神奈川県の相続問題

神奈川県の相続税納税額は全国第2位

国税庁の発表によると、平成25年度の神奈川県の相続税徴収額（決定額）は1776億700万円で、東京都に次いで全国第2位となっています。また、相続税の申告率（死亡した人の内、遺族が相続税を申告することになった割合）は6.59％でした。これは東京都、愛知県に次いで全国第3位です。

では、詳しく見ていきましょう。

神奈川県は地価が全国第2位

神奈川県は地価が全国でも東京の次に高いところです。平成26年の地価は1平方メートルあたり23万2004円です。トップの東京都は1平方メートルあたり80万円もするのに比べれば低いですが、それでも地価は全国の中でもトップクラスです。しかも、前年比2％も上昇しています。

地価が高いということは、土地を持っている人が亡くなった場合に相続税が発生する可能性があるということです。特に平成27年1月からは相続税制が改正になり、相続財産から引ける基礎控除額が従来の「5000万円＋1000万円×法定相続人の数」から「3000万円＋600万円×法定相続人の数」に引き下げられました。それまでよりも6割も控除額が減ってしまう計算になります。

その結果、それまでなら相続税が発生しなかった層にも相続税がかかる可能性が出ています。

神奈川県下で地価の上昇率が高い地域はここ！

神奈川県の発表によると県内の住宅地の地価はゆるやかに上昇傾向にあり、特に都心に近い地域や最寄り駅まで徒歩圏内の地域は需要が高く、地価の上昇率が高くなっています。横浜市では東急東横沿線エリアを中心に人気がある神奈川区、中区の高級住宅地、日吉駅とたまプラーザ駅への徒歩圏内の上昇率が目立っています。川崎市でも上昇傾向にあり、相模原市、藤沢市、鎌倉市なども上昇しています。

神奈川県内は富裕層が土地を求めるということがあり、相続税に関係する人が多いと考えられます。

神奈川県の富裕層は相続税に注意！

相続税がかかるのは、土地や家屋といった不動産だけではありません。現金や預貯金、有価証券なども大きな割合を占めています。

神奈川県は全国の中でも貯蓄高が全国で第7位となっています。また、神奈川県は1億円超の所得者の数が全国第3位と高くなっています。所得額が5000万円超や2000万円超の人の割合も全国第3位と高いのが特徴です。高額所得者が多いということは、それだけ貯金や資産が多いと考えられます。

神奈川県内の地区別の世帯年収を調査した結果を見ると、世帯年収が多い地区は横浜市と川崎市の多くの地域が該当します。また、鎌倉市や藤沢市、逗子市なども高所得世帯が多い地域です。
こういった地区に土地を持っている人や、所得が高く貯蓄が多い人は、早めに相続税対策を進めておきましょう。
わからないことは専門の弁護士などに相談するとスムーズに進められます。

節税対策はさまざま

所得が高く、地価も高い神奈川県では、相続をした場合に相続税が高くなる可能性があります。また、税制改正によって、今までは相続税と無縁だった人にもかかってきます。ある調査では税制改正後に相続税を納税する人の数は、全国的に見て従来の1.5倍に、東京都や神奈川県などは従来の2倍になると見られています。

相続税は誰に何を相続させるかによって納税額が違ってきます。また、相続財産の評価額を下げる方法もあります。このように相続税を抑えるにはさまざまな方法があります。ただ、それは個々の状況によって異なります。相続税の仕組みや制度をよく理解して進めるといいでしょう。

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