石川県の相続問題

石川県の相続税申告率は全国20位

石川県は相続税の申告率（死亡した人の遺族が相続税を申告する割合）が3.42％で、全国では20位となっています。納税額は92億1100万円で、全国で28位です。金沢国税局管内（石川県、富山県、福井県）の中では富山県の次に多い金額です。
相続財産の中でも大きなウエイトを占めるのは、土地（宅地）と現金・預貯金・有価証券です。石川県の平均地価は全国で18位と比較的高い水準にあります。そういったことが相続税の納税額に現れているのかも知れません。
では、詳しく見ていきましょう。

石川県の地価の状況

石川県の地価の平均額は1平方メートル当たり64,700円で、これは全国で18位です。ただし、これは全用途の土地の平均価格です。県内の住宅地の平均価格は、47,100円、商業地の平均価格は111,900円、工業地は34,000円となっています。また、全国の県庁所在地の平均地価のランキングでは、金沢市は1平方メートル当たり70,400円で全国20位となっています。

県内の住宅地でもっとも地価が高いのは、金沢市彦三町1丁目で、137,000円でした。商業地でもっとも高いのは、金沢市本町2丁目で、68万円となっています。

今後の地価の動向に注目

住宅地の地価で上昇率が高いのは、金沢市広岡で前年比5.9％も上昇しています。他にも金沢市や野々市などが2～3％も上昇しています。一方、商業地はさらに上昇率が高く、金沢市広岡1丁目は前年比17.1％、金沢市本町2丁目は8.8％、他にも金沢市内の多くの地点で前年よりも上昇しています。これらはJR金沢駅の近くで、好立地です。その上に北陸新幹線の開通で人気が高まっていることが影響しているものと思われます。

今後も多くの企業が石川県に本社を移転したり、支社を設けたりといった動きがあると報じられています。それに伴って地価が上昇する可能性があります。また、社員が移住することで、住宅地の高騰も考えられます。今は地価が安いところでも、そういった周辺環境の変化で高くなる可能性は十分にあります。
石川県内で土地を持っている人は、地価の動きを見ながら、相続税を視野に入れて対策を考えるといいでしょう。

石川県民の貯蓄高は1597万円

相続財産の中でも現金や預貯金・有価証券は大きな割合を占めています。石川県の人の1世帯当たりの平均貯蓄高は1597万円で、全国では21位です。石川県の人は有価証券の保有率は全国平均よりも少なく、通貨性預金や定期預金を多く利用しています。株などは価格の変動があるため、大きな利益が出る反面リスクも伴います。有価証券の保有が少ないということは、それだけ慎重な県民性であることを物語っているでしょう。
コツコツと貯めたお金が相続税の課税対象になる可能性があります。現金や預貯金は生前贈与にすると、相続税の節税ができます。一度、検討されるといいでしょう。

石川県民に必要な相続税対策

石川県では、今後地価が上昇する可能性があります。また、県民の世帯当たりの所得も、決して低くはありません。北陸新幹線の開通で優良企業が進出してくると、いい勤め先が増えるためさらに収入のアップが期待できます。地価の上昇や収入増がすぐに相続税に直結するわけではありませんが、資産が増えると納税の可能性が出てきます。特に平成27年に税制改正が行われてからは、一般家庭も相続税の課税対象になるケースが増えています。これからは他人事と思わずに、対策を進めていきましょう。

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