも
借り換え後に毎月の返済額を減らしてしまうと、元金の返済の進行が遅れ、返済総額ではかえって増えてしまう可能性もあります。
低い金利のローンに借り換えれば、たしかに利息は減ります。しかし、だからといって返済額を減らしすぎるのは問題です。結果として返済期間が延び、結果的に支払う総額が増加する可能性があるからです。
返済期間が長くなれば、その分利息の総額や返済総額も増えることになります。「返済総額を減らす」という借り換えのメリットを最大化するためにも、借り換えをした場合も、なるべく早期返済を目指すのがおすすめです。
返済は続き、借金問題の解決にはならない
借り換えはあくまで返済条件の改善に役立つもので、借金自体を減額するものではありません。
借り換えに成功した場合も、引き続き借金の返済を続ける必要があります。そのため、金額によっては借金問題の根本的な解決にはならない可能性も否定できません。
深刻な借金問題に直面している場合は借り換えではなく、債務整理を検討する必要も出てくるでしょう。
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借金の借り換えでよく使われるローン
借金の借り換えにより、高金利のローンから低金利のローンへの変更を行うことで、返済負担の軽減が期待できます。ここでは、借り換えで特によく使われるローンの特徴を紹介します。
銀行カードローン・フリーローン
銀行のカードローンやフリーローンは、安定した低金利が魅力です。
一般的に、銀行のローン商品は年利1.5%から14.5%程度で提供されています。消費者金融のローンが18%程度という高金利であることと比較すると、生じる利息の金額に大きな差が生まれることがわかるのではないでしょうか。例えば、100万円を年利18%で借りていたものを、年利10%の銀行のカードローンに借り換えると、年間の利息負担は8万円減少します(元本を100万円として、1年間のみ計算した場合)。
このように、銀行のローンは利息の削減効果が高い傾向があり、借り換えには有利なことが多いといえます。ただし、審査には時間がかかるケースもありますので、申し込むタイミングには注意が必要です。
おまとめローン(借り換え専用ローン)
消費者金融の借り換え専用ローンは、銀行よりも金利は高めに設定されています。しかし「追加借入なし」など各社が定めた一定の条件を満たせば低い金利での借り換えが可能です。
金利は3%から18%となっています。低い金利で借り換えができれば、利息を大幅にカットできるかもしれません。複数の借金を持つ借り手にとっては、借金の返済を一本化しつつ、返済額を大幅に減少させることも可能になります。
例えば、年利18%の借り入れが複数ある場合、これを一本化して年利15%のおまとめローンにすれば、利息が3%減ります。返済管理がしやすくなるだけでなく、利息の負担が減る分返済の見通しも立ちやすくなるのではないでしょうか。
ろうきん
ろうきん(労働金庫)は、労働組合や生協会員向けの金融機関です。営利目的の組織ではないということもあって、低金利でのローンを提供しています。
ろうきんのカードローンやフリーローンの金利は、一般に約4%から7%程度と低く設定されており、他の高金利のローンに比べて大幅な利息削減が可能です。
借り換えの場合はろうきんの団体会員にあたる人しか利用できませんが、該当する人であれば有利な条件で借り換えができるでしょう。
借金を借り換える場合の注意点
借金の借り換えは、多くの場合、金融負担の軽減に有効ですが、適切に行わなければ予期せぬ問題を引き起こす可能性もあります。以下、借り換えを検討している方が注意すべきポイントを具体的に解説します。
希望額を借りられるとは限らない
借り換えを検討する際、必ずしも希望する金額全てを新しいローンで借りられるとは限りません。
ローンの審査では、現在の収入、他の借入状況などが考慮されます。借り換えの場合は既存の借金がある状態ですので、ローンの審査が厳しくなるケースがあります。特に、既存の借金が多い場合や収入が不安定な場合、希望額よりも少ない金額しか借り換えられない可能性もあります。
総量規制に引っかかる可能性がある
既存の借入先や借入金額によっては総量規制に引っかかり、借り換えが難しくなる可能性があります。
総量規制は貸金業法上のルールで、「年収の1/3を超える貸付けをしてはいけない」というものです。消費者などの貸金業者に借金がある場合、既存の借入額や利用しているローンの種類によってはこちらの規制に引っかかる可能性があります。それは借り換えを行うと、新たな借り入れによって一時的に借入残高が増えるためです。貸金業者に多額の借金がある方は特に注意が必要です。
従来より低金利なローンで借り換える
借り換えの主な目的は、支払う利息の負担を軽減することです。そのため、必ず従来のローンよりも低い金利で借り換える必要があります。高い金利で借り換えてしまうと、返済総額が増えてしまうことにもなりかねません。
金利だけでなく、手数料その他の費用も考慮に入れ、できるだけ有利な条件のローンを利用するようにしましょう。
返済遅延や借入が多額な場合は使えない
返済履歴に遅延がある場合や、すでに多額の借り入れがある場合、借り換え自体ができない可能性があります。借り入れ額が多かったり、過去に返済遅延があったりすると、ローンの審査に通らない可能性があるからです。このような状況で借金問題を解決したい場合は、借り換えではなく債務整理を検討することが望ましいといえます。
返済が厳しい場合は債務整理の検討を
借り換えをしても利息が若干少なくなるだけで、借金がなくなるわけではありません。
失業して収入がなくなった、借金の金額が多すぎるといった返済が難しい事情があるのであれば、単なる借り換えでは問題解決につながらない可能性があります。
「どうしても返せない」という場合には、債務整理という選択肢も検討するべきかもしれません。
債務整理は、金融機関との交渉や法的な手続きによって借金の減額ができる制度です。任意整理、個人再生、自己破産の3種類があります。これらの方法を利用すると、借り入れの総額を減らしたり、返済負担を大幅に軽減したりすることが可能になります。法的な手続きが必要になりますので、「このままだとまずい」と感じた段階で早めに弁護士などの専門家に相談されることをおすすめします。
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まとめ
借金の借り換えは、計画的に行えば利息を減額でき、返済計画の立て直しに役立ちます。しかし、借金は依然として借金のまま残るため、本人の置かれた状況によっては最適な解決方法とは限りません。
借金問題を適切に解決するためには、専門家によるアドバイスが不可欠です。
「このままだと返せないかも」「いつになっても返済が終わらない」といった悩みがある場合は1人で悩まず、早めに弁護士などの専門家に相談されることをおすすめします。
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