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大阪府の相続問題

大阪府の相続税納税額は全国第3位

大阪府は東京都、神奈川県に次いで全国でも納税額が多い地域です。平成25年度は1282億500万円が相続税徴収額（決定額）となっています。もちろん関西地方の中でもトップです。
大阪府は東京都、神奈川県など首都圏の次に大都市で、富裕層が多いことが要因だといえます。

なお、相続税の申告率（死亡した人の内、被相続人となって遺族が相続税を申告することになった割合）は4.62％で、全国では9位となっています。

大阪府の住宅地の地価は下落傾向

相続税の課税対象となる財産の中でも土地は大きなウエイトを占めています。大阪府の発表によると、平成26年1月1日からの1年間で大阪府内の住宅地の地価は－0.1％で、7年連続で下落しています。ただ、平成25年から1年間の下落率はマイナス0.2％なので下落幅は縮小しています。中でも下落率が高かったのは千早赤坂村のマイナス3.4％、豊能町のマイナス1.7％、門真市、能勢町のマイナス1.4％です。一方、地価の上昇率が高いのは大阪市中央区の3.3％、大阪市北区2.2％、大阪市天王寺区の2.1％、都島区、阿倍野区がそれぞれ1.8％と大阪府内でも中心部に集中しています。

地価が上昇している地域は徒歩圏内に生活に必要な施設などがある利便性が優れているところという特徴があります。逆に地価が下落している地域は徒歩圏外で車やバスが必要など利便性が劣る傾向があり、住宅地は二極化しています。

大阪府内の一等地はここ！

住宅地の中でもっとも地価が高いのは天王寺区真法院町で1平方メートルあたり564,000円です。また、上昇率がもっとも高かったのは天王寺区上汐4丁目で5.6％でした。

なお、商業地は2年連続で上昇しており、中でも大阪市北区は6.0％も上昇しています。大阪市中央区4.9％、大阪市西区、阿倍野区がともに4.7％、大阪市天王寺区4.6％などといずれも高い上昇率が出ています。阿倍野区は阿倍野ハルカスができたことでさらに人が集まるようになり、地価の上昇をアップさせたものと思われます。

こういった地域に土地を持っている人は、土地全体の評価額が高くなっています。相続時には多額の相続税が発生する可能性があります。

大阪府内で富裕層が多い地域

大阪府は所得人口の中で年収5000万円超の人の割合が全国で5位と高くなっています。年収5000万円超の人の数は約3700人で全国で4位、年収1億円を超える人は630人で全国4位といずれも多いことがわかります。

ある調査によると、大阪府内でも世帯年収が高いのは大阪市内の一部、北摂地域、南河内長野市、豊中市、吹田市、箕面市、交野市などで、府内に分散しています。
特に富裕層が多いのは阿倍野区、天王寺区です。収入が多く、しかも地価が高い土地を持っていると、相続財産は相当な額になります。そういった人は早めに相続税対策を進めておきましょう。

相続税対策を進めましょう

相続財産の評価額は、相続開始時つまり財産を持っていた人が死亡した時点での「時価」で決まります。土地の場合は路線価や固定資産税を基に計算されます。大阪府のように商業地として発展している地域では大きな施設ができると一気に地価が上る可能性があります。また、株などを持っている場合も株価の上昇によって相続財産の評価額が上る場合があります。土地も株も「買った時は安かったのに……」と驚くことがあるので要注意です。大阪府内では相続税が課税されているにかかわらず納税できていない人が多く、遺族にとって相続税が負担になっていることがうかがえます。

大阪府内に土地や家屋、賃貸物件などの不動産を持っている人や多額の現金、預貯金、有価証券を持っている人は一度、相続に詳しい弁護士に相談されるといいでしょう。

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