北海道民の相続問題

北海道民の相続税納税額は全国第12位

国税庁が発表しているデータによると、北海道の人の相続税徴収額（＝納税額）は245億8300万円で全国で12位でした。ただ死亡した人の内、何人が被相続人として相続税の対象になったかを見る「申告率」では北海道は20位には入っていませんでした。
北海道全土が広く人口が多いために、申告率としては低くなったのかも知れません。しかし、北海道国税局管内での相続税課税価格としては最高で30億円超という財産を残した人が1人います。北海道での相続税の事情を見ていきましょう。

北海道の課税価格の実態

北海道国税局の中で相続税の課税価格として最高だったのは30億円超で、被相続人は1人でした。20億円超も1人ですが、10億円超～20億円未満は6人、7億円超～10億円未満は17人、5億円超～7億円未満は24人もいます。また、3億円超～5億円未満は55人、2億円超～3億円未満は132人、1億円超～2億円未満は503人、1億円以下は304人という結果になっています。
ただし、これは平成24年中に相続が発生した人のデータです。平成27年に相続税の税制改革があり、相続財産から差し引ける基礎控除額が約4割減っています。そのため、北海道でも今後、相続税の課税対象になる人が増える可能性があります。

北海道の地価の状況

相続税が課税される対象としてもっとも大きな割合を占めているのが土地です。北海道で地価が高いところはどこか、見てみましょう。
北海道内の宅地は平成4年から22年連続して地価が下落しています。ただ、札幌市内は下落幅が少なく、上昇しているところもあります。全国的に見ると、全都道府県の県庁所在地の地価のランキングでは札幌市は23位と決して高くはありません。札幌市の平成27年の公示地価は1平方メートルあたり61000円でした。

北海道内の住宅地の地価を市区町村別に見てみると、道内でもっとも地価が高いのは札幌市中央区で1平方メートルあたり約30万7000円です。他にも札幌市内では北区や豊平区、西区、白石区などの土地が高くなっています。札幌以外では函館市が1平方メートルあたり約4万9000円、旭川市の約3万円、帯広市約3万円などがあります。
このように道内でも都市部の地価は高い傾向ですが、地方に行くと地価は低くなっています。

北海道民の預貯金

相続財産の中で土地の次に大きな割合を占めるのが現金や預貯金などです。北海道の人の預貯金は1世帯あたり1180万円で、全国で39位です。ただ、これは平均値なので、もっと貯めている人がいると考えられます。
北海道の人の貯蓄の傾向としては、定期性預金の率が高く、有価証券の保有率は少ないという特徴があります。相続税の基礎控除は3000万円＋600万円×法定相続人の数なので、もし相続人が少ない場合は基礎控除額が少なくなり、現金や預貯金に対して相続税がかかる可能性があります。早めに対策を取っておきましょう。

相続税の対策

北海道は全国の各地と比較しても、地価はそれほど高くはないようです。しかし、農地や牧場、田、山林など宅地以外で広大な土地を所有している人がいらっしゃいます。そういった場合はたとえ地価は安くても面積が広いために、場合によっては相続税の課税対象となる可能性があります。
また、札幌市内の中央区にある高級住宅街に土地や家を持っている人や大通り周辺の高級マンションを所有している人も相続税が気になります。専門家に相談しながら対策を進めていきましょう。

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