交通事故の治療費打ち切りは弁護士に相談すれば延長できる?
保険会社から交通事故の治療費を「打ち切りたい」と打診されることがあります。これは事故後の治療費が「加害者の保険」から支払われていることが原因です。
当然ですが「症状が改善」すれば、直ちに治療費の支払いは打ち切られます。また、不誠実に思われるかもしれませんが(保険会社は)、症状の改善が見られない被害者に対して突然治療費の支払いを打ち切ることがあります。
事故の被害に遭ったにも関わらず、通院途中で治療費を打ち切られては困りますよね。実際、治療費を打ち切られてしまっては、自費(自らの加入する健康保険で)で治療費を支払う必要が出てきます。
しかし…「治療費請求」を諦める必要はありません!
交通事故の原因と治療費の因果関係さえ認められれば、保険会社には治療費を支払う「損害賠償の義務」が生じます。実際、交通事故弁護士に相談を行うことで治療費の打ち切りが回避でき、必要な治療が最後まで受けられるケースも多々あります。
本記事では、保険会社から治療費の打ち切りを打診された場合、交通事故弁護士に相談を行い、治療費の支払いを延長(継続して請求)する方法について説明しましょう。
目次[非表示]
- 交通事故の治療費を請求する流れ
- 交通事故の治療費打ち切りと症状固定
- 交通事故の後、通院できるのはいつまで、無料で治療は受けられる?
- むちうちでリハビリを毎日受けた場合の費用
- むちうちで半年後、症状が改善せず治療費が打ち切りになった場合の手続き
- 交通事故の治療費打ち切りは弁護士事務所に相談すれば延長できる可能性が高い
- 交通事故の治療費が打ち切りになったあと通院費は自費で支払うべきか?
- 交通事故治療費を相手が支払わない場合のトラブル解決法
- 事故の後、保険の通院が打ち切りになった場合の後遺症認定は
- 交通事故で通院が終了した後の手続き
- まとめ|交通事故の治療費打ち切り問題は、交通事故弁護士が解決してくれる!
- クリック交通事故に強い弁護士一覧
交通事故の治療費を請求する流れ
交通事故で「治療費を請求する方法」は難しくありません。交通事故に遭った後は、加害者が加入している自賠責保険と、加害者が加入している任意保険に対して治療費を請求する流れとなります。
まず、相手の自賠責保険に請求する方法について解説します。
相手の自賠責保険に請求する
自賠責保険への請求には「加害者請求」と「被害者請求」の二種類があります。
自賠責保険の請求方法は二種類!
加害者請求 | 加害者が、被害者に支払った賠償金額を請求するもの |
---|---|
被害者請求 | 被害者が自ら、相手の自賠責保険に賠償を請求する方法 |
加害者請求は、事故の加害者が保険会社に対して賠償金額(=被害者に支払った金額)を請求する方法ですが、私たちが直接請求を行う場合は、後者の「被害者請求」を行います。
被害者請求とは原則「加害者から十分な補償が受けられない」場合において実行されるもので、被害者が自ら、相手の自賠責保険に対し請求をする仕組みです。
相手の任意保険に請求をする
相手の任意保険に請求をする方法ですが、まず損害賠償請求書を送付し手続きを行います。任意保険への請求は(自賠責保険とは違い)決まった書式はありません。
下に損害賠償請求のサンプルを載せておきます。
貴殿は平成○年△月△日午後○時○分頃、普通乗用自動車を運転して、○○県◇市◇町●丁目●番地先路上を進行中、同所の横断歩道を歩行していた私に上記自動車を衝突させ、私に頭部挫傷などの傷害を負わせました。
この事故は貴殿のスピード違反ならびに前方注視義務違反が原因です。
私はこの事故により、△月△日から○日間○○病院に入院し、退院後も○か月間通院いたしました。
この事故によって、私が被った損害は以下のとおりです。
治療費 金○○○○円
入院雑費 金○○○○円
通院交通費 金○○○○円
逸失利益 金○○○○円
慰謝料 金○○○○円
以上の次第ですので、貴殿に対し、上記損害の合計金○○○○○○円を請求いたします。
上のように、任意保険請求のテンプレートを探して書類を作成するか、交通事故弁護士に相談の上、正しい方法で損害賠償請求書を作成し送付してください。
なお、相手側の保険会社と有利な立場で交渉を進めるには、交通事故弁護士に相談の上、損害賠償請求書を作成するのが一番です。書類作成で不明なことがあれば、交通事故の解決に強い弁護士を探し(書き方について)質問してみましょう。
弁護士への相談は初回無料、相談料についても「成功報酬型」など結果が出た場合のみ報酬を受け取る弁護士がいるので安心です。
一括対応(いっかつたいおう)
一括対応とは、任意保険会社が一括し、自社の保険金支払いと自賠責保険をまとめて支払う方法を意味します。
任意保険会社は後日(先に支払った自賠責保険金)を自賠責保険に請求するため、被害者は対応すべき窓口が「一カ所で済む」というメリットがあります。
加害者請求と被害者請求のどちらも、損害保険料率算出機構が書面で提携判断を行います。このため提出をする書類に相違が無ければ、機構の判断(=後遺障害の認定など)も同じ結果が得られます。
被害者によっては「加害者側の保険会社に一括対応をお願いするのは不安…」と考える方も多いのですが、他人の目に見えにくい後遺症や高次脳機能障害以外の怪我・病気については、等級の判断ミスが出る可能性は少ないです。
また、後ほど説明をしますが任意保険会社や自賠責保険会社は、調査結果を「損害保険料率算出機構」に提出し、機構の調査結果(後遺症として認定できるかを判断する)を元に傷害の等級を認定します。
このため保険会社の独断ではなく、機構を通じ「公平な立場」で調査ができるので、調査結果や判定結果は「信頼できるもの」として受け入れられています。
交通事故の治療費打ち切りと症状固定
交通事故の「治療費打ち切り」とは、事故で受けた治療費の支払いがストップされることです。事故の治療費は加害者が直接支払うのではなく、加害者が加入している保険会社によって支払われます(=一括対応という)。
当たり前のことですが、相手側の保険会社は自社の出費を抑えるため「無駄な治療費を支払いたくない」と考えます。
保険会社は慈善団体や被害者サポートの非営利団体ではありません。保険会社にも社員がおり、保険の支払いについてはシビアに判断を下し「保険金の不正受給」を無くそうとする厳しい目を持っています。
このため、症状の改善が見られた相手や症状がこれ以上良くならないと判断した相手に対しては、治療費を打ち切る場合があります。
ここで、保険会社が「治療費の打ち切り」をしたい理由についてまとめてみました。
保険会社が治療費をストップしたい理由
- 治療費や入院費用の負担を減らしたい
- 保険の処理案件を減らしたい
- 不必要な治療・通院を牽制するため
- 自賠責保険の範囲で済ませたい(=自己負担額を抑えるため)
- 被害者が知恵をつける前に、問題を解決したい(=示談にしたい)
上の理由以外にも、「症状固定」で治療費が打ち切られるケースも多く見られます。
ちなみに症状固定(しょうじょうこてい)とは、これ以上治療をしても大幅な改善が見られない状態や今後の治療が期待できない(=症状が固定した)ことを指しています。
症状固定(しょうじょうこてい)とは?
今後も治療の効果が見込めない・治療での改善が見られず「症状が固定」したことを指します。症状固定は治療を行う医師が判断し、医師から話を聞いた保険会社の判断で治療費の支払いが決定されます。
症状固定を判断するのは「治療を行う医師」ですが、相手側の保険会社は、現在の通院状況や症状を医師から聞き取り、症状固定時期を判断します。このため保険会社の判断で、突然治療費の打ち切られることがあるのです。
なお、自覚症状が無いからといって、事故後病院に行かないのは危険なことです。交通事故の場合、整形外科を受診するケースがほとんどですが、後遺症などが心配な場合は、大きな総合病院などを受診し精密検査を受けるようにしましょう。
自覚症状の無い場合でも、事故の数日後に突然痛みを感じたり、脳の異常や体の不調を感じる場合があります(場合によっては死に至るケースもあり大変危険です)。
また事故後すぐに受診をせず、数日経ってから通院をした場合は、事故と症状の因果関係が証明しにくいため「治療費の請求が難しく」なるのもネックです。
交通事故に巻き込まれた後は、スムーズに治療費や慰謝料が受け取れるよう、適切な診察を受け医師の診断書を受け取るようにしてください。
交通事故の後、通院できるのはいつまで、無料で治療は受けられる?
交通事故の後、通院ができるのは「症状が治癒」するまでの期間です。ただし、保険会社による「治療費の支払い」という観点からすると「症状固定が出るまで」が治療費支払いの区切りとなります。
なお、症状固定の時期ですが、概ね半年が経過した時点で判定されることが多いです。ここで症状別に「どのくらいで症状固定が判断されるか」目安をまとめてみました。
症状別に見る症状固定の時期
症状 | 症状固定の目安 |
---|---|
むちうち | 受傷時の状態や治療の内容・症状の経過具合を見て医師が判断しますが、目安としては、半年程度から(症状が重い場合)半年以上治療に掛かる場合があります。 |
骨折 | 原則、事故から半年程度の治療期間を経て判断しますが、手術をした場合は医師が個別に判断をします。 |
醜状障害(しゅうじょうしょうがい) | 事故後、半年以上の治療期間を経て判断されます。 |
高次脳機能障害 | 事故後、1年〜1年半程度の治療状況で判断されます。 |
医師が症状固定を認めたものの、まだ症状が改善していない方や、治癒していないという方は、速やかに被害者請求を行ってください。
症状固定と判断された場合でも、怪我が治癒しないのなら治療(通院)を続ける必要があります。支払いについては、一旦自己負担となりますが、後遺障害等級認定申請を行えば、認定された後遺症の階級に基づき保険金が支払われます。
交通事故治療費の支払い状況
交通事故治療費は「自動車保険」だけで年間、約1兆8,000万円もの金額が支払われてきました。
下の図は2012年〜2016年度の交通事故保険料の支払い状況を示したグラフですが、それぞれの事故に対し、車両保険、対物賠償責任保険、対人賠償責任保険が適用されていることが分かります。
参考リンク:自動車保険の概況(2017年版)損害保険料算出機構・損保料率機構より
また下の図は、2012年〜2016年度における「自賠責保険の支払い」状況をまとめたものです。
ここでも年間8,000億円を超える保険金が支払われており、毎年多くの交通事故が起こっていることや、被害(死亡/後遺障害/傷害)を受けている人の割合がうかがい知れます。
参考リンク:自動車保険の概況(2017年版)損害保険料算出機構・損保料率機構より
交通事故は他人事ではありません。運転する人はもちろん、車に乗る人の両方に交通事故のリスクは常について回るのです。
みなさんも交通事故を「明日は我が身」と受け止め、交通事故の補償や保険、治療費支払いの問題について考えるようにしましょう。
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むちうちでリハビリを毎日受けた場合の費用
むちうちでリハビリを毎日受けた場合の費用は、通院の頻度や症状の重さによって異なります。ここで症状の強さ別に、どのくらいの治療費が掛かるのかまとめてみました。
症状 | 理想とされる通院頻度 | 費用の目安 |
---|---|---|
首を動かすと軽く痛む程度 | 週1回〜3回程度の通院が望ましい | 1回500円〜1,000円程度 |
じっとしていても首に痛みを感じ、仕事に集中できない | 週3以上の通院が望ましい | 1回1,000円〜5,000円程度(治療内容による) |
むちうちによって頭痛やめまい、吐き気などの症状が出ている(日常生活が困難なレベル) | 可能な限り、毎日通院をするのが望ましい(場合によっては入院の必要あり) | 1回4,000円〜10,000円程度(治療内容による)この他、通院付き添いや入院付き添い費用が認められる場合もあり。 |
症状によって変わりますが、むちうちの治療費は、最大「40万円程度」となっています。下のグラフは2012年〜2016年までの総診療費をまとめたグラフです。
参考リンク:自動車保険の概況(2017年版)損害保険料算出機構・損保料率機構より
また、以下のグラフは治療費の平均(2012年〜2016年)を示しており、交通事故被害者は平均「23万円〜24万円」の総治療費で通院していたことが分かります。
参考リンク:自動車保険の概況(2017年版)損害保険料算出機構・損保料率機構より
自動車事故で請求できるのは、治療費だけに留まりません。病院までの交通費や病院以外の治療費(接骨院など)も合わせて請求できます。
なお「むちうちの治療」としては、処方される薬を利用する方法、ブロック注射などで痛みを和らげる治療、理学療法(物理療法・運動療法など)によって、日常生活への復帰を目指す方法があります。
現在のむちうちの症状に合わせて、適切な治療を受けてください。
むちうちで請求できるお金の内訳
前項でも説明した通り、むちうちで(加害者に)請求できる費用は治療費をはじめ、入院や通院費用、休業で被った損害、利益などを慰謝料として請求できます。以下、請求できるお金の内訳をまとめてみました。
治療費(病院・その他の治療費) | 治療に掛かった治療費で、整形外科などの病院だけで無く、接骨院などの治療費も請求できます。 |
---|---|
通院費(病院までの交通費) | 通院に必要な交通費が請求できます(場合によってはタクシーの費用、自家用車で通院した場合のガソリン代の実費も請求可)。 |
入通雑費 | 入院に必要となった資金(細々とした出費)で定額化されています。 |
休業損害 | 治療のため仕事を休んだことで収入が減った場合の補償費用です。 |
後遺障害慰謝料 | 後遺症が診断された場合、後遺症の等級に応じ慰謝料が支払われます。 |
後遺障害逸失利益 | 後遺症によって労働能力が減少し、将来の収入が減ると判断された場合「本来得られるはずだった収入」が請求できます。 |
表中の入院雑費は、入院に必要なパジャマや下着、洗面道具の購入費用、栄養補給費、入院中の通信費、文化費(書籍やテレビカードの費用も含む)、家族の通院(=見舞いなど)に掛かった交通費、医師や看護師への謝礼などの費用を指します。
なお、交通費については、バスや公共交通機関のない場所に住んでいる方に対し、タクシー代の支払いが認められる場合があります。また自家用車で通院する場合には、通院に必要な部分だけを計算しガソリン代を請求することも可能です。
このあたりの「細かな費用」については、交通事故弁護士に相談をすれば正しく計算を行い、相手側に請求することができます。
むちうちの通院は整形外科か接骨院か?
むちうちの通院は「整形外科」と「接骨院」で迷われる方が多いのですが、後遺症の診断書が書けるのは医師(医療機関)に限定されます。
整形外科と接骨院の違い
整形外科 | 国家資格を持つ医師が「医療行為」を行い、後遺障害診断書をはじめ、認定に必要な診断書が作成できる。 |
---|---|
接骨院 | 柔道整復師が施術行為を行うが、医療行為は行えない。 |
このため、接骨院を治療し治療の証明をしたとしても、後遺障害の認定に必要な書類は作成できません。
もちろん、症状によっては整形外科と接骨院を併用し、早期完治を目指すこともできますが、接骨院では医療行為ができないこと。また、後遺障害の診断書が作成できないので注意しましょう。
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むちうちで半年後、症状が改善せず治療費が打ち切りになった場合の手続き
前項で、むちうちの治療費の目安と通院先(整形外科と接骨院の違い)について説明をしましたが、むちうちで通院をしたものの症状が改善せず「症状固定」として治療費が打ち切りになった場合には、後遺障害等級認定申請を行う流れとなります。
むちうちで症状固定後の手続き
症状固定と判断されたものの症状が改善しない(例:痛みや違和感、不調を感じる)場合には、後遺障害等級認定申請を行います。
症状固定によって、保険会社が治療費を打ち切った場合には診療費は自費で算定することになります。
ただし、後遺障害の申請を行い「現在の通院は、後遺障害の治療のため」ということを診断書などで証明した場合には、保険請求できるので安心してください。
後遺障害等級認定申請の流れとしては、主治医に「後遺障害診断書」を作成してもらい、その後(相手の)保険会社に対して後遺障害の等級の申請を行います。
保険会社が後遺障害の等級を認定した場合、治療費が受け取れ「示談交渉する」流れとなりますが、保険会社や主治医が「症状固定」について話をし始めたら、できるだけ早い段階で交通事故弁護士に相談をしてください。
交通事故弁護士に依頼をすれば、後遺障害等級認定申請はもちろん、加害者側である私たちの治療費負担を少なくし、必要な補償が受けられるよう「最善の方法」を実行してくれます。
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交通事故の治療費打ち切りは弁護士事務所に相談すれば延長できる可能性が高い
交通事故弁護士に相談をした被害者の中には、通院2カ月目の段階で「+半年以上の治療が必要」と治療期間が延長されたケースや、症状固定後、交渉の末「1年間の治療」が認められたケースもあります。
実際、保険会社から治療費が打ち切られた場合、以降「自腹で治療費を支払う」必要が出てきますが、治療費が打ち切りになっても健康保険による診療が受けられるため、数万円〜数十万円といった高額な費用は不要です。
また一旦、自費で支払いをし通院をしても、後から損害賠償請求ができるほか、交通事故弁護士に相談をすれば、保険会社に対して「治療延長」交渉ができるので安心です。
もちろん、一番重要なのは「医師がどのように判断したか」です。保険会社は医師の意見が記載された診断書やカルテを治療過程を知る上で重要な資料としてチェックします。
このため、症状固定の前に確認すべきは「治療を行う医師の意見」と言えます。保険会社と交渉を行う交通事故弁護士も、医師の診断をもとに「いつまで治療を受けるべきか」ふさわしい治療時期について検討します。
症状固定を決めるのは、保険会社では無く医師の仕事
実際のところ、保険会社に「症状固定かどうか」を判断する権限はありません。実務上「治療費の打ち切り」を決定したとしても、医師の判断や交渉の結果、治療費の支払い期間を延ばしてくれる可能性はあります。
このため、保険会社から治療費の打ち切りを打診された場合には、今すぐ交通事故弁護士に相談しましょう。症状によって条件は異なりますが、冷静に交渉を行えば半年〜一年以上治療費の支払いが延長される可能性があります。
また治療を続ければ、後々症状を残さず、症状を軽くできる可能性も高まります。社会復帰するためにも、病院での治療は途中で投げ出さずに、通院は継続するようにしましょう。
交通事故の治療費打ち切りを打診された場合、相談にのってくれる弁護士
交通事故の問題解決に強い弁護士は、本サイトで厳選し紹介をしています。
交通事故の治療費打ち切りを打診された場合や、保険会社が一方的に治療費支払いを打ち切った場合も、交通事故弁護士に相談をすることで、治療費の延長や適切な補償の受け取りができるよう交渉を進めてもらうことができます。
交通事故の治療費が打ち切りになったあと通院費は自費で支払うべきか?
交通事故で被害を受けたのだから、相手から支払われない限り「一円たりとも払いたくない」というのは、被害者感情としては当然のことです。しかし心配なのは、通院途中で治療をストップさせてしまうことです。
交通事故の痛みは、目に見えない部分が多く「被害者本人にしか分からない」身体や心身の不調もあるはずです。
このため、被害者が一番に考えるべきは、健康な状態を取り戻すこと。そして、相手から(加害者の保険会社も含め)被害に応じた補償を払ってもらうということです。
治療費が打ち切られないようにするには、医師に症状が継続していることをきちんと伝えましょう。そして「現段階での症状」を診断書に書いてもらい、保険会社に治療の必要性を理解してもらってください。
実際、継続して通院をしていれば、受け取れる慰謝料(示談金)が減らずにすみます。また通院を続けていることで、後遺症の認定も待たずに済むほか「医療機関に掛かっている」ということが治療費支払いや保険金支払うにおいてプラスに働きます。
自費でも通院を続けた方が良い理由
- 継続治療することで、入通院慰謝料が受け取りやすくなる
- 後遺症の認定がしやすく、後遺障害慰謝料が受け取りやすくなる
- 後遺障害等級認定申請に「継続した通院」は必須となる
(治療費支払いの)打ち切り後でも、100%実費で支払う必要はありません。自らの健康保険を使用すれば、わずかな自己負担での治療が継続できます。
そして、事故と治療の必要性を丁寧に立証していくことで、一旦打ち切りになった治療費も損害賠償請求によって取り戻すことができます。
このあたりの手続きや申請については、交通事故解決に強い弁護士に相談しましょう。交通事故弁護士であれば(医師の診断結果から)受け取るべき補償や治療費について保険会社と交渉を行い、支払いの延長について働きかけてくれます。
また、後遺症が出た場合の手続きについても「後遺障害等級認定」に必要な書類を一緒に作成してくれるので安心です。
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交通事故治療費を相手が支払わない場合のトラブル解決法
保険会社が治療費支払いを一方的に打ち切った場合はもちろん、事故の加害者が保険に加入していない場合やその他、事故に関わる支払いや治療の問題については、すべて交通事故弁護士に相談しましょう。
交通事故弁護士は、交通事故の問題解決に特化した弁護士であり、治療費打ち切りの問題だけでなく、加害者への慰謝料請求、保険会社と交渉をしてくれる強い味方です。
また、交通事故弁護士に依頼をすれば、自己負担の金額を抑えて治療ができる手続き(健康保険、業務災害、労災保険などの適用)をも検討した上、手続きを進めてくれます。
相手が支払わない・支払いを打ち切った場合でも、泣き寝入りをする必要はありません。被害を受けた側が、加害者から治療費を受け取ることや治療に必要な費用を請求するのは当然の流れであり躊躇する必要はありません。
ただ、過剰に反応(=感情的に怒りを表現)してしまうと、保険会社が「被害者感情を抑えよう」と治療費支払いを一方的に打ち切ったり、こちら側がゴネて慰謝料を増額しているのではと疑われる可能性があります。
こうした問題を避け、円滑に治療費支払いを交渉してくれるのが「交通事故弁護士」の仕事です。
弁護士にも離婚訴訟や相続の問題、過払い金返還請求など、それぞれ得意な分野がありますが、交通事故弁護士はその名の通り、交通事故(自動車事故)の問題解決に強い弁護士です。
交通事故弁護士に依頼をすれば、後遺障害や死亡事故が起こった場合など、速やかに保険会社との交渉や交通事故賠償請求、訴訟への対応・各種手続きを行います。
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加害者が保険未加入だった場合の手続き
驚くべきことに、ドライバーの約10%は保険(自動車保険・自動車共済)に未加入だと言います。こうした相手が事故を起こした場合、被害を受けた私たちは「受け取れる補償は最低限」のものになってしまいます。
参考リンク:三井ダイレクト損保|自動車保険・自動車共済の加入率は何%?より
相手が保険に未加入の場合には、加害者本人に直接請求を行う流れとなりますが、悪質な相手の場合、交渉途中で連絡が途絶えたり、行方をくらましてしまう恐れがあります。
「保険未加入者」との交渉を助けてくれるのも、交通事故弁護士の役目です。交通弁護士は加害者との交渉のほか、示談書を公正証書の形にするようサポートを行います。
また強制執行認諾条項付き公正証書を作成しておけば、万が一相手が支払いを行わない(示談の内容が履行されない)場合でも、裁判を起こさず相手の財産が差し押さえできます。
事故を起こした段階で、相手が「保険未加入」だったと分かった場合には、速やかに交通事故弁護士に相談をしましょう。
事故の後、保険の通院が打ち切りになった場合の後遺症認定は
なお、症状固定をしても怪我が治癒しない場合には、後遺障害等級認定申請を行う必要があります。
後遺障害等級認定申請(こういしょうがいとうにんていしんせい)とは?
遺障害等級認定申請は、交通事故が原因で労働能力が低下し自賠責の等級に該当することを認めてもらうための申請手続きです。
後遺障害を認定するのは保険会社です。このため、申請書類は加害者の加入する保険会社に提出を行います。
後遺障害等級認定申請に必要な書類一覧
交通事故証明書や事故発生状況報告書に加え、自賠責保険支払請求書や支払いの指図書、診療報酬明細書や診断書、後遺障害診断書、レントゲンやMRIの画像を提出することで申請できます。
- 交通事故証明書
- 事故発生状況報告書
- 自賠責保険支払請求書・支払い指図書
- 診療報酬明細書・診断書
- 後遺障害診断書
- レントゲンやMRIの画像など
下にも、保険会社への請求に必要な書類をまとめておきます。取り付け先についても合わせて掲載しているので、できるだけ早い段階で「必要な書類」を集めておきましょう。
保険会社への請求に必要な書類一覧
書類 | 取り付け先 | 請求できる障害の内容 |
---|---|---|
損害賠償額支払請求書 | 保険会社 | 傷害/後遺症/死亡 |
交通事故証明書(人身事故) | 自動車安全運転センター | 傷害/後遺症/死亡 |
事故発生状況報告書 | 事故の当事者 | 傷害/後遺症/死亡 |
医師の診断書または死体検案書(死亡診断書) | 治療を受けた病院または医師 | 傷害/後遺症/死亡 |
診療報酬明細書 | 治療を受けた病院または医師 | 傷害/後遺症/死亡 |
通院交通費明細書 | 被害者が作成 | 傷害/死亡 |
付添看護自認書または看護料領収書 | 被害者が作成 | 傷害/後遺症/死亡 |
休業損害証明書または確定申告書 | 被害者が作成 | 傷害/後遺症/死亡 |
請求者の印鑑証明書 | 住民登録または本籍地である市区町村 | 傷害/後遺症/死亡 |
戸籍謄本 | 本籍のある市区町村 | 傷害/後遺症/死亡 |
委任状および委任者の印鑑証明 | 印鑑登録のある市区町村 | 死亡 |
後遺障害診断書 | 治療を受けた病院または医師 | 後遺症 |
レントゲン写真等 | 治療を受けた病院または医師 | 傷害/後遺症/死亡 |
事故の治療費申請で必要な書類は、種類が多くすべてを集めるのに時間が掛かります。
書類の準備はできるだけ早い段階で取りかかるのはもちろんのこと、書類作成で間違いや不備が無いよう、事故が起きてすぐ、交通事故弁護士に相談されると良いでしょう。
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交通事故で通院が終了した後の手続き
交通事故で通院が終了した後の手続きですが、治療が完了した後、後遺症が残る場合は後遺障害等級認定申請を行い、加害者側の保険会社と示談交渉(=ここで損害賠償金が確定)をします。
その後、示談が成立すれば問題は解決しますが、不成立の場合は調停や訴訟で争う流れとなります。
交通事故が原因の調停や訴訟とは?
交通事故が原因の調停や訴訟は、被害者側が申し立てるだけでなく、相手側の保険会社や弁護士が申し立てをするケースがあります。
示談交渉がスムーズにまとまれば良いのですが、話し合いの内容が決着しない場合には、民事調停(交通調停)によって問題の解決を図ります。
調停が申し立てられるケース
- 治療が長引いているケース
- 損害について揉めて、話し合いが決裂している
調停の申し立ては、原則として相手の住所を管轄する簡易裁判所にて申請が行われます。民事調停では、約60%の申し立てが解決しているほか、平均2ヶ月〜2ヶ月半で解決しているため「話し合いが決裂する」恐れは少ないでしょう。
調停の申し立てについては、裁判所のホームページから「調停申立書」フォームがダウンロードできますが、書類の書き方については、間違いの無いよう交通事故弁護士に相談するのが一番です。
民事調停は「弁護士を立てずに解決出来る」と思い込む方も多いのですが、争う相手が弁護士をつけていた場合、素人である私たちに勝ち目はありません。調停を申し立てる(または裁判を起こされた側は)場合には、速やかに交通事故弁護士に相談をしてください。
高齢化社会では交通事故が起こりやすい
高齢化社会のなかで、70歳以上のドライバーが起こす事故の数は非常に多く、ドライバーにとっても歩行者にとっても危険な状況が続いています。
以下の表は2007年から2016年までに「交通事故が発生した割合」を年代別にまとめたものです。
参考リンク:自動車保険の概況(2017年版)損害保険料算出機構・損保料率機構より
2007年度の交通事故件数を100とした場合、毎年「70歳以上のドライバーが起こす」交通事故件数の割合は100%を超えることもあります。
それぞれのドライバーは、身の安全を守るため任意保険や自賠責保険の加入するのはもちろん、相手への補償ができるよう、然るべき保険に加入をする義務があります。
保険未加入の相手から事故に巻き込まれた場合は、交通事故弁護士に相談をしましょう。交通事故弁護士であれば、高齢者の事故はもちろん保険未加入者への損害賠償請求の方法や、効果的な交渉の仕方を熟知し(依頼者側にとって)有利な状況で話し合いを進めてくれるので心強いです。
まとめ|交通事故の治療費打ち切り問題は、交通事故弁護士が解決してくれる!
交通事故弁護士に相談をすれば、交通事故治療費の打ち切りを回避し、保険会社との示談交渉や今後の補償・後遺障害認定について有利な条件で話し合いを進めてくれます。
実際に、交通事故弁護士に相談したことで治療期間を延長でき、社会復帰できるまでリハビリに専念された方や、治療費の負担無く健康を回復された方は多いです。
交通事故に巻き込まれた場合の「精神的負担」は計り知れません。少しでも心身が健康な状態になれるよう治療に専念できる「補償」を受け取るようにしましょう。
また、事故に巻き込まれた場合には、損害賠償請求など「金銭的な問題」も含めて交通事故弁護士に相談をしてみてください。
交通事故に強い【おすすめ】の弁護士に相談
交通事故一人で悩まずご相談を
- 保険会社の慰謝料提示額に納得がいかない
- 交通事故を起こした相手や保険会社とのやりとりに疲れた
- 交通事故が原因のケガ治療を相談したい