弁護士費用ってどのくらい高いの?弁護士費用が高額になるとこがあるのか解説します
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弁護士費用は自由化されている!交通事故の相談費用が無料も
得られる利益と費用のバランスを考えること
交通事故の被害者となってしまった場合に限らず、「弁護士に依頼するなんて、すごくおカネがかかるからできない!」と考えている人が、まだまだたくさんいます。
最近では、「初回相談無料!」「着手金なし!」といううたい文句も広告で見かけますが、「きっとその後は高いに違いない…」などと、根拠のないイメージを持って、弁護士への依頼を敬遠してしまうこともあるでしょう。
本当に弁護士への依頼は、「高い」のでしょうか?
いろんな角度から、弁護士に依頼する場合の費用を見てみましょう。
弁護士費用は、かつて全国一律料金だった
かつて弁護士費用は、日弁連(日本弁護士連合会)や大阪弁護士会が「料金表」を公開し、標準的な弁護士費用を定めていて、実際に日本国内の弁護士は、その料金表に準拠した報酬で活動していました。しかし時代の変化とともに、これは独占禁止法における「カルテル」ではないかという指摘を受けるようになりました。
「カルテル」とは、寡占状態にある業界が、業界の中だけで相談し、市場原理とは関係なく価格を決める不当な取引制限のことです。
弁護士は、日弁連への登録が義務付けられている
日本国内で活動する弁護士は、弁護士法第8条および第9条により、弁護士会と日弁連に登録することが義務付けられています。
弁護士法
(弁護士の登録)
第8条 弁護士となるには、日本弁護士連合会に備えた弁護士名簿に登録されなければならない。
(登録の請求)
第9条 弁護士となるには、入会しようとする弁護士会を経て、日本弁護士連合会に登録の請求をしなければならない。
そのため、日弁連が弁護士の料金表を定めたら、「カルテル」だと判断されても仕方がないところでした。
2004(平成16)年に弁護士費用(報酬)が自由化される
このような時代背景の中で、2004年に弁護士報酬は自由化されました。(弁護士側から見れば報酬ですが、被害者の立場で説明するため、本項では費用と記載しています)
現在、弁護士費用は弁護士個人や、所属する法律事務所によって自由に設定されています。
しかし、弁護士会は「弁護士の報酬に関する規定」を定めており、同規定の第2条に、「弁護士等の報酬は、経済的利益、事案の難易、時間及び労力その他の事情に照らして適正かつ妥当なものでなければならない。」と規定されているように、無条件で費用を高くしたり安くしたりすることはできないのが実情です。
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また、費用の自由化は依頼者にとって基本的には良いことなのですが、弁護士費用の相場が分りづらくなったというデメリットもあります。
家電の標準小売価格がなくなり、オープン価格となってしまって、実際に店舗で価格が高いのか安いのか分からなくなった、ということと同じです。
場合によれば、依頼者が複数の弁護士を回って比較しなければならなくなったのです。
本当に弁護士費用って高いの?
弁護士に仕事を依頼する際、まず気になることはその費用でしょう。
特に、交通事故で弁護士の力を借りる時は、ほとんどの方が初めての依頼となるはずですから、弁護士の能力や経験よりも、まず「弁護士っていくらかかるの?」ということになるでしょう。
弁護士費用は高い、という間違ったイメージ
交通事故に限らずトラブルに巻き込まれた場合、法律上の手続きは弁護士に依頼するのが一番だと分っていても、ついつい二の足を踏んでしまうのは、やはり一般的に「弁護士費用は高い」というイメージが根付いてしまっているからでしょう。
確かに支払う金額だけを見れば、弁護士費用は安いとは言い難いのですが、その料金体系と、期待できる利益を比べて判断しなければなりません。
また、弁護士を依頼する際に、費用だけで判断するのは考え物です。
弁護士費用は自由化されたわけですから、人気と実力のある弁護士の費用が、他の弁護士の費用よりも高くなっても何らおかしくはないのです。
やたらと無料相談を薦めていたり、費用だけを売りにしたりしているような弁護士は、実際に交通事故を取り扱った経験が多くあるのか、また実績をきちんと残しているのか、十分に確かめてから依頼を行いたいものです。
交通事故の場合、弁護士に依頼することで得られる利益は?
弁護士に依頼を行う際の費用は、得られる利益と比べて、高いのか安いのかを考える必要があります。
例えば交通事故の場合は、弁護士に依頼し示談交渉を行うと、慰謝料を含む損害賠償金額が増額できる可能性があります。
また後遺障害の等級認定においては、より重い後遺障害の等級が認定される可能性があります。
また、費用ではありませんが、示談交渉のプロである保険会社の担当員との話し合いを代行してくれるという心理的な安心感や、自身が入院していても、あるいは仕事を再開した時にも弁護士が代わって交渉を行ってくれるという、労力を代行してくれるという一面もあります。
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損害賠償金額の基準で、最も高額となるのが弁護士(裁判)基準
交通事故の損害賠償金の相場には、自賠責基準、任意保険基準、弁護士(裁判)基準があります。
このうち、最も高額となるのが弁護士(裁判)基準で、過去に訴訟となった交通事故の裁判例を積み重ねた基準でとなり、日弁連交通事故相談センターが発行している「民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準」(通称「赤い本」)などに掲載されています。
弁護士(裁判)基準は、任意保険基準よりもはるかに高額となりますが、被害者自身が弁護士(裁判)基準で加害者に請求しても、応えてくれる加害者はいないでしょう。
弁護士に依頼し、正しい手続きで請求を行ってこそ得られる可能性がある基準なのです。
被害者自身で交渉した場合の損害賠償金額と、弁護士(裁判)基準の差額を計算してみれば、弁護士に依頼した方が良いケースかどうかの判断ができます。
後遺障害の等級認定で、被害者請求を行う場合は弁護士の力が不可欠
後遺障害の等級認定を申請する場合、事前認定と被害者請求という2つの方法があります。
後遺障害の症状を決定する症状固定までの流れと、医師に後遺障害診断書を作成してもらうところまでは同じですが、被害者請求とは、被害者自身が必要な資料を集め、直接保険会社に送付するものです。
保険会社に手続きを任せる事前認定の場合は、必要な書類などを自分で集めなくとも良いというメリットがありますが、必ずしも被害者に有利になっているものとは限りません。
被害者請求の場合は、自分で後遺障害を示す資料や根拠となる証拠を無制限に集めて提出できますので、より被害者側に沿った等級を得られる可能性が高いものとなります。
しかし、どのような書類を集めれば良いのか、どのように申請すれば効果的なのかなど、一般の方には難しい点が多いので、弁護士に依頼して申請を行う方がスムーズに手続きを進められ、より重い等級が得られる可能性があります。
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当サイトに掲載されている弁護士、弁護士事務所の多くは、初回無料相談を行っています。(すべての事務所が無料相談を行っているわけではございませんのでご注意ください)
弁護士に依頼すると決めた場合、この無料相談を利用して正式に依頼するかどうかの判断を行うのも良いでしょう。
しかし、無料相談を行っていない弁護士は避けようと言っているわけではありません。
先に述べた通り、相談するべき価値があると思えば費用がかかっても相談に行くべきなのです。
初回相談にかかる費用を節約してしまったがために、後の交渉が上手く進まないようなことがあれば、後悔するばかりです。
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