交通事故に遭った際、事故状況と相手の身元を確認する方法

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交通事故弁護士相談広場編集部

交通事故後の対応

交通事故が発生して当事者となってしまったら、まず消防と警察に通報しましょう。双方が到着するまでの間は、現場には事故当事者しかいなくなります。

怪我をしている場合に無理は禁物ですが、できるだけ自分で事故状況の確認や記録を行っておくことが重要です。

警察到着までの数分間、可能な限り事故状況を自分で記録する

交通事故が発生し当事者となってしまった場合、最初に行うことは負傷者救護と警察への通報です。
事故現場で負傷者がいれば応急処置を行って救急車を要請し、二次災害を防止するための措置を講じた後、警察に通報します。

警察の通報までを終えた後、救急車や警察官が到着するまでの数分間、何をすれば良いのでしょうか?

結論から言えば、警察や救急車の到着を待つ間は、事故状況と相手の身元を確認しておくのが正解です。
この時間の間に確認しておきたい代表的なものを上げると、以下の通りです。

  • 交通事故の相手の身元を確認する
  • 事故相手のあらゆる情報を記録しておく
  • 現場の状況をしっかり記録しておく
  • より信頼性の高い第三者、目撃者の協力を得る

交通事故の相手の身元を確認する

最初に、事故の相手の身元を確認しましょう。

人生に一度あるかないかの交通事故に巻き込まれたとき、相手と冷静に話をするのは難しいかもしれませんが、まずは落ち着いて双方の名前や住所、電話番号やメールアドレスなどの連絡先を交換しましょう。

保険のためと割り切ってお互いの身元を確認

事故直後は、どちらが加害者か被害者かが明確でない場合もあります。
自分の過失だと思い込んでいても、実は相手が交通違反を起こしている可能性もあります。
どちらにせよ、後に示談交渉をしなければなりませんから割り切って、名前と連絡先を交換しましょう。

念のため、免許証を見せてもらったり、名刺をもらったりして聞き間違いがないか、本当に聞いた名前で合っているのか確認しておくのも大切です。

メモがない場合は、携帯電話やスマートフォンを活用する

名前と連絡先を聞いたとしても、その後警察の聴取を受けたり病院に行ったりしている間に忘れてしまっては意味がありません。

メモを取って確認すべきですが、車にメモとペンを備えている運転者は少ないでしょう。
メモを取れない時は、携帯電話やスマートフォンの録音機能を利用して、後で聞き直せるようにしておくか、メールに記載して自分のアドレスへ送信しておきます。

交通事故の相手の免許証の写真を撮るのは失礼?

日常的なメモとしてスマートフォンのカメラ機能で写真を撮影する方は少なくありません。
相手の免許証の写真を取っておけば、正確な情報を押さえておけるのは事実です。
互いの合意さえ取れれば、スマホのカメラ機能を利用して、相手の免許証の写真を撮っても失礼にはあたりません。

ただし、個人情報を含む免許証を撮影されることを嫌がり、事故の相手とトラブルになることも考えられます。
示談交渉を進めていくうえでは、相手との関係性を良好にしておくことも大切です。

事故後の連絡が可能な情報さえ押さえることができれば、免許証を無理やり写真に撮る必要はありません。
免許証の撮影については、相手と話した反応・出方も見た上で判断するのが良いでしょう。

名前も連絡先も教えてくれない場合は?

交通事故の当事者となってしまえば、人身事故または物損事故にかかわらず、加害者は被害者に損害賠償を行う必要があるため、連絡先を交換するのが当たり前です。
しかし中には自分の名前を明らかにしたくない人も存在します。

事故直後で気が動転して、自分が事故を起こしたと認めたくないと混乱しているのかもしれません。
あるいは、業務中に事故を起こしてしまい、会社に知られたくない、または免許取り消しはなんとしても避けたいなどの事情が考えられます。

いずれ警察官が到着するので無理矢理聞き出す必要はありません。
車や車両ナンバーをメモしたり携帯電話やスマートフォンで撮影したりしておきましょう。

事故相手のあらゆる情報を記録しておく

一般的な交通事故にもいえることですが、特に業務中の事故の場合、事故相手の名刺をもらっておく必要性が高まります。

事故車が会社所有物で相手が加害者の場合、示談交渉は当人だけではなく、会社と交渉すべき状況になりうるためです。
こちらから名刺を渡したり、名乗ったりすれば、相手も名刺を渡すことに抵抗が少なくなるでしょう。

事故相手の保険会社を確認する

事故相手が加入している保険会社も確認しておくと、スムーズに示談交渉を進めやすくなります。交通事故の示談交渉では、加害者本人ではなく保険会社の担当者が代理で話し合いを進めるケースがほとんどです。

いきなり知らない保険会社の担当者から連絡が入り、相手のペースで示談交渉が進められてしまわないように、保険会社を確認して心構えをしておきたいところです。

現場の状況をしっかり記録しておく

事故直後の現場を撮影・画像に残すことで有力な証拠に

救急車や警察官が到着する前に済ませておいた方が良いもう一つのポイントは、事故現場の記録です。

事故が起こった状況は基本的にそのまま記録しておくことが望ましいのですが、事故当事者は負傷者救護と、危険防止措置という二次災害を防ぐための行動が義務付けられているため、実際の事故後の現場とは違うかもしれません。

いずれにせよ

  • 車体の傷あと
  • タイヤのブレーキ痕
  • 路上に散らばっている車体の破片など

は、事故状況を示す重要な証拠となるので、しっかりと撮影しておいた方が良いでしょう。

証拠隠滅を図る加害者への対応

性質の悪い加害者は、タイヤのブレーキ痕を足で消そうとしたり、破片を除けたりして何気なく証拠隠滅を図ることもあるようです。
このような行動を注意すると逆ギレされる可能性が高いため、加害者の行動を撮影しておくのもひとつの手段です。

スマートフォンで動画撮影し、きっちりと不正行為を記録しておきましょう。

ドライブレコーダーを活用しよう!

近年、自動車に取り付けるドライブレコーダーの低価格化が進み、一般車両にも多く取り付けられるようになりました。

録画タイプも多様となり、常に録画している常時録画型、衝撃を受けた時だけ録画する衝撃感知型(トリガータイプ)、常時録画と衝撃感知型を組み合わせた製品もあり、自動車の状況をさまざまな角度や方法で録画できるようになりました。

交通事故の瞬間はもちろん、その後の事故当事者のやりとりも録画できるものもあって証拠隠滅などの不正行為を明らかにするための重要なツールとなっています。

めったに起こらない事故のためにドライブレコーダーを装着するのは煩わしいかもしれませんが、今はドライブ旅の記録なども残せる便利機能もあり、すべての運転者にお勧めのツールになっています。

より信頼性の高い第三者、目撃者の協力を得る

交通事故現場では、事故の目撃者を探してみてください。

当事者とは利害関係のない第三者の証言は警察や保険会社に信頼されます。
加害者と被害者、どちらに有利になる可能性もありますが、相手が嘘をつくなら証言によって崩しやすくなるでしょう。
正当な過失割合の算定や損害賠償金の算出に重要となります。

警察が目撃者を確保してくれるとは限りません。
110番通報を行ってから警察が到着するまでの間、放っておけばその場を立ち去ってしまうことも多いので、声をかけて連絡先だけでも聞いておくことが大切です。

救急車や警察官が到着するには何分かかる?

総務省が発表している令和4年版「救急・救助の現況」(PDF)によると、令和3年中の救急車の現場到着所要時間は9.4分。

救急車が到着するまでまた同じく令和4年の警察白書によると、令和3年中の110番通報後のリスポンス・タイム(通信指令室が110番通報を受理し、パトカーなどに指令してから警察官が現場に到着するまでの所要時間)は8分24秒と発表されています。

警察への通報後の待ち時間は意外と長い

これらの数値は平均値であって、警察署の目の前で交通事故が起きればすぐに警察官が駆け付けるでしょうし、一方で人里離れた山中ではもっと長くなると考えられます。

また事故発生の時間帯により交通事情も違い、事故が多発している時には遅くなることもあるでしょう。

ある程度の時間がかかると知っておくべきです。

非常に重要な、事故当事者しかいない時間帯

交通事故が起こり、救急車や警察官が到着するまでの間、現場には事故の当事者と目撃者しかいません。

交通事故当事者がこの時間をどう使うかでその後の事故処理や示談交渉が順調に進むのか、あるいは紛糾してしまうのか、大きな違いが発生します。

今回列挙した事故後に行うべきことは、事故当事者の怪我が軽傷で、普通に歩いたり話したりできるケースのものです。

通常の会話ができないような重傷を負っていた場合は、負傷者の救護を第一に行動してください。

まとめ

無理ない範囲で事故状況・相手の身元を記録し、救急車と警察の到着を待とう

警察が到着するまでの数分間で行うべきことをご紹介しましたが、たとえ加害者でも大きな怪我を負っていたら、名前を聞くよりも救護を優先すべきです。

自分も怪我をしていたら傷口を広げることのないようにしましょう。

可能な範囲で必要な対応を行いましょう。

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