追突事故の示談交渉で知っておくべきこと。被害者の過失割合はどのくらい?
- 監修記事
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佐藤 學(元裁判官、元公証人、元法科大学院教授)
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追突事故とは
追突事故とは後ろの車両が前の車両に後方から一方的にぶつかる事故です。
前の車両には不注意がないのに、後方からいきなりぶつけられることから、「もらい事故」と言われることもあります。
停止中あるいは低速で走行中の車両の後方に、後方を走ってきた車両が衝突するケースが一般的で、高速道路や交差点の信号待ち、駐車場と道路交通の様々なシーンで発生する事故パターンです。
追突事故は最も多い交通事故のかたち
実は追突事故は、交通事故の全体件数の中でも最も多い事故類型にあたります。
内閣府が発表している「令和3年交通安全白書・令和2年度 交通事故の状況及び交通安全施策の現況」によると、令和2年の交通事故全体件数は30万9,178件。そのうち、追突事故は9万5,520件が追突事故となっています。
全交通事故のうち追突事故が占める割合は30.9%で、これは公表されているすべての事故類型の中で最多の値です。
(参考)第1章 道路交通事故の動向|令和3年交通安全白書(全文) – 内閣府
このことから、車両を運転する以上、追突事故に巻き込まれて被害者となってしまう可能性が相当に高いと言えます。
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追突事故の過失割合
追突事故に遭ったときには、加害者の保険会社との間でそれぞれの「過失割合」を決定する必要があります。
過失割合とは、被害者と加害者それぞれの、損害発生に対する責任の割合です。
交通事故の損害賠償には「過失相殺」という考え方があります。
過失相殺とは、被害者が加害者に賠償金を請求するときに、被害者の過失割合の分を減額することです。
交通事故の被害者は事故によって確かに損害を受けますが、発生した事故に対して自分に過失のある分は自分で責任を取るべきです。
この考えから、過失割合は加害者だけでなく被害者に対しても設定されます。
被害者の過失割合が大きくなると、過失相殺によって加害者に請求できる慰謝料などの賠償金が減額されてしまいます。
この考え方は追突事故のケースでも同じように適用され、追突事故の被害に遭った場合も「なるべく自分の過失割合を小さくする」のは重要なことです。
追突事故の過失割合は「加害者:被害者=100:0」が基本
実は、交通事故には、類型ごとに基本の過失割合が決まっています。
追突事故の場合、被害者と加害者の過失割合はどのくらいになるのでしょうか?
追突事故は、被害者が交通ルールを守って走行あるいは駐停車しているときに、加害者が一方的に衝突してくるものです。
そうした事故の場合、ルールを守っているので、被害者には基本的に過失がありません。
つまり、追突事故の過失割合は加害者が100%、被害者が0%となります。
過失相殺は適用されません。被害者は加害者に対し全額の損害賠償金を請求できます。
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追突事故の過失割合が0:100にならないケース
ただし追突事故であっても、被害者と加害者の過失割合が0:100にならないケースがあります。
たとえば以下のようなケースです。
- 被害者が理由のない急ブレーキをかけた場合
- 道路交通法24条違反に至らない程度の急ブレーキの場合
- 被害者が嫌がらせで急ブレーキをかけた場合
被害者が理由のない急ブレーキをかけた場合
まず、被害者が理由のない急ブレーキをかけた場合です。
道路交通法では、車両等の運転者は
危険を防止するためやむを得ない場合を除き、その車両等を急に停止させ、またはその速度を急激に減ずることとなるような急ブレーキをかけてはならない(道路交通法 第24条)
と規定されています。
車両走行中の、理由のない急停止・急減速は、追突事故の危険を引き起こすからです。
こうした規定があるにもかかわらず急ブレーキをかけるのは違法行為にあたります。
そのため、こうしたケースでは、被害者側にも過失が認められます。
前方車両の被害者が、理由もなく急ブレーキをかけたために、追突事故が発生した場合、被害者と加害者の過失割合は基本的に30:70となります。
なお、いわゆる「赤い本」(民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準)では、20:80とされています。
この場合、被害者が加害者に請求できる慰謝料などの賠償金額は、発生した損害額全体の3割減(「赤い本」では2割減)にされます。
道路交通法24条違反に至らない程度の急ブレーキの場合
被害者に、道路交通法24条違反に至らない程度の不必要、不確実な急ブレーキがあったために加害車両が追突してしまうケースもあります。
このような場合には、被害者にも過失が認められます。
その過失割合は道路交通法24条違反に違反した場合より少し少ない過失割合20%程度となります。
被害者が嫌がらせで急ブレーキをかけた場合
前方車両が後方車両に対する嫌がらせで、故意に急ブレーキをかけるケースも考えられます。
そのような場合、具体的な事情にもよりますが前方の被害車両が危険を発生させたとも言えるので、その過失割合については別途慎重に検討する必要があるとされています。
場合によっては、被害者に著しいブレーキ操作不適切があるとして、その過失割合が40%以上になる可能性も考えられます。
過失割合の修正要素について
追突事故のケースでも、さまざまな事情によって基本の過失割合が修正されます。
このように過失割合を修正する事情のことを「修正要素」と言います。たとえば被害者や加害者に「著しい過失」や「重過失」があると、それぞれの過失割合が加算されます。
著しい過失とは
著しい過失とは、事故態様ごとに通常想定されている程度を超えるような過失です。
たとえば、
- おおむね15km以上30km未満の速度違反(高速道路を除きます)
- 酒気帯び運転
- 著しい前方不注視
などの場合です。
著しい過失があると、その当事者の過失割合は10%程度加算されます。
重過失とは
重過失とは、著しい過失よりもさらに重い、故意に比肩する重大な過失です。
たとえば、
- 酒酔い運転
- おおむね時速30km以上の速度違反(高速道路を除きます)
- 居眠り運転
- 無免許運転
などの場合です。
重過失があると、その当事者の過失割合は20%程度加算されます。
追突事故の被害者であっても、飲酒運転などをしていると過失割合が大きくなる可能性があるので、こうした違反行為はしてはいけません。
反対に、加害者が飲酒運転や居眠り運転などをしていた場合には、たとえ被害者が急ブレーキをかけたとしても、加害者の過失割合が加算修正されることとなります。
追突事故の過失割合はどう決まる?
もしも追突事故の被害に遭ってしまったときは、被害者と加害者それぞれの過失割合はどのようにして決まるのでしょうか?
一般的に、交通事故の過失割合は被害者と加害者の保険会社が話し合って決めます。
過失割合は被害者と相手方保険会社との話し合いで決まるのが通常
具体的には保険会社が「過失割合は〇対〇となります。良いですか?」などと言ってきて、事故当事者が納得すればそのとおりとなり、納得しなければ再度調整を行います。
追突事故の場合にも、保険会社が「過失割合は〇:〇です」と言ってくるので、あなたと相手が納得すればその割合になります。どちらかが納得しなければ引き続いて話し合いをします。
最終的に納得できなければ、示談が決裂して裁判で決着をつけることになります。
ただし裁判前に弁護士に依頼して示談交渉を代行してもらうと、被害者の有利な方向に過失割合が修正される可能性があります。
相手の保険会社は被害者に無理やり20%や30%などの過失割合を当てはめてくることがあります。
そのようなとき、弁護士であれば事案に応じた過失割合を主張して、適切な割合を適用させられるからです。
追突事故なのに自分に不利な過失割合を適用されて納得できない場合や保険会社ともめて「裁判してもらうしかないですね」などと言われ困っている場合には、一度交通事故に強い弁護士に相談してみてください。
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追突事故における示談交渉の特徴
追突事故では被害者の過失割合が0%になる事例が多数あります。
この場合、相手から賠償金を全額払ってもらえるのは良いのですが、被害者側に過失がないことから示談交渉で大きな問題が発生します。
被害者に過失がない場合、保険会社は示談交渉を代行してくれない
被害者に過失割合が認められない場合、被害者が加入している保険会社は示談交渉を代行してくれません。
保険会社が被保険者の示談を代行するのは、被保険者の代わりに「賠償金を払わないといけないから」です。
原則的に、弁護士以外の人が報酬をもらって他人のために示談交渉などの法律事務を行うことは「弁護士法」によって禁止されています。
ただし対人対物賠償責任保険で保険会社が代わりに賠償金を払う場合には、完全な代理ではなく「自社が支払いを行う」という前提で、弁護士法違反にならず示談交渉の代行が認められています。
ところが被害者の過失割合が0%の場合、被害者が加害者に賠償金を支払う必要性が一切ありません。
そのため、保険会社が被害者の代わりに示談交渉を行う根拠がなくなります。
弁護士法違反になってしまうため、保険会社は被害者に代わって示談交渉を代行することができないのです。
結果的に、追突事故の被害者は加害者の保険会社と直接交渉しなければなりません。
素人の個人の方にはかなり荷が重い作業と言えます。
保険会社は自賠責保険基準の慰謝料を提示してくる
被害者との示談交渉に際して、保険会社が提示してくる慰謝料は、実はそもそも安価な基準で計算される「自賠責保険基準」程度の金額で提示されるケースが一般的です。
慰謝料の計算基準は3つある
交通事故で負った怪我に対する慰謝料を算定する際、計算に使われる基準が3つあります。
- 自賠責保険基準
- 任意保険基準
- 弁護士基準(裁判基準)
これら3つの基準を、金額の大小順で並べると、弁護士基準(裁判基準)>任意保険基準≧自賠責保険基準の順となります。
自賠責保険基準は、その名の通り自賠責保険が定める、交通事故の被害者に対する最低限の補償を目的とする慰謝料の計算基準です。
保険会社が提示する任意保険基準は、詳細なルールは各社ごとでも異なりますが、実際は自賠責保険と同額~+α程度の金額が設定されているのが通常と言われています。
そして最も高額な慰謝料算定基準となっているのが弁護士基準です。
この弁護士基準は過去の裁判・判例等で認められた慰謝料金額をふまえて設定されており、裁判基準と呼ばれることもあります。
追突事故で、保険会社はあえて低い基準で慰謝料計算してくる可能性
前述の通り、過失割合100:0の追突事故では、被害者側の保険会社が示談交渉に関わることはできません。
被害者との直接交渉になることも見据え、相手方保険会社は自賠責保険基準またはそれに程近い任意保険基準で慰謝料を計算してくるのが通常です。
本来受け取れる慰謝料金額をしっかり確保する上では、示談対応を弁護士に依頼し、弁護士基準での慰謝料請求を行うことが重要になります。
追突事故での示談交渉を有利に進めるには弁護士に依頼を
このように、追突事故で保険会社が示談交渉を代行できない場合は、必ず弁護士に相談し、できれば示談交渉を依頼することをおすすめします。
追突事故被害者が示談交渉を行う相手である保険会社は、日々大量の交通事故案件を処理している交通事故のプロです。
そんな相手に対して、交通事故や法律に明るくもない素人が立ち向かうのは困難なことです。
交渉の流れの中で、あれこれと理由をつけ、不利な交渉になってしまうのが目に見えます。
弁護士であれば深い法的知識を持っており交渉スキルも長けています。
あなたの代理人として有利に示談を進めてくれるでしょう。
過失割合や慰謝料算定の際に不利になるおそれもありません。
相手の保険会社とのやり取りで不安を感じたら、まずは交通事故に強い弁護士のアドバイスを受けてみてください。
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追突事故・保険会社との示談交渉は弁護士に相談を
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追突事故の慰謝料の相場はどのくらい?
追突事故に遭った場合、被害者は、加害者に入通院慰謝料を請求できます。
また、追突事故による怪我がもとに後遺症が残り、その症状について後遺障害の等級認定が認められた場合は、後遺障害慰謝料を請求することもできます。
入通院慰謝料
入通院慰謝料は、入通院期間によって金額が変わってきます。
また、MRIなどで他覚的所見がある場合とない場合でも金額が異なります。
むち打ち症の例で言えば、他覚的所見がある場合には赤い本の別表Ⅰを使用し、他覚的所見がない場合には赤い本の別表Ⅱを使用して、入通院慰謝料を算定します。
たとえば、通院3か月の場合には、他覚的所見がなければ53万円程度、他覚的所見があれば73万円程度となります。
通院が半年に及んだ場合、他覚的所見がなければ89万円程度、他覚的所見があれば116万円程度が相場です。
後遺障害慰謝料
後遺障害慰謝料は、認定された等級によって金額が変わります。
赤い本によれば、12級の場合には290万円程度、14級の場合には110万円程度が相場です。
なお、赤い本の基準は、弁護士基準となります。
入通院慰謝料・後遺障害慰謝料の仕組みについては下記のページで詳しく解説していますので、あわせてご参照ください。
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追突事故の慰謝料請求に大きく影響する過失割合
前述の通り、追突事故の場合、過失割合が0:100となるケースが多々あります。
被害者側の過失がない場合、過失相殺で減額されることもなく、上記でご紹介した慰謝料金額を全額請求できることになります。
追突事故でも相手方保険会社が、なにかしらの理由をつけて被害者側の過失割合を設定してこようとするのは、この慰謝料等の満額支払いを避けたいためです。
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追突事故に遭った場合にやるべきこと・流れ
追突事故の示談交渉・慰謝料を含む賠償金請求で損をしないためには、事故の発生直後からやるべき様々なことを、漏れなくきちんと対応しておくことが大事です。
正しい事故対応を行うことは、慰謝料・賠償金の増額をはかる上
でも非常に重要な前提となります。
追突事故発生直後からのタスクをひとつずつ見ていきましょう。
- 事故直後はまず安全確保と怪我人の救護
- 警察に連絡する
- 加害者や目撃者の連絡先確認
- 事故に関する証拠集めを行う
- 症状固定まで通院する
- 後遺障害等級認定を受ける
- 過失割合を適正に認定してもらう
- 弁護士基準で計算する
事故直後はまず安全確保と怪我人の救護
追突事故に遭ったら、まず最初にやるべきことは「安全確保」と「怪我人の救護」です。
事故現場での二次被害を避けるため、以下のような対応を取ります。
- 事故車のハザードランプを点灯し、路肩に移動させる
- 事故車の後方に発煙筒・三角停止表示板を置く
- 事故車わきの安全な場所に移動し、連絡対応を進める
事故現場への停車中の後続車両の追突などで被害が拡大するのを避けるため、発煙筒・三角停止表示板を使用して事故の存在を周辺に知らせます。
これらとほぼ同時並行で、怪我人の有無を確認。
怪我人がいた場合は、救護対応および救急車の手配等を行います。
その際、ガードレールの外側など、車通りのない安全な場所に移動して対応を進めることも忘れないようにしてください。
警察に連絡する
追突事故に限らず、交通事故が起きた場合の警察への報告はすべての運転者の義務です。
警察への連絡を怠ると、事故報告義務違反で3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金の処罰を受ける場合があります。
また、加害者側が過失割合100%の責任となることを嫌がり、事故現場へ警察を呼ぶことに難色を示すケースがあります。
そうした場合、加害者がその場での示談を持ちかけてくる可能性もありますが、決してそうした現地での交渉に応じてはいけません。
必ず警察に連絡の上、警察官の立ち会いのもと事故の報告・手続きを進めるようにしてください。
加害者や目撃者の連絡先確認
示談交渉を含む事故後のやりとりのため、加害者の電話番号、住所、メールアドレス、加入している保険会社などの連絡先を確認します。
また、事故の様子を目撃した人がいた場合、目撃者としての協力を依頼し、連絡先を控えさせてもらいましょう。
事故に関する証拠集めを行う
事故直後の安全確保・怪我人対応・警察への連絡を終えた後は、基本的な事故の証拠集めを行っておくことが重要です。
基本的に、事故現場の状態は、事故対応を終えたら大きく
事故発生直後の段階を証拠として残すことで、おいおいの過失割合や慰謝料をめぐる示談交渉の場で有力な判断根拠として使うことができます。
スマートフォンのカメラで、最低限下記のものは押さえておきましょう。
※事故直後の道路上で撮影するのは、後続車両との接触など二次被害の危険性を伴います。必ず安全確保を行った上で、周辺に注意して撮影してください。
- 事故現場の道路・交差点の状況
- 周辺の目印となるものを含む全景(看板やお店など)
- 衝突した自動車の全体写真
- 衝突した部位(被害者側・加害者側双方)
事故直後の動画・音声も証拠になります。
撮影を巡って事故当事者間のトラブルになるおそれもあるため、可能であれば互いに同意を計った上で、注意して撮影するようにしてください。
また、ドライブレコーダーの映像は非常に有力な証拠になるので、事故発生時は必ず確保するようにしましょう。
交通事故の初期対応については下記の記事でも解説しているので、あわせて参考にしてください。
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症状固定まで通院する
追突事故で怪我を負った場合は、症状固定まできっちり通院し続けることが重要です。
途中で通院をやめるとその分入通院慰謝料も減額されますし、休業損害ももらえなくなります。
保険会社から治療費支払いを打ち切られても主治医が「症状固定」と言うまで通院を継続しましょう。
後遺障害等級認定を受ける
追突事故で後遺症が残った場合は、きっちり後遺障害等級認定を受けることが重要になります。
追突事故で起こしやすいむちうち症でも、後遺障害12級または後遺障害14級の認定を受けられる可能性があります。
上の等級にあたる後遺障害12級の方が後遺障害慰謝料は高額になります。
MRIでしっかり画像検査をしてもらい、資料を揃えて後遺障害等級の認定申請をしましょう。
自分で後遺障害等級の認定申請の手続きをすることに不安のある方は、弁護士に依頼し申請してもらうと、適切な等級認定を受けられる可能性が高まります。
過失割合を適正に認定してもらう
交通事故で賠償金を計算するときには、「過失割合」が非常に重要です。
追突事故では、被害者の過失割合が0%になるのが原則なので、そうなった場合には特に問題となる点はありません。
しかし、現実には、急ブレーキやその他の過失などを主張されて、被害者にも過失割合が適用されるケースがあります。
そのような場合、相手の言い分が必ずしも正しいとは限らないので、弁護士に相談して適正な過失割合を当てはめてもらいましょう。
弁護士基準で計算する
交通事故の賠償金を計算するときには、「弁護士基準」を適用することが重要です。弁護士基準とは、弁護士が示談交渉に対応するときに適用する損害賠償額算定基準です。被害者が自分で加害者の保険会社と示談交渉をするときに適用される任意保険基準や自賠責基準より、大幅に高い金額となっています。
入通院慰謝料なら、赤い本の別表Ⅰでは1.6~2.2倍程度、同別表Ⅱでは1.2~1.5倍程度、後遺障害慰謝料なら2~3倍程度の差になります。
上記で紹介したむちうち症の慰謝料相場の金額は、弁護士基準によるものですから、被害者が示談交渉をすると、場合によっては、3分の1程度まで減額されるということです。
まとめ
被害者が適正な慰謝料を受け取るには、弁護士に依頼して示談交渉を進めてもらうことが必須となります。
追突事故に遭ったあなたを守ってくれるのは弁護士です。事故に遭ってお困りの場合、まずは一度、交通事故に対応している弁護士に相談することをおすすめします。
交通事故に強い【おすすめ】の弁護士に相談
交通事故一人で悩まずご相談を
- 保険会社の慰謝料提示額に納得がいかない
- 交通事故を起こした相手や保険会社とのやりとりに疲れた
- 交通事故が原因のケガ治療を相談したい