リゾート会員権やゴルフ会員権の相続財産の評価と手続き方法

ゴルフ場

リゾート会員権であれば、すべて相続の対象となるわけではありません。預託金があって市場で取引されているリゾート会員権のみ対象となります。リゾート会員権は、取引価格の70%で評価され、一人の相続人のみが相続することができます。名義変更をすれば売却することもできますが、所得税が課せられます。

リゾートクラブの会員権にも相続税が発生する

リゾートクラブ会員権を相続する際もゴルフ場の相続と似ています。取引相場があるリゾートクラブ会員権を相続する場合は、相続発生の日における通常の取引価格の70%相当額で評価します。

リゾート会員権の相続での注意点

リゾート会員権を相続する際、注意すべきことがあります。それは不動産の所有権が付いている場合は不動産売買契約と施設利用契約が一体となっているため、この2つを切り離して譲渡や相続はできないようになっていることです。
リゾート会員権の取引は、上場株式のように公開された市場で行われるわけではなく、会員権取引業者が仲介して行われる場合や、仲介を介さずに所有者と取得者が直接取引することもあり、状況が異なります。さらに取引業者の仲介があってもその価格形成は業者ごとによりバラツキが生じて一定ではありません。
取引価額を基礎として評価するにしても、複数の仲介業者の取引価格を用いるなど、評価上の安全性を考慮して評価する必要があります。法律的にも複雑なため、相続に強い弁護士に相談したほうがよいケースのひとつです。

相続税の対象となるゴルフ会員権とは

リゾート会員権と同様の相続財産としてゴルフ会員権というものがあります。ゴルフ会員権とは、会員制のゴルフ場を利用できる権利です。大半のゴルフ場では、株式形式、または保証金形式(退会時に返金される)として、この利用権を発行しています。市場で取引がされているため、資産としての一面を持っていることが特徴です。
ゴルフ会員権があることで、会員は安くプレーできたり、優先枠で予約がとれるなどのメリットがあるため、日常的にゴルフを楽しんでいる人にとっては、有難いものと言えるでしょう。

ゴルフ会員権も相続財産になる

被相続人が生前、ゴルフの会員権を所有していた場合、この会員権も相続財産となります。
ただし、預託金(入会金)がなく単にゴルフ場でプレーするだけの「会員券」のようなゴルフ会員権は、相続税の対象とはなりません。

ゴルフ会員権を相続する場合

ゴルフ会員権を相続する場合、相続人が日常的にゴルフ場を利用している人なら、名義を変更してそのまま継続して使うことができます。ただし、会員権によっては、会員規約により、名義変更ができないものもあるので、確認しましょう。名義変更をする場合は、いくつか準備するものがあるので、準備しておきましょう。

ゴルフ会員権の名義変更で必要になる書類

  • 被相続人と相続人の関係性が分かる書類(戸籍謄本や除籍謄本など)
  • ゴルフ会員権を相続人に相続することを明らかにした相続同意書
  • 相続同意書に押印した全相続人の印鑑証明書

ゴルフ会員証券があるかを確認

ゴルフ会員権を相続する場合、いくつか注意点がいくつかあります。
まず、「ゴルフ会員権証券」があるかどうかを確認します。ゴルフ会員証券には、ゴルフ場名や額面金額、被相続人の名前が記載されています。これがなければ、被相続人がゴルフ場の会員であると認められません。ゴルフ会員権証券があるかどうかあらかじめ確認をしておきましょう。

ゴルフ会員権の相続税評価方法

取引相場がある会員権と取引相場がない会員権では、評価の方法が異なります。
取引相場がある場合は、その会員権の種類にかかわらず相続発生日の取引価格の70%で評価します。実際には取引を行う業者によって取引価格の差があります。複数の業者から取引価格を取り寄せ、その平均額を用いることが多いとされています。

取引価格に含まれない預託金がある

取引価格に含まれない預託金があるときは、預託金の返還の時期により計算方法が異なります。

A:課税時期にすぐに返還される預託金がある

課税時期の取引価格×70%+返還される預託金=評価額

B:課税時期から一定期間を経過した後に預託金の返還を受ける

課税時期の取引価格×70%+その期間に預託金を運用したときに返還額になる金額(現在価値)=評価額

取引相場がないゴルフ会員権の場合

なお取引相場がないゴルフ会員権の場合は、次のケースに分かれます。

A:株主でなければ会員となれない会員権 この場合は、ゴルフ場を経営する法人の課税時期における株式を評価した価額を相続税の評価額とします。
B:株主であり、預託金等を預託しなければ会員となれない会員権 Aの株式の価額と取引相場がある場合に計算した預託金の額を合わせたものが評価額になります。
C:預託金等を預託しないと会員になれない会員権 取引相場がある場合の預託金の額が評価額となります。

ゴルフをしない人がゴルフ会員権を相続したら

ゴルフをしない人にとっては、ゴルフ会員権を相続しても無用のものとなります。

ゴルフ会員権を売却した利益には所得税がかかる

相続したゴルフ会員権を売却することは可能です。ただし売却した際、利益が発生すると「所得税」がかかります。
相続税の申告期限から3年以内に相続財産を売却した場合は、税の軽減措置が取られるので、ゴルフ会員権を相続したけれど使わないという場合は、3年以内に売却することをおすすめします。

ゴルフ会員権の売却の流れ

ゴルフ会員の売却は次のような流れで行います。

  1. 名義変更の手続きを行う
  2. ゴルフ会員権を市場で売却
  3. 相続税と所得税を納税する

(1)名義変更の手続きを行う

ゴルフ場によっては、一旦相続人に名義の書き換えをしないと売却できないといわれるケースがあります。その場合はゴルフ場の指示に従ってください。

(2)ゴルフ会員権を市場で売却

ゴルフ会員権の売却は、専門の販売業者を通して行うことが一般的です。仲介手数料は発生しますがスムーズに進むからです。大体3ヶ月位かかります。

(3)相続税と所得税を納税する

ゴルフ会員権を取得した時点で相続税申告をします。相続税を納めるのは、売却して現金を手に入れてから納税することが多いです。

ゴルフ会員権やリゾートクラブ会員権の相続は弁護士に相談

ゴルフ会員権やリゾートクラブ会員権を相続する場合、その評価額をどう算出するか、またどうしたら損をしないかなど、ケースによって違います。特に、ゴルフに詳しくない人の場合、ゴルフ会員権を相続しても、どうしたらいいかわからなくなってしまうでしょう。
相続については、自分であれこれ考えて行動せず、専門家の知識を借りるのがベストです。遺産相続に強い弁護士も多くいるので、ぜひ、相談してみてください。

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