山口県の相続問題

山口県の相続税納税額は全国で34位

山口県の相続税納税額は67億2700万円で、この額は全国では34位です。広島国税局管内の広島県、岡山県、山口県、鳥取県、島根県の5県の中では、広島県、岡山県に次いで多い額になっています。
相続税の課税対象となるものには土地や家屋、現預金などがありますが、山口県の状況はどうでしょうか。
詳しく見ていきましょう。

山口県の地価は16年連続下落傾向

山口県の公示地価は住宅地は16年連続下降、商業地は22年連続下降しています。地価そのものも決して高くはなく、全国の県庁所在地の平均地価の比較でも山口市は1平方メートル当たり31,100円で全国最下位でした。1位の東京都23区の平均地価が518,600円なので、その16分の1ということになります。相続税の納税額も東京都は5067億8600万円なので、山口県はその7分の1程度です。同じ面積の土地を相続しても、地価が高い大都市よりも評価額が低いということがわかります。
住宅地に関しては全国平均地価は1平方メートル当たり102,600円、中国地方の平均が52,100円なのに対して山口県は33,200円になっています。いかに山口県の地価が安いかということがわかりますね。

県内で平均地価が高いのは和木町で66,300円、2位は岩国市で42,300円、3位は下松市の38,500円となっています。商業地でもっとも高いのは岩国市の81,800円、2位は和木町の80,300円、3位は山口市の77,600円でした。
どの地点もそれほど地価は高くはありませんが、今後新しく駅が出来るとか、大きな工場ができるといった要因で地価が上ることがあります。そういった場合は土地の評価額が上り相続税の課税対象になる可能性があるので注意しましょう。

山口県の1世帯当たりの貯蓄額は1453万円

山口県民の1世帯当たりの平均貯蓄額は1453万円で、全国で29位です。ただし、これは平均値なので、もっと多く貯めている人がいらっしゃいます。また、有価証券を持っている人も多いでしょう。

山口県の世帯主の収入は全国で15位と決して低くはありません。地価が安いことや物価指数が全国で24位ということから考えても、節約すればもっと貯められるのではないかと思えます。
そうした場合は相続税のことも視野に入れていきましょう。

また、山口県内で5000万円超の所得を得ている人は約250人、1億円超の所得を得ている人は30人もいます。こういった高額所得者は特に相続税の対策を早めに進めておくと安心です。

相続税は一般家庭にも関係ある問題

納税額が少なく、地価も物価も安い山口県では、相続税は自分には関係ないと思う人が多いかも知れません。確かに今までは相続税は地価が高い大都市で家や土地を持っている人、また高額所得者だけの問題でした。しかし、平成27年に税制改正があり、相続財産から差し引かれる基礎控除額がそれまでよりも約4割も減っています。その結果、一般家庭でも場合によっては相続税を納める可能性が出ています。全国的に見て、改正前よりも納税者は1.5倍に増えると言われています。山口県の人も「自分には相続税は関係がない」と思わないようにしましょう。土地や有価証券を持っている場合は、評価額を計算してもらい、必要に応じて対策を進めることが大切です。相続税は生前にできる節税方法があります。

専門家に相談すれば最適なアドバイスが受けられます。遺された遺族が納税資金で苦労しないためにも、相談されることをおすすめします。

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