個人再生認可への道。再生計画案を作成するポイントとは
個人再生は、再生計画案が認可されないと手続を進めることができません。再生計画案が認可されるには債権者の同意が非常に重要なポイントです。そのため、債権者が納得するような再生計画案を作成することが大切になります。再生計画を立てる際には、個人再生委員の指示を仰ぎながら、弁護士などの専門家とよく相談して進めましょう。
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再生計画案が認可されないと個人再生はできない
個人再生を行うには、裁判所による再生手続きの開始決定後に再生計画案を提出する必要があります。再生計画案が認可されなければ個人再生を進めることはできないため、債権者から異義が出ないような計画案を作成することが重要なポイントです。
債権者が納得するような再生計画案を作るのが認可へのポイント
2つの個人再生の中でも利用されることの多い小規模個人再生では、再生計画案が債権者に通知され決議が採られます。そのため、小規模個人再生では、再生計画案を作成する際に債権者が納得する内容にすることが大切です。
もう一方の給与所得者個人再生では債権者の同意は不要となっていますが、こちらの場合も債権者から異議の出ないような計画案にすることが必要となるでしょう。
「小規模個人再生」では再生計画案認可に債権者の同意が影響する
個人再生には「小規模個人再生」と「給与所得者等再生」の2種類の手続きがあります。一般に利用されることの多い個人再生手続きである「小規模個人再生」では、債務者が提出した再生計画案が裁判所から各債権者に送付されます。
次に債権者による決議が行われ、同意しない債権者が全体数の過半数を割った場合、かつ債権の総額が2分の1を超えない場合に再生計画案が可決となります。
「書面による決議」も重要になる
小規模個人再生の再生計画案の決議をする際には、一般的な民事再生の場合とは違って債権者集会が開かれるケースはあまりありません。主に書面による決議が行われ、裁判所から送付された再生計画案に対して同意か不同意かを回答して返送する方法がとられます。この場合、積極的に同意しなくても不同意の旨を提出しなければ同意とみなされますが、これを消極的同意と言います。
「給与所得者等再生」では債権者の同意が不要
一方の「給与所得者等再生」では、債権者の同意は不要となっています。そのため、債権者の同意が得られないことが予想される際には、「小規模個人再生」でなく「給与所得者等再生」を選んだ方が良いのではないかと考える方もいるでしょう。
ただし、「給与所得者等再生」では「小規模個人再生」の要件に「給与所得などで収入が安定していること」が加えられています。収入や生活状況を見極めながら、弁護士などの専門家に相談してどちらの個人再生手続を選択するのがよいか判断することが大切です。
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債権者の同意を得る再生計画案とは
債権者の同意が少なく再生計画案が否決されてしまうと、個人再生は不認可となってしまいます。債権者が納得する再生計画案は一体どのようにして作成すればよいのでしょうか。
収入が多い場合は最低弁済額より高い金額設定に
「小規模個人再生」では、最低弁済額の基準が定められています。しかし、債務者の収入が高いケースでは債権者が最低弁済額で納得しないことも考えられます。その場合には最低弁済額よりも少し高めの金額設定で再生計画案を練る必要性が出てきます。再生計画案が認可されるには、債権者が譲歩してくれるような内容に作成することも大切なポイントです。
再生計画に同意しない債権者が過半数を超えた場合は?
仮に、再生計画に同意しない債権者が過半数を超え、その額が2分の1以上である際には再生計画案は否決となり、個人再生は不認可となってしまいます。しかし、一度不認可となった場合でも再度申立をすることは可能です。例えば、債権者の同意が必要ない「給与所得者等再生」で再度申立を行うことも、ケースとしては考えられるでしょう。ただし、闇雲に再申立をするのではなく、弁護士などの専門家とよく相談しながら次の手を考えてください。
民事再生法に則した再生計画を立てて実行しよう
再生計画案の最低弁済基準や最長弁済期間は、民事再生法によって定められています。再生計画案が裁判所に認可されることによって、初めて債務整理手続としての効力が生まれます。
専門家と相談しながら計画を立てよう
最低弁済基準や最長弁済期間は民事再生法で定められていますが、具体的な弁済額や支払回数は個人再生委員の指導のもと債務者本人が計画を立てます。弁護士などの専門家に相談しながら債権者の納得を得られる再生計画案を作成しましょう。
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借金の圧縮幅を決定する
債務者は、はじめに債務総額の何割返済するのかを決定します。個人再生では債権者に対して最低限弁済しなければならない最低弁済額が定められていますが、その基準は小規模個人再生と給与所得者等再生では少し異なります。小規模個人再生の最低弁済額は、債務額に応じた最低弁済基準または不動産などの資産を処分した場合の評価額のいずれか高い方になります。
一方、給与所得者等再生の最低弁済額は、小規模個人再生での2つの基準もしくは法定可処分所得の2年分の中で最も高い額です。この基準を踏まえて最低弁済額を割り出してみてください。
弁済期間を決める
弁済期間は原則として3年以内と定められていますが、特別な事情がある場合には最長5年まで延長される可能性もあります。収入が少ない、医療費・子どもの教育費・住宅ローン等を捻出しなければならないなどの理由により、3年間で弁済が困難であることが予想される場合には、延長を申し出るようにしましょう。
共益債権・一般優先債権の支払は減額されない
共益債権や一般優先債権は減額の対象にはならないため、再生計画とは別に支払う必要があります。共益債権とは水道光熱費や養育費、個人再生委員への報酬などで、一般優先債権とは所得税・住民税などの税金や社会保険料を指します。
再生計画に沿った弁済を続けて残額を免除に
裁判所によって再生計画が認可されたら、債務者は再生計画案に則った弁済をスタートします。弁済が完了すると、残債務は免除となります。
真摯に返済を続けることが個人再生成功への鍵
再生計画案に沿って分割弁済を続け債務を完済すると、その時点で初めて債務残額の免除が許可されます。つまり途中で支払が滞るような事態になれば減免もなくなってしまいますので、途中で気を緩めずに最後までしっかり支払を続けましょう。
困った時は専門家のアドバイスを
個人再生手続認可後の弁済期間中、何らかの理由で債務者が支払を続けることができないような状況に陥ることがあるかもしれません。そのような場合には速やかに弁護士などの専門家に相談しましょう。一人で問題を抱え込むのではなく打開策を考えてくれる人に頼ることが大切です。
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弁護士など専門家のアドバイスを聞きながら、再生計画案の認可を目指そう
再生計画案が認可されない限り、債務整理手続を進めていくことはできません。再生計画案を作成する際は、専門家のアドバイスを聞きながら債権者の同意が得られるような内容にすることが大切です。無事個人再生が認可された暁には、残債の免除を目指して計画通りに弁済を続けましょう。
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