福岡県の相続問題

福岡県の相続税納税額は全国8位

都道府県別の相続税納税額を見ると、福岡県は374億900万円で全国で8位です。九州地方の中でも福岡県だけがベスト10に入っています。

ただし、死亡した人の内で相続税の対象となる財産を残した人（被相続人）の割合を示す相続税申告率では福岡県はベスト20位には入っていませんでした。このことから、福岡県で相続税の対象となるだけの財産を残した人の数は少ないが、相続財産が多く納税額が高いということがわかります。

福岡県の地価

相続税の課税対象となる相続財産の中で、宅地は全体の約3割を占めます。福岡県では地価の相場はどうなっているのでしょうか。

平成27年の公示地価では、福岡県の住宅地の平均価格は23年ぶりに前年を上回っています。産経新聞によると福岡市は国家戦略特区に指定されたことで人口が増加しているとのことです。そのために東京や海外の不動産投資家が福岡の土地に注目し、特に再開発が進んでいるJR博多駅周辺や天神地区は投資対象となり、地価が引き上げられています。
中でも上昇率が高かったのは福岡市博多駅前の日本生命博多駅前ビルで、前年比10.3％も上昇し地価は299万円になっています。

全国都道府県の県庁所在地の平均地価のランキングでも福岡市は平均120,500円（1平方メートルあたり）で、全国で9位になっています。福岡県内で地価が高いのは福岡市中央区や博多区、早良区、南区などで、特に中央区は1平方メートルあたり約70万円にもなっています。博多区で約40万円、早良区で16万3000円、南区で14万7000円などが高いところです。このように地価が高いところでの土地所有者は相続税の対象となることがあります。

また、福岡県は宅地面積が全国で6番目に広いという統計結果が出ています。地価はそれほど高くなくても広い土地を持っていると課税対象になる可能性があります。

福岡県民の預貯金の傾向

一方、現金や預貯金も相続財産の課税対象として高い割合を占めていますが、福岡県の人は貯蓄高はそれほど高くはないようです。貯蓄現在高は全国のランキングの中で32位で、1世帯の平均の貯蓄額は1317万円です。

ただ、福岡県の人は有価証券の所有率が高く、全国で8位になっています。平成27年7月現在で平均株価は2万円を超えているので、相続開始前後に株価が高い水準で推移していると相続財産の総額が上る可能性があります。常に株価の動きを見ながら、資産を殖やすと同時に相続のことも視野に入れておくといいでしょう。

福岡県の富裕層

福岡県内で富裕層が多いと言われているのは、福岡市早良区や筑紫野市、春日市、大野城市、北九州市などです。福岡県内で5000万円超の所得を得ている人の数は約1600人で全国で8位と高くなっています。また、1億円超の人は県内で約290人でこちらも全国で第8位です。九州地方の中では他県を大きく引き離してダントツのトップです。

このように全国的に見ても高額所得者が多い地域なので、なおさら相続税のことは意識しておきましょう。

今後の相続税対策

投資は資産を分散するのがいいと言われますが、相続に関してはすべての財産の評価額を合わせて計算するため、意味がありません。それよりは生前贈与をするとか、土地の評価額を下げる工夫をするといった相続税対策が必要になります。特に土地を持っている人は、一度専門家に相談されるといいでしょう。また、資産が土地や家屋だけという人は要注意です。相続税が発生しても、納税資金がなく遺族が困るというケースが多く見られます。せっかくの不動産を手放さないためにも、適切な相続税対策を講じていきましょう。

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