スリップ事故の過失割合はどう決まる?冬の雪道の過失割合への影響は
スリップ事故は、特に冬場、雪道や道路の凍結が起こりやすい時期に多く発生することが知られています。北陸や東北、北海道といった寒さの厳しい地域はもちろんですが、雪道や道路凍結といった悪路走行に不慣れなドライバーが多い都市部も注意が必要です。
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スリップ事故のよくある事例
実際のところ、スリップ事故はどういう形で起こるものなのでしょうか。
スリップ事故の典型例としては、たとえば以下のような事例です。
立往生している車に後方から追突
雪道では予期せず車がスリップしたり、雪の塊に乗り上げてしまい動けなくなったりして立往生してしまうことがあります。スリップ事故のよくある事例に、雪道で立ち往生してしまっている車に後方から追突するケースがあります。
雪道をノーマルタイヤで走行してスリップ事故
その他のよくある事例として、雪道を夏用のノーマルタイヤで走行中のスリップ事故があります。旅行などで普段は走行することのない慣れない場所で、思いがけずに積雪に見舞われたり、路面が凍結していたことに気づかなかったりすることがあります。
路面状況の確認不足によるスリップ事故
冬場の路面は、そもそも凍結しているのか濡れているだけなのかを判断することが難しいと言われています。また、トンネルの出入り口や橋の上など路面の状況が異なることもあり、正確に把握することは難しいでしょう。そのため、路面の凍結に気づかずについついスピードを出し過ぎてしまったり、急ブレーキをしてしまったりすることもあります。路面状況を正確に確認できておらず、スリップ事故を起こしてしまうケースがあります。
視野悪化によるスリップ事故
雪の影響でフロントガラスの視野が狭くなったり、悪化してしまったりすることがあります。視野が悪くなると、路面の状況だけではなくセンターラインや道路標識、道路脇の側溝などが見えにくくなる危険性があります。すると、知らず知らずのうちにセンターラインを超えてしまい、対向車との衝突やスリップして路肩に車が落ちるなどの事故が起きてしまうケースがあります。
スリップ事故が起きた場合の過失割合
スリップした車に追突されてしまった場合、基本的には追突車両側に100%過失が認められることが多いと言われていますが、状況によって過失割合が異なることがあります。次に、状況別のスリップ事故が起きた場合の過失割合について詳しく解説していきます。
スリップした前の車を回避後に後続車が追突した場合
道路を走行中に、スリップした前の車両を避けたら自分の後ろの車に衝突されてしまった場合の過失割合はどのようになるのでしょうか。このような玉突き事故の場合、基本的には最初に追突した車の過失割合が大きくなります。玉突き事故がスリップ事故であっても、最初に追突した車の責任が大きいのは変わりません。しかし、例外として追突された前方車両にも急停止・スリップなどの異常が発生し、後方から追突してしまった車両が衝突を避けることが非常に困難であった場合は前方の車にも一定の責任が生じる可能性があるので注意が必要です。
スリップ事故の玉突き事故での追突順番と過失割合
道路をA・B・Cの車が順に走行しており、一番後方のCが最初に追突したとします。その場合は、過失割合はCが100、AとBは0です。しかし、Bが最初に追突した場合はA0、B70mC30程度の過失割合が問われることがあります。また、追突事故においては後方の車がどれだけ車間距離を取っていたかによっても過失割合が異なってくるので注意が必要です。
バイクや自転車がスリップし車に衝突した場合の過失割合
バイクや自転車がスリップしてしまい、車に衝突した場合は基本的にはスリップしたバイクや自転車の過失割合が大きくなる傾向があります。
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スリップ事故の過失割合はどう決まる?
前述の通り、スリップ事故の過失割合は状況に応じて異なりますが、実際の過失割合はどんな点を考慮して決まっていくのでしょうか?ここでは、スリップ事故の過失割合を決める時の判断材料について解説します。
スリップ事故で急ブレーキが行われていたか
雪道や凍結した路面を走行中の車が不用意なブレーキや急ブレーキを踏むとスリップの原因となり得ます。そのため、スリップ事故においては急ブレーキの有無が過失割合を決める際にポイントとなります。
スリップ対策が行われていたか
雪道を車で走行する際には、ドライバーは路面凍結の可能性に対して適切な対策を行う必要性があります。雪道や凍結の可能性がある道を走行する際には、タイヤチェーンやスタッドレスタイヤなどのスリップ対策が行われていたかはスリップ事故の過失割合に関係してくるのでしょう。当然、雪道をノーマルタイヤで走行していた場合は過失が大きくなります。
走行速度と車間距離
前方車両が不用意に急停止した際に後方から追突してしまった場合であっても、後方車両が十分な車間距離を取っていないと後方の車にも過失が問われてしまいます。特に凍結路面や雪道では通常以上の車間距離を取ることが必要ですし、走行速度も制限速度を下回る速度で走行するべき場合もあります。このように、路面状態によっては通常以上に走行速度や車間距離に注意すべきと判断される事もあります。
運転操作の問題
凍結した道路で急ブレーキをかけると、タイヤにロックがかかってしまいスリップ事故の原因となり得ます。その他にも、ブレーキをかけるべき場面においてブレーキの踏み込みが甘かったり、急ハンドルによってスリップを起こした車がスピンしたりしてしまうことがあります。この場合、運転の操作を誤らなければ、スリップやスピンを防げたと考えられます。このような運転操作上の問題も過失割合を判断する際に考慮されることがあります。
スリップ事故の原因究明にはドライブレコーダーが有効
雪道でのスリップ事故の過失割合は難航しやすい
雪道でのスリップ事故は、過失割合を決めるのに通常の交通事故よりも難しいとされています。例えば、前方を走行していた車両が雪道でスリップしそうになり、急ブレーキをかけたとします。そして、後方の車両が追突した場合は、追突された前方の車両側にも過失が認められることもあります。また、ブレーキ痕の発見が難しい場合に過失割合の決定が難航しやすいとされています。スリップ事故の前から道路に雪が積もっており、事故後も積雪すると、ブレーキ痕がわかりづらくなってしまうことがあります。過失割合を決定する際に、ブレーキ痕は大切な証拠の一つとなることがありますが、雪道でのスリップ事故の場合は立証しにくくなってしまうこともあります。
スリップ事故においてドライブレコーダーの証拠が有効
雪道でのスリップ事故では、ブレーキ痕が残りにくかったり、分かりづらくなったりすることがあります。また、雪道では視界が悪いため当事者からの事故の状況を正確に把握することが難しくなることもあるでしょう。事故の当事者同士の主張が大きく異なったり、過失割合に納得できなくなったりすると過失割合が確定せず、事故が解決するまで長期化してしまう可能性があります。そこで、スリップ事故のトラブルを防ぐためにドライブレコーダーが有効です。ドライブレコーダーを利用することで、雪道での路面の状況や速度、相手車両の状況なども映像として記録することができます。
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スリップ事故の備えを事前にしておきましょう
冬場の雪道や悪天候での運転はスリップ事故の危険性が高くなります。そして、誰しも予期せず事故に遭遇してしまうことがあります。雪道や悪天候での運転はなるべく避けましょう。しかし、運転せざるを得ない方はドライブレコーダーの使用や必要時のスノータイヤの使用など、事故回避のための日頃から備えをしておくことが大切です。また、過失割合で揉めた場合は弁護士への相談がおすすめです。交通事情も影響してくるため事故のあった地域に精通した弁護士を選びましょう。
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