旅行で事故に遭いやすい都道府県はどこ?ドライバーの「旅行中の交通事故」をアンケート調査

旅行先での自動車運転中に遭った交通事故に関するアンケート
この度、交通事故弁護士相談広場では、旅行中の旅先での自動車運転中に、交通事故に遭ったことがある方 100人を対象にアンケート調査を実施しました。
事故に遭いやすい旅行先や、旅先でのドライバーが遭いやすい事故とその原因など、旅行先での運転者による交通事故を様々な角度から調査しました。

近年、社会的にも定着してきた秋の大型連休・シルバーウィーク。
期間中は各地で観光客を集める様々な催事やイベントが行われる一方、連休を活用した行楽、旅行や帰省などで、全国的に人の往来・自動車の交通量が増加するタイミングでもあります。

そして、自動車が増え、運転する人が増えれば、あわせて増加するのが交通事故です。
多くの方が楽しむ連休を使ったドライブ旅行。その交通事故リスクは、一般的にどれだけあるものなのでしょうか?

全国的に交通量が増える時期だからこそ、連休中にお出かけ予定の方もそうでない方も、ぜひご一読ください。

旅行先での自動車運転中に遭った交通事故に関するアンケート
実施  :交通事故弁護士相談広場 編集部
回答方法:Webアンケート調査
調査日時:2022年8月18日 ~8月23日
調査対象:
[予備調査]全国の20~69歳以下の男女計6,000人
[本調査]旅行中の旅先での自動車運転中に、交通事故に遭ったことがある方 100人(男性 82人 女性 18人)

旅先で交通事故に遭ったことがある人は全体の8%

[予備調査]Q1.あなたは旅行中の旅先で交通事故に遭った経験はありますか?

Q1.あなたは旅行中の旅先で交通事故に遭った経験はありますか?

まず、予備調査として、全国の20~69歳の男女6,000人に旅行中の交通事故に遭った経験の有無を質問しました。

その結果、旅行中の旅先で交通事故に遭ったことのある人は、全体の8.13%となりました。
100人の人がいれば、8人が旅行中の交通事故を経験している計算です。

参考として、全人口に対する交通事故の遭遇率を試算すると0.24%(令和3年 / 推計)となります。

参考:令和3年の交通事故遭遇率(推計)
令和3年の交通事故発生件数(1~12月) 305,425件
日本の全人口推計(令和3年10月1日時点) 1億2550万2千人
人口1人あたりの交通事故遭遇率 0.24%

※編集部にて「令和3年 交通事故統計」(警察庁) / 「人口推計」(総務省統計局)を元に試算

極めて低率にとどまる人口あたり交通事故遭遇率と比較すると、旅先での交通事故遭遇率は決して低くない割合であることがわかります。

旅先で交通事故に遭った人の約46%が運転者

[予備調査]Q2.交通事故に遭った際の状況として、あなたの状況に近いものをお選びください。

Q2.交通事故に遭った際の状況として、あなたの状況に近いものをお選びください。

「旅先で交通事故に遭った経験がある」と回答した方に、その時の移動の状況について質問したところ、下記のような結果となりました。

旅先で交通事故に遭った際の移動の状況
運転していた 45.9%
家族や友人の運転する車に同乗していた 30.53%
歩いていた 15.16%
その他 8.4%

旅先で交通事故に遭った際、運転中だった人は45.9%。車への同乗者・歩行者と比べても最多の値となりました。

同乗者を含めると、旅先での交通事故の4分の3は乗車中の出来事

また、家族や友人の運転する車の同乗者が30.53%であり、合計すると旅先で交通事故に遭った人の4分の3は乗車中の出来事だったことがわかりました。

旅先だからこそ車移動が便利である一方「旅先で運転することで交通事故に遭うリスクは上がる」という点はしっかり理解しておくことが重要です。

事故時に運転していた乗り物は自動車が4分の3

また、この質問に「運転していた」と回答した方に対して、運転していた乗り物を訪ねた結果が以下の通り。

[予備調査]Q3.あなたが運転していたものを以下よりお選びください。

Q3 あなたが運転していたものを以下よりお選びください。

事故時に運転していた車の比率を見ると、4分の3以上が自動車を運転中のドライバーでした。

旅行中の交通事故に遭った人は、男性が女性の約4倍に

これら予備調査の結果から、旅行中の旅先での自動車運転中に交通事故に遭った経験のある方は172人となりました。

世代・年齢別の内訳を表にすると以下の通りとなります。

旅行先での運転中の交通事故経験者 男女別内訳
男性 女性
20代 9人 12人
30代 18人 9人
40代 27人 8人
50代 35人 4人
60代 48人 2人
小計 137人 35人
合計 172人

性別で見ると、旅先での運転中に事故に遭ったのは男性が非常に多く、女性の約4倍近くという結果となりました。

男性旅行者は旅先での自動車運転には特に注意して臨むのが得策と言えるでしょう。

旅行中の旅先での自動車運転中に、交通事故に遭ったことがある方100人から本調査の回答を回収

このように予備調査を通じて抽出した「旅行中の旅先での自動車運転中に、交通事故に遭ったことがある方」172人に対して、事故時の状況等についての本調査を行いました。

最終的に100人から回答を回収し、以下ではその結果について解説していきます。

旅行で交通事故に遭いやすい都道府県はどこ?

予備調査で抽出した調査対象の方に、交通事故に遭った際の旅行先(47都道府県+海外 ※自由記述式)を質問しました。

Q1.交通事故に遭った際の旅行先を教えてください。

旅行先での自動車運転中の交通事故 事故に遭った都道府県ランキング

旅先で交通事故に遭った旅行先トップは北海道!

回答者100人中、交通事故に遭った旅行先として、トップとなったのが北海道(11人)。

続いて2位は東京都(9人)、3位は同数で愛知県、沖縄県、長野県(各5人)となりました。
3位以下には上図内の表の通り、多数の府県が続きます。

北海道・沖縄県はともに日本有数の観光地として人気である点、東京都・愛知県は都市部で車の交通量が多い点などが影響したものと考えられます。

長野県を選択した回答者については、他のアンケートの回答から明確に事故原因を特定できる傾向は見られなかったものの、事故時の状況について

  • 自宅への帰宅途中だった
  • 複数台の車で移動中の事故

などの証言が上がっていました。

こうしたコメントをふまえると、長野県の山がちな内陸県という特徴、県内を移動するのに車が欠かせない地域である点が今回の結果に影響した可能性は考えられます。

事故に遭った都道府県ランキング
(全順位)
北海道 11人
東京都 9人
長野県 5人
愛知県 5人
沖縄県 5人
埼玉県 4人
神奈川県 4人
静岡県 4人
千葉県 3人
富山県 3人
大阪府 3人
兵庫県 3人
和歌山県 3人
鳥取県 3人
福岡県 3人
海外 3人(カナダ・アメリカ・ギリシャ)
青森県 2人
茨城県 2人
新潟県 2人
滋賀県 2人
大分県 2人
岩手県 1人
宮城県 1人
秋田県 1人
福島県 1人
栃木県 1人
群馬県 1人
石川県 1人
福井県 1人
山梨県 1人
岐阜県 1人
島根県 1人
岡山県 1人
広島県 1人
山口県 1人
徳島県 1人
愛媛県 1人
佐賀県 1人
長崎県 1人
鹿児島県 1人
山形県 0人
三重県 0人
京都府 0人
奈良県 0人
香川県 0人
高知県 0人
熊本県 0人
宮崎県 0人

旅先での交通事故に遭いやすい時期は?

次に、旅先の交通事故に遭った月を質問しました。

Q2.旅行先で事故に遭ったのは、何月のことですか?

Q2 旅行先で事故に遭ったのは、何月のことですか?

旅先での交通事故、最多は5月のGWと8月の夏休み

GWのある5月、夏休み期間にあたる8月がともに17人で最多となりました。

また、年末年始にあたる12月・1月も合計で14件と多くなっていました。休暇の多い時期の旅行は、やはり交通事故に遭いやすいことがわかります。

9月のシルバーウィークも交通事故には十分な注意を

2022年のシルバーウィークは

  • 9/17(土)~9/19(月祝:敬老の日)
  • 9/23(金祝:秋分の日)~25(日)

と2つの3連休に挟まれる形で、最大9連休が可能なカレンダーとなっています。

シルバーウィーク期間中に旅行に出かける方は、旅先の交通事故にも十分に注意し、落ち着いて安全運転を心がけてください。

旅行先での事故が多発するのは12時~18時頃の日中時間帯

続いて、旅先で事故に遭った時間帯を質問しました。結果は以下の通り。

Q3.その事故が起きた時間帯を教えてください。

Q3.その事故が起きた時間帯を教えてください。

旅先での事故は午後~夕方の時間帯に注意

旅行中の交通事故が最も多かったのは昼過ぎの12時~15時の時間帯(34%)でした。

次いで2位は15時~18時までの夕方時間帯(29%)で、合計63%の事故が昼過ぎ~夕方までの6時間に集中していました。

旅行中は予定の詰め込み過ぎに注意、余裕を持った動きを

旅先での移動は、日中から意外とタイトになりがちなもの。

明るい時間帯になるべく各地を回りたい思いから、予定に間に合うよう急いだり、一日のうちに何度も車への乗り降りを繰り返したりしていると、疲労や焦りで運転への集中力が散漫になってしまうことも少なくありません。

旅行中は予定の詰め込み過ぎに注意し、冷静な運転を心がけてください。

夕方に慌てて移動するよりは、自然と警戒したドライビングになる夜間の方が安全運転しやすい可能性もあります。

状況が許すなら、事前の予定を変更して、車の多い時間帯は寄り道や休憩をはさみ、移動時間をずらす工夫をするのも効果的です。

旅行先での事故でぶつかりやすい相手はやっぱり「自動車」

旅行先での交通事故でぶつかった相手が誰だったか質問すると以下のような結果となりました。

Q4.事故でぶつかった相手は以下のうちどれでしたか?

Q4 事故でぶつかった相手は以下のうちどれでしたか?

旅行先での自動車運転中の事故でぶつかった相手
自動車 76%

ガードレール・電柱・カーブミラー・標識など公共物

10%
バイク・原付 5%
自転車 3%
歩行者 1%
その他 5%

※項目「民家・店舗などの建物」は回答なし

ぶつかった相手は自動車が76%と最多。

旅行先での運転でも、周囲を走る自動車には十分な注意が必要です。

日常の運転時と変わらない話ではあるものの、観光地の場合、相手方も旅行者で不慣れな感覚で運転している可能性があるため、より警戒して運転するようにしてください。

不慣れな場所での運転による物損事故・トラブルも

なお「その他」の回答の中には

  • 溝や壁
  • 脱輪
  • 動物

などが含まれていました。

不慣れな場所での運転が、こうした衝突につながった可能性もあります。

旅行先でも気を抜かずに注意したい「追突事故」

前の質問で「自動車とぶつかった」と回答した方を対象に、事故の状況について質問しました。

選択肢として交通事故の代表的なパターンを上げ、ご自身の事故時の状況に近いものを選択してもらいました。

Q5.自動車同士での事故に遭った際の状況を教えてください。以下より事故時の状況に近いものを1つお選びください。

Q4.自動車同士での事故に遭った際の状況を教えてください。

旅行先での運転中の交通事故で最も多かったのは「後の車からの追突」の28.95%。
もらい事故の代表的なパターンとも言え、日常の運転時と同様、旅先でも注意が必要です。

2位につけたのは「交差点での出会い頭の衝突」「駐停車中の追突・接触」が同率で17.11%。

4位は「前の車に追突した」14.47%は1位に上がっていた「追突」を自らしてしまった方のケースです。

旅先交通事故の4割以上を占める「前後の車との追突事故」

1位と4位を合わせると、前後の車での追突事故が43.42%と、他の事故パターンと比較して倍以上と非常に高い割合となっています。

一般的に起こりやすい事故パターンとしてしられる「右折・左折時の衝突」は5位 6.58%と全体的な割合で見てもそこまで多くないことがわかります。

旅先で普段知らない道を走っている緊張感もあってか、基本的には警戒しながらの運転が行えている一方、前後の車との追突や、駐停車中の事故に巻き込まれたりふと気が抜けてしまった瞬間に事故に遭うパターンも多そうです。

事故の発生原因については、以後の質問(Q8)でも調査を行っているので、後ほどご紹介します。

旅先で事故に遭いやすい場所は「交差点」と「ふつうの道路」

「自動車とぶつかった」と回答した方に、事故に遭った場所について質問を行った結果が以下です。

Q6.事故に遭ったのは以下のどの場所ですか?

Q6.前の質問で「自転車とぶつかった」と回答した方におうかがいします。事故にあったのは以下のどの場所ですか?

特にポイントが高かったのが、交差点の36.84%と一般単路31.58%。

一般単路とは道路の直線区間/交差点・トンネル・踏切・橋以外の道路を指し、つまり「交差点のないふつうの道路」を意味します。

旅先での事故というと、急カーブや狭い道など交通の難所での事故が想像されそうですが、実際には全体の6割以上が「ふつうの道路」で起きていることがわかりました。

3番目に多い駐車場での事故

また、駐車場が13.16%で3番目に来ている点も気になります。
休日の観光地の駐車場となると人や車でごった返すことも多く、注意深く慎重な運転が必要な場所と言えるでしょう。

旅先の交通事故原因に多い「運転時の判断ミス」と「安全不確認」

旅先で交通事故に遭った方100人に、なぜその事故が起こったか、事故原因を質問してみたところ、以下のような結果となりました。

Q8.その交通事故の原因はなんでしたか?運転者(あなた自身)または相手方が、事故を起こした原因と考えられるものをすべてお選びください。

Q8.その交通事故の原因はなんでしたか?運転者(あなた自身)または相手方が、事故を起こした原因と考えられるものをすべてお選びください。

特に回答が多かったのは「運転時の判断ミス(32人)」と「運転時に安全確認を怠った(29人)」。

これらは、警視庁が用いる事故原因の区分にあわせると、それぞれ「動静不注視」「安全不確認」を想定して準備した項目です。

絶対に避けたい旅行中の「うっかり」運転

相手の存在に気づいていながら判断ミスから事故になってしまった、運転時に安全確認を怠り事故になってしまった、いわゆる「うっかり」で発生する事故が多いことがわかります。

旅行中特有の浮足立った気持ちでの運転が、事故につながりやすいことは、先の質問で「追突事故」の占める割合が高かったことからも読み取れます。

旅先での交通事故の約2割が人身事故に

旅先で遭った交通事故で怪我人が出たかどうか、人身事故かどうかを質問した結果が以下の通りです。

Q9.その交通事故で、自分や相手、双方の同乗者などに怪我人は出ましたか?

Q9.その交通事故で、自分や相手、双方の同乗者などに怪我人は出ましたか?
旅先で起こした交通事故が人身事故になったケースは22%、怪我人はなく物損事故になったケースは78%となりました。

旅行者が旅先で事故を起こすと、10人に2人は人身事故の問題を抱えることになります。

居住地から遠い地域で人身事故を起こしてしまうと、現地にいる被害者や警察・裁判所とのやりとりが必要となります。
頻繁な電話連絡への対応や、時には現地への出頭が必要になったりと、以後の問題解決に非常に手間取るのもよくあることです。

事故を起こした後の負担を考えると、つい開放的な気分になりがちな旅行中こそ、いつも以上に慎重に、安全運転するのがベターでしょう。

旅先での交通事故、警察への連絡は8割が実行

旅先で交通事故に遭った場合、警察に連絡したかどうかを質問した結果が以下となります。

Q10.事故に遭った際、最寄りの警察への連絡は行いましたか?

Q10.事故に遭った際、最寄りの警察への連絡は行いましたか?

「旅の恥は掻き捨て」という言葉がある通り、アンケート事前の想定では、あまり高い値にならないのではと予想していました。

ところが、実際に調査してみたところ、旅先で交通事故を起こした方の8割が、最寄りの警察への連絡を正しく行っていたことがわかりました。

「旅先だからこそルール順守」の気持ちも見え隠れ

大前提として、交通事故に遭った/起こした場合、警察へ連絡するのは運転者に課せられた義務です。

にも関わらず、大事にしたくない/怪我もなく大きな事故ではなかったなどの理由から、被害者も加害者も警察への一報も入れずうやむやで済ませてしまうケースも少なからず存在します。

(本来は警察への連絡が100%行われるのが理想ではあるものの)旅先での交通事故の通報率が8割という高さを示したのは、一般的な日本の運転者のモラルの高さがうかがえる数字とも言えそうです。

あるいは、旅先で不慣れな土地だからこそ、旅先で事故を起こしたことへの不安感が強く「ルールをしっかり守って、トラブルを早く解決したい」という旅行者ならではの気持ちが影響した結果かもしれません。

旅先での交通事故への対応は保険会社任せが多数

旅先で遭った交通事故に関して、相談・交渉した相手を質問した結果が以下となります。

Q11.この事故への対応に関して相談・交渉した相手をすべてお選びください。

Q11.この事故への対応に関して相談・交渉した相手をすべてお選びください。

旅先での交通事故対応での相談相手としてトップとなったのは、自分の自動車保険会社(48人)。
続いて、相手方の自動車保険会社(34人)と、保険会社との回答が1位・2位となりました。

遠隔地での交通事故となると、自身が足を運ぶのが難しいケースもあり、全国規模で対応してくれる保険会社と契約している方にとっては、保険会社の心強さを大きく感じられるシチュエーションと言えるかもしれません。
以後、警察とのやりとりを行った方が30人、加害者との直接交渉が22人と続きました。

旅先での交通事故を弁護士に相談したのは100人中3人のみ

一方で、今回の調査では、旅先での交通事故を弁護士に相談した方は3人のみという結果となりました。

交通事故対応にメリットの多い弁護士への相談

弁護士に相談しなくても解決できたという意味では喜ばしい結果ですが、一般的に、事故後の相手方への対応や交渉に大きくストレスを感じることになった方は決して少なくありません。
そうした対応や交渉にもし負担を感じる場合は、弁護士に相談して事故対応一式を任せるのは1つの手です。

また、基本的に慰謝料は保険会社を通じてもらうより、弁護士を通じて請求した方が高額になるケースが多いです。
特に人身事故となった場合は、小さな事故だからと自己判断せず、まずは弁護士に相談してみることをおすすめします。

旅先で交通事故に遭った人が困った事は?

最後の質問として、旅先で交通事故に遭ったことで、旅行中や旅行後に困った出来事やエピソードを自由に回答してもらいました。

集まった回答に見られた主なパターンは以下のようなものでした。実際に届いたエピソードと合わせてご紹介します。

事故後の旅行は台無しに

  • 事故のあとの予定がすべてキャンセルになった(東京都・男性・34歳)
  • ハンドルを握るのが怖くなり、その後の旅行は全く楽しくない。(兵庫県・男性・54歳)
  • 窓ガラスが割れ雨が降っていたので帰りの道中、同乗者が雨に濡れっぱなしになってしまった。( 石川県・男性・61歳)
  • 3泊を予定していた2泊目に起こったので、後の予定がむち打ちにより困難になって、病院で過ごして帰るだけになったのが、残念でした。(兵庫県・男性・41歳)

旅行途中で事故に遭ったことで、以後の旅程が大きく変わり、旅行が台無しとなってしまった、という声は多く集まりました。

「旅行が楽しくなくなった」で済めばまだ良いとして、交通事故でのむち打ちが原因で旅行を止め見知らぬ土地の病院で過ごす、というのは、なかなか厳しい経験です。

事故後の対応に苦労

  • 警察に事故証明をもらうのに、遠方で大変(神奈川県・男性・54歳)
  • 旅先での事故の為、処理が相手側のわがままで途中で切り上げた為、後日人身事故になって仕事先などに迷惑が掛かってしまった。(徳島県・男性・62歳)
  • 事故直後は身体に異変はほぼなかったけど数か月経ってから、首や背中や腰が痛みだして長期入院しなくてはならない状況になってしまった(埼玉県・女性・46歳)

旅先での事故だったため、落ち着いた対応が取れず、事故後に苦労するケースです。

事故直後に身体の異変がなかったとしても、後になって痛みが発生するのは交通事故では一般的にあり得ることです。

旅行の予定を止めてでも、事故に遭った際はなるべく早めの受診が必要です。

旅行に行った車が廃車に

  • 車が使えなくなったので、車を置き去りにし後日に廃車手続きをした。その日はバスや電車を乗り継いで、千葉まで帰った。(東京都・男性・53歳)
  • 廃車になったので帰りは新幹線。その後は車の名義人に謝罪、弁償(宮城県・男性・45歳)
  • 複数台の車で行ったが、1台はお釈迦になったため、帰路が大変だった。(福岡県・男性・58歳)

こちらも回答の多かった、旅先での事故で車が廃車となるケース。

旅行の移動で使っていた車が廃車となると、帰りの足をどうするかが問題となります。

事故による精神的ダメージに加えて、新幹線や飛行機の手配など急対応が発生するストレスに、事故被害の弁償など金銭的な被害まで被ると、運転中の気の緩みひとつで、ふんだりけったりな状況に陥る可能性があります。

相手方の対応・交渉にストレス

  • 信号無視した相手の保険会社の人が、過失を少なくしようとすること(大阪府・女性・62歳)
  • 直進中に交差する農道から一時停止せずに飛び出してきた車と衝突。
    コチラも動いていたこともあり、相手方保険会社は3:7の比率で言ってきたが、納得できず1:9までもっていった。(愛知県・男性・54歳)

交通事故でぶつかった相手方や保険会社の対応にストレスを感じるケースです。

旅先での事故で、現場との距離が離れているのをいいことに、保険会社が過失割合や示談金交渉を自分たちに有利なように話を持っていこうとする場合があります。

慰謝料や損害賠償について、相手方の対応に不満を感じた場合は、なるべく速やかに弁護士に相談することをおすすめします。

まとめ

あらためまして、今回の調査結果をまとめると以下の通りです。

  • 旅先で交通事故に遭ったことがある人は全体の8%。
  • 旅行中の交通事故に遭った人は、男性が女性の約4倍に
  • 交通事故に遭った旅行先トップは北海道。次いで、東京、長野・愛知・沖縄が続く。
  • 旅先での交通事故に遭いやすい時期は5月と8月。シルバーウィークの旅行も十分注意を!
  • 旅行先で事故が多発するのは12時~18時頃の日中時間帯
  • 旅行先での事故でぶつかりやすい相手はやっぱり「自動車」
  • 旅行先でも気を抜かずに注意したい「追突事故」
  • 旅先で事故に遭いやすい場所は「交差点」と「ふつうの道路」
  • 旅先の交通事故原因に多い「運転時の判断ミス」と「安全不確認」
  • 旅先での交通事故の約2割が人身事故に
  • 旅先での交通事故、警察への連絡は8割が実行。
  • 旅先での交通事故への対応は保険会社任せが多数。
  • 旅先での交通事故を弁護士に相談したのは100人中3人のみ

シルバーウィーク後半には「秋の全国交通安全運動」期間の設定も

秋の全国交通安全運動
なお、2022年のシルバーウィーク後半を含む9月21日(水)~30日(金)の10日間は、内閣府により「秋の全国交通安全運動」の期間に設定されています。

この期間中は、全国各地の交差点や道路に交通安全警戒中の警察官やパトカーの姿を目にする機会も多いかもしれません。

GWや夏休み、シルバーウィークと、大型連休を使って楽しむはずの旅は、ほんの一瞬の気の緩みからの交通事故で一変してしまいます。

旅行や休暇にワクワクと心弾む気持ちは良くわかりますが、みなさま自動車の運転中はしっかりと集中し安全運転を心がけ、楽しい連休をお過ごしください。

ご参考:今回実施したアンケート調査の主な設問内容
  1. 交通事故に遭った際の旅行先を教えてください。
  2. 旅行先で事故に遭ったのは、何月のことですか?
  3. その事故が起きた時間帯を教えてください。
  4. 事故でぶつかった相手は以下のうちどれでしたか?
  5. 自動車同士での事故に遭った際の状況を教えてください。以下より事故時の状況に近いものを1つお選びください。
  6. 事故にあったのは以下のどの場所ですか?
  7. 歩行者とぶつかったと回答した方におうかがいします。事故の際、ぶつかった歩行者の状況に近いものを1点お選びください。
  8. その交通事故の原因はなんでしたか?運転者(あなた自身)または相手方が、事故を起こした原因と考えられるものをすべてお選びください。
  9. その交通事故で、自分や相手、双方の同乗者などに怪我人は出ましたか?
  10. 事故に遭った際、最寄りの警察への連絡は行いましたか?
  11. この事故への対応に関して相談・交渉した相手をすべてお選びください。(複数回答可)
  12. 旅先で事故に遭ったことで、旅行中や旅行後に困った出来事やエピソードがありましたら教えてください。

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