駐車場内での交通事故~物損事故の過失割合から未然に防ぐ法~
近年、交通事故死は減少傾向にありますが、一方、物損事故は減っていないどころか、増えています。全国の簡易裁判所によると、任意保険の弁護士費用特約を活用して物損事故の訴訟件数が10倍に増えています。
意外に多い!交通事故の約3割は駐車場
日本損害保険協会によると、車両事故の約3割が駐車場で起きていると報告しています。その内訳を見てみると、駐車場内の施設物との接触による事故が約30%、道路上の事故が約70%。普段に何気なく使用している駐車場ですが、実は事故に合いやすい場所なのです。
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駐車場事故の実態と
駐車場での車両事故は、施設や設置物の接触事故が最も多いです。駐車場は狭い場所・広い場所など実に千差万別。とくに大型施設の駐車場の休日は混雑することが多く、物損事故などのトラブルが頻発しています。
駐車場は道路交通法が適用される
区役所・市役所・デパートやスーパーマーケットなどへ出かけた際は、クルマを駐車場に駐車すると思います。公共施設・商業施設の駐車場は法律上、道路ではありませんが、「道路交通法(道交法)」が適用され、道路とみなされます。
道路とは、「道路および隣接する土地で不特定・多数の人の出入りがある場所」という意味があります。また、道交法とは、道路における危険の防止,交通の安全と円滑、道路交通による障害の防止を目的とする法律です。
駐車場内で、どちらも走行中なら必ず双方に過失割合が発生
出会い頭事故など、双方が走行中していれば故意でない限り一方が100%の過失を負うことはありません。クルマとバイクとの事故でも、それぞれ走行中であれば1対9といった具合に被害者が1割は負担することになります。
また、相手が駐車車両であっても駐車方法によっては過失が発生することがあります。ですが、駐車場で起きた事故の過失割合は、算定が難しいケースが多いといえます。そのため、過失割合の算定のためには類似事故の判例を基にすることが実に多いです。
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駐車場において物損事故のペナルティ
物損事故では、違反点数や罰金はありませんが、壊した物に対する損害賠償金を支払います。クルマにぶつけた場合には、修理代を支払い、駐車場の設備を壊した場合には、修理代や設備購入費用を支払います。ただし、物損事故でも、その場から逃げた場合には、「1年以下の懲役または10万円以下の罰金」と「違反点数5点」になります。
また、物損事故でも警察を呼び事故処理してもらわないと保険が適用されませんので、注意が必要です。
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駐車場事故を防止する6つのポイント
駐車場事故を防止する6つのポイントをピックアップしました。立体駐車場でアクセスとブレーキを踏み間違え転落、バック走行中に他のクルマと衝突などなど、駐車場は事故が起きやすい場所です。駐車場事故を未然に防ぐコツをお教えします。
1) 施設内の出入口は特に慎重に運転を
車道から駐車場に入るときは「二輪車の巻き込み」や「歩行者」との接触にも注意する必要があります。出入口は必ず黙視を行い、ゆっくりと駐車場に入りましょう。施設内に入ったら走行順路は必ず守りましょう。
2) 駐車場内ではすぐに止まれる速度で走行
駐車場内は徐行運転が義務づけられています。徐行運転の定義ですが、時速4キロ以下、具体的にはブレーキを踏めばすぐ止まれる速度です。駐車場内では歩行者の動きが予測しづらく、大きな柱や駐停車している車が死角となり、思わぬところから歩行者が出てくると常に想定しておきましょう。
3) 駐車場事故率No.1、駐車スペースへ入れる瞬間
車体をこする・ぶつけるなどの物損事故は、主に駐車スペースに入れるときに起きています。
また、シニアに多い、アクセルとブレーキの踏み間違いによる重大事故も駐車場で多く発生しています。駐車するときは、左右・後方確認、ハンドルを回すなど複雑な操作が多くあります。あせらず落ち着いて、一つ一つ注意すべきポイントを確認しながら駐車しましょう。
4) 一時停止ラインでは、必ず一時停止する
施設内では停止するマークが必ずあり、その標識やマークなどを見落とすと事故につながります。人が多い施設などでは駐車場所を探すことに注意が奪われがち。一時停止ラインでは必ず止まりましょう。
5) 高さ制限のある駐車場は意外と気づかない
横幅はミラーを見るなどして注意することができますが、上部にある看板やゲートなどの構造物へは意外と注意がおろそかになってしまうものです。上部の障害物はたいてい高さ制限の表示があります。自分のクルマの車高を把握しておくことが大切です。
また、「駐車場内の事故には一切責任を負いません」という看板を見かけたことはありませんか?そう謳っていても、駐車場管理に問題があれば管理者に責任を追及することができます。
6) 駐車場誘導係の人をよく見て走行しましょう
大型スーパーや小売量販店などには駐車場には駐車場誘導の常駐スタッフがいることが多いです。目的は駐車場内のトラブルや事故を未然に防ぐこと。案内係は「止まれ」「進む方向」などを明確に指示していますので、必ず指示に従って走行してください。
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駐車場での交通事故まとめ
駐車場は危険が多い!安全確認を心がけて
駐車場は、狭かったり、地下・立体だったり、速度が遅い・停車していたりと変則的な動きが実に多いですが、上記の6つを守るだけで駐車場事故の確率は間違いなく下がります。駐車場内の事故防止対策の参考としてください。ポイントは、あせらず一つ一つの操作を確認しながら運転することです。特にバック走行時は注意してください。
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