交通事故の加害者が「たちが悪い」相手方だった場合の対処法

たちの悪い加害者

交通事故で相手方の「たちが悪い」場合、被害者としても注意しなければなりません。

加害者側のたちが悪い場合のパターンには加害者本人に問題があるケースと保険会社の態度が悪いケースがあります。

この記事ではパターン別に加害者のたちが悪い場合の対処方法をお伝えします。

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加害者や加害者保険会社の対応に不信感を感じた方

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交通事故のたちが悪い相手方によくある態度

まずは加害者本人のたちが悪い場合によくある態度をみてみましょう。

暴言、暴力的な態度をとる

事故現場で暴言を浴びせて来たり暴力的な態度をとったりするタイプです。
自分が悪くても認めず、強い口調で被害者側を責めてくる人が少なくありません。

事故に遭ったときに相手がそのような対応だったら「たちの悪い加害者にあたった」と考えましょう。

警察へ報告しない

交通事故が起こったら、警察へ報告するのが事故当事者の義務です。
それにもかかわらず、警察へ報告しない人がいます。

そのような相手であればたちが悪いものと考えましょう。

事故の内容についてウソの主張をする

示談交渉を始めると、事故内容について虚偽の主張を始める人がいます。
自分が有利になるために嘘をつくタイプです。

こういった加害者もたちが悪いといえます。

連絡が取れない

被害者の方から連絡しても無視されたりして連絡をとれないパターンです。
加害者との連絡がとれないままでは示談交渉を進められません。
(ただし保険会社がついている場合、示談交渉のために相手本人と連絡をとる必要は基本的にありません。)

示談に応じない

示談を始めようとしても、相手が示談に応じないケースが少なくありません。
そもそも賠償金を払うつもりがないタイプや、ごねて被害者を困らせて音を上げさせようとする「ごね得」狙いのタイプなどがあります。

自動車保険に加入していない

現在、四輪車の場合は7~8割程度のドライバーが任意保険に加入していますが、中には保険に加入していない人もいます。
相手方が任意保険に加入していないと、相手本人へ賠償金を請求しなければなりません。
示談交渉に大変な労力がかかりますし、相手に賠償金を払う資力があるとも限りません。

確かに任意保険への加入は法的義務ではありませんが、万一事故を起こしたときに被害者へ補償を行うためには入っておかねばならないのが任意保険です。
それにもかかわらず保険に無加入で運転をしている人はたちが悪いといえるでしょう。

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たちの悪い交通事故加害者への対応は弁護士に相談を

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相手方保険会社の対応が悪いケース

次に相手方保険会社の対応が悪く、被害者が「たちが悪い」と感じることの多い典型例をお伝えします。

対応が遅い

まずは担当者の対応が遅い場合です。
被害者が連絡をしてもなかなか返答がない、担当者につながらない、回答を依頼しても返ってこないなどの態度をとられると、被害者としては非常にストレスがたまるでしょう。

担当者の態度が悪い

2つ目は、担当者の態度が悪いパターンです。電話などをすればつながるけれども非常に態度がぞんざい、高圧的、一方的で被害者の話を全く聞かないなどの担当者がいます。
そのような担当者にあたったら被害者としては「たちが悪い相手にあたった」と考えるでしょう。

無茶な過失割合を主張してくる

交通事故ではお互いの過失割合について意見が合わずもめてしまうケースが多々あります。
中でも保険会社の担当者が、明らかに無茶な主張をしてきて被害者が困惑してしまう事例が珍しくありません。

保険会社としては加害者側に有利な主張をして少しでも支払う保険金額を少なくしようと考えているのでしょう。
しかしそのような事情は被害者には無関係です。

無茶な過失割合の主張をしてくる保険会社の担当者にあたったら、「たちの悪い相手にあたった」と考えましょう。

損害のあった物損の請求を否認してくる

交通事故で物が壊れたら、相手に弁償金を請求できます。
それにもかかわらず、保険会社の担当者が物損を認めないケースがあります。
発生した物損についての請求を否定されると、被害者としては「たちが悪い」と感じるでしょう。

一方的に治療費打ち切りを通告してくる

交通事故に遭うと、被害者はしばらく病院へ通院しなければならないケースが多数です。
通常、その際にかかる治療費については保険会社が負担してくれます。

しかし被害者の通院中、まだ完治や症状固定していなくても突然治療費を打ち切ってくる保険会社の担当者が少なくありません。
被害者が驚いて保険会社に苦情を申し出てトラブルになるケースの多いパターンです。

たちの悪い加害者に遭遇した場合の対処方法

もしも質の悪い加害者に遭遇してしまったら、どうすればよいのでしょうか?
加害者本人に問題のあるケースと保険会社に問題のあるケースにわけて解説します。

まずは加害者本人に問題があるパターンにおける対処方法をみてみましょう。

警察へ連絡する

まずは警察へ事故の報告をすることが重要です。

道路交通法上、事故の当事者は交通事故を警察へ報告しなければなりません。
報告しなければ交通事故証明書が発行されなかったり実況見分調書が作成されなかったりして、被害者が不利益を受けてしまいます。

たちの悪い相手は警察への報告を躊躇するケースが少なくありません。

そのような相手に引きずられず、事故に遭ったら必ずすぐに110番通報しましょう。

証拠を集める

たちの悪い加害者が相手の場合、後に示談交渉でもめる可能性が高いといえます。

不利益を小さくするには、事故現場でなるべくたくさんの証拠を集めておくべきです。
最低限、以下のような対処をしておきましょう。

  • 事故車両や事故現場の写真を撮影する
  • 事故の状況についてメモを残す
  • 相手方車両のナンバーなどの情報を控える

相手の連絡先を確認

たちの悪い加害者とは、後に連絡をとりづらくなってしまうケースが少なくありません。
音信不通状態を避けるには、相手の連絡先をしっかり確認しておくことが重要です。

事故現場で以下のような情報を聞いて入手しておきましょう。

  • 相手の氏名や住所
  • 電話番号、メールアドレス
  • 連絡を取りやすい連絡方法
  • 加入している自動車保険会社名(自賠責、任意保険)

相手の名刺をもらうと、勤務先もわかるので後に連絡を取りやすくなる可能性が高くなります。

その場で示談しない

交通事故で相手のたちが悪い場合、その場での示談を持ちかけてくるケースがあります。
刑事事件にしたくない、免許の点数を上げたくないなどの加害者側の事情にもとづく提案です。

しかし被害者側からしてみると、その場での示談に良いことは1つもありません。
交通事故では事故現場で大したことないケガだと思っても、後に痛みやしびれなどの症状が出てくるケースも多々あります。
もしも事故現場で示談してしまったら、後に症状が出たときに損害賠償できなくなってしまうリスクも発生します。

交通事故現場で示談を持ちかけられてもはっきり断りましょう。
示談交渉については、事故によるケガの内容が明らかになった後に保険会社や弁護士へ任せるべきです。

ADRや調停を利用する

交通事故の相手方の態度が悪く自分たちだけでは示談を進められない場合、ADRや調停などの手続きを利用するのも1つです。
ADRの担当者や裁判所が間に入ってくれれば、相手と話ができるようになる可能性もあります。

ただし加害者本人相手の場合、ADRや調停を利用してもお互いが合意しなければ解決できません。
本当に相手のたちが悪くて手続きを無視する場合などにはADRや調停を利用しても意味がない可能性があります。

弁護士へ相談する

加害者のたちが悪くて困ったときには弁護士へ相談してみましょう。
弁護士は以下のようなことをしてくれます。

状況に応じてアドバイスをしてくれる

まずは状況に応じて適切なアドバイスをしてくれます。
相手と連絡をとれない場合の対処方法、相手が支払をしない場合の対処方法、相手が保険に入っていない場合の対処方法などです。

相手のたちが悪くて困ってしまった場合には、まずは一度専門知識をもった弁護士の意見を聞いてみましょう。

相手と示談交渉を進めてくれる

交通事故で相手のたちが悪い場合、弁護士に示談交渉の依頼をするのが得策です。
被害者が連絡しても無視するような加害者であっても弁護士が出てくると真剣に対応するケースが少なくありません。

また弁護士であれば法的な観点から相手を強く説得できますし、相手の無理な主張も抑え込むことが可能です。

不誠実な相手の態度に困ったときには早めに弁護士へ示談交渉を依頼しましょう。

訴訟で賠償金の支払い命令を獲得してくれる

交通事故の相手がごねて示談ができない場合、訴訟を起こして賠償金を請求しなければなりません。
とはいえ自分で訴訟を起こすのはハードルが高く、できないと感じる方が多いでしょう。

弁護士は訴訟の専門家なので、示談が決裂した場合の訴訟対応も問題なく依頼できます。

加害者のたちが悪くて困ったときに助けになるのは弁護士です。

交通事故に積極的に取り組んでいる弁護士を探して相談してみましょう。

加害者の保険会社のたちが悪い場合の対処方法

次に加害者の保険会社のたちが悪い場合の対処方法をお伝えします。

保険会社に苦情を申し立てる

まずは相手の保険会社宛に苦情の連絡を入れましょう。
各保険会社ではお客様向けに苦情受付のシステムを採用しています。
専用ダイヤルが用意されているケースなどが多数です。

苦情を受け付けると担当者に連絡がいき、態度が改善されることもあります。
具体的な苦情受付方法は各保険会社のHPに掲載されている場合が多いので、確認して連絡してみてください。

ADRを利用する

保険会社が相手の場合、ADRの利用が有効です。ADR2はいくつか種類があります。

そんぽADR

そんぽADRは損害保険会社が中心となって組織しているADRです。
相談の連絡を入れるとADRから対象の保険会社に連絡が行きます。
このことで保険会社の担当者の態度が変わるなど、対応の改善を期待できる可能性があります。

交通事故紛争処理センター

交通事故紛争処理センターでは、交通事故の相談や示談のあっせん、審査手続きを行っています。
保険会社と過失割合などでもめているときに審査をしてもらうと、ADRが最終的な決定を下してくれます。
保険会社は審査内容に拘束されますが、被害者は拘束されません。被害者にとって有利な制度になっているといえるでしょう。
保険会社の対応が悪く示談がこじれたときには交通事故相談センターの利用が有効です。

日弁連交通事故相談センター

日弁連交通事故相談センターでも交通事故の相談や示談のあっせん、審査の手続きを行っています。
日弁連交通事故相談者センターの場合、提携先は共済組合が多いので、共済組合ともめたときに利用すると良いでしょう。

弁護士に相談する

保険会社の担当者の態度が悪い場合や主張内容が無茶な場合などにも、弁護士に相談すべきです。
弁護士に依頼すると以下のようなメリットがあります。

相手の態度が変わる

被害者が対応しているとぞんざいな対応をと担当者でも、弁護士がつくと態度が変わるケースがよくあります。
連絡がつかなかった場合でもつくようになる可能性があります。

手間を省ける

自分で示談交渉に対応すると非常に手間がかかりますが、弁護士に依頼すれば自分で対応する必要がなくなります。
手間を省けて貴重な時間も節約できるメリットがあるといえるでしょう。

過失割合が適正になる

保険会社側と過失割合について対立してしまった場合でも、弁護士がつくと過失割合が適正になる可能性が高まります。
弁護士は法的な考え方に従って過失割合を算定するためです。

保険会社の担当者が過失割合について無茶な主張をしていると感じるなら、弁護士に相談してみましょう。

ストレスがかからなくなる

交通事故の示談交渉は被害者にとって非常にストレスの掛かる作業です。
弁護士に依頼すれば弁護士が対応してくれるので、ストレスもかからなくなります。
精神的負担を軽減できるメリットもあるといえるでしょう。

弁護士基準が適用されて賠償金額が上がる

弁護士が示談交渉に対応すると、弁護士基準が適用されて賠償金額が上がるケースが多々あります。
慰謝料などの賠償金は保険会社基準より弁護士基準の方が高額になるためです。

より高く適正な賠償金を獲得するため、弁護士に相談しましょう。

示談が決裂したら訴訟にも対応できる

示談が決裂しても、弁護士に依頼していれば引き続いて訴訟対応してもらえるので安心です。

まとめ

交通事故で相手方本人や保険会社のたちが悪いとき、正しい対処方法をとらないと不利益を受けてしまうリスクが発生します。

まずはパターンごとに適切な対処方法を知り、できるだけ早めに弁護士に依頼しましょう。

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