スピード違反の点数・罰金・反則金とは?捕まった場合の流れと免停になる条件
スピード違反は、交通事故や行政処分により免許停止、免許取り消しなどのリスクを高める危険な行為です。この記事では、スピード違反の定義や処分、取り締まり方法などについて詳しく解説します。
つい魔が差してのスピード違反が、最悪は刑事処分となり罰金、逮捕され前科がついてしまうケースもあり得ます。スピードを出しすぎる気持ちを戒める意味も含め、スピード違反することの問題点・処分がもたらす重大性をよく理解しておきましょう。
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スピード違反とは?速度超過違反の道路交通法上の定義
スピード違反とは、道路交通法などにより定められた最高速度を超える速度で車を走行させることをいい、正式には「速度超過違反」といいます。
スピード違反は交通事故の原因となりやすく、違反の内容が重大な場合、刑事処分や免許停止(免停)・免許取り消しの対象となる可能性があります。
制限速度と法定速度の違い
スピード違反を判断する基準となる速度には、
- 制限速度
- 法定速度
の2種類があります。
制限速度とは
制限速度とは、道路標識や標示によって指定された最も速く走れる速度のことで、道路の状況や交通量に応じて変わります。
一般的には、歩行者の多い道路で40km/h以下、歩行者の少ない一般道路では50km/h以下、高速道路では法定速度100km/h以下に対して80km/hが制限速度として設定されているケースが多いです。
道路標識等で速度指示がある道の場合、制限速度を超えて走行すると、最高速度違反になります。
法定速度
法定速度とは、道路標識や標示がない場合における最高速度のことで、政令で定められています。
一般道では60km/h、高速道路では100km/hが法定速度となっています。
ただし、2019年3月からは高速道路の一部区間で120km/h(新東名高速道路、東北自動車道路)または110km/h(東関東道)に引き上げられています。
法定速度を超えて走行すると、最高速度違反になります。
一般道路と高速道路における法定速度
一般道路と高速道路では、法定速度が異なります。
一般道路では60km/hが基本の法定速度ですが、高速道路では100km/hが法定速度とされています。
一般道路は歩行者や自転車などの交通参加者が多く、交差点や信号機も多いことから、安全性を考慮して低めに設定されています。
一方、高速道路は利用者が高速で走行する前提で、法定速度も高めに設定されています。
ただし、一般道路でも高速道路でも、道路標識や電光掲示板で制限速度が指定されている場合は、その制限速度を遵守する必要があります。
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スピード違反の反則金、罰金
反則金と罰金の違い
スピード違反をした場合、その超過速度によって「反則金」と「罰金」のどちらかの処分を受けることになります。反則金と罰金はどう違うのでしょうか?
反則金とは
反則金とは、比較的軽微とされるスピード違反に対して課される行政処分です。
警察から交通反則告知書(青切符)が交付され、期限内に指定された金額を納付すれば、刑事処分は免除されます。
ただし、違反点数は加算されるもので、過去にスピード違反の前歴がある・速度超過以外の違反行為がある場合など、違反の内容によっては、免許停止や取り消しの対象となる可能性があります。
罰金とは
罰金は、重大なスピード違反に対して課される刑事処分です。
警察から交通違反通告書(赤切符)が交付され、検察や裁判所で処理されます。
罰金額は略式裁判で決まり、反則金よりも高くなるのが通常です。
スピード違反による罰金は「前科」になる
反則金と罰金で最大の違いは、前科が付くか付かないかという点です。
反則金は軽微な違反を簡易的に処理する行政処分である一方、罰金は刑事罰なので、運転者のれっきとした「前科」になります。
前科がつくと職業によっては失職、業務停止・資格免許取り消しとなり働けなくなります。
また、前科は履歴書の賞罰欄に記載する必要があります。未記載で済ませたり前科の有無について嘘をつくと経歴詐称として解雇や退学につながる場合もあります。
パスポートの発給停止や海外渡航が認められない国もあるなど、前科がつくことで、生活の様々な場面で一定の制限を受けます。
そして一度着いた前科は、一生消えません。
一般道路におけるスピード違反の反則金
一般道路におけるスピード違反の反則金は、超過速度によって異なり、超加速度が大きければ大きいほど、反則金の金額も高くなります。
以下、表にまとめました。
超過速度 | 反則金 |
---|---|
15km/h未満 | 9,000円 |
15km/h以上20km/h未満 | 12,000円 |
20km/h以上25km/h未満 | 15,000円 |
25km/h以上30km/h未満 | 18,000円 |
30km/h以上 | 6ヶ月以下の懲役、または10万円以下の罰金 |
高速道路におけるスピード違反の反則金
高速道路におけるスピード違反の反則金も超過速度によって異なりますが、速度の区分・範囲が一般道とは異なります。
超過速度 | 反則金 |
---|---|
15km/h未満 | 9,000円 |
15km/h以上20km/h未満 | 12,000円 |
20km/h以上25km/h未満 | 15,000円 |
25km/h以上30km/h未満 | 18,000円 |
30km/h以上35km/h未満 | 25,000円 |
35km/h以上40km/h未満 | 35,000円 |
40km/h以上 | 6ヶ月以下の懲役、または10万円以下の罰金 |
スピード違反による罰金
スピード違反で罰金が適用されるのは、一般道路で30km/h以上、高速道路で40km/h以上の速度超過をした場合です。
実際の罰金の金額は略式裁判の結果として決定されるもので、10万円以下ということ以外は、一定ではありません。
目安として以下の表を参考にしてください。
超過速度 | 罰金額(目安) |
---|---|
30~34km/h | 6万円~7万円 |
35~39km/h | 7万円~8万円 |
40~49km/h | 8万円~9万円 |
50km/h以上 | 10万円 |
超過速度 | 罰金額(目安) |
---|---|
40~49km/h | 8万円~9万円 |
50km/h以上 | 10万円 |
高速道路は40km/h未満の速度超過は反則金で処理されるため、罰金になることはありません。
また、再犯や危険運転など悪質性が高いケースの場合、罰金刑ではなく6ヶ月以下の懲役となる可能性もあります。
スピード違反で捕まった場合の手続きの流れ
スピード違反で捕まった場合、おおまかな手続きの流れをまとめると以下のようになります。
- スピード違反により青切符または赤切符の交付
- 金融機関にて反則金の支払い(仮納付期間)
- 通告センターへ出頭して反則金の支払い(本納付期間)
- 警察から通告書・本納付書の送達
- 警察署への出頭命令
- 略式裁判
- 刑罰の確定(罰金・懲役)
反則金の支払い期限は切符を切られてから8日以内
反則金は青切符(交通反則告知書・仮納付書)に記載された期限内(青切符を受け取った日から8日以内)に納付するのが原則です。
この段階で納付することを仮納付と言います。
反則金・罰金の支払いを滞納・放置した場合
スピード違反で青切符や赤切符を切られた人の中には、支払いたくない・払い忘れたなどの理由で、つい滞納・放置してしまう方もいます。もし反則金や罰金を滞納・放置し続けた場合、どうなるのでしょうか。
次より、ひとつずつ確認していきます。
期限を過ぎても通告センターで再発行を受けて支払える
期限の過ぎた反則金仮納付書は使用できなくなります。ただし、仮納付の期限を過ぎてしまったとしても、すぐに支払えなくなったり、罰せられるわけではありません。
各地の警察の「交通反則通告センター」へ出頭し、新しい納付書の再発行を受けて支払うことができます。
再発行された通告書の支払い期限は10日間
なお、この再発行の際に交付されるのは交通反則通告書で、青切符(交通反則告知書)とは異なります。
用紙はピンク色に変わりますが、用紙のフォーマット、および反則金の金額は青切符の場合と変わりません。
この交通反則通告書で支払うことができるのは交付を受けてから10日間です。
青切符を切られてから約40日程度で通告書・本納付書が届く
通告センターに出頭せず放置すると、青切符を切られた日からおおよそ40日程度で、警察から交通反則通告書、本納付書が配達証明付書留郵便で届きます。
通告書は反則金の支払いを求める督促状にあたるものです。
この納付書での支払い金額は、反則金にプラスして配達証明郵便の郵送料が加算された金額となります。
通告書・本納付書を無視すると刑事手続きに
交通反則通告書も無視を続けると、刑事手続きに移行し、スピード違反はひとつの刑事事件として検察庁または家庭裁判所へと送致されます。
警察からの出頭命令
警察から警察署への出頭命令が届きます。
出頭する日は警察から指定されますが、指定の日にどうしても出頭が難しく変更を希望する場合は警察署へ連絡します。
連絡なく出頭日の出頭を怠ると、最悪は逮捕される可能性もあり、実質的には対応せざるを得ない状況です。
罰金・懲役など刑罰の確定
正式な裁判あるいは略式裁判を経て、罰金または懲役の刑事処分が確定します。
罰金・懲役は刑事処分として適用される刑罰なので、前科となります。
行政処分である反則金のうちに支払いを済ませれば、前科にはならないため、スピード違反に対する対応として、この段階に来るまでスピード違反の責任有無を争うべきかは慎重な検討が必要です。
また、罰金・懲役といった刑事処分による刑罰と別に、免停ないし免許取り消しなどの行政処分が行われます。特に一般道で30km超、高速道路で40km超の速度超過など悪質なスピード違反の場合は、違反点数6点となり、いわゆる一発免停です。
これらスピード違反による行政処分、反則点数と免停について、次の章で解説します。
スピード違反の反則点数と免停になる条件
スピード違反(一般道)の反則点数
スピード違反(一般道)の反則点数は、超過した速度によって決まります。
超過した速度が時速20km未満なら1点、20km以上25km未満なら2点、25km以上30km未満なら3点、30km以上50km未満なら6点、50km以上なら12点です。
点数が6点以上になると免許の停止や取り消しの対象となります。
過去3年以内に免停処分を受けたことがある人は、前歴の回数によって点数と停止期間が変わります。
一般道路でのスピード違反の反則点数は以下の表の通りです。
超過速度 | 反則点数 |
---|---|
20km/h未満 | 1点 |
20km/h以上25km/h未満 | 2点 |
25km/h以上30km/h未満 | 3点 |
30km/h以上50km/h未満 | 6点 |
50km/h以上 | 12点 |
スピード違反(高速道路)の反則点数
スピード違反(高速道路)の反則点数も、超過した速度によって決まります。
超過した速度が時速20km未満なら1点、20km以上25km未満なら2点、25km以上40km未満なら3点、40km以上50km未満なら6点、50km以上なら12点です。
一般道路と同様に、6点以上で免許停止や取り消しの対象となり、前歴や累積点数によっても処分が変わります。
高速道路でのスピード違反の反則点数は以下の表の通りです。
超過速度 | 反則点数 |
---|---|
20km/h未満 | 1点 |
20km/h以上25km/h未満 | 2点 |
25km/h以上40km/h未満 | 3点 |
40km/h以上50km/h未満 | 6点 |
50km/h以上 | 12点 |
スピード違反による免停の条件
免停とは、一定期間(最低30日)自動車を運転できなくなる処分です。免停処分を受けた場合は行政処分前歴として残ります。
免許停止になる基準点数は、過去3年以内の行政処分前歴の回数によって変わります。以下の表を参考にしてください
前歴の回数 | 免停になる累積違反点数 | 免停期間 |
---|---|---|
0回 | 6点~14点 | 30日~90日 |
1回 | 4点~9点 | 60日~120日 |
2回 | 2点~4点 | 90日~150日 |
3回以上 | 2点・3点 | 120日~180日 |
前歴回数・累積違反点数が多いほど、免停期間も長期になります。
上記から外れるほど違反点数が高い場合は、一時的な免停ではなく免許取り消しになるおそれがあります。
6点以上の違反で一発免停
一般道路では時速30km以上、高速道路では時速40km以上の超過速度でスピード違反をすると、一発で免許停止(免停)になります。
また、免停期間中に運転した場合は無免許運転となり、刑事罰を受けます。
免停になると免許証を預けることに
免停になると、免許証を返納し、警察に預けることになります。
返納した免許は免停期間が終わると、返還してもらえます。
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スピード違反の取り締まり方法
オービスによる取り締まりが一般的
スピード違反の取り締まり方法の中で最も一般的なのは、オービスによる取り締まりです。
オービスとは、スピード違反を検知する装置で、速度超過した車両を検知し、運転者の顔とナンバープレートを自動撮影します。
オービスに検知され自動撮影されると、後日、警察から通知書が送られてきて、反則金・反則点数といった処分が行われます。
オービスについては下記ページでも詳しく説明していますのでご参照ください。
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定置式速度取り締まり(ネズミ捕り)
定置式速度取り締まりとは、通称「ネズミ捕り」と呼ばれる取り締まり方法です。
道路上に設置された測定器で対象車両の速度を計測し、超過速度をした場合は警察官が車を停止させて検挙を行います。
ネズミ捕りは運転者には気づけない位置・形で行われることが多く、運転者が取締まりの実施に事前で気づくのは難しいです。
まとめ
この記事では、スピード違反について主に以下の内容を解説しました。
- スピード違反とは、制限速度や法定速度を超える速度で走行することである。
- スピード違反は交通事故の原因となりやすく、刑事処分や免許停止・取り消しの対象となる可能性がある。
- スピード違反で課される反則金や罰金は、超過速度によって異なり、罰金は前科になる。
- スピード違反で加算される反則点数6点以上で免許停止(免停)・取り消しの対象となる。
- スピード違反の取り締まりはオービスやネズミ捕りなどで行われ、運転者が事前に気づくのは難しい。
スピード違反は交通安全に大きな影響を及ぼす行為です。自分の命だけでなく、他人の命も危険にさらすことになります。また、前科や免停などの重大な結果を招くこともあります。常に安全運転を心がけて、スピード違反をしないようにしましょう。
もしスピード違反による交通事故で人身傷害や死亡などの被害が発生した場合は、刑事処分のおそれがあります。その場合は、早急に弁護士に相談することをおすすめします。
弁護士は、交通事故による刑事処分回避のために動くとともに、被害者との示談交渉などについても適切なアドバイスやサポートを提供してくれます。
スピード違反による交通事故への対応は、ぜひ弁護士にご相談ください。
交通事故に強い【おすすめ】の弁護士に相談
交通事故一人で悩まずご相談を
- 保険会社の慰謝料提示額に納得がいかない
- 交通事故を起こした相手や保険会社とのやりとりに疲れた
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