死後事務委任契約とは?必要なケース、委任できること・できないことなどわかりやすく解説
死後事務委任契約は、身寄りのない人や親族に負担をかけたくない人に適した制度で、自分の生前に、葬儀の手続きや死後の行政への手続きなど、死後事務を受任者に依頼できます。しかし、委任内容の法的有効性の確認・委任者死亡後の委任継続への対応など、正確な法的知識が必要となりますので、お悩みの場合は弁護士に相談しましょう。
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死後事務委任契約とは
死後事務委任契約とは、自身の死後の事務手続きを、生前に信頼できる第三者に委任する契約です。
死後事務委任契約は、主に身寄りのない人、親族に負担をかけたくないと考える人、配偶者と内縁関係・事実婚の人などが依頼します。
具体的には、葬儀の手続き、死亡届の提出といった行政の手続き、WEBサービス・SNSアカウントの解約・削除、遺されたペットの世話・引き継ぎ先への引き渡しなどがあり、その内容は多方面に渡ります。
死後事務委任契約に類似する制度には、「遺言(遺言執行)」「成年後見制度」「財産管理契約」の3つがあります。それぞれの違いを見ていきましょう。
遺言(遺言執行)との違い
「遺言」とは、被相続人が、自分の財産を誰にどのように配分するかの最終意思表示であり、「遺言執行」とは、その遺言内容を実現する手続きをいいます。
遺言(遺言執行)と死後事務委任契約との違いは、遺言(遺言執行)が相続財産や身分関係(子の認知、相続人の廃除など)についての事項のみに法的効力があるのに対し、死後事務委任契約は、相続財産や身分関係についての事項以外の事務手続き(葬儀・埋葬などの手続き、未払い料金の精算など)に法的効力があるという点です。
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成年後見制度との違い
「成年後見制度」とは、認知症や知的障害、精神障害などで判断能力が不足している人の財産管理や契約締結などの法律行為を、後見人が本人に代わって行う制度です。
成年後見制度には、後見人を任意で選べる「任意後見」と、家庭裁判所によって選任される「法定後見」とがあります。
成年後見制度と死後事務委任契約との違いは、成年後見制度が本人の生前、判断能力が不足してからの法律行為をサポートする制度であるのに対し、死後事務委任契約は、本人の死後に発生する、相続財産や身分関係についての事項以外のさまざまな事務手続きを行う制度であるという点です。
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財産管理委任契約との違い
「財産管理委任契約」とは、事故や病気などで自分の財産を管理できなくなったときに備え、本人の生前、判断能力が衰える前までの財産管理を委任する契約です。
財産管理委任契約と死後事務委任契約の違いですが、財産管理委任契約は、委任内容が本人の生前の財産管理であるのに対し、死後事務委任契約は、効力が生じるのが本人の死後で、委任内容が相続財産や身分関係についての事項を除く、それ以外の事務手続きであるという点です。
死後事務委任契約で委任できること
死後事務委任契約で委任できる事務手続きは幅広く、具体的には次の通りです。
- 遺体の引き取り
- 葬儀・埋葬などの手続き
- 親族や知人への連絡
- 行政の手続き
- 生前の未払い料金の精算・解約(家賃・光熱費・介護費用・医療費など)
- 住まいの清掃と家財の処分
- WEBサービス・SNSなどアカウントの解約・削除、データファイル含むデジタル遺品の整理
- 遺されたペットの世話・引き継ぎ先への引き渡し
遺体の引き取り
葬儀・埋葬を行う前に、病院などから遺体を引き取ります。
葬儀・埋葬などの手続き
葬儀社への依頼、葬儀内容の確定、菩提寺への連絡や僧侶の手配、納骨・永代供養など葬儀・埋葬の手配を行います。
親族や知人への連絡
親族や知人に訃報を知らせます。また、故人から預かったメッセージがあれば、それも伝えます。
行政の手続き
死亡届の提出や火葬許可申請、健康保険の資格喪失届出、年金の資格喪失届出、住民税・固定資産税など税金の納付などを行います。
生前の未払い料金の精算・解約(家賃・光熱費・介護費用・医療費など)
家賃・光熱費・介護費用・医療費など、生前に発生した未払い料金があれば、精算します。
住まいの清掃と家財の処分
アパートやマンションなどを借りていた場合、清掃や家財の処分を行い、原状回復して明け渡します。
WEBサービス・SNSなどアカウントの解約・削除、データファイル含むデジタル遺品の整理
携帯電話やインターネット接続サービス、動画や音楽等のサブスクリプションサービス、SNSアカウントなどの解約・削除、スマホやパソコンに遺したデータファイルを含むデジタル遺品の整理を行います。
遺されたペットの世話・引き継ぎ先への引き渡し
ペットを飼っていた場合、遺されたペットを世話し、引き継ぎ先への引き渡しを行います。なお、事前に引き継ぎ先から了承を取っておく必要がありますので注意しましょう。
死後事務委任契約で委任できないこと
死後事務委任契約で委任できる事務手続きは多岐に渡りますが、「相続・身分関係に関する手続き」「生前の各種手続き」への対応は委任できません。
相続・身分関係に関する手続きへの対応
相続分や相続人、遺産分割方法の指定などの相続に関する手続き、子の認知や相続人の廃除などの身分関係に関する手続きへの対応は委任できません。
生前の各種手続きへの対応
生前の財産管理や身の回りの世話、身元保証、判断能力が衰えてからの契約締結等のサポートなど、生前の各種手続きへの対応は委任できません。
これらを委任したい場合には、財産管理契約や見守り契約、身元保証契約、成年後見制度などを利用しましょう。
死後事務委任契約が必要なケース
死後事務委任契約が必要なのは、以下に当てはまる人が考えられます。
おひとりさま
おひとりさまで死後の事務手続きをお願いできる人がいない場合、そのまま亡くなってしまうと、近所の人や入院・入居施設などに負担をかけてしまいます。自治体は、火葬・埋葬はしてくれますが、それ以外の死後事務は基本的に行ってくれませんので、おひとりさまの人は死後事務委任契約を締結することをお勧めします。
家族や親族と絶縁中の人
家族や親族と絶縁中の人は、相手が、手間のかかる死後の事務手続きを引き受けてくれる可能性が低いため、死後事務委任契約を結ぶとよいでしょう。
家族や親族に頼れない・負担をかけたくない人
また、家族や親族と良好な関係を築いていても、相手が遠方に住んでいたり仕事で忙しかったりなど、何らかの理由で頼れない・負担をかけたくないケースもあります。この場合、死後事務委任契約を結んでおくことで、相手に負担をかけずに済みます。
家族や親族が高齢な人
家族や親族が高齢の場合、煩雑な死後の事務手続きをさせることで、精神的・肉体的に無理をさせる可能性があります。また、自分より先に相手が他界する可能性もあります。
内縁関係・事実婚の人
内縁関係・事実婚の人の場合、戸籍上は配偶者と認められず法定相続人になれないため、死後事務に関する手続きがスムーズにできない、認められないケースがあります。
相続人以外の人に依頼したい人
死後事務は、一般的には相続人が行いますが、相続人以外の親族や信頼できる友人、死後事務に詳しい専門家に依頼したい場合には、死後事務委任契約を結んでおくと安心です。
死後事務委任契約を結べる相手
死後事務委任契約を結べる相手は、非常に幅広いです。
相続人以外の親族・友人・知人
相続人以外の親族や友人・知人など信頼のおける人に依頼できます。
法律行為が行えれば基本的に条件なし
死後事務委任契約では、法律行為が行えれば、基本的にどのような人でも受任者になれます。特別な資格や条件は必要とされません。ただし、認知症や知的障害、精神障害などがあり、契約などの法律行為が行えない人は受任者になれません。
弁護士・行政書士・司法書士など
死後事務委任契約は、弁護士や行政書士、司法書士など法律の専門家に依頼する方法もあります。
これらの法律家であれば、一般の方に依頼するよりも豊富な経験があり、守秘義務に従って個人情報を保護しながら、スムーズに手続きを進めてくれます。
なかでも、特に頼りになるのが弁護士です。弁護士は他の士業とは異なり、法的トラブルの予防や対処を幅広く行えるため、仮に相続トラブルが発生した場合でも、安心して任せることができます。また、遺言や後見制度の利用など、死後事務委任契約に類似した制度にも詳しいので、併せて相談することができます。
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死後事務委任契約の流れ
死後事務委任契約がどのような流れで結ばれるか、ここで確認していきましょう。
委任内容を決める
死後事務委任契約では、「相続・身分関係に関する手続き」や「生前の各種手続き」以外の幅広い事務手続きを委任できます。どのような内容を委任するか、詳細を決めていきましょう。
委任契約を結ぶ代理人を決める
法律行為を行えれば、基本的にどのような人でも死後事務委任契約の代理人になれますので、信頼できる人を代理人に選びましょう。
必要書類の準備
委任内容を盛り込んだ契約書を公正証書で作成するために、必要書類を準備します。具体的には、委任者・受任者ともに下記のいずれかの書類が必要です。
- 印鑑登録証明書(発行3ヶ月以内のもの)と実印
- 自動車運転免許証と認印
- マイナンバーカードと認印
- 住民基本台帳カード(顔写真付き)と認印
- パスポートと認印
契約書を公正証書で作成する
死後事務委任契約は口頭でも締結することは可能ですが、「言った・言わない」でトラブルになる可能性があります。そのため、死後事務委任契約書を作成し、公証役場で公正証書にしてもらいます。公正証書は公証人が作成する公文書で、公証役場で保管されます。そのため証拠力が高く、記載内容が改ざんされるおそれもありませんので安心です。
死後事務委任契約の費用
死後事務委任契約に必要な費用は以下のとおりです。
死後事務委任契約書の作成料
死後事務委任契約書の作成を、弁護士等の専門家に依頼した場合にかかる費用です。弁護士に依頼すれば、希望する委任内容が「契約」として実現可能かアドバイスしてくれますし、漏れのない法的に有効な契約書を作成してくれます。
費用相場は、10〜30万円程度です。
死後事務委任契約の報酬
死後事務委任契約を、弁護士等の専門家に依頼した場合には報酬が必要です。
金額は、「葬儀・埋葬などの手続き」「行政の手続き」「デジタル遺品の整理」など、手続きごとに細かく相場があります。
下記は、手続き別の費用相場です。
内容 | 費用相場 |
---|---|
遺体の引き取り | 10〜15万円程度 |
葬儀・埋葬などの手続き | 20〜30万円程度 |
親族や知人への連絡 | 1件につき5000〜1万円程度 |
行政の手続き(死亡届の提出、健康保険・年金の対応、納税など) | 10〜15万円程度 |
医療費支払い手続き | 5〜10万円程度 |
家賃、管理費、敷金、保証金の支払い手続き | 5〜10万円程度 |
公共料金等の解約・支払い手続き | 1契約につき1〜2万円程度 |
住まいの清掃と家財の処分 | 3〜5万円程度 |
WEBサービス・SNSなどアカウントの解約・削除、データファイル含むデジタル遺品の整理 | 2〜5万円程度 |
遺されたペットの世話・引き継ぎ先への引き渡し | 10〜15万円程度 |
公証役場の手数料
死後事務委契約書を公正証書で作成する際に、公証人に支払う手数料として1万1000円、謄本代として3000円程度が必要です。
預託金
委任者の生前に、死後事務委任契約を実行するためにかかる実費の概算を見積もり、受任者に預けておく金銭を「預託金」といいます。亡くなった人の預金口座は、亡くなった時点で凍結され、相続手続きが終わるまでは引き出しができなくなります。そのため、預託金を用意し、受任者に預託金の中から死後事務にかかる実費を支払ってもらいます。この方法を、「預託金清算方式」といいます。
預託金の相場は、依頼する業務の範囲や葬儀の方法・規模などにより大きく異なりますが、おおよそ150万円程度からと考えておけばよいでしょう。
なお、実際に死後事務を行った後に預託金が残っていれば、相続財産に返還されます。
死後事務委任契約を利用する費用がない場合
死後事務委任契約を利用するには相応の費用が必要です。しかしながら、十分な費用が用意できない人もいます。特にネックになりやすいのが預託金です。預託金は150万円程度からが相場だとお話ししましたが、実際にはもっと高額になる場合があります。
そこで、預託金から死後事務にかかる実費を支払う「預託金清算方式」ではなく、「遺産清算方式」「保険金清算方式」を利用すること、また、死後事務で委任する内容を見直すことで契約時に用意する費用を抑えることを検討しましょう。
遺産清算方式
遺産清算方式では、死後事務委任契約の締結と同時に遺言書を公正証書で作り、遺言書に、遺産の一部を死後事務委任契約の受任者に渡す旨を記載します。こうすれば、契約時にまとまった金額を用意する必要がなくなります。
ただし、別途遺言書の作成費用がかかり、また死後事務にかかる費用を遺産に残せるよう財産管理をしなければならないという注意点があります。
保険金清算方式
保険金清算方式では、保険会社と生命保険契約を締結し、保険金から死後事務にかかる費用を支払います。こちらも契約時にまとまった金額を用意する必要がなくなりますが、生命保険の加入には審査があるため、年齢・病歴によっては利用できない点に注意しましょう。
死後事務で委任する内容を見直す
死後事務で委任する内容を減らすなど、契約内容の見直しを行えば、受任者の報酬や死後事務にかかる実費を抑えられます。
死後事務委任契約を結ぶ場合の注意点
死後事務委任契約には、いくつかの注意点があります。
- 親族には事前に知らせておかないとトラブルの元に
- 委任契約の有効性を確認しておく(委任内容・委任者死亡後の委任継続)
- 本人の意思能力があるうちに準備を
- 事業者の経営破綻や事業中止に注意
- 預託金を分別管理しているか確認する
- 法律家以外の受任者は、本来できない相続手続きまで行ってしまう可能性も
親族には事前に知らせておかないとトラブルの元に
親族に対し、死後事務委任契約を結ぶことを事前に知らせておかないと、委任者の死亡後、受任者が死後事務を行う際にトラブルになる可能性があります。たとえば、委任者が盛大な葬儀にしたいと指定していても、いざ手続きをと言うときに親族が反対し、死後事務がスムーズに行えないことも考えられます。
死後事務委任契約は、委任者と受任者との間で締結すれば法的には有効ですが、スムーズな死後事務の執行のためには、事前に親族に知らせておくことが大切です。
委任契約の有効性を確認しておく(委任内容・委任者死亡後の委任継続)
希望する委任内容が「契約」として実現可能か、法的に有効かを確認する必要があります。自分が委任したいと思っていても、その内容に法的な有効性がなければ、死後事務として手続きできません。
また、委任契約は、民法653条1項の定めにより委任者の死亡で終了し、契約が無効となります。そのため、委任者死亡後も委任継続ができるよう、契約時に特約を設けるなどして委任契約の有効性を担保することが必要です。もっとも、一般の方が委任契約の有効性を正しく確認するのは難しいため、弁護士など死後事務委任契約に通じた専門家に相談することをお勧めします。
本人の意思能力があるうちに準備を
死後事務委任契約は、その名の通り「契約」の一種です。契約は、契約当事者に意思能力がなければ効力が認められず、無効となります。
この意思能力とは、自分の行為の法的結果を認識し、判断できる能力を指します。そのため、本人が認知症になるなどして意思能力を欠いてしまうと、死後事務委任契約は締結できません。ですから、自分に意思能力があるうちに準備し、死後事務委任契約を締結することが大切です。
事業者の経営破綻や事業中止に注意
死後事務契約は、自分が健在なうちに、いずれ訪れる死後の事務手続きを委任する契約ですから、契約の締結から実際に死後事務を実行するまでには、数年から数十年の期間が空くことが多いです。
しかし、その間に、死後事務を委任した事業者が経営破綻や事業中止するケースもあります。死後事務委任契約の受任者を選ぶ際には、経営母体がしっかりしているか、経営状態は健全か、十分にチェックすることが大切です。
預託金を分別管理しているか確認する
預託金清算方式を採用している事業者の場合、預託金を預かり金口座に入金するなどして事業者の運営資金と分別管理しているか、流用する可能性がないか、きちんと確認しましょう。最近は、預託金を信託銀行に開設した信託口座に入金する事業者も増えています。信託口座を利用すれば、事業者や信託会社が万が一経営破綻した場合でも、信託の持つ倒産隔離機能によって信託財産が保全されますので、より安心だと言えるでしょう。
法律家以外の受任者は、本来できない相続手続きまで行ってしまう可能性も
死後事務委任契約の受任者に、特別な資格は要らない旨は上述した通りです。ですが、受任者が弁護士などの法律家でない場合、死後事務委任契約では本来できない、相続に関する手続きまで行ってしまう可能性があります。
こうした事態が起こらないためには、最初から弁護士に相談するのが得策です。弁護士は、法律家のなかでも、相続に関する手続きを幅広く執り行うことができるので、死後事務委任契約の受任者として最適です。
死後事務委任契約に関してよくある質問
死後事務委任契約に関しては、多くの人が疑問に思う点が2つあります。
死後事務への対応を自治体に委任することは可能?
結論から言えば、死後事務への対応を自治体に委任することはできません。
墓地埋葬法に基づき、埋葬・火葬だけは行ってくれる
ただし、墓地埋葬法9条1項の定めにより、遺体の埋葬・火葬を行う者がいないとき、または判明しないときは、死亡地の市区町村長が埋葬・火葬を行ってくれます。これには死後事務委任契約の締結は不要です。
しかしながら、没後すぐに埋葬・火葬を行ってくれるわけではなく、自治体はまず、遺体を警察や葬儀社などの遺体安置所に安置し、戸籍などの情報から相続人・扶養義務者を探します。相続人・扶養義務者が見つからない場合、自治体が埋葬・火葬を行い、費用については原則として死亡者の遺留品の金品等を充当し、それでも足りない場合は自治体が負担する、というのが自治体の行う埋葬・火葬のおおまかな流れです。
なお、死亡から埋葬・火葬までには1年程度かかる場合もあります。
死後事務委任の契約内容を生前に進めてもらうことはできる?
死後事務委任の契約内容を生前に進めてもらうことはできません。
たとえば、生前の入院費用の精算手続き、ペットの世話・引き継ぎ先への引き渡し等は死後事務委任契約では行えません。これは、死後事務委任契約が、委任者の死後に発生する事務手続きを委任するものだからです。
また、生前の財産管理、病院への付き添いといった身の回りの世話、介護施設入居時の身元保証などもできません。これらを行うためには、財産管理契約や見守り契約、身元保証契約が別途必要です。また、認知症などで判断能力が衰えてしまった場合の契約締結をサポートしてもらうためには、成年後見制度の利用も検討するとよいでしょう。
まとめ
死後事務委任契約の締結には、生前の自分の希望に沿って、死後事務を円滑に実行してもらえるというメリットがあります。
しかしながら、委任内容の法的有効性の確認や、委任者死亡後の委任継続についての対応など、契約時には法的知識が必要となる点に注意しなければなりません。また、死後事務委任契約ではできない手続きについては、遺言や成年後見制度、財産管理契約などの制度を別途利用しなければならないことなども押さえておきましょう。
その点、弁護士であれば、これらの対応を法的に正しい知識を持って包括的にサポートできます。死後事務委任契約や相続にまつわる事柄に不安があれば、ぜひ一度弁護士へ相談してみましょう。
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