予納金とは?自己破産するために最低限必要な予納金はいくら?
自己破産は予納金を納めなければ手続きを進めることができません。また、どの手続きで処理されるかによって費用も異なります。
では、いったいどういった名目でいくら納めることになるのか?
手続きを有利に進めるために弁護士は必要なのか?といった点に注目しつつ、自己破産にかかるお金についての知識がすべて身に付く内容にまとめました。
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自己破産の予納金とは?
実は自己破産したいと思っても無料というわけにはいきません。予納金と呼ばれる、手続きにかかる費用を納めなければ自己破産はできないのです。
「ただでさえお金に余裕がないのにまたお金がかかるの?」
なんて声も聞こえてきそうですが、借金がすべて無くなることを考えれば負担も止むを得ませんし、決して法外な金額が必要になってしまうわけではありません。
それでは、自己破産するのにかかるお金はいくらなのか?細かい部分まで見ていきましょう。以下を読めば、自己破産にかかる費用はすべて理解できる内容になっています。
自己破産の予納金
自己破産にかかる費用は、裁判所に納めることからも「予納金」と呼ばれています。そして具体的には、以下の名目で予納金を納めることになっています。
- 収入印紙
- 郵便切手
- 官報掲載費用
- 管財費用
なお、収入印紙・郵便切手は「実費」と区分されることもありますが、まとめて予納金と表現することもあります。それでは、名目別にいくらかかるのかも見ていきましょう。
収入印紙
自己破産の手続きに限ったわけではありませんが、裁判所での手続きでは収入印紙を貼付するのが原則です。手続きによって金額は異なるのですが、自己破産の場合は、個人破産の場合が1,500円、法人破産(会社などのこと)が1,000円となります。
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収入印紙の貼付がない自己破産の申立書は、窓口に持っていっても受け付けてもらえないため注意しましょう。裁判所の多くは売店が入っていて、そこに収入印紙が売っています。
郵便切手
自己破産は手続きの中で申立人や破産債権者に対して通知を出すことがあります。この際の郵便切手は、申立人が負担しなければなりません。
納める郵便切手の金額と内訳は管轄となる裁判所ごとに異なりますが、1,000~4,000円程度のことが多いです。通常は多めに納めるよう設定されていますが、裁判所によってはぴったりの納付(足りなくなれば補充)で良いという運用のところもあります。
管轄となる裁判所ごとに異なるため、事前に確認しておきましょう。なお、余った郵便切手は手元に(代理人弁護士宛てに)返ってきます。
官報掲載費用
自己破産をすると官報に申立をした裁判所や、自身の住所氏名が掲載されます。
官報というのは、国が祝休日以外に刊行している新聞のようなもので、自己破産の他にも相続に関する申立や、新しい法律の公布なども掲載しています。
自己破産ではこの官報への掲載費用として、同時廃止事件の場合が10,584円、個人の管財事件の場合が13,834円、法人の管財事件の場合が13,197円を納めなければなりません。なお、官報への掲載はよくデメリットとして紹介されていますが、自身の周囲で官報を購読されている方がいるという例はごく稀です。
雑誌などとは違い一般的に購読されるようなものではありません。官報への掲載がきっかけで自己破産を知られる心配はほとんどないのでご安心ください。
管財費用
自己破産が管財事件(または少額管財事件)として処理された場合、破産管財人への費用を負担しなければなりません。破産管財人とは、裁判所から選任され破産手続きを率先していく専門家のことで、主にその地域で活躍している弁護士が選任されます。
管財事件の中でも個人の方の場合、多くは少額管財事件として処理され、一般的な費用は20万円となっています。しかし、裁判所によっても若干異なりますし、破産に至る事情や現在の資産状況を鑑みた上、20万円以下になったり、20万円以上になることもあります。
自己破産にかかる費用としては少し高額に感じられますが、原則的には申立人の現在の資産の中から納められるよう考慮されますし、それができない場合も積立期間が設定されるため、可能な範囲で無理なく納められるように配慮がなされています。
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自己破産の予納金は同時廃止が負担も少ない
上記の説明からもわかるように、自己破産が管財事件として処理されてしまった場合、管財費用を負担しなければならず、かかる費用が一気に増えてしまいます。その合計額は20万円を超えてしまうことからも、多大な費用負担を被ることになります。
一方で、同時廃止事件の場合は、1500円の手数料に加えて収入印紙と切手が4千円前後、官報掲載費用が1万584円と、合計で2万円程度あれば自己破産ができてしまいます。
裁判所によって多少の前後はありますが、予納金は管財事件と比較してかなり抑えることができるので、可能であれば同時廃止で処理してほしいと考えるのは当然です。
同時廃止で処理されるには?
とはいえ、同時廃止で処理されるかどうかはこちらの希望ではなく、あくまでも裁判所の判断となっています。自己破産が同時廃止で処理されるのは以下の要素です。
- 申立時に20万円以上の財産を持ち合わせていないこと
- 免責不許可事由に該当していないこと
- 申立書に不明瞭な点が少なく調査をする必要がない
この中で①と②に関しては調整できる場合とできない場合とがありますが、③に関しては申立準備の段階からうまく進めれば回避できる可能性が十分あります。
個人申立は裁判所からの指摘が多い
実は、個人で自己破産を申し立てようとした場合、裁判所からは指摘が多く入る危険が強いのです。というのも、個人が作成した申立書はどうしても粗が目立ちますし、裁判所が知りたい点をうまく抑えられていないケースがほとんどです。
となれば、裁判所は当然説明を求めてきますが、あまり手続きに精通していない個人と時間のかかるやり取りをするよりも、破産管財人に任せたほうが良いと判断します。こうなれば破産管財人の選任は回避できず、管財事件として処理されてしまうというわけです。
弁護士に依頼して管財事件を回避
一方で、自己破産を弁護士に依頼した場合、裁判所から指摘が入る危険を限りなく回避できます。弁護士は自己破産手続きにおいて裁判所が何を求めているかを理解していますし、なにより何度も自己破産申し立てを経験しているため、裁判所毎の傾向についても熟知しています。
当然、申立書に粗が出ることもありませんし、説明不十分といった理由から手続きが管財事件として処理される危険を限りなく0にすることができるのです。
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通常管財事件における自己破産の引継予納金の基準
個人の自己破産は一般的に少額管財事件として扱われますが、場合によっては通常管財事件となります。
そこで以下に自己破産で通常管財事件になった際の予納金の基準を紹介していきます。
- 負債額が5000万円未満:50万円
- 負債額が5000万円~1億円未満:80万円
- 負債額が1億円~5億円未満:150万0000円
- 負債額が5億円~10億円未満:250万0000円
- 負債額が10億円~50億円未満:400万0000円
- 負債額が50億円~100億円未満:500万0000円
- 負債額が100億円以上:700万0000円
こちらも同時廃止と同様に、裁判所によっては多少金額が前後する場合があります。
あくまでもこのぐらい、という基準として覚えておいていただければ問題ありません。
自己破産の予納金の弁護士費用は分割も可能
ここで気になるのが弁護士へ支払う費用です。結論から言ってしまうと、弁護士に自己破産を依頼した場合の一般的な相場は、20万円前後となっています。
管財費用とそれほど変わらないのでは?と感じてしまいますが、裁判所の場合は管財費用の積み立てが終わらないことには自己破産手続きも終わることがありません。
しかし、専門家の場合は自己破産手続きがすべて終了してから、少しずつ分割で支払っていくことも可能です。また、毎月の支払い額は無理がないように弁護士と相談しながら決められるメリットもあります。
あらゆる点で融通が利くことから、管財事件を回避するだけでなく費用負担の面からも弁護士に手続きを依頼するメリット十分といえます。
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まずは無料相談から利用しよう
とはいえ、いきなり弁護士に自己破産を依頼するとなれば身構えてしまうのも当然。そこで、まずは無料相談を利用することをおすすめします。
現在、自己破産をはじめとする債務整理関連の相談は無料で行っている専門家の事務所が増えてきていますし、市区町村役場が実施する法律相談会や、法テラスという国が設立した司法援助機関も各地域に点在しています。
こうした無料相談を利用しながら、自己破産手続きへの理解を深め、かかる費用面も考慮した上で、自身にとって自己破産が必要か?それとも他の手続きでの解決が可能なのか?といった点について、お金をかけずに確認していきましょう。
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